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公開番号2024079606
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2023193351
出願日2023-11-14
発明の名称高分子分散剤
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C08F 220/36 20060101AFI20240604BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】油中分散体のスラリー粘度を低減することで塗布性及び成形性を向上することができ、及びハロゲン系樹脂組成物加工性を向上し、耐低温屈曲性を向上することのできる高分子分散剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるモノマー由来の構成単位と、水酸基を有するモノマー由来の構成単位とを含む非水系溶剤用の高分子分散剤に関する。
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(一般式(1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ、水素元素及びメチル基から選択され、X1は、酸素元素、エステル基、アミド基、又は-CH2O-を表し、Y1は、炭素数2~4のアルキレングリコールの繰り返し単位を表し、R4は、水素元素又は炭素数1~20のアルキル基を表す。nは、前記アルキレングリコールの繰り返し単位数を表す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)で表されるモノマー由来の構成単位と、水酸基を有するモノマー由来の構成単位とを含む高分子分散剤。
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2024079606000026.jpg
25
59
(一般式(1)中、R

、R

、及びR

は、それぞれ、水素元素及びメチル基から選択され、X

は、酸素元素、エステル基、アミド基、又は-CH

O-を表し、Y

は、炭素数2~4のアルキレングリコールの繰り返し単位を表し、R

は、水素元素又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。nは、前記アルキレングリコールの繰り返し単位数を表す。)
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記高分子分散剤が、以下の高分子分散剤A~Cのいずれか1つである、請求項1に記載の高分子分散剤。
高分子分散剤A:分子量が400以上2,000以下の下記一般式(1a)で表されるモノマー(a)由来の構成単位を20質量%以上65質量%以下と、分子量が400未満の水酸基を有するモノマー(b)由来の構成単位を5質量%以上50質量%以下と、分子量が400未満の疎水基を有するモノマー(c)由来の構成単位を30質量%以上75質量%以下とを含む化合物
JPEG
2024079606000027.jpg
25
63
(一般式(1a)中、R
1a
、R
2a
、及びR
3a
は、それぞれ、水素元素及びメチル基から選択され、X
1a
は、酸素元素、エステル基、アミド基、又は-CH

O-を表し、Y
1a
は、炭素数2~4のアルキレングリコールの繰り返し単位を表し、R
4a
は、水素元素又は炭素数1~4のアルキル基を表す。n1は、前記アルキレングリコールの繰り返し単位数を表す。)
高分子分散剤B:分子量が300以上2,000以下の下記一般式(1b)で表されるモノマー(d)由来の構成単位を45質量%以上95質量%以下と、分子量が400未満の水酸基を有するモノマー(b)由来の構成単位を5質量%以上40質量%以下と、分子量が400未満の疎水基を有するモノマー(c)由来の構成単位を0質量%以上20質量%以下とを含む化合物
JPEG
2024079606000028.jpg
25
64
(一般式(1b)中、R
1b
、R
2b
、及びR
3b
は、それぞれ、水素元素及びメチル基から選択され、X
1b
は酸素元素、エステル基、アミド基、又は-CH

O-を表し、Y
1b
は、炭素数2~4のアルキレングリコールの繰り返し単位を表し、R
4b
は、炭素数6~18の炭化水素基を表す。n2は、前記アルキレングリコールの繰り返し単位数を表す。)
高分子分散剤C:分子量が300以上2,000以下の前記一般式(1b)で表されるモノマー(d)由来の構成単位を10質量%以上40質量%以下と、分子量が400未満の水酸基を有するモノマー(b)由来の構成単位を5質量%以上20質量%以下と、分子量が400未満の疎水基を有するモノマー(c)由来の構成単位から成るマクロモノマー由来の構成単位を60質量%以上80質量%以下とを含む化合物
【請求項3】
重量平均分子量が5,000以上120,000以下である、請求項1又は2に記載の高分子分散剤。
【請求項4】
前記アルキレングリコールの繰り返し単位数nが2以上40以下である、請求項1~3のいずれかに記載の高分子分散剤。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の高分子分散剤、無機フィラー、及び水素イオンを解離する基を有さない化合物を含む油中分散体。
【請求項6】
前記水素イオンを解離する基を有さない化合物がトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される、請求項5に記載の油中分散体。
【請求項7】
前記無機フィラーの含有量が10質量%以上80質量%以下である、請求項5又は6に記載の油中分散体。
【請求項8】
請求項1~4のいずれかに記載の高分子分散剤と、無機フィラーと、水素イオンを解離する基を有さない化合物と、ハロゲン系樹脂とを含むハロゲン系樹脂組成物。
【請求項9】
前記水素イオンを解離する基を有さない化合物のFedors法で求められるSP値が7.5(cal/cm


1/2
以上11.5(cal/cm


1/2
以下である、請求項8に記載のハロゲン系樹脂組成物。
【請求項10】
前記水素イオンを解離する基を有さない化合物が、フタル酸ジアルキル、及びトリメリット酸トリアルキルから選択される、請求項8又は9に記載のハロゲン系樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子分散剤、該高分子分散剤を含有する油中分散体、及び該高分子分散剤を含有するハロゲン系樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 4,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、金属酸化物のようなフィラーを含有する油中分散体を得るためには、溶剤として芳香族系溶剤を使用しているが、環境への影響を鑑み、近年、芳香族系溶剤を配合せず、極性の高い非芳香族系有機溶剤を使用するようになりつつある。
【0003】
塩化ビニル樹脂(PVC)等の塩素含有樹脂は、汎用ポリマーとして様々な分野で使用される重要な樹脂である。例えば、PVCは、壁紙等の住宅内装品;玩具等の汎用品;シーリング材等の自動車関係材料等の各種用途に用いられる。
塩素含有樹脂を用いる場合には、例えば、塩素含有樹脂の樹脂粉体に、可塑剤、希釈剤、減粘剤、炭酸カルシウム等のフィラー、顔料、難燃剤、発泡剤、安定剤等が配合されて、ハロゲン系樹脂組成物が調製される。しかし、フィラーが配合されたハロゲン系樹脂組成物は高粘度のものが多く、加工が困難又は不可能になることが多く見られる。また、フィラーが配合されたハロゲン系樹脂組成物の加工品は、低温において屈曲疲労による破断が起きやすいという課題も有する。
【0004】
油中分散体及びハロゲン系樹脂組成物の粘度を低減する方法として、従来から、希釈剤又は減粘剤として、ミネラルスピリット、アルキルベンゼン、パラフィン等の炭化水素系溶剤や、陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリンアルキルエステル等を用いたりしている。これら希釈剤、減粘剤は、油中分散体を調製する際、又は塩素含有樹脂の製造後やハロゲン系樹脂組成物を調製する際に加えられるが、減粘効果は十分とはいえず、特に無機フィラーが配合された場合は粘度低減が不十分であった。また、これら希釈剤、減粘剤は、炭酸カルシウム等の無機フィラーが配合された場合は、ハロゲン系樹脂組成物の加工品の屈曲疲労による破断を抑制することはできなかった。
【0005】
特許文献1には、オレフィンと不飽和二塩基酸との共重合体のアミド化物又はエステル化物で、不飽和二塩基酸に対するアミド化率又はエステル化率が10~60モル%であるものから選ばれる少なくとも1種の分散剤と、溶解度パラメーターが8.5~22(cal/cm


1/2
の非芳香族系有機溶剤とを含有する電子材料用油中分散剤組成物が開示されている。
特許文献2には、ハロゲン系樹脂組成物の粘度を低減する方法として、塩化ビニル系樹脂に対し、脂肪酸と脂肪族アルコールとからなるエステル及び(ポリ)アルキレングリコールモノあるいはジアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上の添加剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボキシレートからなる群から選ばれる1種以上の添加剤、可塑剤、及びフィラーをそれぞれ特定量含有する樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-138115号公報
特開2001-335696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1に記載の油中分散体は、低粘度化は達成されているものの、油中分散体の塗布性及び成形性には、依然として改善の余地があった。
前記特許文献2に記載の樹脂組成物は、添加剤がフィラーから吸脱着するため、樹脂組成物の粘度の低減のためには多くの量の添加剤が必要となり、成形加工後の樹脂成形品から添加剤がブリードアウトしてしまうという課題があった。また、前記特許文献2に記載の樹脂組成物をもちいたハロゲン系樹脂組成物の加工品は、屈曲疲労による破断を抑制することができないという課題があった。
本発明は、油中分散体のスラリー粘度を低減することで塗布性及び成形性を向上することができ、及びハロゲン系樹脂組成物加工性を向上し、耐低温屈曲性を向上することのできる高分子分散剤に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、特定の高分子分散剤、該高分子分散剤を含む油中分散体、及び高分子分散剤と、ハロゲン系樹脂とを含むハロゲン系樹脂組成物が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[18]に関する。
[1] 下記一般式(1)で表されるモノマー由来の構成単位と、水酸基を有するモノマー由来の構成単位とを含む高分子分散剤。
JPEG
2024079606000001.jpg
25
59
(一般式(1)中、R

、R

、及びR

は、それぞれ、水素元素及びメチル基から選択され、X

は、酸素元素、エステル基、アミド基、又は-CH

O-を表し、Y

は、炭素数2~4のアルキレングリコールの繰り返し単位を表し、R

は、水素元素又は炭素数1~20のアルキル基を表す。nは、前記アルキレングリコールの繰り返し単位数を表す。)
[2] 前記高分子分散剤が、以下の高分子分散剤A~Cのいずれか1つである、[1]に記載の高分子分散剤。
高分子分散剤A:分子量が400以上2,000以下の下記一般式(1a)で表されるモノマー(a)由来の構成単位を20質量%以上65質量%以下と、分子量が400未満の水酸基を有するモノマー(b)由来の構成単位を5質量%以上50質量%以下と、分子量が400未満の疎水基を有するモノマー(c)由来の構成単位を30質量%以上75質量%以下とを含む化合物
JPEG
2024079606000002.jpg
25
63
(一般式(1a)中、R
1a
、R
2a
、及びR
3a
は、それぞれ、水素元素及びメチル基から選択され、X
1a
は、酸素元素、エステル基、アミド基、又は-CH

O-を表し、Y
1a
は、炭素数2~4のアルキレングリコールの繰り返し単位を表し、R
4a
は、水素元素又は炭素数1~4のアルキル基を表す。n1は、前記アルキレングリコールの繰り返し単位数を表す。)
高分子分散剤B:分子量が300以上2,000以下の下記一般式(1b)で表されるモノマー(d)由来の構成単位を45質量%以上95質量%以下と、分子量が400未満の水酸基を有するモノマー(b)由来の構成単位を5質量%以上40質量%以下と、分子量が400未満の疎水基を有するモノマー(c)由来の構成単位を0質量%以上20質量%以下とを含む化合物
JPEG
2024079606000003.jpg
25
64
(一般式(1b)中、R
1b
、R
2b
、及びR
3b
は、それぞれ、水素元素及びメチル基から選択され、X
1b
は酸素元素、エステル基、アミド基、又は-CH

O-を表し、Y
1b
は、炭素数2~4のアルキレングリコールの繰り返し単位を表し、R
4b
は、炭素数6~18の炭化水素基を表す。n2は、前記アルキレングリコールの繰り返し単位数を表す。)
高分子分散剤C:分子量が300以上2,000以下の前記一般式(1b)で表されるモノマー(d)由来の構成単位を10質量%以上40質量%以下と、分子量が400未満の水酸基を有するモノマー(b)由来の構成単位を5質量%以上20質量%以下と、分子量が400未満の疎水基を有するモノマー(c)由来の構成単位から成るマクロモノマー由来の構成単位を60質量%以上80質量%以下とを含む化合物
[3] 重量平均分子量が5,000以上120,000以下である、[1]又は[2]に記載の高分子分散剤。
[4] 前記アルキレングリコールの繰り返し単位数nが2以上60以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の高分子分散剤。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載の高分子分散剤、無機フィラー、及び水素イオンを解離する基を有さない化合物を含む油中分散体。
[6] 前記水素イオンを解離する基を有さない化合物がトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される、[5]に記載の油中分散体。
[7] 前記無機フィラーの含有量が10質量%以上80質量%以下である、[5]又は[6]に記載の油中分散体。
[8] [1]~[4]のいずれかに記載の高分子分散剤と、無機フィラーと、水素イオンを解離する基を有さない化合物と、ハロゲン系樹脂とを含むハロゲン系樹脂組成物。
[9] 前記水素イオンを解離する基を有さない化合物のFedors法で求められるSP値が7.5(cal/cm


1/2
以上11.5(cal/cm


1/2
以下である、[8]に記載のハロゲン系樹脂組成物。
[10] 前記水素イオンを解離する基を有さない化合物が、フタル酸ジアルキル、及びトリメリット酸トリアルキルから選択される、[8]又は[9]に記載のハロゲン系樹脂組成物。
[11] 前記無機フィラーの含有量が、ハロゲン系樹脂100質量部に対して、1質量部以上150質量部以下である、[8]~[10]のいずれかに記載のハロゲン系樹脂組成物。
[12] [1]~[4]のいずれかに記載の高分子分散剤と、無機フィラーと、水素イオンを解離する基を有さない化合物とを混合する工程を含む、油中分散体の製造方法。
[13] [1]~[4]のいずれかに記載の高分子分散剤と、無機フィラーと、水素イオンを解離する基を有さない化合物と、ハロゲン系樹脂とを混合する工程を含む、ハロゲン系樹脂組成物の製造方法。
[14] 水酸基を有するモノマー由来の構成単位と下記一般式(1)で表されるモノマー由来の構成単位を含む化合物(I)の、分散剤としての使用。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、油中分散体に用いることで、スラリー粘度を低減することで塗布性及び成形性を向上することのできる高分子分散剤、及び低減したスラリー粘度を有することで塗布性及び成形性が向上した油中分散体を提供できる。
更に、ハロゲン系樹脂組成物に用いることでハロゲン系樹脂組成物のスラリー粘度を低減することで加工性を向上し、耐低温屈曲性を向上することのできる高分子分散剤、並びに低減したスラリー粘度を有することで加工性が向上し、耐低温屈曲性が向上したハロゲン系樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[高分子分散剤]
本発明の高分子分散剤は、下記一般式(1)で表されるモノマー由来の構成単位と、水酸基を有するモノマー由来の構成単位とを含む共重合体からなる化合物(I)である。
(【0011】以降は省略されています)

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