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公開番号2024055771
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2023138503
出願日2023-08-29
発明の名称多環芳香族化合物
出願人国立大学法人京都大学,エスケーマテリアルズジェイエヌシー株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C07F 5/02 20060101AFI20240411BHJP(有機化学)
要約【課題】有機EL素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供する。
【解決手段】式(1A)または式(1B)で表される多環芳香族化合物;
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024055771000149.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">74</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
A環、B環、D環、E環、F環、およびG環は、置換/無置換のアリール環等、ZCは=CH-等、X1~X3は>N-RNX(RNXは置換/無置換のアリール等)。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
式(1A)または式(1B)で表される多環芳香族化合物;
TIFF
2024055771000147.tif
71
170
式(1A)および式(1B)中、
A環、B環、D環、E環、F環、およびG環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、Z
C
は=CR
C
-または=N-であり、R
C
は水素または置換基であり、

1
、X
2
、およびX
3
は、それぞれ独立して>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX

2
、>Si(-R
IX

2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ連結基または単結合により、当該R
NX
、R
CX
またはR
IX
を含むX
1
、X
2
、またはX
3
が結合する環の1つまたは2つと結合していてもよく、

G
は置換基であり、
Lは単結合、>C(-R
CL

2
、>N-R
NL
、>O、>Si(-R
IL

2
、>S、または>Seであり、R
NL
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CL
およびR
IL
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CL
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IL
は互いに結合して環を形成していてもよく、
式(1A)および式(1B)の各式におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、
式(1A)および式(1B)の各式における少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよい。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
Lが単結合または>C(-R
CL

2
であり、R
CL
は、置換もしくは無置換のアリールまたは置換もしくは無置換のヘテロアリールであり、2つのR
CL
は互いに結合して環を形成していてもよい、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項3】

G
が置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルである、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項4】

C
が=CR
C
-であり、A環、B環、D環、E環、F環、およびG環がいずれも置換もしくは無置換のベンゼン環である、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項5】

1
、X
2
、およびX
3
が、それぞれ独立して>N-R
NX
、>O、または>Sである、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項6】
式(1A)で表される多環芳香族化合物であって、X
1
が>N-R
NX
であり、X
1
におけるR
NX
が、L’を介してB環に結合しているか、または
式(1B)で表される多環芳香族化合物であって、X
1
が>N-R
NX
であり、X
1
におけるR
NX
が、L’を介してA環に結合しており、
L’がLと同義である、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項7】
下記いずれかの式で表される請求項6に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024055771000148.tif
103
170
式中、tBuはt-ブチルである。
【請求項8】
陽極および陰極からなる一対の電極と該一対の電極間に配置される有機層とを有し、前記有機層が請求項1~7のいずれか一項に記載の多環芳香族化合物を含有する、有機電界発光素子。
【請求項9】
前記有機層が発光層である、請求項8に記載の有機電界発光素子。
【請求項10】
前記発光層が、ホスト材料と、アシスティングドーパントとしての熱活性型遅延蛍光体またはりん光材料と、エミッティングドーパントとしての前記多環芳香族化合物とを含む、請求項9に記載の有機電界発光素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多環芳香族化合物に関する。本発明はまた、上記多環芳香族化合物を用いた有機電界発光素子、有機電界効果トランジスタおよび有機薄膜太陽電池などの有機デバイス、並びに、表示装置および照明装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料から成る有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の1つである青色や緑色などの発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わずこれまで活発に研究されてきた。
【0003】
有機EL素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層などがあるが、これらの層に適当な種々の有機材料が開発されている。
【0004】
その中で、特許文献1~4では、ホウ素を含有する多環芳香族化合物が、有機電界発光素子等の材料として有用であることが開示されている。この多環芳香族化合物を含有する有機電界発光素子は、良好な外部量子効率を有することが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/102118号
国際公開第2018/212169号
国際公開第2020/040298号
米国特許出願公開第2022/0209117号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、有機EL素子に用いられる材料としては種々の材料が開発されているが、有機EL素子用材料の選択肢を増やすために、従来とは異なる化合物からなる材料の開発が望まれている。
本発明は有機EL素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討し、特許文献1~4に記載の化合物と同様にホウ素を含む構造を有する化合物において、さらに長寿命の有機EL素子の製造を可能とする多環芳香族化合物が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような多環芳香族化合物、さらには以下のような多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料等を提供する。
【0008】
<1>式(1A)または式(1B)で表される多環芳香族化合物;
TIFF
2024055771000001.tif
74
170
【0009】
式(1A)および式(1B)中、
A環、B環、D環、E環、F環、およびG環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、Z
C
は=CR
C
-または=N-であり、R
C
は水素または置換基であり、

1
、X
2
、およびX
3
は、それぞれ独立して>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX

2
、>Si(-R
IX

2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ連結基または単結合により、当該R
NX
、R
CX
またはR
IX
を含むX
1
、X
2
、またはX
3
が結合する環の1つまたは2つと結合していてもよく、

G
は置換基であり、
Lは単結合、>C(-R
CL

2
、>N-R
NL
、>O、>Si(-R
IL

2
、>S、または>Seであり、R
NL
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CL
およびR
IL
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CL
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IL
は互いに結合して環を形成していてもよく、
式(1A)および式(1B)の各式におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、
式(1A)および式(1B)の各式における少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよい。
【0010】
<2>Lが単結合または>C(-R
CL

2
であり、R
CL
は、置換もしくは無置換のアリールまたは置換もしくは無置換のヘテロアリールであり、2つのR
CL
は互いに結合して環を形成していてもよい、<1>に記載の多環芳香族化合物。
<3>R
G
が置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルである、<1>または<2>に記載の多環芳香族化合物。
(【0011】以降は省略されています)

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