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公開番号2024051762
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158079
出願日2022-09-30
発明の名称医療用具、および該医療用具の製造方法
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類A61M 25/10 20130101AFI20240404BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】治療箇所とその周辺組織との癒着を防止できるバルーンを備えた医療用具を提供する。
【解決手段】近位側から遠位側へ長手方向に延在している第1内腔を有するシャフト部と、前記シャフト部の遠位端に配されている逆止弁部と、前記シャフト部の遠位部に配されており、且つ前記第1内腔と連通している第2内腔を有するバルーンとを有する医療用具であって、前記バルーンは、前記シャフト部の遠位部における外周面に固定されている固定領域と、前記外周面に固定されていない非固定領域とを有し、前記逆止弁部は、第1膜体と第2膜体とを有し、且つ前記第1内腔および前記第2内腔と連通している第3内腔を有しており、前記第1膜体と前記第2膜体は、前記第3内腔を挟んで対向して配置されている医療用具。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
近位側から遠位側へ長手方向に延在している第1内腔を有するシャフト部と、
前記シャフト部の遠位端に配されている逆止弁部と、
前記シャフト部の遠位部に配されており、且つ前記第1内腔と連通している第2内腔を有するバルーンとを有する医療用具であって、
前記バルーンは、前記シャフト部の遠位部における外周面に固定されている固定領域と、前記外周面に固定されていない非固定領域とを有し、
前記逆止弁部は、第1膜体と第2膜体とを有し、且つ前記第1内腔および前記第2内腔と連通している第3内腔を有しており、
前記第1膜体と前記第2膜体は、前記第3内腔を挟んで対向して配置されている医療用具。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記逆止弁部の最大幅Wは、前記第1膜体の厚みと前記第2膜体の厚みとの合計厚みに対して3倍以上である請求項1に記載の医療用具。
【請求項3】
前記逆止弁部の最大幅Wは、前記シャフト部の外径Lに対して1.3倍以上である請求項1に記載の医療用具。
【請求項4】
前記逆止弁部は、近位側から遠位側に向けて幅が増大している区間を有する請求項1に記載の医療用具。
【請求項5】
前記シャフト部と前記逆止弁部は、同じ素材で構成されている請求項1に記載の医療用具。
【請求項6】
拡張時の前記バルーンは、拡張領域と非拡張領域を有しており、前記逆止弁部は、前記バルーンの前記非拡張領域に位置している請求項1に記載の医療用具。
【請求項7】
拡張時の前記バルーンの最大幅Rと、拡張時の前記バルーンの最大厚みTとの比(最大幅R/最大厚みT)の値は、1.5~20である請求項1に記載の医療用具。
【請求項8】
前記バルーンを構成する材料は、生分解性材料である請求項1に記載の医療用具。
【請求項9】
近位側から遠位側へ長手方向に延在している第1内腔を有するシャフトを準備する工程、
前記シャフトの遠位端に逆止弁部を配する工程、
近位側から遠位側へ長手方向に延在している第2内腔を有し、遠位端および近位端にそれぞれ開口を有するバルーンを準備する工程、
前記シャフトを該シャフトの近位端から前記バルーンの遠位端側の開口に挿入する工程、
前記バルーンの近位端部を前記シャフトに固定する工程、
前記バルーンの遠位端を封止する工程、
を含む医療用具の製造方法。
【請求項10】
前記シャフトの遠位端に逆止弁部を配する工程では、前記シャフトの遠位端部を該シャフトの径方向に圧縮する請求項9に記載の医療用具の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用具、および該医療用具の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
外科治療では、手術が成功しても、術後経過の中で治療箇所とその周辺組織とが癒着することがある。癒着が生じると、重篤な合併症を引き起こすことがある。こうした癒着箇所を剥離するには、多くの時間がかかることがあり、剥離操作の過程で臓器に損傷を与えることもある。
【0003】
近年では、癒着を防止するための癒着防止材が開発されており、手術後、治療箇所の周辺にスプレー状の癒着防止材を吹き付けたり、シート状の癒着防止材が留置されている。こうした癒着防止材は、生体分解性を有する材料で構成されているものが多く、生体内に吹き付けたり、留置しても時間が経過するに連れて生体内で分解するため、癒着防止材を摘出する手術は不要となる。しかし、スプレー状やシート状の癒着防止材では、癒着防止効果が充分に得られないことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-333888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
治療箇所とその周辺組織との癒着を防止するには、治療箇所とその周辺組織との物理的距離を大きくすることが考えられる。血管、気管、消化管などの生体腔の狭窄部の拡張や組織の剥離を行うためのバルーンカテーテルが知られており、特許文献1には、膨張した状態のバルーンをカテーテル本体から切り離して生体腔内に留置し、この切り離したバルーンによって、生体腔の狭窄部の拡張状態や生体腔の閉塞状態を長期間に亘って維持することが記載されている。特許文献1に記載のバルーンカテーテルを用いれば、生体腔の狭窄部の拡張状態や生体腔の閉塞状態を長期に亘って維持できるが、治療箇所とその周辺組織との癒着を防止する用途として用いることはできなかった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、治療箇所とその周辺組織との癒着を防止できるバルーンを備えた医療用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決することができた本発明は、以下の通りである。
[1] 近位側から遠位側へ長手方向に延在している第1内腔を有するシャフト部と、前記シャフト部の遠位端に配されている逆止弁部と、前記シャフト部の遠位部に配されており、且つ前記第1内腔と連通している第2内腔を有するバルーンとを有する医療用具であって、前記バルーンは、前記シャフト部の遠位部における外周面に固定されている固定領域と、前記外周面に固定されていない非固定領域とを有し、前記逆止弁部は、第1膜体と第2膜体とを有し、且つ前記第1内腔および前記第2内腔と連通している第3内腔を有しており、前記第1膜体と前記第2膜体は、前記第3内腔を挟んで対向して配置されている医療用具。
[2] 前記逆止弁部の最大幅Wは、前記第1膜体の厚みと前記第2膜体の厚みとの合計厚みに対して3倍以上である[1]に記載の医療用具。
[3] 前記逆止弁部の最大幅Wは、前記シャフト部の外径Lに対して1.3倍以上である[1]または[2]に記載の医療用具。
[4] 前記逆止弁部は、近位側から遠位側に向けて幅が増大している区間を有する[1]~[3]のいずれかに記載の医療用具。
[5] 前記シャフト部と前記逆止弁部は、同じ素材で構成されている[1]~[4]のいずれかに記載の医療用具。
[6] 拡張時の前記バルーンは、拡張領域と非拡張領域を有しており、前記逆止弁部は、前記バルーンの前記非拡張領域に位置している[1]~[5]のいずれかに記載の医療用具。
[7] 拡張時の前記バルーンの最大幅Rと、拡張時の前記バルーンの最大厚みTとの比(最大幅R/最大厚みT)の値は、1.5~20である[1]~[6]のいずれかに記載の医療用具。
[8] 前記バルーンを構成する材料は、生分解性材料である[1]~[7]のいずれかに記載の医療用具。
[9] 近位側から遠位側へ長手方向に延在している第1内腔を有するシャフトを準備する工程、前記シャフトの遠位端に逆止弁部を配する工程、近位側から遠位側へ長手方向に延在している第2内腔を有し、遠位端および近位端にそれぞれ開口を有するバルーンを準備する工程、前記シャフトを該シャフトの近位端から前記バルーンの遠位端側の開口に挿入する工程、前記バルーンの近位端部を前記シャフトに固定する工程、前記バルーンの遠位端を封止する工程、を含む医療用具の製造方法。
[10] 前記シャフトの遠位端に逆止弁部を配する工程では、前記シャフトの遠位端部を該シャフトの径方向に圧縮する[9]に記載の医療用具の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る医療用具は、治療箇所とその周辺組織との癒着を防止するためのバルーンを備えており、該バルーンは、シャフト部の遠位部における外周面に固定されていない非固定領域を有しており、シャフト部の遠位端には逆止弁部が配されている。バルーンの一部がシャフト部に固定されていないことにより、バルーンの形状を自由に変化させることができるため、治療箇所とその周辺組織との空間に配することができる。また、逆止弁部を配することにより、バルーンを生体内に長期間に亘って留置することができる。その結果、治療箇所とその周辺組織との癒着を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明に係る医療用具の実施形態について、バルーンを拡張させ、平面に平置きした状態における平面に平行な面の断面図である。
図2は、図1に示した医療用具について、平面に垂直な面の断面図である。
図3は、図2に示した逆止弁部におけるI-I断面図である。
図4は、本発明に係る医療用具の製造方法の一部を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る医療用具について、実施形態に基づいてより具体的に説明するが、本発明は下記実施形態によって制限を受けるものではなく、前記および後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。また、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。以下では、近位側とは使用者(術者)の手元側を指し、遠位側とは近位側の反対側(すなわち処置対象側)を指す。また、長手方向とは近位側から遠位側への方向を指す。
(【0011】以降は省略されています)

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