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公開番号2023157724
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-26
出願番号2022067806
出願日2022-04-15
発明の名称マグネシウム合金からなる蓄電池用の電極材料及び電極材の製造方法
出願人国立大学法人富山大学,埼玉県
代理人個人,個人
主分類C22C 23/02 20060101AFI20231019BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】電気化学活性に優れたマグネシウム合金からなる蓄電池用の負極材料及びその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】マグネシウム合金からなる蓄電池用の負極材料であって、以下質量%にてAl:6.0~12.0%,Ca:2.0~5.0%含有していることを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
マグネシウム合金からなる蓄電池用の電極材料であって、以下質量%にてAl:6.0~12.0%,Ca:2.0~5.0%含有していることを特徴とする蓄電池用の電極材料。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
Al:6.0~12.0%,Ca:2.0~5.0%含有するマグネシウム合金を用いて液体急冷凝固法により薄帯を得ることを特徴とする蓄電池用の電極材の製造方法。
【請求項3】
Al:6.0~12.0%,Ca:2.0~5.0%含有するマグネシウム合金を用いて液体急冷凝固法により薄帯を得るステップと、前記薄帯にレーザー加工により凹凸又は/及び孔を得るステップとを有していることを特徴とする蓄電池用の電極材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池用の電極材料に関し、特にマグネシウム合金からなる負極材に係る。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
現在蓄電池としては、リチウムイオン電池が主流となっているが、さらなる体積当たりの電気容量が大きく、安価な蓄電池として電荷が2価のマグネシウム蓄電池が次世代蓄電池として注目されている。
しかし、Mgをそのまま蓄電池の負極材に用いた場合に、電気化学活性が不十分であり、実用化までに至っていない。
本出願に係る発明者である栗原らは、Cuを含有するマグネシウム合金を用いることにより充放電中に粒子状のMg

Cuが露出して、電気化学デバイスとしての性能(レート特性)が格段に向上することを報告している(特許文献1)。また、圧延展伸材で導入できるCa、質量%で0.01~0.70%を添加し、表面と(0001)面を傾斜させて存在させると電気化学デバイスとしての性能(レート特性)が格段に向上することを報告している(特許文献2)。
また、附田らは、熱間圧延や冷間加工による薄板の圧延では、比較的高濃度のCaを含有するMg合金を得ることは困難であるが、ロール式急冷凝固法等のいわゆる液体急冷凝固法によれば、高濃度のCa添加Mg合金が得られることに着目し、同工法により厚さ0.1mmオーダーのMg-5.3%Al-3%Ca合金の薄帯を製作し評価したところ、電気化学活性がAZ31圧延材の数十倍に達していることが分かり、これは結晶構造がランダム配向で、組織はサブミクロンオーダーの微細Mg相と、その粒界に第二相としてAl

Ca,Mg

Ca,(Mg,Al)

Ca等の金属間化合物によるものと推定されることを報告している(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
WO2020/013328号公報
WO2020/013327号公報
【非特許文献】
【0004】
Materials Transactions:Vol.63(2022), No.4, pp.408-414.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、さらに電気化学活性に優れたマグネシウム合金からなる蓄電池用の電極材料及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
Mg合金材料を蓄電池の負極材の電極材料に用いるには、結晶粒の微細化及び粒界晶出物の制御のみならず、充放電反応特性の向上の観点からも電極材表面積の増大化が不可欠として研究した結果、本発明に至った。
【0007】
本発明に係る蓄電池用の負極材料は、マグネシウム合金からなる蓄電池用の電極材料であって、以下質量%にてAl:6.0~12.0%,Ca:2.0~5.0%含有していることを特徴とする。
また、本発明に係る蓄電池用の負極材料の製造方法は、Al:6.0~12.0%,Ca:2.0~5.0%含有するマグネシウム合金を用いて液体急冷凝固法により薄帯を得ることを特徴とする。
ここで、Al:6.0~12.0%,Ca:2.0~5.0%含有するマグネシウム合金を用いて液体急冷凝固法により薄帯を得るステップと、前記薄板材にレーザー加工により凹凸又は/及び孔を得るステップとを有するのが好ましい。
【0008】
詳細は後述するが、Mgに単にAl単独あるいはCa単独で添加すると、電気化学的活性が低下するが、Mgに所定のAl量とCa量とを組み合せて合金化すると、電気化学的活性が向上することから、附田らは非特許文献1にて報告しているとおり、これまでにMg-5.3%Al-3%CaからなるMg合金を提案している。
今回、液体急冷凝固法に得られたMg-Al-Ca系合金の薄帯の表面積増大を目的に、フェムト秒レーザーにてレーザー加工を実施したところ、表面から微粉が発生することが明らかになった。
そこで、さらにAlとCaとの添加量を検討した結果、Alを6.0%以上添加することで、この微粉化を抑えることができ、本発明に至ったものである。
【0009】
なお、従来のAZ31の圧延材に対して電気化学活性を向上させる点では、Al:3.0~12%の範囲,Ca:2.0~8.0%の範囲からなるMg合金であってもよい。
これらのMg合金も液体急冷凝固法により、厚さ0.2mm以下の薄板材(薄帯)を得ることができる。
【0010】
本発明において、Al:6.0~12.0%,Ca:2.0~5.0%含有しているマグネシウム合金(Mg合金)と表現したのは、Al:6.0~12.0%,Ca:2.0~5.0%含有し、残部がMgからなる合金のみならず、必要に応じて他の成分が含まれていてもよい趣旨である。
その場合に、電気化学活性に悪影響を与えない範囲にて、不純物や他の成分が含まれていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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