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公開番号2024061652
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-07
出願番号2023178549
出願日2023-10-17
発明の名称アシネトバクター・ベネチアヌスPFZR-1及びその有機汚染物分解における使用
出願人浙江工業大学
代理人弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
主分類C12N 1/20 20060101AFI20240425BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】アシネトバクター・ベネチアヌスPFZR-1及びその有機汚染物の分解における応用を提供する。
【解決手段】アシネトバクター・ベネチアヌス(Acinetobacter Venetianus)PFZR-1を提供する。該菌は新型のシクロヘキサン高効率分解菌であり、かつ環境適応性に優れていると同時に、他の有機汚染物を有効に分解することもできる。前記有機汚染物が、シクロヘキサン、トルエン、メタノール、リモネン、酢酸エチル、シクロヘキサノール、またはシクロヘキサノンを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
中国典型培養物寄託センターに寄託され、寄託番号がCCTCC NO:M 2022719、寄託日が2022年5月25日、住所が中国、武漢、武漢大学、430072である、アシネトバクター・ベネチアヌス(Acinetobacter Venetianus)PFZR-1。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載のアシネトバクター・ベネチアヌスPFZR-1の、微生物による有機汚染物の分解における使用。
【請求項3】
前記有機汚染物が、シクロヘキサン、トルエン、メタノール、リモネン、酢酸エチル、シクロヘキサノール、またはシクロヘキサノンを含む、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
アシネトバクター・ベネチアヌスPFZR-1を、有機汚染物を含む無機塩培地に接種し、pH=5~10、20~40℃、100~200rpmの条件下で分解反応を行わせ、有機汚染物に対する分解を実現する、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記有機汚染物の無機塩培地中の初期濃度が63.3~316.4mg/L、前記無機塩培養液中の静止細胞投入量が菌体濃度OD
600
値で0.01~0.1である、請求項3に記載の使用。
【請求項6】
前記無機塩培養液の組成は、K

HPO

が0.942g/L、KH

PO

が0.234g/L、NaNO

が1.7g/L、NH

Clが0.98g/L、MgCl

・6H

Oが0.2033g/L、CaCl

・2H

Oが0.0111g/L、FeCl

が0.0162g/L、微量元素が5ml/Lで、溶媒は脱イオン水、pH=5~10であり、前記微量元素の組成は、ZnCl

が0.088g/L、MnCl

・4H

Oが0.060g/L、KIが0.01g/L、Na

MoO

・2H

Oが0.1g/L、H

BO

が0.05g/Lで、溶媒は脱イオン水である、請求項3に記載の使用。
【請求項7】
前記アシネトバクター・ベネチアヌスPFZR-1を接種する前に、まず活性化及び拡大培養を行い、拡大培養した静止細胞を無機塩培地に接種し、前記静止細胞が、
(1)斜面培養:
アシネトバクター・ベネチアヌスPFZR-1をLB固体培地に接種し、30℃の培養箱で培養して斜面菌体を得、LB固体培地の組成は、酵母エキスが5g/L、NaClが10g/L、ペプトンが10g/L、寒天が15~20g/Lで、pHには手を加えず、溶媒は脱イオン水であるステップ、
(2)拡大培養:
ステップ(1)の斜面菌体をLB液体培地に接種し、30℃、160rpmで24時間培養して拡大培養液を取得し、遠心分離し、湿菌体を収集し、無機塩培養液で洗浄してアシネトバクター・ベネチアヌスPFZR-1静止細胞を取得し、LB液体培地の組成は、酵母エキスが5g/L、NaClが10g/L、ペプトンが10g/Lであり、pHには手を加えず、溶媒は脱イオン水であるステップ、
で調製される、請求項3に記載の使用。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アシネトバクター・ベネチアヌスPFZR-1及びその有機汚染物分解における使用に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
炭化水素は、炭素と水素という2種類の元素からなる有機化合物であり、いずれも水には溶けないが、有機溶媒には溶けやすく、密度は水より小さいため、水中では油状不溶物として存在する。シクロヘキサン(Cyclohexane、C



)は無色で刺激臭のある液体であり、揮発しやすいシクロアルカンである。シクロヘキサンは用途が広く、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、アジピン酸などの製品を生産する原料として用いることができ、溶媒としてはクロマトグラフ分析及び有機合成プロセスに用いることができ、接着剤として樹脂、塗料などの生産に応用することもできる。そのため、シクロヘキサンは、工業生産や分析応用、輸送漏れなどの過程に関連する環境の中に広く存在している。シクロヘキサンは低毒性物質に属しているが、目と気道に対して軽度の刺激作用があり、皮膚接触により痒みを引き起こし、吸入中毒により眩暈、吐き気、いらいらなどの麻酔症状を引き起こすことがある。
【0003】
シクロヘキサンには一定の粘度があるため、土壌、地表水、海洋などの環境の吸着質に付着しやすく、除去しにくいことが多い。微生物も環境の中に広範に存在しており、微生物による汚染物の処理は、コストが低く、操作が簡単で、技術的にクリーンで無害であるといった利点から広く注目されており、現時点で報告されている高効率で汚染物を分解する菌属の種類は非常に多く、シュードモナス属、フラボバクテリウム属、コリネバクテリウム属、アクモバクター属、アルスロバクター属、ペディオコッカス属、ビブリオ属などがよく見られる。シクロヘキサンを唯一の炭素源として成長する微生物は自然界にほとんど存在していないが、実験室での馴致選別分離培養により、シクロヘキサンを唯一の炭素源とする微生物が数多く報告されるようになった。1919年、TauszとPeteが、シクロヘキサンを分解する炭化水素液化桿菌(Bacterium aliphaticumliquifaciens)を初めて分離した。1948年、Imelikはシクロヘキサンを分解できる緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)を分離し、かつその代謝産物を研究した。1999年には、国内の李大年らが、シクロヘキサン、シクロペンタノンを唯一の炭素源とすることができる分解菌株を分離した。その後も、ますます多くのシクロヘキサンに関する分解菌が報告されている。アシネトバクター(Acinetobacter)は、ディーゼル油を分解する重要な微生物の一つとしてすでに広く報告されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では、シクロヘキサンを唯一の炭素源とする新たなタイプのアシネトバクター・ベネチアヌス(Acinetobacter Venetianus)を環境から選別し、該汚染物を含む土壌、排ガス、廃水の微生物浄化プロセスの応用のために有力なサポートを提供する。
【0005】
本発明の目的は、アシネトバクター・ベネチアヌス(Acinetobacter Venetianus)PFZR-1を提供することにあり、該菌は新型のシクロヘキサン高効率分解菌であり、かつ環境適応性に優れていると同時に、他の有機汚染物を有効に分解することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明で採用する技術手法は次の通りである。
【0007】
本発明では、シクロヘキサンを分解する新しい菌株-アシネトバクター・ベネチアヌス(Acinetobacter Venetianus)PFZR-1を提供しており、中国典型培養物寄託センターに寄託され、寄託番号はCCTCC NO:M 2022719、寄託日は2022年5月25日、住所は中国、武漢、武漢大学、430072である。
【0008】
本発明のアシネトバクター・ベネチアヌスPFZR-1の基本的な特徴としては、コロニーは白色で、好気性であり、滑らかで湿っており、楕円形を呈している。
【0009】
本発明は、上記のアシネトバクター・ベネチアヌスPFZR-1の、微生物による有機汚染物の分解における使用にも関わり、上記の応用とは、アシネトバクター・ベネチアヌスPFZR-1を、有機汚染物を含む無機塩培地に接種し、pH=5~10(好適にはpH=6~8)、20~40℃、100~200rpmの条件で分解反応を行わせ、有機汚染物に対する分解を実現するというものであり、上記有機汚染物には、シクロヘキサン、トルエン、メタノール、リモネン、酢酸エチル、シクロヘキサノールまたはシクロヘキサノンが含まれており、好適にはシクロヘキサンである。
【0010】
好適には、上記分解反応条件は30℃、160rpmである。
(【0011】以降は省略されています)

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