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公開番号2024056391
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2022163226
出願日2022-10-11
発明の名称被覆金属部材およびその製造方法
出願人スズキ株式会社,エスエイエス・ナノテクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー,SAS Nanotechnologies LLC
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C25D 13/06 20060101AFI20240416BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】 塗膜下腐食の進行を抑制することができる優れた腐食抑制効果を有し、且つ外観面においても美観に優れた被覆金属部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 金属部材30と金属部材の表面を被覆する電着塗膜10とを備える被覆金属部材1であって、電着塗膜10は、腐食抑制剤が収容されたマイクロカプセル20を含有し、被覆金属部材1の板厚方向において電着塗膜内のマイクロカプセル20は金属部材30側に偏在している。このような電着塗膜10は、電解液中に金属部材30を浸漬し、金属部材を陽極として通電して金属部材の表面にアニオン型マイクロカプセル20を電着させた後、続いて金属部材を陰極として通電して金属部材の表面にカチオン電着塗料を電着させて塗膜を形成し、焼付硬化させることで得ることができる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属部材と前記金属部材の表面を被覆する電着塗膜とを備える被覆金属部材であって、
前記電着塗膜が、腐食抑制剤が収容されたマイクロカプセルを含有し、前記被覆金属部材の板厚方向において前記電着塗膜内の前記マイクロカプセルが前記金属部材側に偏在している、被覆金属部材。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記電着塗膜内の前記マイクロカプセルが前記金属部材の表面に付着しているものを含む、請求項1に記載の被覆金属部材。
【請求項3】
前記マイクロカプセルの表面がアニオン電着塗料で被覆されており、前記電着塗膜がカチオン電着塗料である、請求項1又は2に記載の被覆金属部材。
【請求項4】
前記マイクロカプセルの表面がカチオン電着塗料で被覆されており、前記電着塗膜がアニオン電着塗料である、請求項1又は2に記載の被覆金属部材。
【請求項5】
金属部材と前記金属部材の表面を被覆する電着塗膜とを備える被覆金属部材の製造方法であって、
極性溶媒に、腐食抑制剤が収容された負の電荷を有するアニオン型マイクロカプセルと、カチオン電着塗料とを混合して電解液を作製する工程と、
電解槽に導入した前記電解液中に金属部材を浸漬し、前記金属部材を陽極として通電して前記金属部材の表面に前記アニオン型マイクロカプセルを電着させる第1の電着塗装工程と、
前記電解槽にて、前記金属部材を陰極として通電して前記金属部材の表面に前記カチオン電着塗料を電着させる第2の電着塗装工程と、
前記金属部材の表面に電着した前記カチオン電着塗料を焼付硬化させ、電着塗膜とする工程と
を含む製造方法。
【請求項6】
金属部材と前記金属部材の表面を被覆する電着塗膜とを備える被覆金属部材の製造方法であって、
極性溶媒に、腐食抑制剤が収容された負の電荷を有するカチオン型マイクロカプセルと、アニオン電着塗料とを混合して電解液を作製する工程と、
電解槽に導入した前記電解液中に金属部材を浸漬し、前記金属部材を陽極として通電して前記金属部材の表面に前記カチオン型マイクロカプセルを電着させる第1の電着塗装工程と、
前記電解槽にて、前記金属部材を陰極として通電して前記金属部材の表面に前記アニオン電着塗料を電着させる第2の電着塗装工程と、
前記金属部材の表面に電着した前記アニオン電着塗料を焼付硬化させ、電着塗膜とする工程と
を含む製造方法。
【請求項7】
腐食抑制剤の粉体粒子を架橋剤で被覆する工程と、
前記架橋剤で被覆された粉体粒子を、アニオン電着塗料に浸漬して、前記腐食抑制剤が収容されたアニオン型マイクロカプセルを作製する工程と
を更に含む、請求項5に記載の被覆金属部材の製造方法。
【請求項8】
腐食抑制剤をポリアニリン系ポリマーで被覆する工程と、
前記ポリアニリン系ポリマーで被覆された腐食抑制剤を、酸溶液に浸漬して酸をドープし、前記腐食抑制剤が収容されたアニオン型マイクロカプセルを作製する工程と
を更に含む、請求項5に記載の被覆金属部材の製造方法。
【請求項9】
前記酸が環状構造を有する有機酸である、請求項8に記載の被覆金属部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆金属部材およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
自動車の鋼板などの金属部材の表面を保護するために、金属部材の表面は塗膜で覆われているが、図12(a)に示すように、走行時の跳ね石等により塗膜80に破断や傷80Bが生じて鋼板30の一部が露出してしまうことがある。そうすると、図12(b)に示すように、塗膜80と鋼板30の界面に沿って塗膜下腐食31が進行し、腐食生成物または発生したガス(H

等)32が塗膜80を持ち上げ、半球状または糸状の塗膜の膨れが発生し、自動車の外観品質を低下させる。
【0003】
このような塗膜下腐食を抑制する技術として、腐食抑制剤を内包したマイクロカプセルを塗膜中に含有させた塗装が提案されている。例えば、特許文献1には、樹脂組成物から得られる樹脂皮膜を金属板の少なくとも片面に備えた樹脂塗装金属板であって、樹脂組成物は、数平均分子量が1000~100,000である水溶性の酸性樹脂と、平均粒径5μm以下の多孔質微粒子にポリフェノール化合物が内包されたマイクロカプセルとを含有することを特徴とする耐食性および表面性状に優れた樹脂塗装金属板が記載されている。
【0004】
また、内包物を有するマイクロカプセル自体については種々の技術が提案されている。例えば、特許文献2には、粉体粒子をコアとし、このコアを水分散に必要な電荷を持っている水性樹脂層で被覆してなる水分散可能な粉体マイクロカプセルであって、粉体粒子と水性樹脂層との間に、縮合や付加反応により自己架橋および/または前記水性樹脂と架橋した水不溶性の熱硬化性架橋剤の架橋層が介在している粉体マイクロカプセルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-237460号公報
特開昭63-171637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されているような技術では、例えば、図13に示すように、鋼板30の表面の塗膜80に破断や傷80Bが生じると、破断や傷が発生した部分の塗膜80中のマイクロカプセル81の外殻が破壊され、内包している腐食抑制剤が流出する。この腐食抑制剤としては、多種多様なものが用いられているが、多くのものは鋼板30の露出した表面に対し、保護膜81Sを形成する効果を持たせている。
【0007】
しかしながら、塗膜80に破断や傷80Bが発生した直後は、腐食抑制剤の効果が得られるものの、徐々に保護膜81Sの効果が失われて塗膜下腐食31が生じると、図14に示すように、鋼板30の表面近傍にはマイクロカプセル81はわずかにしか存在しないため、腐食抑制剤の流出はほとんどなく、よって、塗膜下腐食31が進行してしまうという問題がある。
【0008】
このように破壊されるマイクロカプセルは塗膜の破断や傷の発生部の近傍に限られるため、十分な腐食抑制効果を得るためには、マイクロカプセルの含有量を多くすることが考えられる。しかしながら、このようにマイクロカプセルの含有量を多くすると、コストの増加に加えて、塗膜外観面にマイクロカプセルによる凹凸が生じて外観品質を低下させるという不具合も生じ得る。
【0009】
また、マイクロカプセルを含有する塗料の塗装方法として、例えば、スプレー塗装を用いることもできるが、スプレー塗装では、電着塗装と異なり、袋構造部等の直接スプレーできない箇所については均一な塗膜を得るのが難しい。更に、スプレー塗装は、塗膜と鋼板との密着性が電着塗装に比べて低く、塗膜下腐食が進行しやすいという問題もある。
【0010】
電着塗装は、一般的に、塗装する対象物(鋼板)を外部電源に接続するとともに、正の電荷を持つ水性樹脂(カチオン電着塗料)、または負の電荷を持つ水性樹脂(アニオン電着塗料)を含む電着液中に浸漬する。そして、鋼板の電位を負極(カチオン電着)、または正極(アニオン電着)とすることで電気泳動により鋼板に電着塗料を吸着させ、塗膜を形成する。この方法では、鋼板表面へマイクロカプセルを吸着させるためには、カチオン電着にはカチオン型マイクロカプセル、アニオン電着にはアニオン型マイクロカプセルを用いる必要がある。特許文献2には、電荷を持つマイクロカプセルが記載されているが、このマイクロカプセルを用いた電着塗装については説明されていない。
(【0011】以降は省略されています)

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