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公開番号2024053770
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022160186
出願日2022-10-04
発明の名称蓄電デバイスの製造方法及び蓄電デバイス
出願人プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社,トヨタ自動車株式会社,プライムアースEVエナジー株式会社
代理人弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類H01M 50/15 20210101AFI20240409BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】レーザ溶接の際に蓋部材の周縁部を溶け易くすると共に、蓋部材と端子部材の間の樹脂部材に焦げ部が生じるのを抑制できる蓄電デバイスの製造方法等を提供すること。
【解決手段】蓄電デバイス1の製造方法は、蓋部材30に樹脂部材70,80を介して端子部材50,60を一体化した蓋アセンブリ7のうち蓋部材30で、本体部材20の開口部21を塞ぐ閉塞工程S3と、本体部材20の開口部21及び蓋部材30の周縁部31にレーザ光LBを照射して全周にわたりレーザ溶接する溶接工程S4とを備える。蓋部材30は、周縁部31と挿通孔周囲部33,34との間で、かつ、溶融金属部18Zから離間する位置に設けられ、レーザ光LBの照射部位Pから挿通孔周囲部33,34に向かう熱移動を抑制する凹溝35を有する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
開口部を有する有底筒状の本体部材、及び、上記開口部を閉塞する形態で上記本体部材に全周にわたりレーザ溶接された蓋部材を有するケースと、
上記蓋部材を蓋厚み方向に貫通する挿通孔内に挿通された端子部材と、
上記蓋部材の上記挿通孔を囲む挿通孔周囲部と上記端子部材との間を絶縁しつつ、上記蓋部材の上記挿通孔周囲部及び上記端子部材にそれぞれ接合した樹脂部材と、を備える
蓄電デバイスの製造方法であって、
上記蓋部材に上記樹脂部材を介して上記端子部材を一体化した蓋アセンブリのうち上記蓋部材で、上記本体部材の上記開口部を塞ぐ閉塞工程と、
上記蓋部材の上記蓋厚み方向の外側からレーザ光を照射し、上記本体部材の上記開口部及び上記蓋部材の周縁部を溶融させ混合し溶融金属部を形成した後に固化させて溶融固化部を形成するレーザ溶接を全周にわたり行って、上記ケースを形成する溶接工程と、を備え、
上記蓋部材は、
上記周縁部と上記挿通孔周囲部との間で、かつ、上記溶融金属部から離間する位置に設けられ、上記蓋厚み方向に凹み、上記レーザ光の照射部位から上記挿通孔周囲部に向かう熱移動を抑制する凹溝を有する
蓄電デバイスの製造方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
前記本体部材の前記開口部は、
一対の長辺開口部と一対の短辺開口部とを有する矩形環状であり、
前記蓋部材の前記周縁部は、
一対の長辺周縁部と一対の短辺周縁部とを有する矩形環状であり、
前記閉塞工程は、
上記蓋部材の上記一対の長辺周縁部を上記本体部材の上記一対の長辺開口部に、上記蓋部材の上記一対の短辺周縁部を上記本体部材の上記一対の短辺開口部にそれぞれ対向させて、上記蓋部材で上記本体部材の上記開口部を塞ぎ、
前記凹溝は、
上記蓋部材のうち、上記一対の長辺周縁部と前記挿通孔周囲部との間にそれぞれ位置し、上記長辺周縁部に沿って延びる一対の長辺凹溝を含む
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
前記凹溝は、
前記蓋部材の外側面に設けられ、前記周縁部側に位置する周縁部側内面と、前記挿通孔周囲部側に位置する孔周囲部側内面とを有する外側凹溝を含み、
上記外側凹溝の上記周縁部側内面は、
前記蓋厚み方向の上記外側面側ほど上記周縁部から遠ざかる形態を有する
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
前記凹溝は、
前記蓋部材の内側面に設けられた内側凹溝を含む
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項5】
開口部を有する有底筒状の本体部材、及び、上記開口部を閉塞する形態で上記本体部材に全周にわたりレーザ溶接された蓋部材を有するケースと、
上記蓋部材を蓋厚み方向に貫通する挿通孔内に挿通された端子部材と、
上記蓋部材の上記挿通孔を囲む挿通孔周囲部と上記端子部材との間を絶縁しつつ、上記蓋部材の上記挿通孔周囲部及び上記端子部材にそれぞれ接合した樹脂部材と、を備える
蓄電デバイスであって、
上記蓋部材は、
上記蓋部材の周縁部と上記挿通孔周囲部との間で、かつ、レーザ光の照射で形成される溶融金属部から離間する位置に設けられ、上記蓋厚み方向に凹み、上記レーザ光の照射部位から上記挿通孔周囲部に向かう熱移動を抑制する凹溝を有し、
上記樹脂部材は、
上記蓋部材の上記凹溝により、焦げ部の発生が抑制された
蓄電デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載の蓄電デバイスであって、
前記本体部材の前記開口部は、
一対の長辺開口部と一対の短辺開口部とを有する矩形環状であり、
前記蓋部材の前記周縁部は、
一対の長辺周縁部と一対の短辺周縁部とを有する矩形環状であり、
前記凹溝は、
上記蓋部材のうち、上記一対の長辺周縁部と前記挿通孔周囲部との間にそれぞれ位置し、上記長辺周縁部に沿って延びる一対の長辺凹溝を含み、
前記樹脂部材は、
上記蓋部材の上記長辺凹溝により、上記樹脂部材のうち上記長辺周縁部に近接する周縁近接部位で、焦げ部の発生が抑制された
蓄電デバイス。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の蓄電デバイスであって、
前記凹溝は、
前記蓋部材の外側面に設けられ、前記周縁部側に位置する周縁部側内面と、前記挿通孔周囲部側に位置する孔周囲部側内面とを有する外側凹溝を含み、
上記外側凹溝の上記周縁部側内面は、
前記蓋厚み方向の上記外側面側ほど上記周縁部から遠ざかる形態を有する
蓄電デバイス。
【請求項8】
請求項5または請求項6に記載の蓄電デバイスであって、
前記凹溝は、
前記蓋部材の内側面に設けられた内側凹溝を含む
蓄電デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースに樹脂部材を介して端子部材が固設された、電池やキャパシタなどの蓄電デバイスの製造方法及び蓄電デバイスに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
蓄電デバイスとして、直方体箱状のケースに樹脂部材を介して正負の端子部材がそれぞれ固設された角形の電池が知られている。具体的には、ケースは、矩形環状の開口部を有する有底角筒状の本体部材と、開口部を閉塞する形態で本体部材に全周にわたりレーザ溶接された矩形板状の蓋部材とからなる。また正負の端子部材は、蓋部材に穿設された一対の挿通孔内にそれぞれ挿通されて、ケース内部からケース外部に延びている。そして、一対の樹脂部材が、蓋部材と正負の端子部材との間をそれぞれ絶縁しつつ、蓋部材及び端子部材にそれぞれ接合している。関連する従来技術として、例えば特許文献1,2が挙げられる(特許文献1の図1、図2等、及び、特許文献2の図1~図4等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-086813号公報
特開2004-039445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電池の製造過程において、蓋部材で本体部材の開口部を塞ぎ、本体部材の開口部と蓋部材の周縁部とを全周にわたりレーザ溶接するに当たり、蓋部材の周縁部近傍に熱絶縁用の凹溝を設けて、レーザ光の照射部位からの放熱を抑制し、蓋部材の周縁部を溶け易くして溶接性を向上させることが考えられる。
しかしながら、このように蓋部材の周縁部近傍に凹溝を設けると、レーザ光の照射で形成される溶融金属部をなす溶融金属の一部が、この凹溝に流れ込むことがある。すると、溶融金属部が、凹溝に流れ込まない場合とは異なる形状となる。具体的には、溶融金属の一部が凹溝に流れ込むことで、凹溝側に向かうほど低くなる斜面を有する形状となることがある。そして、この斜面に照射されたレーザ光の高強度の散乱光が、蓋部材と端子部材との間を絶縁する樹脂部材に照射されて、樹脂部材に焦げ部が生じることが判ってきた。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、本体部材と蓋部材とをレーザ溶接してケースを形成する際に、蓋部材の周縁部を溶け易くすると共に、レーザ光の散乱光により、蓋部材と端子部材との間を絶縁する樹脂部材に焦げ部が生じるのを抑制することができる蓄電デバイスの製造方法及び蓄電デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するための本発明の一態様は、開口部を有する有底筒状の本体部材、及び、上記開口部を閉塞する形態で上記本体部材に全周にわたりレーザ溶接された蓋部材を有するケースと、上記蓋部材を蓋厚み方向に貫通する挿通孔内に挿通された端子部材と、上記蓋部材の上記挿通孔を囲む挿通孔周囲部と上記端子部材との間を絶縁しつつ、上記蓋部材の上記挿通孔周囲部及び上記端子部材にそれぞれ接合した樹脂部材と、を備える蓄電デバイスの製造方法であって、上記蓋部材に上記樹脂部材を介して上記端子部材を一体化した蓋アセンブリのうち上記蓋部材で、上記本体部材の上記開口部を塞ぐ閉塞工程と、上記蓋部材の上記蓋厚み方向の外側からレーザ光を照射し、上記本体部材の上記開口部及び上記蓋部材の周縁部を溶融させ混合し溶融金属部を形成した後に固化させて溶融固化部を形成するレーザ溶接を全周にわたり行って、上記ケースを形成する溶接工程と、を備え、上記蓋部材は、上記周縁部と上記挿通孔周囲部との間で、かつ、上記溶融金属部から離間する位置に設けられ、上記蓋厚み方向に凹み、上記レーザ光の照射部位から上記挿通孔周囲部に向かう熱移動を抑制する凹溝を有する蓄電デバイスの製造方法である。
【0007】
上述の蓄電デバイスの製造方法では、周縁部と挿通孔周囲部との間に上述の凹溝を設けた蓋部材を用いる。これにより、溶接工程において、レーザ光の照射部位から挿通孔周囲部に向かう熱移動を凹溝で抑制し、蓋部材の周縁部を溶け易くして溶接性を向上させることができる。一方、この凹溝は、レーザ光の照射で形成される溶融金属部から離間し、溶融金属が凹溝に流れ込まない。このため、溶融金属が凹溝に流れ込んで溶融金属部が凹溝側ほど低い斜面を有する形状となることが防止され、溶融金属部に照射されたレーザ光の散乱光が、樹脂部材に照射されて、樹脂部材に焦げ部が生じるのを防止することができる。
【0008】
なお、蓋部材の「凹溝」は、例えば、周縁部と挿通孔周囲部との間に、周縁部に沿って周縁部の全周にわたり設けてもよいし、周縁部に沿って周縁部の一部にのみ設けてもよい。また「凹溝」は、蓋部材の外側面に設けてもよいし、蓋部材の内側面に設けてもよい。
「蓄電デバイス」としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタ、全固体電池などが挙げられる
【0009】
(2)更に(1)に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、前記本体部材の前記開口部は、一対の長辺開口部と一対の短辺開口部とを有する矩形環状であり、前記蓋部材の前記周縁部は、一対の長辺周縁部と一対の短辺周縁部とを有する矩形環状であり、前記閉塞工程は、上記蓋部材の上記一対の長辺周縁部を上記本体部材の上記一対の長辺開口部に、上記蓋部材の上記一対の短辺周縁部を上記本体部材の上記一対の短辺開口部にそれぞれ対向させて、上記蓋部材で上記本体部材の上記開口部を塞ぎ、前記凹溝は、上記蓋部材のうち、上記一対の長辺周縁部と前記挿通孔周囲部との間にそれぞれ位置し、上記長辺周縁部に沿って延びる一対の長辺凹溝を含む蓄電デバイスの製造方法とすると良い。
【0010】
この製造方法では、本体部材の矩形環状の開口部と蓋部材の矩形環状の周縁部とをレーザ溶接する。この場合、蓋部材に設けた樹脂部材は、蓋部材の周縁部のうち長辺周縁部の一部に近接する形態とされ易く、樹脂部材のうち長辺周縁部に近接する周縁近接部位の近傍において、溶融金属が凹溝に流れ込んで溶融金属部が凹溝側ほど低い斜面を有する形状となることにより、溶融金属部に照射されたレーザ光の散乱光が、樹脂部材(周縁近接部位)に照射されて、この部位に焦げ部が発生し易い。レーザ光の散乱光が樹脂部材(周縁近接部位)まで届く距離が短いからである。
これに対し、上述の蓄電デバイスの製造方法では、蓋部材に設ける凹溝は、長辺周縁部と挿通孔周囲部との間に位置して長辺周縁部に沿って延びる長辺凹溝を含んでいる。このため、樹脂部材のうち、特に焦げ部が生じ易い、長辺周縁部に近接する周縁近接部位で、焦げ部が生じるのを抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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