TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024086421
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022201533
出願日2022-12-16
発明の名称複合ポリマー材料及びその製造方法並びに光学材料
出願人国立大学法人大阪大学,信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C08L 83/04 20060101AFI20240620BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】力学特性に優れる新規な複合ポリマー材料及びその製造方法並びに複合ポリマー材料を含む光学材料を提供する。
【解決手段】本発明の複合ポリマー材料は、ポリシロキサン骨格を主鎖として有するシリコーン系ポリマーSと、ポリシロキサン骨格以外の骨格を主鎖として有するポリマーPとが架橋されてなる架橋ポリマーを含み、前記シリコーン系ポリマーSと、前記ポリマーPとの間には、ホスト基及びゲスト基に基づくホスト-ゲスト相互作用が形成されており、前記ホスト基は、シクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体から1個の水素原子又は水酸基が除された1価の基である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリシロキサン骨格を主鎖として有するシリコーン系ポリマーSと、ポリシロキサン骨格以外の骨格を主鎖として有するポリマーPとが架橋されてなる架橋ポリマーを含み、
前記シリコーン系ポリマーSと、前記ポリマーPとの間には、ホスト基及びゲスト基に基づくホスト-ゲスト相互作用が形成されており、
前記ホスト基は、シクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体から1個の水素原子又は水酸基が除された1価の基である、複合ポリマー材料。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記ホスト-ゲスト相互作用は、シリコーン系ポリマーSの側鎖と前記ポリマーPの側鎖との間に形成されている、請求項1に記載の複合ポリマー材料。
【請求項3】
前記ホスト-ゲスト相互作用は、シリコーン系ポリマーSの側鎖と前記ポリマーPの末端との間に形成されている、請求項1に記載の複合ポリマー材料。
【請求項4】
前記ポリマーPは、ビニル系ポリマーである、請求項2に記載の複合ポリマー材料。
【請求項5】
前記ポリマーPは、重付加系ポリマー及び重縮合系ポリマーからなる群より選ばれる1種以上である、請求項3に記載の複合ポリマー材料。
【請求項6】
前記シリコーン系ポリマーSが少なくとも1個の前記ホスト基を有し、前記ポリマーPが少なくとも1個の前記ゲスト基を有する、請求項1に記載の複合ポリマー材料。
【請求項7】
前記シリコーン系ポリマーSと、前記ポリマーPとの間に水素結合が更に形成されている、請求項1に記載の複合ポリマー材料。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の複合ポリマー材料を含有する、光学材料。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の複合ポリマー材料の製造方法であって、
前記シリコーン系ポリマーSの存在下でポリマーPを合成することにより前記架橋ポリマーを形成させる工程を具備する、複合ポリマー材料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複合ポリマー材料及びその製造方法並びに光学材料に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
シロキサン結合(Si-O結合)を主骨格に有するシリコーン系ポリマー(ポリシロキサン)は、有機高分子にはない特有の性質を有することが知られており、様々な分野で利用されている。シロキサン結合は、一般の有機高分子に存在する炭素-炭素あるいは炭素-酸素結合よりも強い結合力をもち、化学的に安定な性質を有することから、シロキサン結合を繰り返し有して形成されるポリシロキサンは、例えば、優れた耐熱性及び耐候性を備える。また、ポリシロキサンは、無機性のシロキサン結合が内側、有機性の側鎖置換基が外側に配置されたらせん構造を形成することができるので、柔軟かつ撥水性を有し、生体毒性も低い。従って、ポリシロキサンは、医用器具、ゴム、塗料、保護フィルム等の各種用途において、利用価値が高い材料である。
【0003】
近年では、ポリシロキサンをベースとするような材料に対して、さらに機能性を付与することが行われている。例えば、非特許文献1には、ポリシロキサン骨格中に水素結合可能な官能基を導入し、かかる官能基の水素結合を通じて自己修復性を発揮させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Adv.Mater.2018,30,1706846
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近ではポリシロキサンを様々な用途に適用すべく、更なる機能をポリシロキサンに付加させることが強く望まれている。特にポリシロキサンに代表されるシリコーン材料は、汎用樹脂とは異なる特性を示すので、種々の分野に応用されることが期待されている。従って、新規シリコーン材料を創生することが産業界からも強く求められており、例えば、シリコーン系ポリマーを含み、力学特性に優れた新規な複合ポリマー材料の利用価値は極めて高いといえる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、力学特性に優れる新規な複合ポリマー材料及びその製造方法並びに複合ポリマー材料を含む光学材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のポリシロキサン骨格を主鎖として有するシリコーン系ポリマーと、特定のポリシロキサン骨格以外の骨格を主鎖として有するポリマーPとの架橋ポリマーにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
項1
ポリシロキサン骨格を主鎖として有するシリコーン系ポリマーSと、ポリシロキサン骨格以外の骨格を主鎖として有するポリマーPとが架橋されてなる架橋ポリマーを含み、
前記シリコーン系ポリマーSと、前記ポリマーPとの間には、ホスト基及びゲスト基に基づくホスト-ゲスト相互作用が形成されており、
前記ホスト基は、シクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体から1個の水素原子又は水酸基が除された1価の基である、複合ポリマー材料。
項2
前記ホスト-ゲスト相互作用は、シリコーン系ポリマーSの側鎖と前記ポリマーPの側鎖との間に形成されている、項1に記載の複合ポリマー材料。
項3
前記ホスト-ゲスト相互作用は、シリコーン系ポリマーSの側鎖と前記ポリマーPの末端との間に形成されている、項1に記載の複合ポリマー材料。
項4
前記ポリマーPは、ビニル系ポリマーである、項2に記載の複合ポリマー材料。
項5
前記ポリマーPは、重付加系ポリマー及び重縮合系ポリマーからなる群より選ばれる1種以上である、項3に記載の複合ポリマー材料。
項6
前記シリコーン系ポリマーSが少なくとも1個の前記ホスト基を有し、前記ポリマーPが少なくとも1個の前記ゲスト基を有する、項1~5のいずれか1項に記載の複合ポリマー材料。
項7
前記シリコーン系ポリマーSと、前記ポリマーPとの間に水素結合が更に形成されている、項1~6のいずれか1項に記載の複合ポリマー材料。
項8
項1~7のいずれか1項に記載の複合ポリマー材料を含有する、光学材料。
項9
項1~7のいずれか1項に記載の複合ポリマー材料の製造方法であって、
前記シリコーン系ポリマーSの存在下でポリマーPを合成することにより前記架橋ポリマーを形成させる工程を具備する、複合ポリマー材料の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の複合ポリマー材料は、力学特性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
シリコーン系ポリマーSの側鎖と前記ポリマーPの側鎖との間にホスト-ゲスト相互作用が形成されてなる架橋ポリマーの模式的図である。
シリコーン系ポリマーSの側鎖と前記ポリマーPの両末端との間にホスト-ゲスト相互作用が形成されてなる架橋ポリマーを模式図である。
実施例1-1で得たシリコーン系ポリマーShの反応スキーム及びシリコーン系ポリマーShとポリマーPgとの架橋ポリマーの反応スキームである。
各実施例で得られた架橋ポリマーの引張試験の結果であって、(a)は応力-ひずみ曲線、(b)はヤング率とタフネスの相関を示すグラフである。
各実施例で得られた架橋ポリマーの引張試験の結果であって、(a)は応力-ひずみ曲線、(b)はヤング率とタフネスの相関を示すグラフである。
各実施例で得られた架橋ポリマーの自己修復性能の評価結果であって、(a)は、「24時間室温で静置」させた試験片の引張試験の応力-ひずみ曲線、(b)は、「12時間70℃で静置」させた試験片の引張試験の応力-ひずみ曲線、(c)は修復率(%)の結果である。
各実施例で得られた架橋ポリマーの引張試験の結果であって、(a)は応力-ひずみ曲線、(b)はヤング率とタフネスの相関を示すグラフである。
各実施例で得られた架橋ポリマーの自己修復性能の評価結果であって、(a)は、試験片の引張試験の応力-ひずみ曲線、(b)は、修復率(%)の結果である。
各実施例で得られた架橋ポリマーの引張試験の結果であって、(a)は応力-ひずみ曲線、(b)はヤング率とタフネスの相関を示すグラフである。
各実施例で得られた架橋ポリマーの自己修復性能の評価結果であって、(a)は、「24時間室温で静置」させた試験片の引張試験の応力-ひずみ曲線、(b)は、「12時間70℃で静置」させた試験片の引張試験の応力-ひずみ曲線、(c)は修復率(%)の結果である。
実施例6-1で得た架橋ポリマーの反応スキームである。
各実施例で得られた架橋ポリマーの引張試験の結果であって、(a)は応力-ひずみ曲線、(b)はヤング率とタフネスの相関を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東レ株式会社
フィルム
18日前
日精株式会社
プリプレグ
1か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
28日前
東レ株式会社
多孔質フィルム
1か月前
東レ株式会社
フィルムロール
21日前
東ソー株式会社
エチレン系重合体
10日前
東ソー株式会社
ゴム支承用加硫ゴム
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
18日前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
1か月前
東ソー株式会社
エチレン系重合用触媒
1か月前
松本油脂製薬株式会社
粒子及びその用途
1か月前
株式会社スリーボンド
導電性樹脂組成物
27日前
JNC株式会社
白色熱硬化性樹脂組成物
11日前
株式会社大阪ソーダ
熱伝導用素材組成物
20日前
東ソー株式会社
ポリエチレン系樹脂組成物
1か月前
株式会社カネカ
液状ポリオレフィン組成物
10日前
四国化成工業株式会社
難燃剤及びその用途
1か月前
三菱ケミカル株式会社
ポリウレタン
1か月前
愛媛県
リサイクル炭素繊維の回収方法
10日前
トヨタ自動車株式会社
ホイールキャップ
28日前
信越ポリマー株式会社
アロイ樹脂
1か月前
東ソー株式会社
塩素化ポリマー及びその製造法
3日前
豊田合成株式会社
使用済樹脂の再生方法
10日前
三井化学ファイン株式会社
発泡通気シート
1か月前
東レ株式会社
ポリオレフィンフィルムの製造方法
1か月前
東レ株式会社
再生二軸配向ポリエステルフィルム
3日前
東ソー株式会社
廃プラスチックのリサイクル方法
1か月前
帝人株式会社
熱可塑性樹脂および光学部材
1か月前
住友ベークライト株式会社
封止用樹脂組成物
3日前
株式会社スリーダムアライアンス
ポリイミド多孔膜
6日前
東京インキ株式会社
食品容器用マスターバッチ
1か月前
東ソー株式会社
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
1か月前
旭化成株式会社
ゴム組成物
1か月前
上野製薬株式会社
液晶ポリエステル樹脂
1か月前
三菱ケミカル株式会社
ポリエーテルポリオール
1か月前
上野製薬株式会社
液晶ポリエステル樹脂
1か月前
続きを見る