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公開番号2024077783
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-10
出願番号2022189930
出願日2022-11-29
発明の名称液晶ポリマー組成物
出願人上野製薬株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 101/12 20060101AFI20240603BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、液晶ポリマーの特性を保持しつつ、高誘電率を示す液晶ポリマー組成物および該組成物を用いた電気・電子部品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、液晶ポリマー100質量部、板状充填材3~70質量部およびチタン系フィラー10~150質量部を含有し、10GHzにおける誘電率が4超である液晶ポリマー組成物に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
液晶ポリマー100質量部、板状充填材3~70質量部およびチタン系フィラー10~150質量部を含有し、10GHzにおける誘電率が4超である、液晶ポリマー組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
液晶ポリマーは、式(I)および式(II)
TIFF
2024077783000013.tif
24
62
で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂である、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。
【請求項3】
液晶ポリマーは、式(I)~式(IV)
TIFF
2024077783000014.tif
28
120
[式中、Ar

およびAr

はそれぞれ2価の芳香族基を表す]
で表される繰返し単位を含む全芳香族液晶ポリエステル樹脂である、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。
【請求項4】
式(III)~(IV)で表される繰返し単位は、Ar

およびAr

がそれぞれ互いに独立して、式(1)~(4)
TIFF
2024077783000015.tif
20
121
で表される芳香族基から選択される、それぞれ1種以上の繰返し単位である、請求項3に記載の液晶ポリマー組成物。
【請求項5】
式(III)で表される繰返し単位は、Ar

が式(1)で表される芳香族基である繰返し単位であり、式(IV)で表される繰返し単位は、Ar

が式(1)で表される芳香族基である繰返し単位および/または式(3)で表される芳香族基である繰返し単位である、請求項4に記載の液晶ポリマー組成物。
【請求項6】
板状充填材は、マイカおよび/またはタルクである、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。
【請求項7】
板状充填材の平均粒子径は1~50μmである、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。
【請求項8】
チタン系フィラーは、酸化チタンおよび/またはチタン酸カルシウムである、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。
【請求項9】
チタン系フィラーの平均粒子径は0.1~10μmである、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。
【請求項10】
チタン系フィラーは、シラン系カップリング剤で表面処理されたものである、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的特性に優れるとともに、高周波帯域における誘電特性に優れる液晶ポリマー組成物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子機器は高性能化・機能複合化が進み、一つの製品に多くのセンサー・コネクタ・アンテナ等の部品が混在している。これらの電気信号の授受する際には信号を送り出す側のインピーダンス値と信号を受け取る側のインピーダンス値を同じにする「インピーダンスマッチング」が必要となる。インピーダンスマッチングの方法はいくつかあるが、ほとんどは設計によってインピーダンスを調整でき、材料由来となるものは誘電率のみである。そのような背景から、これまで端子や成形形状といった設計側でインピーダンスマッチングを対処されてきたが、近年の小型化・高性能化に伴い設計での調整に限界が近づいている。そのため、さらなる高性能化が見込まれた際に材料に頼らざるを得ない状況になりつつある。そのような面から、高周波化された情報通信装置に用いられる材料としては、高周波帯域(特にギガヘルツ帯域)における誘電特性に優れ、生産性や軽量性に優れたエンジニアリングプラスチック材料が有望視されており、各種通信機器、電子デバイスなどの筐体やパッケージ、誘電体デバイス等としての適用が期待されている。
【0003】
上述のエンジニアリングプラスチックの中でも、液晶ポリマーは、
(1)誘電率(εr)が使用周波数領域帯域で一定であり、誘電正接(tanδ)が低いなど誘電特性に優れる、
(2)低膨張特性(環境寸法安定性)、耐熱性、難燃性、剛性等の機械物性など種々の物性に優れている、
(3)成形時の流動性に優れ、薄肉部、微細部を有する成形品を容易に加工できる、
などの優れた性質を有することから、高周波用途において特に期待されている材料である。
【0004】
液晶ポリマーは、誘電特性、耐熱性、成型加工性などが特に優れることから、高誘電体であるセラミック粉を含む全芳香族液晶ポリエステルについて、近年、活発に開発が進んでいる。
【0005】
しかし、高誘電体セラミック粉を多量に含む、特許文献1~3に記載の液晶ポリエステルは、誘電特性は優れるものの、機械強度や寸法安定性、流動性に劣るものであり、コネクタやセンサーといった微細・薄肉な成形品に適さない特性がみられる。
【0006】
したがって、誘電特性に優れると共に、機械強度や寸法安定性、流動性に優れる液晶ポリマー組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2003-73555号公報
特開2006-233118号公報
特開2011-52037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、機械強度、寸法安定性、流動性など液晶ポリマーの特性を保持しつつ、高誘電率を示す液晶ポリマー組成物および該組成物を用いた電気・電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、液晶ポリマーに、板状充填材およびチタン系フィラーを特定の割合で配合することにより、液晶ポリマーの機械強度や寸法安定性、流動性を保持しつつ、誘電率が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕液晶ポリマー100質量部、板状充填材3~70質量部およびチタン系フィラー10~150質量部を含有し、10GHzにおける誘電率が4超である、液晶ポリマー組成物。
〔2〕液晶ポリマーは、式(I)および式(II)
JPEG
2024077783000001.jpg
24
62
で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂である、〔1〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔3〕液晶ポリマーは、式(I)~式(IV)
JPEG
2024077783000002.jpg
28
120
[式中、Ar

およびAr

はそれぞれ2価の芳香族基を表す]
で表される繰返し単位を含む全芳香族液晶ポリエステル樹脂である、〔1〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔4〕式(III)~(IV)で表される繰返し単位は、Ar

およびAr

がそれぞれ互いに独立して、式(1)~(4)
JPEG
2024077783000003.jpg
20
121
で表される芳香族基から選択される、それぞれ1種以上の繰返し単位である、〔3〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔5〕式(III)で表される繰返し単位は、Ar

が式(1)で表される芳香族基である繰返し単位であり、式(IV)で表される繰返し単位は、Ar

が式(1)で表される芳香族基である繰返し単位および/または式(3)で表される芳香族基である繰返し単位である、〔4〕に記載の液晶ポリマー組成物。
〔6〕板状充填材は、マイカおよび/またはタルクである、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物。
〔7〕板状充填材の平均粒子径は1~50μmである、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物。
〔8〕チタン系フィラーは、酸化チタンおよび/またはチタン酸カルシウムである、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物。
〔9〕チタン系フィラーの平均粒子径は0.1~10μmである、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物。
〔10〕チタン系フィラーは、シラン系カップリング剤で表面処理されたものである、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物。
〔11〕10GHzにおける誘電正接が0.005以下である、〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物。
〔12〕ASTM D790に準拠して測定した曲げ強度は110MPa以上である、〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物。
〔13〕〔1〕~〔12〕のいずれかに記載の液晶ポリマー組成物から構成される成形品。
〔14〕成形品は、コネクタ、スイッチ、リレー、コンデンサ、コイル、トランスおよびアンテナからなる群から選択される1種を構成する部品である、〔13〕に記載の成形品。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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