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公開番号2024069790
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-22
出願番号2022179992
出願日2022-11-10
発明の名称トナー
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類G03G 9/087 20060101AFI20240515BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】耐ホットオフセット性及び高温保管後の低温定着性に優れるトナーを提供すること
【解決手段】結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂(A)及び非晶性ポリエステル樹脂(B)を含有するトナーであって、前記結晶性ポリエステル樹脂(A)が、エチレングリコールを含むアルコール成分(A-al)と、脂肪族カルボン酸を含むカルボン酸成分(A-ac)と、を含有する原料モノマー(a)の重縮合物であり、前記非晶性ポリエステル樹脂(B)が、2価以上のアルコールを含むアルコール成分(B-al)と、2価以上のカルボン酸を含むカルボン酸成分(B-ac)と、両末端変性シリコーンと、を含有する原料モノマー(b)の反応物であるシリコーン変性ポリエステル樹脂である、トナー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂(A)及び非晶性ポリエステル樹脂(B)を含有するトナーであって、
前記結晶性ポリエステル樹脂(A)が、エチレングリコールを含むアルコール成分(A-al)と、脂肪族カルボン酸を含むカルボン酸成分(A-ac)と、を含有する原料モノマー(a)の重縮合物であり、
前記非晶性ポリエステル樹脂(B)が、2価以上のアルコールを含むアルコール成分(B-al)と、2価以上のカルボン酸を含むカルボン酸成分(B-ac)と、両末端変性シリコーンと、を含有する原料モノマー(b)の反応物であるシリコーン変性ポリエステル樹脂である、トナー。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記アルコール成分(A-al)中、エチレングリコールの含有量が80mol%以上である、請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記カルボン酸成分(A-ac)中、脂肪族モノカルボン酸の含有量が2mol%以上20mol%以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項4】
前記両末端変性シリコーンが、式(1)で表される繰り返し単位及び式(2)で表される構造を有する、請求項1~3のいずれかに記載のトナー。
JPEG
2024069790000011.jpg
22
53
〔式(1)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、*は結合部位である。〕
*-SiR
3-a
(R'-X)

(2)
〔式(2)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、R'はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基であり、aは1以上3以下の整数であり、Xはそれぞれ独立にアミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、又はヒドロキシ基を含む基であり、*は結合部位である。〕
【請求項5】
前記原料モノマー(b)中、前記両末端変性シリコーンの仕込み量が前記アルコール成分(B-al)及び前記カルボン酸成分(B-ac)の合計100質量部に対して1質量部以上20質量部以下である、請求項1~4のいずれかに記載のトナー。
【請求項6】
更にシリコーン変性されていない非晶性ポリエステル系樹脂(C)を含む、請求項1~5のいずれかに記載のトナー。
【請求項7】
前記非晶性ポリエステル系樹脂(C)が、複合樹脂(C1)である、請求項6に記載のトナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナーに関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応した静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の開発が求められている。このような要求に対して、低温定着性に優れるトナー用結着樹脂としてポリエステル樹脂が提唱されている。
一般に最低定着温度は低温オフセット発生温度から高温オフセット発生温度までの温度範囲にあるため、トナーが含有する結着樹脂の使用可能温度領域は、最低定着温度から高温オフセット発生温度までの温度範囲となる。そのため、可能な限り、最低定着温度を下げ、高温オフセット発生温度を上げることにより、使用定着温度を下げることができると共に使用可能温度領域を広げることができ、省エネルギー化、高速定着化の要求を満たすことができる。そのため、低温定着性及び耐ホットオフセット性に優れるトナー用結着樹脂及びトナーへの要望は高い。
しかしながら、ポリエステル樹脂は低温定着性に優れるが、オフセット現象が発生し易いという問題がある。このような、問題を改善するために、トナーが含有する結着樹脂に特定の構造を持たせることが検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、結着樹脂(A)、着色剤及びワックスを含有するコアに、樹脂(B)を含有するシェル相を形成したコアシェル構造のトナー粒子を有するトナーであって、該トナー粒子が、該コア100.0質量部に対して、3.0質量部以上15.0質量部以下の該樹脂(B)を含有し、該結着樹脂(A)の溶解度パラメータ(SP値)をSP(A)[(cal/cm


1/2
]、該樹脂(B)のSP値をSP(B)[(cal/cm


1/2
]、該樹脂(B)を構成する繰り返しユニットのうち最もSP値の小さい繰り返しユニットのSP値をSP(C)[(cal/cm


1/2
]、該ワックスのSP値をSP(W)[(cal/cm


1/2
]としたとき、SP(A)が9.00(cal/cm


1/2
以上12.00(cal/cm


1/2
以下であり、SP(W)が7.50(cal/cm


1/2
以上9.50(cal/cm


1/2
以下であり、SP(A)、SP(B)、SP(C)及びSP(W)が特定の関係を満たすことを特徴とするトナーについて記載されている。
また、特許文献2には、結着樹脂、着色剤、第一のワックス及び第二のワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、前記結着樹脂は、結晶構造をとりうるポリエステル構造部を有する樹脂Aを含有し、前記結晶構造をとりうるポリエステル構造部の含有量は、前記結着樹脂の30.0質量%以上であり、前記第一のワックス及び第二のワックスが、4官能以上のエステルワックスであり、示差走査熱量測定で測定される1回目昇温時の最大吸熱ピークのピーク温度に関し、前記結着樹脂、前記第一のワックス及び前記第二のワックスの最大吸熱ピークのピーク温度をそれぞれT(℃)、Tw1(℃)及びTw2(℃)としたとき、これらが特定の関係を満たし、前記結着樹脂100質量部に対する前記第一のワックス及び前記第二のワックスの含有量をそれぞれW1(質量部)、W2(質量部)としたとき、これらが特定の関係を満たすことを特徴とするトナーが記載されている。
更に、特許文献3には、結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、該結着樹脂は、50質量%以上のポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂は、特定の構造を有するポリエステル樹脂Aを含有し、X線光電子分光装置を用いた該トナー粒子の分析において、ポリエステル樹脂Aの構造中の-(Si(R



O)

-Si(R



-で表されるシリコーン部位に帰属されるケイ素原子数の、計測された全原子数に対する割合(ケイ素原子数/全原子数×100)をXとし、該トナー粒子の表面における該Xの値をX1、該トナー粒子の表面から深さ30nmの位置における該Xの値をX2とし、X線光電子分光装置を用いた該トナー粒子の分析において、該ポリエステル樹脂のエステル結合に帰属される炭素原子数の、計測された全原子数に対する割合(炭素原子数/全原子数×100)をZとし、該トナー粒子の表面における該Zの値をZ1、該トナー粒子の表面から深さ30nmの位置における該Zの値をZ2としたとき、該X1が、0.5原子%以上20.0原子%以下であり、X1、X2、Z1、及びZ2が特定の関係を満たすことを特徴とするトナーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-11884号公報
特開2014-109704号公報
特開2021-60582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1~3に記載のトナーは、低温定着性及び/又は耐ホットオフセット性に優れるものの、依然として高温保管後の低温定着性に改善の余地があった。
そこで、本発明は、耐ホットオフセット性及び高温保管後の低温定着性に優れるトナーに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、高温保管後のトナーの低温定着性に影響する要因が、結着樹脂の運動性にあると考えて検討を行った。その結果、エチレングリコールを含むアルコール成分と、脂肪族カルボン酸を含むカルボン酸成分と、を含有する原料モノマーの重縮合物である結晶性ポリエステル樹脂、及び2価以上のアルコールを含むアルコール成分と、2価以上のカルボン酸を含むカルボン酸成分と、両末端変性シリコーンと、を含有する原料モノマーの反応物である非晶性ポリエステル樹脂を結着樹脂として含有するトナーが、耐ホットオフセット性及び高温保管後の低温定着性に優れることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂(A)及び非晶性ポリエステル樹脂(B)を含有するトナーであって、
前記結晶性ポリエステル樹脂(A)が、エチレングリコールを含むアルコール成分(A-al)と、脂肪族カルボン酸を含むカルボン酸成分(A-ac)と、を含有する原料モノマー(a)の重縮合物であり、
前記非晶性ポリエステル樹脂(B)が、2価以上のアルコールを含むアルコール成分(B-al)と、2価以上のカルボン酸を含むカルボン酸成分(B-ac)と、両末端変性シリコーンと、を含有する原料モノマー(b)の反応物であるシリコーン変性ポリエステル樹脂である、トナーに関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐ホットオフセット性及び高温保管後の低温定着性に優れたトナーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[トナー]
本発明の一実施態様に係るトナーは、結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂(A)及び非晶性ポリエステル樹脂(B)を含有するトナーであって、前記結晶性ポリエステル樹脂(A)が、エチレングリコールを含むアルコール成分(A-al)と、脂肪族カルボン酸を含むカルボン酸成分(A-ac)と、を含有する原料モノマー(a)の重縮合物であり、前記非晶性ポリエステル樹脂(B)が、2価以上のアルコールを含むアルコール成分(B-al)と、2価以上のカルボン酸を含むカルボン酸成分(B-ac)と、両末端変性シリコーンと、を含有する原料モノマー(b)の反応物であるシリコーン変性ポリエステル樹脂である。
以上の構成によれば、耐ホットオフセット性及び高温保管後の低温定着性に優れたトナーを提供することができる。
【0010】
本発明の効果が得られる理由は定かではないが、次のように考えられる。
本発明のトナーは、結着樹脂としてエチレングリコールを含むアルコール成分(A-al)と、脂肪族カルボン酸を含むカルボン酸成分(A-ac)と、を含有する原料モノマー(a)の重縮合物である結晶性ポリエステル樹脂(A)(以下、「樹脂(A)」ともいう)を含む。エチレングリコール由来の構造を含むことで樹脂(A)は、非晶性ポリエステル樹脂(B)(以下、「樹脂(B)」ともいう)との極性が近くなることで親和性が高まるため、樹脂(A)と樹脂(B)との相溶性が高く、樹脂(B)の軟化点が比較的高い温度であってもトナーは低温で軟化することができ、トナーの低温定着性が向上する。
また、本発明者は、特許文献1及び2に記載されるような、水酸基又はカルボキシ基と反応性を有する基(以下、「反応性基」ともいう。)を片末端に有するシリコーンで変性したポリエステル樹脂を結着樹脂として含むトナーを高温保管した場合に、トナーの低温定着性が悪化することを見出した。これは、反応性基を片末端に有するシリコーンで変性したポリエステル樹脂では、シリコーン部位が高運動性であるため、低極性である結晶性ポリエステル樹脂が同じく低極性であるシリコーン部位を起点に凝集及び/又は結晶化することで粗大粒子を生成するためと考えられる。一方、本発明のトナーが結着樹脂として含有する樹脂(B)は、反応性基を両末端に有するシリコーンで変性された非晶性ポリエステル樹脂である。シリコーン部位が樹脂(B)の主鎖中に含まれることから、シリコーン部位がポリエステル樹脂の末端に存在する場合に比べ低運動性であり、シリコーン部位と樹脂(A)との接触頻度が減るため、樹脂(A)の結晶化に伴う粗大粒子の生成がより抑制される。そのため、高温保管後でもトナーの低温定着性は良好であり、さらに疎水性のシリコーン部位が離型効果を発現するため耐ホットオフセット性が向上する。
このように、結着樹脂として樹脂(A)と、樹脂(B)と、を含有する本発明のトナーは、耐ホットオフセット性及び高温保管後の低温定着性に優れると考えられる。
なお、本発明の効果に関する上記のメカニズムは推定であり、これに限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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