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公開番号2024066502
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2023185777
出願日2023-10-30
発明の名称トリアルコキシシランの製造方法
出願人国立大学法人広島大学
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C07F 7/04 20060101AFI20240508BHJP(有機化学)
要約【課題】簡易な手法でトリアルコキシシランを効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】ケイ素粒子とアルコール溶媒とを粉砕装置を用いて湿式で粉砕混合して、メカノケミカル反応によりトリアルコキシシランを得る反応工程を含み、アルコール溶媒は、炭素数が3以上でかつ分岐状のアルコール溶媒である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
トリアルコキシシランの製造方法であって、
ケイ素粒子とアルコール溶媒とを粉砕装置を用いて湿式で粉砕混合して、メカノケミカル反応により前記トリアルコキシシランを得る反応工程を含み、
前記アルコール溶媒は、炭素数が3以上でかつ分岐状のアルコール溶媒であることを特徴とするトリアルコキシシランの製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載のトリアルコキシシランの製造方法において、
前記アルコール溶媒は、イソプロピルアルコール又は2-ブタノールであることを特徴とするトリアルコキシシランの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載のトリアルコキシシランの製造方法において、
前記粉砕装置は、容器内に粉砕媒体としての複数のボールを有する遊星ボールミルであって、
前記反応工程は、200rpm~580rpmの回転数で粉砕混合する工程であることを特徴とするトリアルコキシシランの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載のトリアルコキシシランの製造方法において、
前記容器及び前記各ボールは、ステンレス鋼製であることを特徴とするトリアルコキシシランの製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載のトリアルコキシシランの製造方法において、
前記反応工程は、前記ケイ素粒子及び前記アルコール溶媒と共に銅粒子を粉砕混合する工程であることを特徴とするトリアルコキシシランの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のトリアルコキシシランの製造方法おいて、
前記銅粒子の量は、4.2原子%~40原子%であることを特徴とするトリアルコキシシランの製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載のトリアルコキシシランの製造方法において、
前記反応工程の前に、前記ケイ素粒子と前記銅粒子とを粉砕装置を用いて乾式で粉砕混合させる前処理工程を含むことを特徴とするトリアルコキシシランの製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載のトリアルコキシシランの製造方法において、
前記前処理工程は、容器内に粉砕媒体としての複数のボールを有する遊星ボールミルにより、前記ケイ素粒子と前記銅粒子とを粉砕混合させる工程であって、前記銅粒子の量が多いほど、高い回転数で粉砕混合する工程であることを特徴とするトリアルコキシシランの製造方法。
【請求項9】
請求項3に記載のトリアルコキシシランの製造方法において、
前記反応工程における粉砕時間は、30分間~140分間であることを特徴とするトリアルコキシシランの製造方法。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか1つに記載のトリアルコキシシランの製造方法において、
前記反応工程は、前記ケイ素粒子及び前記アルコール溶媒と共に金属ハロゲン化物を粉砕混合する工程であることを特徴とするトリアルコキシシランの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、トリアルコキシシランの製造方法に関する技術分野に属する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
アルコキシシランは、シリコン樹脂の基幹材料やコーティング剤の材料等として有用である。アルコキシシランは、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシランとあるが、特にトリアルコキシシランは、モノアルコキシシランやジアルコキシシランと比べて化学的に安定であるとともに、反応性が高いケイ素-水素結合を有するため、テトラアルコキシシランと比較してもその需要性は高く、安価で効率の良い製造方法が求められている。
【0003】
従来、トリアルコキシシランの製造方法としては、クロロシラン類と低級アルキルアルコールを原料とする方法が知られているが、クロロシラン類がコスト高である上、目的とするアルコキシシランの他に塩化水素が副生するため、生成物の精製が困難で、かつ反応装置が腐食する等の欠点があった。
【0004】
一方、特許文献1のように、ケイ素と銅とを接触させて熱処理を施し、ケイ素とアルコールとを気相反応させてトリアルコキシシランを生成する方法も検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-69077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、ケイ素の表面に形成されている酸化膜をフッ化水素酸によるエッチングにより除去する必要があり、手間がかかるだけでなく、危険性を伴っている。
【0007】
ここに開示された技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこは、簡易な手法でトリアルコキシシランを効率的に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題に対して、本発明者らが鋭意検討したところ、ケイ素粒子とアルコールとを機械的エネルギーを利用して粉砕混合することで、メカノケミカル反応によりアルコキシシランが得られることが分かった。特に、立体的な構造を有するアルコールを用いれば、トリアルコキシシランが生成され易いことが分かった。
【0009】
すなわち、前記課題を解決するために、ここに開示された技術では、トリアルコキシシランの製造方法を対象として、ケイ素粒子と溶媒とを粉砕装置を用いて湿式で粉砕混合して、ケイ素粒子とアルコール溶媒とを粉砕装置を用いて粉砕混合して、メカノケミカル反応により前記トリアルコキシシランを得る反応工程を含み、前記アルコール溶媒は、炭素数が3以上でかつ分岐状のアルコール溶媒である、という構成とした。
【0010】
この構成によると、アルコールが直鎖状ではなく分岐状であるため、アルコールは立体構造を有している。アルコールが立体構造を有していれば、立体構造が立体障害となって、ケイ素とアルコールとの反応が穏やかに進むため、生成されるアルコキシシランが、テトラ体に至ることなく、トリ体の状態に留まりやすくなると考えられる。したがって、前記の構成により、トリアルコキシシランを効率的に製造することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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