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公開番号2024057078
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2024030673,2022085618
出願日2024-02-29,2018-07-11
発明の名称ユニバーサルドナー細胞及び関連方法
出願人ヴィアサイト,インコーポレイテッド
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C12N 5/10 20060101AFI20240416BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】ユニバーサルドナー幹細胞及びそれに由来する細胞、並びにそれらの関連する使用及び生産方法が開示される。開示されるユニバーサルドナー幹細胞は、細胞ベースの移植療法における同種免疫拒絶を克服するのに有用である。
【解決手段】特定の実施形態では、開示されるユニバーサルドナー細胞は、1つ以上のMHCクラスI細胞表面タンパク質を発現せず、少なくとも1つのNK活性化リガンドの発現が破壊又は阻害されている膵臓内胚葉細胞である。
【選択図】図15
特許請求の範囲【請求項1】
膵臓系統細胞を含むインビトロ細胞集団であって、少なくとも1つの主要組織適合性複合体(MHC)クラスI遺伝子及び少なくとも1つのナチュラルキラー(NK)細胞活性化リガンドの機能が、前記膵臓系統細胞において破壊又は阻害されている、インビトロ細胞集団。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記MHCクラスI遺伝子が、β-2マイクログロブリン(B2M)又はヒト白血球抗原(HLA)-ABC細胞表面タンパク質をコードする、請求項1に記載のインビトロ細胞集団。
【請求項3】
前記NK細胞活性化リガンドが、細胞間接着分子(ICAM)1、分化抗原群(CD)58、CD155、ポリオウイルス受容体(PVR)、癌胎児性抗原関連細胞接着分子(CEACAM)1、細胞接着分子(CADM)1、主要組織適合性クラスI関連鎖タンパク質(MIC)A、MICB、又はそれらの組み合わせである、請求項1又は2に記載のインビトロ細胞集団。
【請求項4】
NK細胞活性化リガンドの組み合わせが、前記膵臓系統細胞において破壊又は阻害され、前記NK細胞活性化リガンドの組み合わせが、a)CD58及びICAM1、b)CD58、ICAM1、及びCD155、c)CD58及びCADM1、d)CD58及びCD155、e)CD58、ICAM1、CD155、及びCADM1、又はf)ICAM1、CADM1、及びCD155である、請求項1又は2に記載のインビトロ細胞集団。
【請求項5】
前記膵臓系統細胞が、胚体内胚葉、前腸内胚葉、膵臓内胚葉、内分泌前駆体、又はインスリン産生細胞である、請求項1~4のいずれか一項に記載のインビトロ細胞集団。
【請求項6】
前記膵臓系統細胞が、細胞死誘導剤の存在下で発現されたときに前記剤が膵臓系統細胞を死滅させることができるタンパク質をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のインビトロ細胞集団。
【請求項7】
前記タンパク質が、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼであり、前記細胞死誘導剤が、ガンシクロビルである、請求項6に記載のインビトロ細胞集団。
【請求項8】
前記MHCクラスI遺伝子が、ゲノム編集を使用して破壊又は阻害されるか、又は前記NK細胞活性化リガンドが、ゲノム編集を使用して破壊及び/又は阻害される、請求項1~7のいずれか一項に記載のインビトロ細胞集団。
【請求項9】
前記ゲノム編集が、メガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、エンドデオキシリボヌクレアーゼ、クラスター化され規則的に間隔を空けた短いパリンドローム反復(CRISPR)/cas)システム、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システム、又は相同組換えの使用を含む、請求項8に記載のインビトロ細胞集団。
【請求項10】
前記NK細胞活性化リガンドが、抗NK細胞活性化リガンド剤を使用して破壊又は阻害される、請求項1~7のいずれか一項に記載のインビトロ細胞集団。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2107年7月12日に出願された「ユニバーサルドナー(UNIVERSAL DONOR)細胞及び関連方法」と題する米国実用
出願第15/648,337号に対する優先権を主張する。
続きを表示(約 8,000 文字)【0002】
本出願は、遺伝子発現、ゲノム工学、及び遺伝子/細胞療法の分野に関連する。
【背景技術】
【0003】
ヒト多能性幹細胞(hPSC)は、患者への移植のための任意の成人細胞種を生成するための有用なツールである。原則として、hPSCベースの細胞療法は、全てではないにしても大部分の変性疾患を処置する可能性を有するが、そのような療法の成功は対象の免疫応答によって制限され得る。免疫系は、高い特異性の層状防御により感染から生物を保護する。簡単に言えば、物理的な障壁は、細菌及びウイルスなどの病原体が生物に侵入するのを防ぐ。病原体がこれらの障壁を突破した場合、自然免疫系は即座であるが非特異的な反応を提供する。病原体が自然応答をうまく回避できた場合、脊椎動物は、自然応答によって活性化される適応免疫系という第2の保護層を有する。適応免疫系は、さらにより特異的な応答を生じさせる。ここで、免疫系は、病原体の認識を改善するように感染中の応答を適応させる。次いで、この改善された応答は、病原体が排除された後に免疫記憶の形で保持され、この病原体に遭遇するたびに適応免疫系はより速く開始し、より強力に攻撃することができる。適応免疫応答は、抗原特異的であり、抗原提示と呼ばれるプロセス中の特定の「非自己」抗原の認識を必要とする。抗原特異性は、特定の病原体又は病原体感染細胞に合わせた応答を生じさせることを可能にする。インターフェロンγ(IFN-γ)は、感染性及び非感染性疾患に対抗するのに重要な役割を果たす。ヒト免疫応答におけるIFN-γの主な供給源はT細胞である。NK細胞、マクロファージ、IFN-γは、自然免疫及び獲得免疫の両方で重要な役割を果たす。
【0004】
主要組織適合性複合体(MHC)は、免疫系の調節に不可欠な一連の細胞表面タンパク質である。MHC分子の主な機能は、病原体に由来する抗原に結合し、適切なT細胞による認識のために細胞表面にそれらを提示することである。MHC遺伝子ファミリーは、クラスI、クラスII、クラスIIIの3つのサブグループに分けられる。ヒトMHCは、HLA(ヒト白血球抗原)複合体(しばしば単にHLA)とも呼ばれる。ナチュラルキラー(NK)細胞は、自然免疫及び適応免疫の間の境界面で機能するリンパ球である。NK細胞は、細胞傷害性及びサイトカイン分泌などのエフェクター機能を介して、また自然免疫及び適応免疫応答を調節することにより、免疫防御に直接寄与する。標的細胞又は宿主細胞がNK細胞に遭遇したとき、いくつかの結果があり得る。NK応答の程度は、NK細胞上の活性化及び阻害性受容体の量及び種類、並びに標的細胞上の活性化及び阻害性リガンドの量及び種類によって決まる。図1を参照のこと。シナリオAでは、標的細胞がヒト白血球抗原(HLA)クラスI及びNK活性化リガンドを有さない場合、MHCクラスI阻害性受容体及び活性化リガンド受容体を発現するNK細胞は標的細胞を攻撃しない(応答なし又は許可なし)。シナリオBでは、標的細胞がHLAクラスIを発現するが、活性化リガンドを有さない場合、阻害性受容体及び活性化受容体を発現するNK細胞は標的を攻撃することができない。シナリオCでは、標的細胞がHLAクラスIをダウンレギュレートするか又はHLAクラスIを有さず、NK活性化リガンドを発現する場合、阻害性受容体及び活性化受容体を発現するNK細胞は標的細胞を攻撃する。シナリオDでは、標的細胞が自己HLAクラスI及びNK活性化リガンドの両方を発現する場合、阻害性受容体及び活性化受容体を発現するNK細胞による応答のレベルは、NK細胞に対する阻害性及
び活性化シグナルのバランスによって決まる。Haynes et al., THE IMMUNE SYSTEM IN HEALTH AND DISEASE, PART 15: Immune-Mediated, Inflammatory, and Rheumatologic Disorders, 372e Introduction to the Immune System。
【0005】
歴史的に、同種細胞に対する宿主の免疫応答を克服するための努力は、適応免疫応答、すなわち、T細胞と異物細胞上に提示されるMHCクラスI抗原との間の付着を妨げることに焦点を当てていた。そのため、CRISPR及びTALENシステムは、機能喪失遺伝的修飾を生じさせるために使用され、したがって1つ以上の古典的なMHC/HLA遺伝子を発現しない幹細胞を作り出す。しかしながら、これらの細胞及びそれらに由来する細胞は、宿主の自然免疫応答(NK細胞)に対して依然として脆弱である。例えば、Parham et al. (2005) Nat Rev Immunol. 5(3):201-214を参照のこと。宿主の自然免疫応答を克服するために、他の人々は免疫寛容原性因子を標的細胞に再導入することを試みた。焦点は「自己性の喪失(missing self)」にあった。国際公開第2016183041A2号(その開示は参照によりその全体が組み込まれる)を参照されたい。本出願人は、驚くべきことに、宿主のNK媒介免疫応答を回避する鍵は、「自己性の喪失」ではなく、標的細胞上のNK細胞活性化リガンドの発現及び大きさであることを発見した。
【0006】
したがって、一部又は全ての古典的なHLA発現を欠くが、溶解のためのNK細胞によって攻撃されない細胞を開発するための組成物及び方法に対する必要性が存在している。
【発明の概要】
【0007】
本明細書では、ユニバーサルドナー細胞株を提供することにより、移植片拒絶、特に、細胞ベースの移植療法における同種免疫移植片拒絶を克服する戦略が開示される。一実施形態では、古典的なHLAクラスI細胞表面タンパク質発現及びNK活性化リガンド発現の一部又は全てを欠く、ヒト多能性幹細胞が提供される。一実施形態では、古典的なHLAクラスI細胞表面タンパク質発現及びNK活性化リガンド発現の一部又は全てを欠く、膵臓細胞などのヒト多能性幹細胞に由来する細胞が提供される。一実施形態では、β-2-マイクログロブリン(B2M)などの少なくとも1つのMHC遺伝子及び細胞間接着分子1(ICAM-1)などの少なくとも1つのNK活性化リガンド遺伝子が破壊、欠失、改変、又は阻害された移植膵臓細胞を提供することにより、細胞移植片拒絶を防止する方法が提供される。別の実施形態では、B2Mなどの少なくとも1つのMHCタンパク質及びICAM-1などの少なくとも1つのNK活性化リガンドタンパク質の発現が破壊、欠失、改変、又は阻害された移植膵臓細胞を提供することにより、細胞移植片拒絶を予防する方法が提供される。B2Mの破壊、欠失、改変、又は阻害により、HLAクラスIの表面発現及び機能の全てが欠損する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、(標的細胞に対するNK媒介性応答の)異なるシナリオを示す、上記のHaynesらの図372e-4(これはその全体が本明細書に組み込まれる)の複写物である。標的細胞上にMHCクラスIが存在せず、NK活性化リガンドが存在しない場合、NK細胞上の阻害性受容体及び活性化受容体は関与せず、NK細胞は応答しないままである(シナリオA)。標的細胞上にMHCクラスIが存在するが、NK活性化リガンドが存在しない場合、NK細胞上の阻害性受容体は関与するが、NK細胞上の活性化受容体は関与せず、NK細胞は応答しないままである(シナリオB)。標的細胞上に自己MHCクラスIが存在しないが、NK活性化リガンドが存在する場合、NK細胞上の阻害性受容体は関与しないが、NK細胞上の活性化受容体は関与し、NK細胞は攻撃する(シナリオC)。標的細胞上にMHCクラスI及びNK活性化リガンドが存在する場合、NK細胞上の阻害性受容体及び活性化受容体が関与し、シグナルのバランスによって結果が決まる(シナリオD)。
図2Aは、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)の野生型(WT)hES細胞上のB2M細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。網掛け部分は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。IFN-γへの曝露は、WT hES細胞におけるB2M細胞表面タンパク質発現を増加させる。
図2Bは、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のB2Mノックアウト(B2M-/-)hES細胞上のB2M細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。B2M-/-hES細胞は、B2M細胞表面タンパク質の発現がほとんどなく、該発現はIFN-γへの曝露後に有意に変化しない。
図3Aは、汎HLAクラスI抗体を使用した、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のWT hES細胞でのHLA-ABC細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。網掛け部分は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。
図3Bは、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のB2MノックアウトhES細胞上のHLA-ABC細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。B2M-/-hES細胞では、検出可能なHLA-ABC細胞表面タンパク質発現がない。
図4Aは、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のWT膵臓内胚葉細胞(PEC)上のB2M細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。網掛け部分は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。IFN-γへの曝露は、WT PECにおけるB2M細胞表面タンパク質発現を増加させる。
図4Bは、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のB2MノックアウトPEC上のB2M細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。B2M-/-PECでは、検出可能なB2M細胞表面タンパク質発現がない。
図5Aは、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のWT PEC上のHLA-ABC細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。網掛け部分は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。IFN-γへの曝露は、WT PECにおけるHLA-ABC細胞表面タンパク質発現を増加させる。
図5Bは、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のB2MノックアウトPEC上のHLA-ABC細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。B2M-/-PECでは、検出可能なHLA-ABC細胞表面タンパク質発現がない。
図6Aは、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のWT hES細胞上のICAM-1細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。網掛け部分は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。IFN-γへの曝露は、WT hES細胞におけるICAM-1細胞表面タンパク質発現を増加させる。
図6Bは、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のB2MノックアウトhES細胞上のICAM-1細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。B2M-/-hES細胞は、IFN-γ曝露の前後においてWT hES細胞と同様のICAM-1細胞表面タンパク質発現を有する。
図7Aは、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のWT PEC上のICAM-1細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。網掛け部分は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。IFN-γへの曝露は、WT PECにおけるICAM-1細胞表面タンパク質発現を増加させる。
図7Bは、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のB2MノックアウトPEC上のICAM-1細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。IFN-γへの曝露後に、B2M-/-PECは、バックグラウンド(網掛け領域)の発現より大きいWT PECと同様のICAM-1細胞表面タンパク質発現を有する。
図8は、各々がIFN-γに曝露されていない(対照)又はIFN-γに曝露されたWT hES細胞、B2M(-/-)hES細胞、WT PEC、及びB2M(-/-)PECにおけるICAM-1のmRNA発現データ(Affymetrix発現アレイ)を示す棒グラフである。ICAM-1発現が、低いICAM細胞表面タンパク質発現を有することが既知である細胞:癌細胞(K562及びSKBR3)、インビボでインスリン産生細胞に成熟することが可能であった移植されたPEC、ヒト膵島細胞、及び末梢血単核細胞(PBMC)の2つの異なる試料(IFN-γへの曝露なし)においても評価されている。ICAM-1 mRNA発現は、hES細胞(WT又はB2M-/-)又はPEC(WT又はB2M-/-)のIFN-γへの曝露後に増加する。
図9は、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のWT PEC上のCD58(別名:LFA-3)細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。C線は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。IFN-γへの曝露は、未処理の対照と比較して、WT PECにおけるCD58細胞表面タンパク質の発現を僅かだけ増加させる。BioLegendから得た抗体、カタログ番号#330909。
図10は、IFN-γなし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のWT PEC上のCD155細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。C線は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。IFN-γへの曝露後に、WT PECは、WT未処理PEC対照と同様のCD155細胞表面タンパク質発現を有する。遺伝子記号PVR(別名:CD155、NECL-5、HVED)。Milteneyi Biotech Inc.から得た抗体、カタログ番号#130-105-905。
図11は、IFN-γへの曝露なし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のWT PEC上のCEACAM1(別名:CD66a、BGP、BGP1)細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。C線は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。IFN-γへの曝露は、未処理の対照と比較して、WT PECにおけるCEACAM1細胞表面タンパク質の発現を僅かに増加させる。Milteneyi Biotech Inc.から得た抗体、カタログ番号#130-098-858。
図12は、IFN-γへの曝露なし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のWT PEC上のBAT3細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。C線は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。未処理対照のWT PECは、IFN-γに曝露されたWT PECと同様のBAT3細胞表面タンパク質発現を有する。遺伝子記号BAG6(別名:BAT3、HLA-B関連転写物3)。Abcam,Inc.から得た抗体、カタログ番号#ab210838。
図13は、IFN-γへの曝露なし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のWT PEC上のCADM1(別名:NECL2、TSLC1、IGSF4、RA175)細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。C線は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。IFN-γへの曝露後、WT PECは、未処理対照と同様のCADM1細胞表面タンパク質発現を有する。MBL International Corp.から得た抗体、カタログ番号#CM004-4。
図14は、IFN-γへの曝露なし(B線)及びIFN-γへの曝露後(A線)のWT PEC上のCD112細胞表面タンパク質発現の代表的なフローサイトメトリー分析を示す。C線は、抗体染色のないバックグラウンド発現である。IFN-γへの曝露後、WT PECは、未処理の対照と同様のCD112細胞表面タンパク質発現を有する。遺伝子記号PVRL2(別名;CD112、ネクチン-2、PVRR2、HVEB)。Milteneyi Biotech Inc.から得た抗体、カタログ番号#130-109-056。
図15は、標的細胞におけるICAM-1発現を抗ICAM1抗体で遮断した後の標的細胞のNK細胞溶解の減少を示す棒グラフである(左から右へ、NK細胞傷害性アッセイのためのWT hESC、IFN-γに曝露したWT hESC、B2M-/-hESC、IFN-γに曝露したB2M-/-hES、WT PEC、IFN-γに曝露したWT PEC、B2M-/-PEC、IFN-γに曝露したB2M-/-PEC、K562対照細胞株)。左から右へ、各組の3つのバーは、NK-062216;NK-062216+ICAM1AB(5μg/ml);NK-062216+ICAM1AB(10μg/ml)を表す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
配列表
添付の配列表に列挙されている核酸及びアミノ酸配列は、37C.F.R.1.822で定義されている核酸塩基についての標準的な文字略語及びアミノ酸についての3文字コードを使用して示される。各核酸配列の1つの鎖のみが示されているが、示された鎖についての任意の参照により、相補鎖が含まれているものと理解される。配列表は、ASCIIテキストファイルSequence_Listing、2018年7月3日、11KBとして提出され、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
MHCクラスI分子は、主要組織適合性複合体(MHC)分子の2つの主なクラスのうちの1つである(他方はMHCクラスIIである)。その機能は、細胞内からの非自己タンパク質のペプチド断片を細胞傷害性T細胞に提示することである。これにより、MHCクラスIタンパク質の助けを伴って提示される特定の非自己抗原に対する免疫系からの即時応答が引き起こされる。ヒトでは、MHCクラスIに対応するHLAは、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-E、HLA-F、及びHLA-Gである。ヒトHLA-E、HLA-F、及びHLA-Gは、限られた多型及び古典的なパラログ(HLA-A、HLA-B、及びHLA-C)よりも低い細胞表面発現を特徴とする、非古典的なMHCクラスI分子である。全てのMHCクラスIタンパク質は、細胞表面上の機能的発現の前に、機能的ヘテロダイマーMHCクラスIタンパク質複合体を生成するためにβ2-マイクログロブリン(B2M)と結合する必要がある。MHCクラスI分子は、NK細胞の阻害リガンドとしても機能する。細胞表面MHCクラスIの正常レベルの低下により、NK細胞による死滅が活性化される。
(【0011】以降は省略されています)

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