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公開番号2023139330
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-04
出願番号2022044801
出願日2022-03-22
発明の名称イネの登熟不良軽減剤およびイネの登熟不良粒を軽減する方法
出願人埼玉県
代理人個人
主分類A01N 39/04 20060101AFI20230927BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】イネ栽培中、特に出穂期から成熟期の間に高温曝露などのストレスにさらされたことによる登熟不良粒を軽減するための剤、およびそれを用いた登熟不良粒の発生を軽減する方法を提供すること。
【解決手段】オーキシンを有効成分として含有するイネの登熟不良軽減剤を、例えば高温に曝露されたイネに出穂期以降に散布する。オーキシンは、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、1-ナフタレン酢酸、MCPA、MCPB、MDBA、1-ナフチルアセトアミド、メコプロップ、4-クロロフェノキシ酢酸、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸、2-ナフトキシ酢酸、2-フェニル酢酸、4-クロロインドール-3-酢酸、フロルピラウキシフェンベンジル、クロメプロップ、トリクロピル、エチクロゼート、インドール-3-酢酸、ジクロルプロップおよびインドール-3-酪酸、ならびにこれらの誘導体からなる群から選択される化合物であることが好ましい。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
オーキシンを有効成分として含有する、イネの登熟不良軽減剤。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記オーキシンが、以下の化合物およびその誘導体からなる群から選択される化合物である、請求項1に記載のイネの登熟不良軽減剤:
2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、1-ナフタレン酢酸、MCPA、MCPB、MDBA、1-ナフチルアセトアミド、メコプロップ、4-クロロフェノキシ酢酸、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸、2-ナフトキシ酢酸、2-フェニル酢酸、4-クロロインドール-3-酢酸、フロルピラウキシフェンベンジル、クロメプロップ、トリクロピル、エチクロゼート、インドール-3-酢酸、ジクロルプロップおよびインドール-3-酪酸。
【請求項3】
前記オーキシンが、100nMから10mMの濃度でイネに散布されるための、請求項1または請求項2に記載のイネの登熟不良軽減剤。
【請求項4】
前記オーキシンが、1μMから1000μMの濃度である、請求項3に記載のイネの登熟不良軽減剤。
【請求項5】
展着剤を更に含有する、請求項1に記載のイネの登熟不良軽減剤。
【請求項6】
前記展着剤が、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、リグニンスルホン酸カルシウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリナフチルメタンスルホン酸ナトリウム、パラフィン、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリナフチルメタンスルホン酸ジアルキルジメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンオキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン、ポリオキシアルキレンプロペニルエーテルおよびポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステルからなる群から選択される、請求項5に記載のイネの登熟不良軽減剤。
【請求項7】
イネの出穂期から成熟期までの間に少なくとも1回散布するための、請求項1に記載のイネの登熟不良軽減剤。
【請求項8】
イネの出穂期から20日間の平均気温が26℃以上になると予想される場合、複数回散布するための、請求項1に記載のイネの登熟不良軽減剤。
【請求項9】
オーキシンをイネの出穂期から成熟期までの間に少なくとも1回散布することを含む、イネの登熟不良粒を軽減する方法。
【請求項10】
前記イネが出穂期以降に高温に曝露されたことを含む、請求項9に記載のイネの登熟不良粒を軽減する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、イネの登熟不良軽減剤および当該登熟不良軽減剤を用いたイネの登熟不良粒を軽減する方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化により、イネ(Oryza sativa L.)の高温障害が全国的に問題となっている。イネの高温障害は、開花期前後の高温不稔による収量低下と、登熟期の高温による玄米の品質低下の二つに大別される。後者については、特にイネの出穂期から20日間程度の期間に高温になると、玄米のデンプンがうまく詰まらずに濁る白未熟粒が多発し、米の品質低下が深刻になっている。このような登熟不良粒に対する従来の対処技術は窒素肥料の追肥や高温に強い品種の育成が中心であった。
【0003】
しかし、肥料の施用による既往の対策技術は、高温遭遇よりも前に予測して実施しなければならず、実際に当該時期が高温とはならない場合もある。また、窒素施用量が過剰となると、食味の低下や倒伏の助長など、多くの栽培上のリスクが増加する。品種育成による対策に関しては、高温に弱い既存品種のブランド力が強い場合、品種の転換が進まないことが多い。したがって、これらの問題を解決する新たな高温障害対策技術が求められている。
【0004】
イネの高温障害対策に関する研究は、米を主食とする文化を有する国を中心に、以前から様々行われている。例えば細胞の伸長・分裂や花粉の発生を促進するオーキシンなどの植物ホルモンを利用した研究や、デンプンやタンパク質合成遺伝子に関する研究などがある。
【0005】
高温不稔の解決に関する研究では、Zhangらが、イネが開花期の高温に最も敏感で、花粉不稔の発生や雌しべの花粉管伸長の停止などにより受粉が失敗して米の収量が低下する、という知見に基づき研究を進めたところ、開花後2時間のイネに熱ストレスを与え、そのイネにオーキシンを散布すると、花粉不稔の回復や、イネ品種によっては花粉管伸長の停止も回復することを確認した(非特許文献1)。
【0006】
逆に、日本ではオーキシンに関するイネの低温障害について研究されている(特許文献1)。イネの穂ばらみ期(花粉母細胞の減数分裂直後)に、最高気温が20℃に満たない低温ストレスに数日間曝されると、通常の葯の成熟に伴って低下すべきオーキシンシグナルが低下しなくなり、その結果、葯壁タペート細胞の崩壊が阻害され、雄性不稔を生じる。したがって、オーキシン作用を阻害する物質、例えばアミノオキシ酢酸をイネに与えて正常に葯壁細胞の崩壊を進行させると、雄性不稔を回復できる。このように、オーキシン作用の調節は、高温障害対策または低温障害対策に寄与すると考えられる。
【0007】
登熟期の高温による玄米の品質低下に関する研究として、タンパク質合成遺伝子に関する研究に基づく対策も開示されている。例えば、ホスホリパーゼDに注目した高温障害対策技術が挙げられる(特許文献2)。当該技術は、複数のホスホリパーゼDのうちの1つ(OsPLDbeta2)の遺伝子の発現を抑制させた場合、高温障害が大幅に低減される知見を利用している。具体的には、イネ科植物にOsPLDbeta2遺伝子の発現を抑制するベクターを導入して遺伝子操作することにより、高温障害による米の品質低下を低減している。つまり、先述の品種育成技術に該当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2010/079805号
特開2012-187048号公報
【非特許文献】
【0009】
Zhang et al., Rice (2018) 11:14
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したように、従来の登熟不良粒に対する対処技術は追肥や品種育成が中心であり、追肥は出穂前10日程度の実施が晩限であった。したがって、従来の対処技術では、高温になるという予測の下で前もって実施しなければいけないことや、倒伏のリスク増加やタンパク質含量の増加による食味低下とのトレードオフなどの課題があった。品種育成に関しては既存品種のブランド力が強く転換が困難となっている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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