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公開番号2024069547
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-21
出願番号2024042358,2022075912
出願日2024-03-18,2008-05-28
発明の名称抗IL-1治療に関する新しい適応症
出願人ノバルティス アーゲー
代理人個人,個人,個人
主分類A61K 38/20 20060101AFI20240514BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】自己炎症症候群の処置および/または防御
【解決手段】本発明は自己炎症症候群、例えば若年性関節リウマチまたは成人関節リウマ
チ症候群の処置および/または防御における、IL-1β-リガンド-IL-1受容体相
互作用を破壊する小分子化合物、IL-1β抗体もしくはIL-1受容体抗体、例えば本
明細書に記載されるIL-1β結合分子、例えば本明細書に開示される抗体、例えばIL
-1β結合化合物もしくはIL-1受容体結合化合物、および/またはIL-1βリガン
ドもしくはIL-1受容体タンパク質レベルのいずれかを減少させるRNA化合物のよう
な、IL-1β-リガンド/IL-1受容体破壊化合物(本明細書では「IL-1ベータ
化合物」と称する)の新規使用、ならびに哺乳動物、とりわけヒトにおける自己炎症症候
群、例えば若年性関節リウマチもしくは成人関節リウマチ症候群を処置および/または防
御する方法に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
自己炎症症候群の処置のための薬剤の製造のためのIL-1ベータ化合物の使用。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
有効量のIL-1ベータ化合物をそれを必要とする患者に投与することを含む、患者に
おける自己炎症症候群の処置方法。
【請求項3】
薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体と組み合わされたIL-1ベータ化合物
を含む、自己炎症症候群の処置に使用するための医薬組成物。
【請求項4】
IL-1ベータ化合物が超可変領域CDR1、CDR2およびCDR3を順に含み、該
CDR1はアミノ酸配列Val-Tyr-Gly-Met-Asnを有し、該CDR2は
アミノ酸配列Ile-Ile-Trp-Tyr-Asp-Gly-Asp-Asn-Gl
n-Tyr-Tyr-Ala-Asp-Ser-Val-Lys-Glyを有し、そして
該CDR3はアミノ酸配列Asp-Leu-Arg-Thr-Gly-Proを有する少
なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(V

);含む抗原結合部位を含むIL-
1ベータ結合分子ならびにその直接均等物である、請求項1、2または3に記載の使用、
処置のための方法または医薬組成物。
【請求項5】
IL-1ベータ化合物が:
a)超可変領域CDR1、CDR2およびCDR3を順に含み、該CDR1はアミノ酸配
列Val-Tyr-Gly-Met-Asnを有し、該CDR2はアミノ酸配列Ile-
Ile-Trp-Tyr-Asp-Gly-Asp-Asn-Gln-Tyr-Tyr-
Ala-Asp-Ser-Val-Lys-Glyを有し、そして該CDR3はアミノ酸
配列Asp-Leu-Arg-Thr-Gly-Proを有する免疫グロブリン重鎖可変
ドメイン(V

);および
b)超可変領域CDR1’、CDR2’およびCDR3’を順に含み、該CDR1’はア
ミノ酸配列Arg-Ala-Ser-Gln-Ser-Ile-Gly-Ser-Ser
-Leu-Hisを有し、該CDR2’はアミノ酸配列Ala-Ser-Gln-Ser
-Phe-Serを有し、そして該CDR3’はアミノ酸配列His-Gln-Ser-
Ser-Ser-Leu-Proを有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(V

);
を含む少なくとも1つの抗原部位を含む重(V

)および軽鎖(V

)可変ドメインの双方を
含むIL-1β結合分子ならびにその直接均等物である、請求項1から4のいずれかに記
載の使用、処置のための方法または医薬組成物。
【請求項6】
IL-1ベータ化合物が配列番号1に示されるものと実質的に同一のアミノ酸配列を有
する第1ドメインおよび配列番号2に示されるものと実質的に同一のアミノ酸配列を有す
る第2ドメインを含む少なくとも1つの抗原結合部位を含むIL-1ベータ結合分子であ
る、請求項1から5のいずれかに記載の使用、処置のための方法または医薬組成物。
【請求項7】
自己炎症症候群が若年性関節リウマチもしくは成人関節リウマチ症候群またはマックル
・ウェルズ症候群である、請求項1から6のいずれかに記載の使用、処置のための方法ま
たは医薬組成物。
【請求項8】
IL-1ベータ化合物が毎週1回以下の頻度で適用される、請求項1から7のいずれか
に記載の使用、処置のための方法または医薬組成物。
【請求項9】
IL-1ベータ化合物が皮下に適用される、請求項1から7のいずれかに記載の使用、
処置のための方法または医薬組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は自己炎症症候群、例えば若年性関節リウマチまたは成人関節リウマチ症候群の
処置および/または防御における、IL-1β-リガンド-IL-1受容体相互作用を破
壊する小分子化合物、IL-1β抗体もしくはIL-1受容体抗体、例えば本明細書に記
載されるIL-1β結合分子、例えば本明細書に開示される抗体、例えばIL-1β結合
化合物もしくはIL-1受容体結合化合物、および/またはIL-1βリガンドもしくは
IL-1受容体タンパク質レベルのいずれかを減少させるRNA化合物のような、IL-
1β-リガンド/IL-1受容体破壊化合物(本明細書では「IL-1ベータ化合物」と
称する)の新規使用、ならびに哺乳動物、とりわけヒトにおける自己炎症症候群、例えば
若年性関節リウマチもしくは成人関節リウマチ症候群を処置および/または防御する方法
に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
インターロイキン-1β(IL-1ベータまたはIL-1βまたはインターロイキン-
1βはここでは同じ意味を有する)は広範な免疫および炎症応答を媒介する強力な免疫調
節物質である。IL-1βの不適切なまたは過剰な生成は敗血症、敗血症性または内毒素
性ショック、アレルギー、喘息、骨量減少、虚血、卒中、外傷性脳損傷、関節リウマチお
よびその他の炎症性障害のような種々の疾患および障害の病理に関連する。IL-1βに
対する抗体はIL-1媒介疾患および障害の処置における使用に関して提唱されている;
例えば第WO95/01997号およびその序論における考察ならびに第WO02/16
436号(その内容を出典明示により本明細書の一部とする)を参照のこと。
【0003】
本発明によって、今回、驚くべきことに、IL-1ベータ化合物が哺乳動物、とりわけ
ヒトのような患者における自己炎症症候群の防御および処置に有用であることが見出され
た。本発明による自己炎症症候群は例えば、限定するものではないが、炎症の再発性エピ
ソードを特徴とする遺伝性障害の群であり、自己免疫疾患とは対照的に自己抗体または抗
原特異的T細胞は高力価ではない。さらに本発明による自己炎症症候群はIL-1ベータ
分泌の増大(該疾患では変異していると考えられるパイリンの負の調節の役割の喪失)、N
FkB活性化および白血球のアポトーシス不全を示す。本発明による自己炎症症候群はマ
ックル・ウェルズ症候群(MWS)、LADA(成人における潜在型自己免疫性糖尿病)、家
族性感冒自己炎症症候群(FCAS)、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、新生児
期発症多臓器性炎症性症候群(NOMID)、慢性小児神経皮膚関節(CINCA)症候群、
家族性地中海熱(FMF)ならびに/または全身型若年性特発性関節炎(SJIA)のような
特定の形態の若年性関節炎、全身型若年性関節リウマチのような特定の形態の若年性関節
リウマチおよび/もしくは特定の形態の成人関節リウマチである。IL-1ベータ化合物
はまた、臨床および前臨床研究によりIL-1遮断による膵島機能の改善が示される2型
糖尿病の処置においても有用であり得る。IL-1ベータ化合物はまた網膜症、創傷治癒
、血管疾患(ステント留置または血管形成術後の動脈再狭窄を含む)、腎機能不全、慢性腎
臓疾患ならびにメタボリックシンドロームおよび肥満のような種々の糖尿病関連の病理の
処置においても有用である。IL-1ベータ化合物はまた片頭痛、滑膜炎、痛風、偽痛風
/痛風性関節炎もしくは軟骨石灰化症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、人工呼吸誘起の肺
傷害、モルヒネ抵抗性疼痛、神経因性疼痛、早産陣痛、椎間板に起因する疼痛、炎症性疼
痛、頭痛または片頭痛のような種々の疼痛症状の処置においても有用である。IL-1ベ
ータは疼痛知覚に関与し、そして神経原性のシグナルを増幅する。さらに本発明のIL-
1ベータ化合物はアテローム性動脈硬化症、急性腎疝痛、胆道疝痛およびこれらの障害に
関連する疼痛の処置に有用である。
【0004】
IL-1ベータ化合物は、IL-1ベータは優性サイトカインである周期熱症候群:家
族性地中海熱(FMF)、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群(TRAPS)、高免疫グロ
ブリンD症候群(HIDS)(メバロン酸キナーゼ関連周期熱症候群とも称される)、家族性
感冒自己炎症症候群および周期熱、アフタ性口内炎咽頭炎腺炎(PFAPA)症候群の処置
に有用であり得る。IL-1ベータが優性サイトカインであり、そして本発明によるIL
-1ベータ化合物で処置することができるその他の疾患は抗シンテターゼ症候群、マクロ
ファージ活性化症候群(MAS)、ベーチェット病、ブロー症候群、PAPA症候群、シュ
ニッツラー(Schnizler's)症候群、スウィート症候群を含む。脈管炎;巨細胞動脈炎(GC
A)、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、原発性全身性脈管炎、川崎病(皮膚粘膜リンパ節
症候群)、高安動脈炎、結節性多発動脈炎、本態性クリオグロブリン血症性脈管炎、顕微
鏡的多発性血管炎(MPA)およびチャーグ・ストラウス症候群(CSS)、蕁麻疹様脈管炎
を処置するために本発明のIL-1ベータリガンド-受容体遮断およびIL-1ベータ化
合物を使用することもできる。さらに本発明のIL-1ベータ化合物はサルコイドーシス
、天疱瘡(pemphygus)、強直性脊椎炎、アルツハイマー病、アミロイドーシス、続発性ア
ミロイドーシスおよび成人発症スチル病(AOSD)のような自己免疫疾患の処置に有用で
ある。限定するものではないが、乾癬、硬直性脊椎炎、ライター病および腸疾患性関節炎
のようなHLA-B27関連疾患を処置するために本発明のIL-1ベータ化合物を使用
できる。リウマチ熱、リウマチ性多発筋痛症および巨細胞性関節炎(artheriitis)を処置
するために本発明によるIL-1ベータ化合物を使用できる。最後に、感染、とりわけ細
菌感染およびウイルス感染、さらにとりわけ、限定するものではないが血行性骨髄炎、感
染性関節炎、結核性関節炎のような関節炎症状または観察に関連する細菌感染を処置する
ために本発明のIL-1ベータ化合物を使用できる。
【0005】
好ましくはIL-1ベータ化合物は若年性関節リウマチおよび成人関節リウマチならび
に/またはマックル・ウェルズ症候群の防御および処置に有用である。
【0006】
本発明の特定の知見にしたがって、以下の実施態様を提供する:
本発明はヒトを含む哺乳動物における自己炎症症候群の防御および処置のための組成物
および方法に関する。したがってIL-1ベータ化合物はまた自己炎症症候群の処置のた
めの医薬品および薬剤を調製するのにも有用である。具体的な態様では、かかる医薬品お
よび薬剤は治療上有効量のIL-1ベータ化合物を薬学的に許容される担体と共に含む。
【0007】
別の実施態様では、本発明は若年性関節リウマチもしくは成人関節リウマチ症候群およ
び/またはその他の自己炎症症候群および/またはマックル・ウェルズ症候群の防御およ
び/または処置における、前記または後記のポリペプチドのいずれか、例えばIL-1β
-リガンドまたはIL-1β受容体、好ましくはIL-1βリガンドに特異的に結合する
抗体の使用を提供する。所望により、抗体はモノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗体フラ
グメントまたは一本鎖抗体である。1つの態様では、本発明はIL-1βリガンドに特異
的に結合する単離された抗体に関する。別の態様では、抗体はIL-1β-リガンド(ア
ンタゴニスト抗体)の活性を阻止または中和する。別の態様では、抗体はヒトまたは非ヒ
トのいずれかの相補性決定領域(CDR)残基およびヒトフレームワーク領域(FR)残基を
有するモノクローナル抗体である。抗体を標識でき、そして固体支持体に固定できる。さ
らなる態様では、抗体は抗体フラグメント、モノクローナル抗体、一本鎖抗体または抗イ
ディオタイプ抗体である。なお別の実施態様では、本発明は薬学的に許容される担体との
混合物中に抗IL-1βリガンドまたはIL-1β受容体抗体、好ましくは抗IL-1β
-リガンド抗体を含む組成物を提供する。1つの態様では、組成物は治療上有効量の抗体
を含む。好ましくは組成物は無菌である。組成物を液体医薬製剤の形態で投与でき、それ
を貯蔵安定性の延長を達成するために保存剤を添加してよい。あるいは、抗体はモノクロ
ーナル抗体、抗体フラグメント、ヒト化抗体または一本鎖抗体である。
【0008】
別の実施態様では、本発明は若年性関節リウマチもしくは成人関節リウマチおよび/ま
たはその他の自己炎症症候群および/またはマックル・ウェルズ症候群の防御および/ま
たは処置における;インビボで正のIL-1ベータフィードバックループを妨害すること
が可能であるIL-1ベータ化合物、例えばIL-1ベータ抗体の使用を提供する。この
インビボでの正のフィードバックはこれらの患者におけるIL-1bの自律的な過剰生成
に至る。
【0009】
別の実施態様では、本発明は染色体16p13に位置し、そしてタンパク質パイリン(
マレノストリンとしても公知)をコードするMEFV遺伝子の変異を伴う疾患における、
IL-1ベータ化合物、例えばIL-1ベータ抗体の使用を提供する。パイリンは顆粒球
、単球および滑膜線維芽細胞において発現される。パイリンはIL-1ベータプロセシン
グに関与する。
【0010】
さらなる実施態様では、本発明は若年性関節リウマチもしくは成人関節リウマチおよび
/またはその他の自己炎症症候群および/またはマックル・ウェルズ症候群の処置におけ
る:(a)抗IL-1ベータリガンドまたはIL-1ベータ受容体抗体、好ましくは抗IL
-1βリガンド抗体を含む物質の組成物;(b)該組成物を含有する容器;および(c)該抗
IL-1βリガンドまたはIL-1β受容体抗体、好ましくは抗IL-1βリガンド抗体
の使用を述べる該容器に取り付けられたラベルまたは該容器に含まれる添付文書;を含む
製品に関する。組成物は治療上有効量の抗IL-1βリガンドまたはIL-1β受容体抗
体、好ましくは抗IL-1βリガンドを含むことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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