TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024054554
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022160845
出願日2022-10-05
発明の名称炭酸を含むアルコール飲料
出願人サントリーホールディングス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12G 3/04 20190101AFI20240410BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】アルコール刺激感が軽減された、炭酸を含むアルコール度数が10%(v/v)未満のアルコール飲料の提供を目的とする。
【解決手段】炭酸を含むアルコール度数が10%(v/v)未満のアルコール飲料であって、酢酸ベンジル及び蒸留酒を含み、炭酸ガス圧が0.7kg/cm2以上である、前記アルコール飲料。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭酸を含むアルコール度数が10%(v/v)未満のアルコール飲料であって、
酢酸ベンジル、及び
蒸留酒
を含み、
炭酸ガス圧が0.7kg/cm

以上である、前記アルコール飲料。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
酢酸イソアミルをさらに含む、請求項1に記載のアルコール飲料。
【請求項3】
酢酸ベンジルの含量が0.002ppm以上である、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
【請求項4】
酢酸イソアミルの含量が0.02ppm以上である、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
【請求項5】
アルコール度数が3%(v/v)~7%(v/v)である、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
【請求項6】
炭酸を含むアルコール度数が10%(v/v)未満のアルコール飲料の製造方法であって、
酢酸ベンジルの含量を調整する工程、又は
酢酸ベンジル及び酢酸イソアミルの含量を調整する工程、
及び
蒸留酒を混合する工程
を含んでなる、前記製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な炭酸を含むアルコール飲料及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
市場には様々な風味特性を有するアルコール飲料が存在している。アルコール飲料の風味特性は、競合品に対する差別化要因の一つであり、各メーカーは様々な工夫を凝らしている。例えば、柑橘系の果汁や香料を配合してフレッシュ感を強調したり、或いは、焼酎のような蒸留酒を用いて熟成感や酒感などを強調する等、アルコール飲料の風味の改善は継続的に行われている。特許文献1には、果汁を含有するアルコール度数の高い飲料に関し、アルコールに基づく苦味(アルコールの苦味に果汁の渋味が組み合わさった独特な苦味)が強く感じられるといった課題が存在し、当該課題をアルコール飲料中の糖類含量を上昇させる(飲料中25g/L以上)ことによって解決し得ることが開示されている。特許文献2には、蒸留酒を含有するアルコール飲料に関し、アルコールの刺激感を改善することが開示されている。炭酸を含むアルコール飲料は、炭酸に由来する爽快感を有すること等の理由から消費者に好まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-140925号公報
特開2022-102481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アルコール飲料は、アルコール度数が10%(v/v)を超えると、飲用時にアルコールの刺激が感じられるようになることが知見として得られている。このため、ハイボールや缶チューハイなどのRTD(ready-to-drink)系のアルコール飲料のアルコール度数は、例えば、9%(v/v)以下のように、低く設定することがある。またRTD系のアルコール飲料は飲んだ時の爽快感が感じられることを目的として、炭酸ガスを含ませたりする。しかし、アルコール度数が10%(v/v)未満と低い場合であっても、炭酸ガスが含まれると、アルコールの刺激臭が強く感じられるといった課題があった。特に缶入り飲料のような形態の場合、缶を開けたときにアルコールの刺激臭が強く感じられる場合がある。またアルコールの刺激感を糖類の添加によって緩和させた場合、炭酸の持つ爽快感が維持できず、お酒らしさも失われるといった課題があった。本発明は、炭酸を含むアルコール度数が10%(v/v)未満のアルコール飲料に関し、アルコールの刺激感を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
鋭意検討の結果、本発願の発明者は、炭酸を含むアルコール度数が10%(v/v)未満のアルコール飲料のアルコール刺激感の軽減に、特定の成分が有効であることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成された。限定されないが、本発明によれば、以下のものが提供される。
(1)炭酸を含むアルコール度数が10%(v/v)未満のアルコール飲料であって、
酢酸ベンジル、及び
蒸留酒
を含み、
炭酸ガス圧が0.7kg/cm

以上である、前記アルコール飲料。
(2)酢酸イソアミルをさらに含む、(1)に記載のアルコール飲料。
(3)酢酸ベンジルの含量が0.002ppm以上である、(1)又は(2)に記載のアルコール飲料。
(4)酢酸イソアミルの含量が0.02ppm以上である、(1)~(3)のいずれかに記載のアルコール飲料。
(5)アルコール度数が3%(v/v)~7%(v/v)である、(1)~(4)のいずれかに記載のアルコール飲料。
(6)炭酸を含むアルコール度数が10%(v/v)未満のアルコール飲料の製造方法であって、
酢酸ベンジルの含量を調整する工程、又は
酢酸ベンジル及び酢酸イソアミルの含量を調整する工程、
及び
蒸留酒を混合する工程
を含んでなる、前記製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
<炭酸を含むアルコール飲料>
本発明は炭酸を含むアルコール度数が10%(v/v)未満のアルコール飲料(本明細書において、「本発明のアルコール飲料」又は「アルコール飲料」等という場合もある)を提供する。本発明のアルコール飲料の種類は特に限定されないが、好ましくは、スピリッツ、リキュール、焼酎、ジン、ウオツカ、ラム、ハイボール、チューハイ(酎ハイ)、カクテル、サワーなどである。「ハイボール」、「チューハイ」との用語は、本発明のアルコール飲料との関連で用いられる場合、水と蒸留酒と炭酸とを含有する飲料を意味する。ハイボール、チューハイは、さらに果汁を含有してもよい。また、「サワー」との用語は、本発明のアルコール飲料との関連で用いられる場合、スピリッツと、柑橘類などの酸味のある果汁と、甘味成分と、炭酸とを含有する飲料を意味する。「カクテル」との用語は、本発明のアルコール飲料との関連で用いられる場合、ベースとなる酒に果汁等を混ぜて作られたアルコール飲料を意味する。
【0007】
本発明のアルコール飲料は、酢酸ベンジルを含んでなる。アルコール飲料の酢酸ベンジル含量は、限定されないが、例えば、0.001ppm以上、0.002ppm以上、0.01ppm以上、0.015ppm以上、0.02ppm以上にすることができる。そして、アルコール飲料の酢酸ベンジル含量は、100ppm以下、50ppm以下、10ppm以下にすることができる。一態様として、アルコール飲料の酢酸ベンジル含量は、0.005ppm~10ppm、0.02ppm~5ppm等であり得るが、これに限定されない。酢酸ベンジルは、ジャスミン、クチナシ、梅の香り成分の一つであり、甘い香りに関係していることが知られている。本発明において用いられる、酢酸ベンジルは精製品であり得るが、必ずしも精製品である必要はない。植物、動物、若しくは微生物由来の原料、エキス、発酵産物、及びこれらの蒸留物若しくは濃縮物等、酢酸ベンジルを含有するものであれば、利用可能である。炭酸を含むアルコール度数の低いアルコール飲料のアルコール刺激感と、酢酸ベンジルとの関係は知られていなかった。また、このようなアルコール飲料において、炭酸の爽やかさと酢酸ベンジルとの関係も知られていなかった。
【0008】
本発明のアルコール飲料は一定度数以下のアルコールを含んでなる。当該アルコールの由来は特に限定されないが、少なくともその一部は、蒸留酒及びその他の原料に由来するものであり得る。本明細書において、「アルコール」との用語は、特に断らない限りエタノールを意味する。一定度数以下とは、比較的低いアルコール度数であればよく、例えば10%(v/v)未満であり得る。さらに説明するとすれば、本発明のアルコール飲料のアルコール度数は、9%(v/v)以下、8%(v/v)以下、7%(v/v)以下、又は5%(v/v)以下を上限値として設定することができる。そして、必要であれば、アルコール飲料のアルコール度数は、0.01%(v/v)以上、0.05%(v/v)以上、0.1%(v/v)以上、2%(v/v)以上、又は3%(v/v)以上を下限値として設定することができる。例えば、アルコール飲料のアルコール度数は、2%(v/v)~9%(v/v)、3%(v/v)~9%(v/v)、又は3%(v/v)~7%(v/v)等の範囲に設定し得るが、これに限定されない。アルコール度数の調整は、特に限定されないが、公知の方法を用いることにより行うことができる。例えば、蒸留酒に加水し、アルコール度数が上記の範囲になるように調整してもよい。
【0009】
本発明のアルコール飲料は、蒸留酒を含んでなる。蒸留酒は、その原料や製造方法によって限定されない。蒸留酒としては、例えば、スピリッツ(例えば、ウオツカ、ラム、テキーラ、ジン、アクアビット)、ニュートラルスピリッツ、リキュール類、焼酎(麦焼酎、芋焼酎、米焼酎、泡盛、黒糖焼酎、そば焼酎など)が挙げられるが、これに限定されない。好ましくは、蒸留酒は焼酎である。焼酎は連続式蒸留焼酎、連続式・単式蒸留焼酎混和、単式・連続式蒸留焼酎混和、単式蒸留焼酎が挙げられるが、これに限定されない。混和焼酎中の単式蒸留焼酎の混和率は1%以上、5%以上、10%以上、11%以上、25%以上、50%以上、75%以上、90%以上、95%以上、100%にすることができる。
【0010】
本発明のアルコール飲料は、炭酸ガスを含んでなる。炭酸ガスは、当業者に通常知られる方法を用いて飲料に付与することができる。例えば、限定されないが、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させてもよいし、ツーヘンハーゲン社のカーボネーター等のミキサーを用いて配管中で二酸化炭素と飲料とを混合してもよいし、また、二酸化炭素が充満したタンク中に飲料を噴霧することにより二酸化炭素を飲料に吸収させてもよいし、飲料と炭酸水とを混合してもよい。あるいは、蒸留酒を炭酸水で希釈し、これを用いてもよい。これらの手段を適宜用いて炭酸ガス圧を調節する。本発明のアルコール飲料の炭酸ガス圧(20℃)は、これに限定されないが、0.7kg/cm

以上、1.0kg/cm

以上、又は1.2kg/cm

以上であってもよい。炭酸ガス圧の上限は、製造設備や容器との関係などから限界があることを当業者は理解する。従って、炭酸ガス圧の上限は、適宜設定することができるが、例えば4.0kg/cm

以下、3.0kg/cm

以下、2.5kg/cm

以下、又は2.0kg/cm

以下に設定し得る。或いは、炭酸ガス圧の下限と上限を設定し、0.7kg/cm

~3.0kg/cm

、又は1.0kg/cm

~2.0kg/cm

等にすることもできる。アルコール度数が一定以下のアルコール飲料において、アルコールと炭酸の組み合わせに起因してアルコール刺激感が知覚され得ることはこれまで報告されておらず、予想外である。このアルコール刺激感は、炭酸の発泡性によってアルコールが揮発しやすくなることによって生じ得るが、これに拘束されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
DNA増幅システム
1か月前
三菱製紙株式会社
パルプの糖化方法
1か月前
東洋紡株式会社
逆転写反応用組成物
17日前
株式会社ブラスト
細胞培養装置
1か月前
株式会社ブラスト
密閉チャンバー
1か月前
学校法人近畿大学
高感度PCR法
1か月前
国立大学法人 東京大学
ゲノム編集技術
1か月前
学校法人立命館
紐状構造物の製造方法
16日前
相生ユニビオ株式会社
ウイスキーの製造方法
23日前
小林製薬株式会社
黒ずみ形成方法
1か月前
株式会社パウレック
培養装置及び培養方法
1か月前
松谷化学工業株式会社
アルコール飲料及びその製造方法
1か月前
個人
急性ストレス評価用データの生成方法
3日前
株式会社東海ヒット
完全閉鎖型灌流液送液系
23日前
国立大学法人東京海洋大学
熱処理リゾチーム組成物
22日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
1か月前
株式会社デンソー
バイオセンサ装置
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
ライオン株式会社
予測方法及び飲食品組成物
1か月前
国立大学法人神戸大学
機能的免疫賦活乳酸菌
2か月前
学校法人 中央大学
ナノ粒子検出方法
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
花王株式会社
リパーゼの探索方法
1か月前
横河電機株式会社
誘電泳動装置
1か月前
ライオン株式会社
予測方法及び飲食品組成物
1か月前
株式会社ヤマザキエンジニアリング
製麹装置及び製麹方法
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
29日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
29日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
29日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
29日前
NTN株式会社
細胞組織の製造方法
1か月前
横河電機株式会社
核酸抽出方法
3日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
続きを見る