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公開番号2024053571
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022159862
出願日2022-10-04
発明の名称ギヤシャフト及びトランスミッション
出願人日立建機株式会社
代理人弁理士法人開知
主分類F16H 55/17 20060101AFI20240409BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】表面硬化処理による高強度を備えつつ、ギヤとシャフトが割れなく溶接されて小型化に貢献することができる建設機械用のギヤシャフト及びこれを用いたトランスミッションを提供する。
【解決手段】鉄を主成分とする素材からなるギヤ及びシャフトが溶接で接合されたギヤシャフトにおいて、上記ギヤ及び上記シャフトの表面は、上記素材よりも高硬度な表面硬化層で被覆されており、上記ギヤ及び上記シャフトを接合する溶接部は、リング状であり、上記ギヤ及び上記シャフトの上記溶接部は、上記ギヤ及び上記シャフトの上記表面硬化層からリング状に露出した上記素材の露出部に設けられており、上記溶接部は、上記表面硬化層よりも炭素含有量が低く、上記溶接部について、ビッカース硬さx[Hv]と、溶け込み深さD及びビード幅Wのアスペクト比y(D/W)との間に、y≧0.0298x-10.98の関係が成立するギヤシャフトを提供する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
鉄を主成分とする素材からなるギヤ及びシャフトが溶接で接合されたギヤシャフトにおいて、
前記ギヤ及び前記シャフトの表面は、前記素材よりも高硬度な表面硬化層で被覆されており、
前記ギヤ及び前記シャフトを接合する溶接部は、リング状であり、
前記ギヤ及び前記シャフトの前記溶接部は、前記ギヤ及び前記シャフトの前記表面硬化層からリング状に露出した前記素材の露出部に設けられており、
前記溶接部は、前記表面硬化層よりも炭素含有量が低く、
前記溶接部について、ビッカース硬さx[Hv]と、溶け込み深さD及びビード幅Wのアスペクト比y(D/W)との間に、y≧0.0298x-10.98の関係が成立する
ことを特徴とするギヤシャフト。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
請求項1に記載のギヤシャフトにおいて、
前記溶接部は、前記ギヤ及び前記シャフトの前記素材の前記露出部において表面の素材部分が溶融し凝固した部分であることを特徴とするギヤシャフト。
【請求項3】
請求項1に記載のギヤシャフトにおいて、
前記溶接部の炭素含有量は、0.28mass%以下であることを特徴とするギヤシャフト。
【請求項4】
請求項1に記載のギヤシャフトにおいて、
前記溶接部の炭素含有量は、0.23mass%以下であることを特徴とするギヤシャフト。
【請求項5】
請求項1に記載のギヤシャフトにおいて、
前記アスペクト比yは、y≧0.0245x-7.33関係が成立することを特徴とするギヤシャフト。
【請求項6】
請求項1に記載のギヤシャフトにおいて、
前記溶接部の溶け込み深さDが、6mm以上16mm以下であることを特徴とするギヤシャフト。
【請求項7】
請求項2に記載のギヤシャフトにおいて、
前記素材の前記露出部は、前記溶接部のビード幅よりも幅広であることを特徴とするギヤシャフト。
【請求項8】
請求項2に記載のギヤシャフトにおいて、
前記溶接部は、前記素材が、レーザ溶接、電子ビーム溶接、レーザ・アークハイブリット溶接、又はプラズマ溶接により溶融して凝固した部分であることを特徴とするギヤシャフト。
【請求項9】
請求項1に記載のギヤシャフトを含むトランスミッション。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ギヤシャフト及びトランスミッションに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
Ni基超合金と鉄鋼材料とを溶接する際、Ni基超合金及び鉄鋼材料の突合せ部に電子ビームを周期的に偏向させながら照射することで、溶接部の割れを抑制する技術がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-61499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トランスミッションのギヤシャフトは、ギヤとシャフトを含んで構成され、動力源の動力をトルクや回転数、回転方向を変えて活軸に伝達する部品である。建設機械におけるトランスミッションでは、焼き嵌め構造や一体成形構造が多く用いられる。昨今の省エネルギー化の観点からトランスミッションの小型化が求められているが、焼き嵌め構造や一体成形構造では組立や加工に関する構造上の制約から小型化が難しい場合がある。それに対し、溶接構造は小型化に有利であり、電子ビーム溶接やレーザ溶接による溶接構造がギヤシャフトに採用される場合がある。
【0005】
但し、溶接構造でギヤシャフトを小型化するためには深い溶込み深さを要するところ、トランスミッションに用いられるSCM415等の材料は割れ感受性が高い。そのため、トランスミッションに用いるギヤシャフトにおいて、6mmを超えるような深い溶込み深さを確保しつつ、それでいて溶接割れのない溶接部を形成することは困難であった。
【0006】
前述した特許文献1では、Ni基超合金と鉄鋼材料の異種金属の接合において、突合せ部に照射する電子ビームを周期的に偏光させることで、溶融池を攪拌して偏析を抑制し、割れのない溶接部を形成する。しかし、建設機械に用いるトランスミッションの部品は、浸炭、窒化、浸窒等の表面硬化処理がされており、割れ感受性の高さから、電子ビームを周期的に偏光させても溶接割れを回避することは難しいのが実情である。
【0007】
本発明の目的は、表面硬化処理による高強度を備えつつ、ギヤとシャフトが割れなく溶接されて小型化に貢献することができる建設機械用のギヤシャフト及びこれを用いたトランスミッションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、鉄を主成分とする素材からなるギヤ及びシャフトが溶接で接合されたギヤシャフトにおいて、上記ギヤ及び上記シャフトの表面は、上記素材よりも高硬度な表面硬化層で被覆されており、上記ギヤ及び上記シャフトを接合する溶接部は、リング状であり、上記ギヤ及び上記シャフトの上記溶接部は、上記ギヤ及び上記シャフトの上記表面硬化層からリング状に露出した上記素材の露出部に設けられており、上記溶接部は、上記表面硬化層よりも炭素含有量が低く、上記溶接部について、ビッカース硬さx[Hv]と、溶け込み深さD及びビード幅Wのアスペクト比y(D/W)との間に、y≧0.0298x-10.98の関係が成立するギヤシャフトを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表面硬化処理による高強度を備えつつ、ギヤとシャフトが割れなく溶接されて小型化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係るトランスミッションを適用する建設機械の一例であるホイールローダの側面図
図1に示したホイールローダに備わった動力伝達装置の右前方から見た斜視図
図2に示した動力伝達装置の一部破断右側面図
図3に示した動力伝達装置の部分断面図
本発明の一実施形態に係るギヤシャフトの模式的な斜視図
図5中のVI-VI線による矢視断面図
本発明の一実施形態に係るギヤシャフトに備わった溶接部の模式的な断面図
様々な条件で形成した溶接部についてアスペクト比と硬さの関係に注目して高温割れの発生の有無を調査した結果を表す図
ギヤとシャフトとを溶接する溶接設備の一例を示す模式図
本発明の一実施形態に係るギヤシャフトの製造工程(表面硬化処理前)の説明図
本発明の一実施形態に係るギヤシャフトの製造工程(機械加工後)の説明図
本発明の一実施形態に係るギヤシャフトの製造工程(溶接前)の説明図
本発明の一実施形態に係るギヤシャフトの製造工程(溶接後)の説明図
溶接部について表面硬化層を形成して溶接した場合と表面硬化層の形成を抑制して溶接した場合とで溶接品質について検証した結果をまとめた表
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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