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公開番号2024056396
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2022163239
出願日2022-10-11
発明の名称自動車車体のヘミング部構造
出願人スズキ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類B62D 25/10 20060101AFI20240416BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】 ヘミング部に用いる接着剤が導電性であっても非導電性であっても、アウターパネル及びインナーパネルの腐食を抑制することができる自動車車体のヘミング部構造を提供する。
【解決手段】 自動車車体のヘミング部構造は、アウターパネル10と、インナーパネル20と、アウターパネルとインナーパネルを接合する接着剤30とを備え、アウターパネルの縁部は、インナーパネルの縁部を包み込むように折り返してヘミング部を構成し、接着剤30は、2液混合硬化型樹脂のA液を内包する熱応答性マイクロカプセル31Mと、2液混合硬化型樹脂のB液を内包する熱応答性マイクロカプセル32Mとを含み、接着剤の露出した部分の少なくとも一部の領域は、2液混合硬化型樹脂の被膜33で覆われている。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
アウターパネルと、インナーパネルと、前記アウターパネルと前記インナーパネルを接合する接着剤とを備える自動車車体のヘミング部構造であって、
前記アウターパネルの縁部が、前記インナーパネルの縁部を包み込むように折り返してヘミング部を構成し、
前記接着剤が、2液混合硬化型樹脂のA液を内包する熱応答性マイクロカプセルと、2液混合硬化型樹脂のB液を内包する熱応答性マイクロカプセルとを含み、
前記接着剤の露出した部分の少なくとも一部の領域が、前記2液混合硬化型樹脂の被膜で覆われている、ヘミング部構造。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記接着剤が導電性付与剤を含み、前記接着剤の露出した部分のうちの別の一部の領域が、電着塗膜で覆われている、請求項1に記載のヘミング部構造。
【請求項3】
前記接着剤が熱硬化性接着シートであり、前記熱硬化性接着シートの表面に前記2液混合硬化型樹脂のA液を内包する熱応答性マイクロカプセルと、前記2液混合硬化型樹脂のB液を内包する熱応答性マイクロカプセルとが埋め込まれている、請求項1又は2に記載のヘミング部構造。
【請求項4】
前記接着剤が熱硬化性接着剤であり、その硬化温度が、熱応答性マイクロカプセルの応答温度より低い、請求項1又は2に記載のヘミング部構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車車体のヘミング部構造に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
自動車の車体には、例えばボンネットフード、ドア、フェンダ、バックドア等の多くの車体構成部品が装着されており、これら各構成部品の車体内外部には、それぞれインナーパネルおよびアウターパネルが設けられている。図7に示すように、アウターパネル10とインナーパネル20を接合する方法として、ヘミング曲げが用いられている。さらに、このヘミング部に接着剤60を塗布し、パネル間のズレを防止する工法が広く採用されている。より具体的には、各パネルのプレス成型後、接着剤を塗布した後にヘミング曲げを実施し、その後、塗装焼付時に接着剤を硬化させるのが一般的である。したがって、この接着剤60には、加熱(120~200℃程度)によって硬化する熱硬化型のものが使用される。また、接着剤60は、導電性と非導電性のいずれも用いられる。ヘミング部に用いられる導電性接着剤は、カーボン系の導電性フィラーが接着剤中にて網状に連結し、導電性を確保している。
【0003】
このような接着剤を用いたヘミング曲げとして、特許文献1には、内装板とこの内装板の縁部を覆う折り曲げ部分を有する外装板とからなる自動車車体のヘミング部の空隙に、熱膨張性フィラーを含有する接着剤を充填し、塗装の硬化のために行なう加熱処理により、接着剤を膨張させて塗装の端縁部を被覆することを特徴とする自動車車体ヘミング部の形成方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第2582780号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ヘミング部の構造は、図8に示すように、アウターパネル10が折り返されたヘミング曲げ内部18は、インナーパネル20と接着剤30によって袋構造の閉じられた空隙となっている。このヘミング曲げ内部18は、電着塗装工程において、空気が抜けないため電着液が入らず、電着塗装が施されにくい部位である。空隙が生じないようにヘミング曲げ内部18を接着剤60で満たす方法もあるが、ヘミング曲げ時に接着剤60がはみ出してアウターパネル10又はインナーパネル20に付着し、美観を損ねる、あるいは電着塗装を阻害して耐食性を低下させる懸念がある。
【0006】
一方、ヘミング曲げ内部18に対して接着剤60を挟んだ反対側(図8の上側)は開放されており、電着液が入り電着塗装が施される部位となっている。接着剤60が導電性の場合、電着塗装工程において接着剤60表面にも電着塗料40が付着するため、アウターパネル10、インナーパネル20及び接着剤60の表面を隙間なく電着塗料40を形成することが可能であり、防食効果が大きい。しかし、雨中の走行等によりヘミング曲げ内部18に水が浸入すると、鋼板又はアルミニウム合金板であるアウターパネル10とインナーパネル20は、接着剤60中の導電性フィラーより電位が卑であるため、それぞれパネルにガルバニック腐食11、21が生じ、穴あきに至る懸念がある。ガルバニック腐食の対策として接着剤60中の導電性フィラーの量を減らす方法もあるが、電気伝導度が低下して電着塗装の着き回わりが悪くなり、防食効果が低下するという問題がある。
【0007】
また、図9に示すように、非導電性の接着剤61を用いた場合、上記のヘミング曲げ内部18にガルバニック腐食は生じなくなるが、開放側では非導電性の接着剤61の表面に電着塗料40が付着しないため、非導電性の接着剤61と、アウターパネル10、インナーパネル20の各表面の電着塗料40との境界部に隙間が生じて弱点部となり、ここに水が浸入するとアウターパネル10及びインナーパネル20に腐食12、22が発生する不具合が生じるという問題がある。
【0008】
特許文献1では、上述した非導電性の接着剤の課題を解決するため、接着剤中に熱膨張性フィラーを含有させ、塗装焼付時に接着剤が膨張して弱点部を覆う方法が示されている。しかしながら、熱膨張によりパネルの変形が生じ、美観を損ねる、あるいはヘミング部の接合強度を低下させる懸念がある。
【0009】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、ヘミング部に用いる接着剤が導電性であっても非導電性であっても、アウターパネル及びインナーパネルの腐食を抑制することができる自動車車体のヘミング部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に係る発明は、アウターパネルと、インナーパネルと、前記アウターパネルと前記インナーパネルを接合する接着剤とを備える自動車車体のヘミング部構造であって、前記アウターパネルの縁部は、前記インナーパネルの縁部を包み込むように折り返してヘミング部を構成し、前記接着剤は、2液混合硬化型樹脂のA液を内包する熱応答性マイクロカプセルと、2液混合硬化型樹脂のB液を内包する熱応答性マイクロカプセルとを含み、前記接着剤の露出した部分の少なくとも一部の領域は、前記2液混合硬化型樹脂の被膜で覆われている。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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