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公開番号2024051871
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158244
出願日2022-09-30
発明の名称密封装置
出願人内山工業株式会社
代理人協明国際弁理士法人
主分類F16C 33/78 20060101AFI20240404BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】外力によってスリンガ部材と芯体部材とが分離してしまうことを抑制するとともに、トルクの増大を抑えて泥水等の異物の侵入を抑制する密封装置を提供する。
【解決手段】環状空間Sを密封する密封装置10であって、芯体部材11及びスリンガ部材13のうち少なくとも一方の部材は、軸方向の外側に傾斜して他方の部材側に突出するとともに、前記他方の部材と近接してラビリンスR1を形成する弾性体製の第1突出部を備え、前記芯体部材が第1突出部125を備えている場合には、該第1突出部の少なくとも一部は、前記スリンガ部材における前記第1突出部よりも軸方向の内側に位置する部分の一部と軸方向に重なっている一方、前記スリンガ部材が第1突出部148を備えている場合には、該第1突出部の少なくとも一部は、前記芯体部材における前記第1突出部よりも軸方向の外側に位置する部分の一部と軸方向に重なっている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
相対的に回転する外側部材及び内側部材間に形成された環状空間を密封する密封装置であって、
前記外側部材の内周面に嵌合される芯体部材と、前記内側部材の外周面に嵌合されるスリンガ部材とを備え、
前記芯体部材は、前記外側部材の内周面に嵌合される第1円筒部と、該第1円筒部の軸方向の内側の端部から径方向の内側に延びる第1円輪部と、該第1円輪部に固着され、前記スリンガ部材に近接又は摺接する弾性体製のシールリップとを備え、
前記スリンガ部材は、前記内側部材の前記外周面に嵌合される第2円筒部と、該第2円筒部の軸方向の外側の端部から径方向の外側に延びる第2円輪部とを備え、
前記芯体部材及び前記スリンガ部材のうち少なくとも一方の部材は、軸方向の外側に傾斜して前記他方の部材側に突出するとともに、前記他方の部材と近接してラビリンスを形成する弾性体製の第1突出部を備え、
前記芯体部材及び前記スリンガ部材のうち少なくとも一方の部材は、前記第1突出部の先端部よりも軸方向の外側に配された突出面を備えており、
前記芯体部材が前記第1突出部を備えている場合には、該第1突出部の少なくとも一部は、前記スリンガ部材における前記第1突出部よりも軸方向の内側に位置する部分の一部と軸方向に重なっている一方、
前記スリンガ部材が前記第1突出部を備えている場合には、該第1突出部の少なくとも一部は、前記芯体部材における前記第1突出部よりも軸方向の外側に位置する部分の一部と軸方向に重なっていることを特徴とする密封装置。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記第1突出部に隣接して、軸方向の外側に開口した凹状の空間部を備えており、
前記空間部は、前記第1突出部の軸方向の外側の面と、前記第1突出部に隣接する部材の面の一部とに囲まれて形成されていることを特徴とする密封装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記他方の部材は、前記第1突出部の少なくとも前記先端部が挿入される凹部を備えており、
前記ラビリンスは、前記第1突出部と前記凹部との隙間によって形成されることを特徴とする密封装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、
前記一方の部材は、前記第1突出部よりも軸方向の内側に配され、前記他方の部材側に突出して前記他方の部材に近接する第2突出部を備えることを特徴とする密封装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記他方の部材は、前記一方の部材側に突出して前記第1突出部と前記第2突出部との間に介在し、前記一方の部材に近接する第3突出部を備えることを特徴とする密封装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2において、
前記第1円輪部の軸方向の内側の面に固着されている弾性体製の弾性円輪部を備え、
前記弾性円輪部は、前記芯体部材よりも軸方向の内側に配されることを特徴とする密封装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2において、
前記スリンガ部材は、前記第2円輪部の径方向の外側の端部から軸方向の内側に延びて前記第1円筒部と対向する第3円筒部をさらに備え、
前記芯体部材は、前記第1突出部を備えており、
前記第3円筒部の軸方向の内側の端部は、前記第1突出部の前記先端部よりも径方向の内側に位置し、
前記第2円輪部は、前記第1突出部と軸方向に重なる部分を備えることを特徴とする密封装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、相対的に回転する外側部材及び内側部材間に形成された環状空間を密封する密封装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等の車輪の軸受装置には、外部からの泥水やダスト等の異物の侵入を抑制するために、上述のような外側部材と内側部材との間を密封する密封装置が装着されている。このような密封装置では、芯体部材に設けられたシールリップがスリンガ部材に接触することで、外部から侵入してきた泥水等の異物が軸受装置の内部に侵入することを抑制している。
【0003】
上述のような密封装置では、スリンガ部材に接触するシールリップの本数が増えるとそれに伴いトルクが増大しやすい傾向にある。スリンガ部材の円筒部に向けて延出するグリースリップは、スリンガ部材に接触しているが、そのグリースリップのスリンガ部材に対する締め代を小さくしたり、グリースリップをスリンガ部材とは非接触に形成したりすることで、トルクの増加を抑制する密封装置がある。しかしながら、このような密封装置は、グリースリップによるスリンガ部材に対する締め代が小さいまたは締め代がないために、梱包時・搬送時・軸受装置への組付け時などに外部からの衝撃(外力)によってスリンガ部材が芯体部材から脱落して分離してしまうおそれがある。
【0004】
梱包時・搬送時・軸受装置への組付け時などに外力によってスリンガ部材が芯体部材から脱落して分離してしまうことを抑制するために、下記特許文献1では、フランジ部(101)と軸方向に重なるばらけ防止部(92)を有する密封装置が開示されている。また、下記特許文献2では、密封装置は軸受装置(10)に組付けられることで軸方向の外側に変形する係止リップ(64)を備えていることが開示されている。そして、変形した係止リップ(64)は、エンコーダ(34)の傾斜面(39)との間にわずかな隙間によるラビリンスを形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-087901号公報
特開2021-191966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、特許文献2の密封装置は、上述のような構成にすることで、外力によってスリンガ部材が芯体部材から脱落して分離してしまうことを抑制することができる。ところが、特許文献1の密封装置は、特許文献1・図3に示すように、ばらけ防止部(92)が径方向の内側に向けて略垂直に形成されてフランジ部(101)と軸方向に重なっている。そのため、ばらけ防止部(92)が周方向の全周に亘って形成されてフランジ部(101)と軸方向に重なっていると、密封装置内に泥水等の異物が侵入した場合に異物が排出されにくくなる懸念がある。また、特許文献2の密封装置は、軸受装置(10)に組付けられた際に係止リップ(64)が適切に変形しないと、傾斜面(39)に摺接してしまいトルクが増大する懸念がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、外力によってスリンガ部材と芯体部材とが分離してしまうことを抑制するとともに、トルクの増大を抑えて泥水等の異物の侵入を抑制する密封装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の密封装置は、相対的に回転する外側部材及び内側部材間に形成された環状空間を密封する密封装置であって、前記外側部材の内周面に嵌合される芯体部材と、前記内側部材の外周面に嵌合されるスリンガ部材とを備え、前記芯体部材は、前記外側部材の内周面に嵌合される第1円筒部と、該第1円筒部の軸方向の内側の端部から径方向の内側に延びる第1円輪部と、該第1円輪部に固着され、前記スリンガ部材に近接又は摺接する弾性体製のシールリップとを備え、前記スリンガ部材は、前記内側部材の前記外周面に嵌合される第2円筒部と、該第2円筒部の軸方向の外側の端部から径方向の外側に延びる第2円輪部とを備え、前記芯体部材及び前記スリンガ部材のうち少なくとも一方の部材は、軸方向の外側に傾斜して前記他方の部材側に突出するとともに、前記他方の部材と近接してラビリンスを形成する弾性体製の第1突出部を備え、前記芯体部材及び前記スリンガ部材のうち少なくとも一方の部材は、前記第1突出部の先端部よりも軸方向の外側に配された突出面を備えており、前記芯体部材が前記第1突出部を備えている場合には、該第1突出部の少なくとも一部は、前記スリンガ部材における前記第1突出部よりも軸方向の内側に位置する部分の一部と軸方向に重なっている一方、前記スリンガ部材が前記第1突出部を備えている場合には、該第1突出部の少なくとも一部は、前記芯体部材における前記第1突出部よりも軸方向の外側に位置する部分の一部と軸方向に重なっていることを特徴とする。
【0009】
上記密封装置において、前記第1突出部に隣接して、軸方向の外側に開口した凹状の空間部を備えており、前記空間部は、前記第1突出部の軸方向の外側の面と、前記第1突出部に隣接する部材の面の一部とに囲まれて形成されてもよい。
【0010】
また、上記密封装置において、前記他方の部材は、前記第1突出部の少なくとも前記先端部が挿入される凹部を備えており、前記ラビリンスは、前記第1突出部と前記凹部との隙間によって形成されてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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