TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024086901
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-28
出願番号2024065471,2021540990
出願日2024-04-15,2020-08-21
発明の名称樹脂成形体及びその使用、並びにフレキシブルディスプレイ
出願人株式会社日本触媒
代理人個人,個人,個人
主分類C08F 220/12 20060101AFI20240621BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】溶媒を用いた重合によるα-メチレンラクトン由来の構成単位を含む共重合体の製造方法であって、得られる共重合体の透明性を改善することが可能な製造方法を提供することを主な目的とする。
【解決手段】α-メチレンラクトン由来の構成単位及び炭素数1~6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル由来の構成単位を含む共重合体を含有する樹脂成形体が提供される。共重合体の重量平均分子量は220000以上1000000以下である。共重合体のガラス転移温度は110℃以上160℃以下である。樹脂成形体は延伸されたフィルムである。樹脂成形体の15mm×80mmの大きさに切り出した試験片は所定の方法によって10万回屈曲を繰り返しても破断しないという条件を満たす。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
α-メチレンラクトン由来の構成単位及び炭素数1~6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル由来の構成単位を含む共重合体を含有する樹脂成形体であって、
前記共重合体の重量平均分子量が220000以上1000000以下であり、
前記共重合体のガラス転移温度が110℃以上160℃以下であり、
延伸されたフィルムであり、
15mm×80mmの大きさに切り出した試験片が以下の条件を満たす、樹脂成形体。
<条件>
前記試験片を長辺の半分の位置で折り曲げ、折り畳まれた状態の前記試験片の長辺の両端部間の距離が5mmとなり、かつ前記試験片の折り曲げ部分の曲率半径が2.5mmとなるように折り畳まれた状態を設定し、
25℃の環境下で、平坦に開いた状態から前記折り畳まれた状態にすることを1回の屈曲として、1分間に30回の屈曲回数となる速度で10万回屈曲を繰り返しても破断しない。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
α-メチレンラクトン由来の構成単位及び炭素数1~6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル由来の構成単位を含む共重合体を含有する樹脂成形体であって、
前記共重合体の重量平均分子量が220000以上1000000以下であり、
前記共重合体のガラス転移温度が110℃以上160℃以下であり、
フレキシブルディスプレイ用フィルムである、樹脂成形体。
【請求項3】
厚さ100μm当たりの内部ヘイズが2.5%未満である、請求項1又は2に記載の樹脂成形体。
【請求項4】






表色系の厚さ100μm当たりの内部b

値が1.6未満である、請求項1又は2に記載の樹脂成形体。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の樹脂成形体を含む、フレキシブルディスプレイ。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の樹脂成形体のフレキシブルディスプレイを構成するフィルムとしての使用。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、共重合体及びその製造方法、共重合体混合物、ドープ樹脂組成物、並びに樹脂成形体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
α-メチレンラクトン由来の構成単位を含む共重合体は、透明性、耐熱性、光学等方性に優れ、光学用途への適用が期待されている。例えば、特許文献1には、所定のα-メチレンラクトン由来の構成単位を含む共重合体(樹脂)の成形体であるフィルム等が、光学用部材の用途に適することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-179813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般にα-メチレンラクトン由来の構成単位を含む共重合体は、溶媒に対する溶解性が低い傾向にあることから、無溶媒又はジメチルスルホキシド(DMSO)溶媒で重合が行われる。しかし、無溶媒での重合では重合熱を除熱することができず、DMSO溶媒での重合では溶媒自体が加熱により分解して有害物質が発生すること、また特定の条件で爆発性を有していることから、安全面に課題があり、工業化に適していない。また、本発明者らの検討によると、DMSO溶媒で重合を行うと、得られるα-メチレンラクトン由来の構成単位を含む共重合体が着色してしまい、透明性が低下してしまう傾向にあることを見出した。
【0005】
そこで、本発明は、溶媒を用いた重合によるα-メチレンラクトン由来の構成単位を含む共重合体の製造方法であって、得られる共重合体の透明性を改善することが可能な製造方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の[1]~[8]に記載の共重合体の製造方法、[9]~[11]に記載の共重合体、[12]~[14]に記載の共重合体混合物、[15]に記載のドープ樹脂組成物、[16]に記載の樹脂成形体、及び[17]、[18]に記載の樹脂成形体の製造方法を提供する。
[1]α-メチレンラクトン由来の構成単位及び炭素数1~6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル由来の構成単位を含む共重合体の製造方法であって、溶媒の存在下、α-メチレンラクトン及び(メタ)アクリル酸アルキルを含む単量体を重合させる工程を備え、溶媒が、下記条件(A)又は下記条件(B)のいずれかを満たす溶媒である、共重合体の製造方法。
条件(A):環状アミド及び環状エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒である。
条件(B):100℃未満の沸点を有する第1の溶媒及び100℃以上の沸点を有する第2の溶媒からなる混合溶媒であって、第1の溶媒がケトン及び塩化アルキルからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、第2の溶媒が環状ケトン、環状エステル、アミド、及びスルホキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、沸点が70~120℃である混合溶媒である。
[2]溶媒が、条件(A)を満たす溶媒である、[1]に記載の共重合体の製造方法。
[3]溶媒が、条件(B)を満たす溶媒である、[1]に記載の共重合体の製造方法。
[4]第1の溶媒がアセトンである、[3]に記載の共重合体の製造方法。
[5]第2の溶媒が環状ケトンである、[3]又は[4]に記載の共重合体の製造方法。
[6]環状ケトンがシクロヘキサノンである、[5]に記載の共重合体の製造方法。
[7]第2の溶媒が環状エステル、アミド、及びスルホキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[3]又は[4]に記載の共重合体の製造方法。
[8]第2の溶媒がγ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N,N’-ジメチルイミダゾリジノン、及びジメチルスルホキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[7]に記載の共重合体の製造方法。
[9]α-メチレンラクトン由来の構成単位及び炭素数1~6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル由来の構成単位を含み、フィルムにしたときの厚さ100μm当たりの内部ヘイズが2.5%未満である、共重合体。
[10]α-メチレンラクトン由来の構成単位及び炭素数1~6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル由来の構成単位を含み、かつ重量平均分子量が200000以上1000000以下である、共重合体。
[11]フィルムにしたときのL





表色系の厚さ100μm当たりの内部b

値が1.6未満である、[9]又は[10]に記載の共重合体。
[12][9]~[11]のいずれかに記載の共重合体と、環状アミド、環状エステル、及び環状ケトンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有する、共重合体混合物。
[13]α-メチレンラクトン由来の構成単位及び炭素数1~6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル由来の構成単位を含む共重合体と、環状アミド、環状エステル、及び環状ケトンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有する、共重合体混合物。
[14]化合物の含有量が、共重合体の全量を基準として、10~3000質量ppmである、[12]又は[13]に記載の共重合体混合物。
[15][9]~[11]のいずれかに記載の共重合体と、分散媒とを含有するドープ樹脂組成物であって、共重合体の含有量が、ドープ樹脂組成物の全量を基準として、5質量%以上である、ドープ樹脂組成物。
[16][9]~[11]のいずれかに記載の共重合体又は[12]~[14]のいずれかに記載の共重合体混合物を含有する、樹脂成形体。
[17][9]~[11]のいずれかに記載の共重合体又は[12]~[14]のいずれかに記載の共重合体混合物を含有する樹脂組成物を成形して樹脂成形体を得る工程を備える、樹脂成形体の製造方法。
[18][15]に記載のドープ樹脂組成物を塗工する工程と、塗工されたドープ樹脂組成物から分散媒を除去して樹脂成形体を得る工程とを備える、樹脂成形体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、溶媒を用いた重合によるα-メチレンラクトン由来の構成単位を含む共重合体の製造方法であって、得られる共重合体の透明性を改善することが可能な製造方法が提供される。いくつかの形態に係る共重合体の製造方法は、還流下で重合反応を行うことが容易となる。また、本発明によれば、このような製造方法によって得られる共重合体及び当該共重合体を含有する共重合体混合物を提供する。いくつかの形態に係る共重合体混合物は、形成されるフィルムへの加工負荷の低減、形成されるフィルムの強度等においても優れる傾向にある。さらに、本発明によれば、当該共重合体又は当該共重合体混合物を用いたドープ樹脂組成物並びに樹脂成形体及びその製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0009】
本明細書において、「樹脂(組成物)」は、「(共)重合体」よりも広い概念である。樹脂は、例えば、1種又は2種以上の(共)重合体から構成されていてもよいし、必要に応じて、(共)重合体以外の酸化防止剤等の添加剤を含有していてもよい。
【0010】
[共重合体の製造方法]
一実施形態に係る共重合体の製造方法は、α-メチレンラクトン由来の構成単位及び炭素数1~6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル由来の構成単位を含む共重合体の製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

ユニチカ株式会社
シート
1日前
東ソー株式会社
ゴム組成物
1か月前
株式会社日本触媒
樹脂組成物
6日前
株式会社日本触媒
硬化性組成物
27日前
三洋化成工業株式会社
複合粒子
1か月前
株式会社ラボ
離型フィルム
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
8日前
大同化成株式会社
樹脂組成物
7日前
ユニチカ株式会社
ポリアミドイミド
1か月前
花王株式会社
乳化組成物
1か月前
三洋化成工業株式会社
成形用樹脂組成物
1か月前
大同化成株式会社
軟質樹脂組成物
7日前
積水フーラー株式会社
硬化性組成物
20日前
アキレス株式会社
塩化ビニル系樹脂フィルム
1か月前
グンゼ株式会社
導電性フィルム
1か月前
株式会社クラベ
耐摩耗性絶縁組成物及び電線
23日前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
22日前
日本エステル株式会社
ポリエステル樹脂組成物
13日前
三井化学株式会社
シートまたはフィルム
1か月前
三水株式会社
中空粒子の製造方法
27日前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
1か月前
NOK株式会社
クロロプレンゴム組成物
20日前
トヨタ自動車株式会社
海藻資源化システム
1か月前
トヨタ自動車株式会社
海藻資源化システム
1か月前
東ソー株式会社
廃プラスチックのリサイクル方法
1か月前
上野製薬株式会社
液晶ポリマー組成物
1か月前
東レ株式会社
ポリフェニレンサルファイドフィルム
1か月前
YKK AP株式会社
樹脂組成物の製造方法
1か月前
上野製薬株式会社
液晶ポリマー組成物
23日前
上野製薬株式会社
液晶ポリマー組成物
23日前
東洋紡株式会社
芳香族ポリエーテルケトンフィルム
26日前
上野製薬株式会社
液晶ポリマー組成物
1か月前
住友ゴム工業株式会社
医療用ゴム製品
9日前
YKK AP株式会社
樹脂組成物の製造方法
1か月前
株式会社スリーダムアライアンス
ポリイミド多孔膜
1日前
続きを見る