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公開番号2024059507
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2022167217
出願日2022-10-18
発明の名称機能軸推定装置,その方法,手術具姿勢調整装置
出願人埼玉県,アルスロデザイン株式会社
代理人個人
主分類A61B 17/15 20060101AFI20240423BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 簡略化された装置構成でありながら、術中で簡便に機能軸を推定することができる非侵襲の機能軸推定方法及びその装置を提供する。
【解決手段】 骨切ガイド器具100に三軸慣性センサ200を取り付けるとともに、患者の膝を動かしてセンサ座標系(Xs,Ys,Zs)の各軸周りの角度を検知し、その結果から機能軸座標系(Xm,Ym,Zm)との差を演算することとしたので、簡便な構成でありながら、患者の機能軸の方向を良好に推定することができる。これにより、骨切ブロック110の鋸挿入スリット116の方向が機能軸に対して良好に所望の方向となり、人工膝関節の埋入手術における大腿骨遠位端の切除を、機能軸に対して所望の角度で行うことができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
患者の大腿骨における機能軸の方向を推定するための機能軸推定装置であって、
大腿骨遠位端に取り付けられる慣性センサ,
この慣性センサを取り付けた患者の膝を動かしたときの前記慣性センサの出力から、前記機能軸の方向を推定する演算手段,
を備えたことを特徴とする機能軸推定装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記大腿骨骨頭中心において、軸Xmの方向が機能軸を表す機能軸座標系の各軸をXm,Ym,Zmとし、
前記慣性センサのセンサ座標系の各軸をXs,Ys,Zsとしたとき、
前記慣性センサを、内側顆と外側顆を結ぶ直線と同一平面となるように位置決めすることで、前記軸Ym,Ysが同一平面上となるようにしたことを特徴とする請求項1記載の機能軸推定装置。
【請求項3】
前記演算手段は、前記慣性センサから出力される軸Xs周りのロール角と、軸Ys周りのピッチ角の角度差から、前記軸Xm・Xsの角度差を演算することを特徴とする請求項2記載の機能軸推定装置。
【請求項4】
患者の膝を動かしたときに、前記慣性センサが鉛直方向に正確に移動したかどうかを判断するセンサ位置判断手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の機能軸推定装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の機能軸推定装置を備えており、
該機能軸推定装置によって推定された機能軸の方向に対して所望の角度となるように、手術具の姿勢を調整する調整手段を備えたことを特徴とする手術具姿勢調整装置。
【請求項6】
前記手術具が、人工膝関節の埋入手術において大腿骨遠位端を切断する骨切ブロックであることを特徴とする請求項5記載の手術具姿勢調整装置。
【請求項7】
前記大腿骨の皮質骨表面及び顆間窩にそれぞれ当接して位置決めする位置決め手段を備えており、
前記調整手段は、前記慣性センサ及び骨切ブロックを、前記位置決め手段に対して変位可能に保持したことを特徴とする請求項6記載の手術具姿勢調整装置。
【請求項8】
患者の大腿骨における機能軸の方向を推定する機能軸推定方法であって、
大腿骨遠位端に慣性センサを取り付けるとともに、この慣性センサを取り付けた患者の膝を動かしたときの前記慣性センサの出力から、前記機能軸の方向を推定することを特徴とする機能軸推定方法。
【請求項9】
前記大腿骨骨頭中心に、軸Xmの方向が機能軸を表す機能軸座標系の各軸をXm,Ym,Zmとし、前記慣性センサのセンサ座標系の各軸をXs,Ys,Zsとしたとき、
前記慣性センサを、内側顆と外側顆を結ぶ直線と同一平面となるように位置決めすることで、前記軸Ym,Ysが同一平面上となるようにしたことを特徴とする請求項8記載の機能軸推定方法。
【請求項10】
前記慣性センサから出力される軸Xs周りのロール角と、軸Ys周りのピッチ角の角度差から、前記軸Xm・Xsの角度差を演算することを特徴とする請求項9記載の機能軸推定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、人工膝関節の埋入手術などにおいて患者の大腿骨における機能軸の方向を推定するための機能軸推定装置,その方法,手術具姿勢調整装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
人工膝関節置換術は、変形性膝関節症や関節リウマチなどにより変形した膝関節の損傷面を切断して、人工膝関節を埋入する手術で、高齢化社会の進展に伴って手術件数も増加傾向にある。人工膝関節置換術を行う際には、患者の膝患部に対する人工膝関節の埋入位置や埋入角度が、術前の手術計画(術前計画)において決定されるが、この決定に当たっては、例えば患者の股関節にある大腿骨頭中心と膝関節の中心を結ぶ機能軸が基準となる。これは、機能軸上に患者の荷重がかかることで、荷重が均等に分散されるためである。従って、人工膝関節置換術では、術式にもよるが、一般には機能軸に対して垂直な面で骨を切り、そこに人工関節を埋入することになる。術前計画通りに人工膝関節を患者の膝に埋入すると、人工膝関節が機能軸に垂直となり、荷重が均等に分散されるようになって、人工膝関節の破損や緩み、及びその周辺の骨の摩耗が生じにくくなり、痛みの再発も防止されるようになる。
【0003】
しかしながら、人工膝関節置換術の実際の手術中において、患者の体表面上で機能軸を推定することは難しく、術前計画により決定した機能軸に対する人工膝関節の埋入角度と、術後の埋入角度に差が生じることがある。そこで、術中に機能軸を推定するためのナビゲーションシステムが開発されているが、侵襲性,高価かつ大型,操作が煩雑等の課題があり、広く普及するには至っていない。
【0004】
これに対し、本出願人は、下記特許文献1の「関節置換術用手術具」を提案している。これは、患者の骨盤に皮膚上から設置する骨盤アタッチメントを使用し、この骨盤アタッチメントによって機能軸を示すようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015-192873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1の手術具も非常に優れているが、機能軸をワイヤーによって示すようになっており、より安価かつ小型で、簡便に機能軸を推定する手法があれば好都合である。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、より簡略化された装置構成でありながら、術中で簡便に機能軸を推定することができる機能軸推定装置,その方法,手術具姿勢調整装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の機能軸推定装置は、患者の大腿骨における機能軸の方向を推定するための機能軸推定装置であって、大腿骨遠位端に取り付けられる慣性センサ,この慣性センサを取り付けた患者の膝を動かしたときの前記慣性センサの出力から、前記機能軸の方向を推定する演算手段,を備えたことを特徴とする。主要な形態の一つは、前記大腿骨骨頭中心に、軸Xmの方向が機能軸を表す機能軸座標系の各軸をXm,Ym,Zmとし、前記慣性センサのセンサ座標系の各軸をXs,Ys,Zsとしたとき、前記慣性センサを、内側顆と外側顆を結ぶ直線と同一平面となるように位置決めすることで、前記軸Ym,Ysが同一平面上となるようにしたことを特徴とする。他の形態によれば、前記演算手段は、前記慣性センサから出力される軸Xs周りのロール角と、軸Ys周りのピッチ角の角度差から、前記軸Xm・Xsの角度差を演算することを特徴とする。主要な形態の一つによれば、患者の膝を動かしたときに、前記慣性センサが鉛直方向に正確に移動したかどうかを判断するセンサ位置判断手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の手術具姿勢調整装置は、前記いずれかの機能軸推定装置を備えており、該機能軸推定装置によって推定された機能軸の方向に対して所望の角度となるように、手術具の姿勢を調整する調整手段を備えたことを特徴とする。主要な形態の一つによれば、前記手術具が、人工膝関節の埋入手術において大腿骨遠位端を切断する骨切ブロックであることを特徴とする。あるいは、前記大腿骨の皮質骨表面及び顆間窩にそれぞれ当接して位置決めする位置決め手段を備えており、前記調整手段は、前記慣性センサ及び骨切ブロックを、前記位置決め手段に対して変位可能に保持したことを特徴とする。
【0010】
本発明の機能軸推定方法は、患者の大腿骨における機能軸の方向を推定する機能軸推定方法であって、大腿骨遠位端に慣性センサを取り付けるとともに、この慣性センサを取り付けた患者の膝を動かしたときの前記慣性センサの出力から、前記機能軸の方向を推定することを特徴とする。主要な形態の一つによれば、前記大腿骨骨頭中心に、軸Xmの方向が機能軸を表す機能軸座標系の各軸をXm,Ym,Zmとし、前記慣性センサのセンサ座標系の各軸をXs,Ys,Zsとしたとき、前記慣性センサを、内側顆と外側顆を結ぶ直線と同一平面となるように位置決めすることで、前記軸Ym,Ysが同一平面上となるようにしたことを特徴とする。更には、前記慣性センサから出力される軸Xs周りのロール角と、軸Ys周りのピッチ角の角度差から、前記軸Xm・Xsの角度差を演算することを特徴とする。主要な形態の一つによれば、前記慣性センサにセンサ位置判断手段を設け、これによって、患者の膝を動かしたときの慣性センサの鉛直方向の位置が正確かどうかを判断することを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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