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公開番号2024121597
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2023028779
出願日2023-02-27
発明の名称繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法、繊維長分布予測装置、繊維長分布予測プログラム、及び記録媒体
出願人マツダ株式会社,国立大学法人広島大学
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類B29C 70/42 20060101AFI20240830BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法、繊維長分布予測装置、繊維長分布予測プログラム、及び記録媒体において、繊維長分布の予測精度を向上させる。
【解決手段】繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法は、コンピュータシミュレーションにより、繊維強化樹脂の成形品に含まれる繊維の繊維長分布を予測する方法であって、成形工程中に繊維に作用する力と、力が繊維に作用する時間と、に基づき、繊維の平均繊維長を算出する工程Aと、平均繊維長に基づき、繊維の平均折損回数を算出する工程Bと、平均折損回数に基づき、ポアソン分布を用いて繊維の折損回数の確率分布を算出する工程Cと、繊維の折損回数の確率分布と、繊維の折損位置の情報と、に基づき、折損回数毎の繊維の繊維長と該繊維長を有する該繊維の本数との関係を得る工程Dと、折損回数毎の前記関係に基づき、繊維長分布を算出する工程Eと、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コンピュータシミュレーションにより、繊維強化樹脂の成形品に含まれる繊維の繊維長分布を予測する方法であって、
成形工程中に前記繊維に作用する力と、該力が該繊維に作用する時間と、に基づき、該繊維の平均繊維長を算出する工程Aと、
前記平均繊維長に基づき、前記繊維の平均折損回数を算出する工程Bと、
前記平均折損回数に基づき、ポアソン分布を用いて前記繊維の折損回数の確率分布を算出する工程Cと、
前記繊維の折損回数の確率分布と、前記繊維の折損位置の情報と、に基づき、前記折損回数毎の前記繊維の繊維長と該繊維長を有する該繊維の本数との関係を得る工程Dと、
前記折損回数毎の前記関係に基づき、前記成形品に含まれる前記繊維の繊維長分布を算出する工程Eと、を備えた
ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記工程Dで、前記繊維の折損位置の情報は、正規分布を用いた繊維長毎の折損位置の確率分布として与えられる
ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記折損位置の確率分布は、
前記繊維が折損しない場合の確率、及び、前記前記繊維の両端から前記繊維の折損限界である最小繊維長分の長さの部分を除外した部分において折損位置が発生する確率は、前記正規分布により与えられ、
前記前記繊維の両端から前記繊維の折損限界である最小繊維長分の長さの部分において折損位置が発生する確率は、前記正規分布により与えられる確率よりも低い所定の確率に制限されている
ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2において、
前記工程Aで、前記繊維の折損限界である最小繊維長を考慮する
ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記工程Aで、前記繊維は、その繊維長と前記最小繊維長との差が大きいほど折れやすく、小さいほど折れにくいと仮定する
ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法。
【請求項6】
請求項1又は請求項2において、
前記工程Dで、前記繊維の折損位置の情報は、分割率として与えられる
ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法。
【請求項7】
コンピュータシミュレーションにより、繊維強化樹脂の成形品に含まれる繊維の繊維長分布を予測する装置であって、
成形工程中に前記繊維に作用する力と、該力が該繊維に作用する時間と、に基づき、該繊維の平均繊維長を算出する平均繊維長算出部と、
前記平均繊維長に基づき、前記繊維の平均折損回数を算出する平均折損回数算出部と、
前記平均折損回数に基づき、ポアソン分布を用いて前記繊維の折損回数の確率分布を算出する折損回数確率分布算出部と、
前記繊維の折損回数の確率分布と、前記繊維の折損位置の情報と、に基づき、前記折損回数毎の前記繊維の繊維長と該繊維長を有する該繊維の本数との関係を得る関係算出部と、
前記折損回数毎の前記関係に基づき、前記成形品に含まれる前記繊維の繊維長分布を算出する繊維長分布算出部と、を備えた
ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測装置。
【請求項8】
コンピュータシミュレーションにより、繊維強化樹脂の成形品に含まれる繊維の繊維長分布を予測するためのプログラムであって、
コンピュータに、
成形工程中に前記繊維に作用する力と、該力が該繊維に作用する時間と、に基づき、該繊維の平均繊維長を算出する手順Aと、
前記平均繊維長に基づき、前記繊維の平均折損回数を算出する手順Bと、
前記平均折損回数に基づき、ポアソン分布を用いて前記繊維の折損回数の確率分布を算出する手順Cと、
前記繊維の折損回数の確率分布と、前記繊維の折損位置の情報と、に基づき、前記折損回数毎の前記繊維の繊維長と該繊維長を有する該繊維の本数との関係を得る手順Dと、
前記折損回数毎の前記関係に基づき、前記成形品に含まれる前記繊維の繊維長分布を算出する手順Eと、を実行させる
ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載された樹脂射出成形品の繊維長分布予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法、繊維長分布予測装置、該方法をコンピュータに実行させるための繊維長分布予測プログラム、及び該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
繊維強化樹脂成形品では、成形品の強度向上等を目的として、繊維を含有させている。しかしながら、成形品の成形工程では、繊維に作用する力の影響により、繊維が折損し、短繊維化が進む。短繊維化が進むと、成形品の強度や剛性が低下するという問題がある。また、成形品の収縮量も繊維長により変化するため、成形品の反り変形量も変化する。そこで、短繊維化を抑制可能な製品設計や、反り変形量の評価に資する観点から、成形品に含まれる繊維の繊維長分布を精度よく予測する方法の開発が望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂とガラス繊維束とを押出機で混練して成形してなる樹脂成形体中のガラス繊維の繊維長の分布を導出するガラス繊維長分布導出装置が開示されている。当該装置は、粒子追跡法で導出した各トレーサー粒子に作用するせん断応力の時間分布を(Qβ/Nsγ)で割ったものを、各ガラス繊維に作用するせん断応力の時間分布とみなして、ガラス繊維長分布を導出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の装置では、粒子追跡法を使って解析に与えるせん断力を実験値から算出し、3D解析を使用して繊維長分布の予測を行っている。しかしながら、当該装置のように、3D解析で物理現象を再現した場合、計算に要する時間やコスト等の計算負荷が増大するという問題があった。
【0006】
そこで本開示では、繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法、繊維長分布予測装置、繊維長分布予測プログラム、及び記録媒体において、計算負荷を低減させるとともに、繊維長分布の予測精度を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示に係る繊維強化樹脂成形品の繊維長分布予測方法の一態様は、
コンピュータシミュレーションにより、繊維強化樹脂の成形品に含まれる繊維の繊維長分布を予測する方法であって、
成形工程中に前記繊維に作用する力と、該力が該繊維に作用する時間と、に基づき、該繊維の平均繊維長を算出する工程Aと、
前記平均繊維長に基づき、前記繊維の平均折損回数を算出する工程Bと、
前記平均折損回数に基づき、ポアソン分布を用いて前記繊維の折損回数の確率分布を算出する工程Cと、
前記繊維の折損回数の確率分布と、前記繊維の折損位置の情報と、に基づき、前記折損回数毎の前記繊維の繊維長と該繊維長を有する該繊維の本数との関係を得る工程Dと、
前記折損回数毎の前記関係に基づき、前記成形品に含まれる前記繊維の繊維長分布を算出する工程Eと、を備えた
ことを特徴とする。
【0008】
ポアソン分布を用いて繊維の折損回数を計算するから、折損に幅がある(1度も折損しない繊維が発生)場合や、局部的な繊維長分布の変化がある場合の予測精度が向上する。また、本技術では縮退化をさせ、2.5Dモデルからも算出可能であるから、3D解析で物理現象を再現する場合と比較して、計算負荷を低減できる。
【0009】
好ましくは、前記工程Dで、前記繊維の折損位置の情報は、正規分布を用いた繊維長毎の折損位置の確率分布として与えられる。
【0010】
本構成によれば、折損位置のばらつきを考慮できるから、繊維長分布の予測精度が向上する。
(【0011】以降は省略されています)

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