TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024057144
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-24
出願番号2022163670
出願日2022-10-12
発明の名称シミュレーションモデル構築方法、及び、シミュレーション方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類G05B 13/04 20060101AFI20240417BHJP(制御;調整)
要約【課題】シミュレーションモデルに含まれる物理モデルのパラメータ調整を好適に行うことで、機器の挙動を精度よく予測する。
【解決手段】シミュレーションモデル構築方法では、準備された複数の入力データと、複数の入力データをシミュレーションモデルにそれぞれ入力した際にシミュレーションモデルの出力値の実測値に対する出力誤差とを含むデータセットを作成する。そしてデータセットに基づいて、入力データに対する前記出力誤差の応答曲面を作成し、応答曲面のうち出力誤差が最小となる特徴点を特定する。特定された特徴点はデータセットに追加されることにより、更新後データセットが作成される。更新後データセットを用いて、物理モデルに含まれる物理パラメータの最適化が行われる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
機器の入出力特性を模擬し、前記機器の物理モデルを含むシミュレーションモデルを構築するためのシミュレーションモデル構築方法であって、
前記シミュレーションモデルに入力するための複数の入力データを準備する入力データ準備工程と、
前記複数の入力データと、前記複数の入力データを前記シミュレーションモデルにそれぞれ入力した際に前記シミュレーションモデルの出力値の実測値に対する出力誤差とを含むデータセットを作成するデータセット作成工程と、
前記データセットに基づいて、前記入力データに対する前記出力誤差の応答曲面を作成する応答曲面作成工程と、
前記応答曲面のうち前記出力誤差が最小となる特徴点を特定する特徴点特定工程と、
前記特徴点を前記データセットに追加することにより、更新後データセットを作成するデータセット更新工程と、
前記更新後データセットを用いて、前記物理モデルに含まれる物理パラメータの最適化を行う物理モデル最適化工程と、
を備え、
前記応答曲面作成工程では、前記データセットとして前記更新後データセットを用いて前記応答曲面を更新し、
前記特徴点特定工程では、更新された前記応答曲面に基づいて前記特徴点を更新し、
前記データセット更新工程では、更新された前記特徴点を前記データセットに追加することにより、前記更新後データセットを更に更新する、シミュレーションモデル構築方法。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記データセット更新工程では、前記特徴点に対応する前記出力誤差が予め設定された目標値以下になるまで、前記特徴点を前記データセットに追加する、請求項1に記載のシミュレーションモデル構築方法。
【請求項3】
前記応答曲面作成工程では、前記データセットを用いたガウス過程回帰により前記応答曲面を作成する、請求項1又は2に記載のシミュレーションモデル構築方法。
【請求項4】
前記入力データ準備工程では、実験計画法を用いて前記複数の入力データを選定する、請求項1又は2に記載のシミュレーションモデル構築方法。
【請求項5】
前記シミュレーションモデルは、
前記入力データに対応する前記物理モデルの定常誤差を予測するための定常誤差予測モデルと、
前記入力データに対応する前記物理モデルの過渡的誤差を予測するための過渡誤差予測モデルと、
を含む、請求項1又は2に記載のシミュレーションモデル構築方法。
【請求項6】
前記過渡誤差予測モデルは、統計的モデルである、請求項5に記載のシミュレーションモデル構築方法。
【請求項7】
前記統計的モデルは、非線形カーネル型システム同定法を用いる、請求項6に記載のシミュレーションモデル構築方法。
【請求項8】
前記過渡誤差予測モデルは、入力データに対する前記過渡誤差の予測値を算出する第1時間間隔より短い第2時間周期で、少なくとも1つの過去の前記予測値に基づいて前記予測値を算出する、請求項5に記載のシミュレーションモデル構築方法。
【請求項9】
前記機器は、発電用ガスエンジンであり、
前記過渡誤差予測モデルは、前記発電用ガスエンジンの負荷投入時に対応する第1過渡誤差予測モデル、及び、前記発電用ガスエンジンの負荷遮断時に対応する第2過渡誤差予測モデルを切替可能である、請求項5に記載のシミュレーションモデル構築方法。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のシミュレーションモデル構築方法によって構築された前記シミュレーションモデルを用いて、前記機器の挙動をシミュレーションするためのシミュレーション方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、シミュレーションモデル構築方法、及び、シミュレーション方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
機器を制御するための制御コントローラの開発では、制御対象である機器をモデル化したシミュレーション技術が用いられることがある。この種のシミュレーション技術として、
機器の動特性をシミュレーションするためのSILS(Software In the Loop Simulation)やHILS(Hardware In the Loop Simulation)が知られている。SILSでは機器及び制御コントローラをそれぞれモデル化して結合されたシミュレーションモデルを用いたシミュレーションが行われる。またHILSでは、機器がモデル化されたものがコントローラ実機と結合することでシミュレーションが行われる。
【0003】
このようなシミュレーション技術では、制御対象である機器の動特性を精度良く再現することができれば、シミュレーションによる動作検証の信頼性も向上する。そのため、制御対象のモデル精度は重要なファクターである。機器の動特性を再現するモデルには、大きく分けて、物理式に基づいた物理モデルと、実測値の挙動を統計的に処理して再現した統計モデルとが含まれる。物理モデルは、その物理的な意味が明確であり、実測値が取得できていない場合においても構成可能である利点があるが、精度のよいモデルを得るためには、物理モデルに含まれる物理パラメータの調整に手間を要するという課題がある。一方で統計モデルは、実測値さえ取得できれば、機器の挙動を再現できる利点があるが、その物理的な意味が不明であり、説明性に劣ることが課題となる。このように物理モデルと統計モデルは、互いに一長一短があるため,適切に使い分ける必要がある。
【0004】
機器の挙動を精度よく再現可能なモデルを得るための手法として、例えば、非特許文献1がある。この文献では、説明性に優れた物理モデルをベースとしつつ、機器の定常状態における誤差(定常誤差)を予測するための定常誤差モデルと、機器の過渡状態における誤差(過渡誤差)を予測するための過渡誤差モデルとが組み合わされて用いられる。このモデルでは、物理モデルの予測結果が定常誤差や過渡誤差によって補正することで、機器の挙動を精度よく再現できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-165341号公報
【非特許文献】
【0006】
川口ほか、エンジンモデル同定における誤差モデルのカーネル同定法、計測自動制御学会論文集、Vol.50、No.3、pp311-317、2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記非特許文献1では、物理モデルをベースとしつつ、物理モデルのシミュレーション結果を定常誤差及び過渡誤差によって補正することで、予測精度を向上させている。しかしながら、非特許文献1では、ベースとされる物理モデルとして、多項式のような簡易的なモデルが前提とされている。このような簡易的な物理モデルをベースとした場合、仮に定常誤差及び過渡誤差で補正したとしても、機器の挙動を精度よく再現することは難しい。また機器の挙動を再現に足る物理モデルは、一般的に、多数の物理パラメータを含んでおり、信頼性の高いシミュレーションモデルの構築のためには、これらの物理パラメータをいかに調整するかが重要である。
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、シミュレーションモデルに含まれる物理モデルのパラメータ調整を好適に行うことで、機器の挙動を精度よく予測可能なシミュレーションモデルを構築可能なシミュレーションモデル構築方法、及び、シミュレーション方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態に係るシミュレーションモデル構築方法は、上記課題を解決するために、
機器の入出力特性を模擬し、前記機器の物理モデルを含むシミュレーションモデルを構築するためのシミュレーションモデル構築方法であって、
前記シミュレーションモデルに入力するための複数の入力データを準備する入力データ準備工程と、
前記複数の入力データと、前記複数の入力データを前記シミュレーションモデルにそれぞれ入力した際に前記シミュレーションモデルの出力値の実測値に対する出力誤差とを含むデータセットを作成するデータセット作成工程と、
前記データセットに基づいて、前記入力データに対する前記出力誤差の応答曲面を作成する応答曲面作成工程と、
前記応答曲面のうち前記出力誤差が最小となる特徴点を特定する特徴点特定工程と、
前記特徴点を前記データセットに追加することにより、更新後データセットを作成するデータセット更新工程と、
前記更新後データセットを用いて、前記物理モデルに含まれる物理パラメータの最適化を行う物理モデル最適化工程と、
を備え、
前記応答曲面作成工程では、前記データセットとして前記更新後データセットを用いて前記応答曲面を更新し、
前記特徴点特定工程では、更新された前記応答曲面に基づいて前記特徴点を更新し、
前記データセット更新工程では、更新された前記特徴点を前記データセットに追加することにより、前記更新後データセットを更に更新する。
【0010】
本開示の少なくとも一実施形態に係るシミュレーションモデル方法は、上記課題を解決するために、
本開示の少なくとも一実施形態に係るシミュレーションモデル構築方法によって構築された前記シミュレーションモデルを用いて、前記機器の挙動をシミュレーションする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社豊田自動織機
無人走行体
2か月前
株式会社クボタ
作業車
2か月前
アズビル株式会社
電圧出力回路
1か月前
アズビル株式会社
流量制御装置
1か月前
ミネベアミツミ株式会社
入力装置
23日前
株式会社エクセディ
作業ロボット
11日前
トヨタ自動車株式会社
自動走行搬送車
1か月前
株式会社ダイフク
搬送設備
1日前
三菱電機株式会社
移動体制御装置
10日前
エイブリック株式会社
ボルテージレギュレータ
1か月前
株式会社クボタ
故障診断装置
1か月前
株式会社クボタ
操作機構及び作業車
2か月前
日本プラスト株式会社
節度感付加装置
1か月前
リックス株式会社
状態検出装置
26日前
岩田工機株式会社
加工装置
10日前
株式会社デンソー
制御装置
1か月前
株式会社デンソー
制御装置
1か月前
株式会社デンソー
減圧弁制御装置
1か月前
株式会社オリジン
電源装置
1か月前
村田機械株式会社
搬送車システム
16日前
株式会社オリジン
電源装置
1か月前
株式会社GSユアサ
電力変換装置
1か月前
株式会社デンソー
電子制御装置
2か月前
株式会社豊田自動織機
車両用の電動圧縮機
2か月前
川崎重工業株式会社
要因分析装置及び要因分析方法
1か月前
THK株式会社
編集装置及び編集方法
1か月前
日置電機株式会社
信号出力装置および抵抗測定装置
4日前
THK株式会社
編集装置及び編集方法
1か月前
東洋電装株式会社
移動検出装置および鞍乗車両
1か月前
国立大学法人 名古屋工業大学
パラメータ探索空間算出方法
1か月前
日本精工株式会社
制御システムおよび制御方法
4日前
株式会社ディスコ
加工装置
1か月前
村田機械株式会社
搬送車システム
2か月前
日本精工株式会社
制御システムおよび制御方法
4日前
日本精工株式会社
制御システムおよび制御方法
4日前
株式会社FUJI
暖機運転システムを備えた工作機械
1か月前
続きを見る