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公開番号
2024152468
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-25
出願番号
2023066691
出願日
2023-04-14
発明の名称
電解質ゲル用硬化性組成物、電解質ゲル、蓄電池および電子デバイス
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
C08L
33/06 20060101AFI20241018BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】イオン伝導性に優れた電解質ゲルを得られる硬化性組成物を実現する。
【解決手段】本開示に係る電解質ゲル用硬化性組成物は、(A)成分:架橋性官能基含有液状ポリマーと、(B)成分:リン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルの少なくとも一方と、(C)成分:水酸基、酸性基、スルホニル基およびエーテル結合から選択される基を有し、分子中に酸素原子を2個以上含む化合物と、(D)成分:開始剤と、(E)成分:電解物質と、を含有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)成分:架橋性官能基含有液状ポリマーと、
(B)成分:リン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルの少なくとも一方と、
(C)成分:水酸基、酸性基、スルホニル基およびエーテル結合から選択される基を有し、分子中に酸素原子を2個以上含む化合物と、
(D)成分:開始剤と、
(E)成分:電解物質と、を含有する電解質ゲル用硬化性組成物。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
(A)成分が、エーテル結合を主鎖または側鎖に含有する重合体である、請求項1に記載の電解質ゲル用硬化性組成物。
【請求項3】
前記(A)成分が、エーテル結合を側鎖に含有する重合体であり、
前記(A)成分中のエーテル結合を含有する側鎖が、メトキシポリエチレングリコール基、メトキシプロピレングリコール基、メトキシトリエチレングリコール基、メトキシエチル基、エチルカルビトール基およびフェノキシエチル基からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の電解質ゲル用硬化性組成物。
【請求項4】
前記(A)成分が、エーテル結合を主鎖に含有する重合体である、請求項2に記載の電解質ゲル用硬化性組成物。
【請求項5】
前記(A)成分の主鎖が、ポリアセタール、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の電解質ゲル用硬化性組成物。
【請求項6】
前記(A)成分の主鎖が、(メタ)アクリル系重合体である、請求項1に記載の電解質ゲル用硬化性組成物。
【請求項7】
前記(A)成分中のエーテル結合を有する単量体の重合比率が、25モル%以上である、請求項2に記載の電解質ゲル用硬化性組成物。
【請求項8】
前記(A)成分中の架橋性官能基が、ラジカル架橋性官能基、エポキシ基および加水分解性シリル基からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の電解質ゲル用硬化性組成物。
【請求項9】
前記(C)成分が、グリコール、トリオール、リン酸、カルボン酸およびグライムからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の電解質ゲル用硬化性組成物。
【請求項10】
前記(D)成分が、ラジカル開始剤である、請求項1に記載の電解質ゲル用硬化性組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質ゲル用硬化性組成物、電解質ゲル、蓄電池および電子デバイスに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
蓄電池、例えばリチウムイオン蓄電池は、とりわけその高いエネルギー密度または比エネルギーおよび低い自己放電等の性能を生かして、数多くの用途でエネルギー貯蔵器として適用が進んでいる。例えばリチウムイオン蓄電池は既に、自動車におけるバッテリー(とりわけ電気自動車におけるエネルギー貯蔵器)、ノートパソコンおよびスマートフォン等のIОT関連機器における蓄電池、ならびに家庭用および産業用の定置式貯蔵器における蓄電池としても用いられている。
【0003】
リチウムイオン蓄電池は電解質を内包しており、この電解質は、2つの異なる電極、アノードおよびカソードの内部または間に配置されている。この場合、化学的エネルギーから電気的エネルギーへの変換により、電気化学に基づくエネルギーが蓄電池に貯蔵される。
【0004】
特許文献1には、電解質を含有する非水溶媒を含むポリマーゲルを包含し、該ポリマーゲルが、特定のモノマーから誘導された単位を含む、ポリマー電解質が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-189166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような従来技術は、イオン伝導性の観点からさらなる改善の余地があった。本発明の一態様は、イオン伝導性に優れた電解質ゲルを得られる硬化性組成物およびその利用を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電解質ゲル用硬化性組成物は、(A)成分:架橋性官能基含有液状ポリマーと、(B)成分:リン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルの少なくとも一方と、(C)成分:水酸基、酸性基、スルホニル基およびエーテル結合から選択される基を有し、分子中に酸素原子を2個以上含む化合物と、(D)成分:開始剤と、(E)成分:電解物質と、を含有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、イオン伝導性に優れた電解質ゲルを得られる硬化性組成物およびその利用を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。
【0010】
〔1.電解質ゲル用硬化性組成物〕
本発明の一実施形態に係る電解質ゲル用硬化性組成物は、(A)成分:架橋性官能基含有液状ポリマーと、(B)成分:リン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルの少なくとも一方と、(C)成分:水酸基、酸性基、スルホニル基およびエーテル結合から選択される基を有し、分子中に酸素原子を2個以上含む化合物と、(D)成分:開始剤と、(E)成分:電解物質と、を含有する。本明細書において、電解質ゲル用硬化性組成物とは、電解質ゲルを得るための硬化性組成物を意味する。以下では、電解質ゲル用硬化性組成物を単に硬化性組成物とも称する。当該硬化性組成物を硬化させることにより、電解質ゲルを得ることができる。本明細書において、「硬化」とは「ゲル化」を意味する。
(【0011】以降は省略されています)
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