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公開番号2024079998
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022192793
出願日2022-12-01
発明の名称ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品及び複合構造体の製造方法
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08J 7/00 20060101AFI20240606BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】環境負荷が小さく、かつ、簡便な方法で、表面の反応性を向上させたポリアリーレンスルフィド(PAS)樹脂成形品の製造方法を提供すること。
【解決手段】PAS樹脂を含むPAS樹脂組成物を溶融成形して成形品を得る工程(1)、及び、前記成形品をアニール処理する工程(2)を有するPAS樹脂成形品の製造方法であって、前記工程(1)における成形品がPAS樹脂の非晶部を含むものであること、前記工程(2)が成形品をPAS樹脂のガラス転移温度-30℃以上の水溶液に接触させるものであること、を特徴とするPAS樹脂成形品の製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアリーレンスルフィド樹脂を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を溶融成形して成形品を得る工程(1)、及び、
前記成形品をアニール処理する工程(2)を有するポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法であって、
前記工程(1)における成形品がポリアリーレンスルフィド樹脂の非晶部を含むものであること、
前記工程(2)が成形品をポリアリーレンスルフィド樹脂のガラス転移温度-30℃以上の水溶液に接触させるものであること、を特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂に含まれる末端カルボキシ基量が10~180μmol/gの範囲である、請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法。
【請求項3】
前記工程(2)で接触させる水溶液が、酸を含むものである、請求項1又は2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法。
【請求項4】
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が、反応性官能基を有する物質を含む、請求項1又は2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法。
【請求項5】
得られる成形品の、流動電位法によりpH7.8~8.2の条件下で測定したゼータ電位が-70~-50mVの範囲である、請求項1又は2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2記載の製造方法で得られたポリアリーレンスルフィド樹脂成形品と、熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂部材とを接合する工程を有する、複合構造体の製造方法。
【請求項7】
請求項1又は2記載の製造方法で得られたポリアリーレンスルフィド樹脂成形品と、熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂部材とを接合する工程を有する、複合構造体の製造方法であって、
前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、及び、フェノール樹脂からなる群から少なくとも1種の樹脂を含む、複合構造体の製造方法。
【請求項8】
請求項1又は2記載の製造方法で得られたポリアリーレンスルフィド樹脂成形品と、金属部材とを接合する工程を有する、複合構造体の製造方法。
【請求項9】
請求項1又は2記載の製造方法で得られたポリアリーレンスルフィド樹脂成形品を接合部材として用いる方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品及び複合構造体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、これを「PPS樹脂」と略記する。)に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、これを「PAS樹脂」と略記する。)は、成形品表面の結晶性に由来して、耐薬品性等に優れ、電気電子部品、自動車部品、給湯機部品、繊維、フィルム用途等に幅広く利用されている。
【0003】
一方、PAS樹脂は優れた耐薬品性に起因して他の材料との親和性が低く、また、基本骨格中に反応性官能基を有さないことから、他の材料と接合した際に化学的な相互作用に起因する接合強度に課題があった。そのため、接合前の成形品の表面をあらかじめ親水化処理することがあり、その方法がいくつか開示されている。
【0004】
例えば、PPS樹脂中に光触媒を配合し長波長の紫外線を照射することで、極性官能基を樹脂表面に生成することが開示されている(特許文献1等)。しかしながら、成形品表面に光触媒が残存すると、紫外線による樹脂分解を促進するため、耐久性に劣る可能性がある。また、硫酸濃度が60~90重量%の電気分解した溶液でPPS樹脂の表面を処理することで、親水性の官能基が表面に露出することが開示されている(特許文献2等)。しかしながら、特定の装置を必要とすることや、排水にかかる環境への負荷を考慮する必要があり実用的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-168397号公報
特開2019-81927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明が解決しようとする課題は、環境負荷が小さく、かつ、簡便な方法で、表面の反応性を向上させたPAS樹脂成形品の製造方法を提供することにある。また、当該成形品を用いた複合成形品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者らは種々の検討を行った結果、PAS樹脂組成物を溶融成形してなる非晶部を含む成形品を、PAS樹脂のガラス転移温度以上の水溶液に接触させることで、PAS樹脂成形品の表面の反応性の向上が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、PAS樹脂を含むPAS樹脂組成物を溶融成形して成形品を得る工程(1)、及び、前記成形品をアニール処理する工程(2)を有するPAS樹脂成形品の製造方法であって、前記工程(1)における成形品がPAS樹脂の非晶部を含むものであること、前記工程(2)が成形品をPAS樹脂のガラス転移温度-30℃以上の水溶液に接触させるものであること、を特徴とするPAS樹脂成形品の製造方法に関する。
【0009】
また、本発明は、前記記載の製造方法で得られたPAS樹脂成形品と、熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂部材を接合してなる複合構造体の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、環境負荷が小さく、かつ、簡便な方法で、表面の反応性を向上させたPAS樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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