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公開番号2024051541
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022157760
出願日2022-09-30
発明の名称多孔質複合体とその製造方法
出願人学校法人中部大学,国立大学法人京都大学,大阪冶金興業株式会社
代理人個人
主分類A61L 27/00 20060101AFI20240404BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】独立気孔が無く、且つ大きい平均気孔径を有する多孔質部分と小さい気孔径を有する多孔質部分とが連通し、適度な力学的強度を有する多孔質複合体であって、設計しやすいものを提供する。
【解決手段】開気孔が均一に分布し、100μm~1800μmの範囲の平均気孔径Dを有する多孔質部αと、開気孔が均一に分布し、100μm~1800μmの範囲の平均気孔径d(d<D)を有する多孔質部βと、多孔質部αと多孔質部βとを接続するとともに、接続面方向においては開気孔が均一に分布し、接続面と直交する方向においては多孔質部αに近くなるほどによりDと近似した平均気孔径を有し、多孔質部βに近くなるほどによりdと近似した平均気孔径を有するように、段階的に変化する平均気孔径を有する中間部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
開気孔が均一に分布し、100μm~1800μmの範囲の平均気孔径Dを有する多孔質部αと、
開気孔が均一に分布し、100μm~1800μmの範囲の平均気孔径d(d<D)を有する多孔質部βと、
多孔質部αと多孔質部βとを接続するとともに、接続面方向においては開気孔が均一に分布し、接続面と直交する方向においては多孔質部αに近くなるほどによりDと近似した平均気孔径を有し、多孔質部βに近くなるほどによりdと近似した平均気孔径を有するように、段階的に変化する平均気孔径を有する中間部と
を備えることを特徴とする多孔質複合体。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
多孔質部α、多孔質部β及び前記中間部は、各々繰り返し配列した基本ユニットからなり、多孔質部αにおける基本ユニットの繰り返し周期と多孔質部βにおける基本ユニットの繰り返し周期の比が整数である、請求項1に記載の多孔質複合体。
【請求項3】
多孔質部α、多孔質部β及び前記中間部の各基本ユニットが、一定の外径を有し互いに結合された複数の支柱からなる、請求項2に記載の多孔質複合体。
【請求項4】
多孔質部αにおける支柱径と多孔質部βにおける支柱径の比が整数である、請求項3に記載の多孔質複合体。
【請求項5】
請求項3に記載の多孔質複合体からなる骨修復材料。
【請求項6】
多孔質部α及びβの基本ユニットのうち前記中間部に近接するものの支柱の50%以上が、前記中間部の基本ユニットの支柱と結合している、請求項5に記載の多孔質複合体。
【請求項7】
多孔質部α及び多孔質部βの各基本ユニットが、ダイヤモンド構造をなしている、請求項5に記載の骨修復材料。
【請求項8】
多孔質部βが前記中間部を介して多孔質部αによって囲まれている、請求項5に記載の骨修復材料。
【請求項9】
前記各支柱が、チタン又はチタン合金からなる基材と、基材表面の膜とからなる、請求項6に記載の骨修復材料。
【請求項10】
前記膜が、チタン酸塩又は生分解可能な有機物からなる、請求項9に記載の骨修復材料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、多孔質複合体とその製造方法に関する。この複合体は、大腿骨、股関節、脊椎、歯根等のように大きな荷重の加わる部分における骨修復材料として、あるいは骨修復のための骨再生の足場として好適に利用され得る。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
生体材料開発において、速やかな骨侵入や生体骨との力学的整合性を目的として、金属、セラミックス、高分子からなる多孔体人工骨の開発が近年加速している。速やかな骨侵入には300~1100μmの気孔径の連通孔を有するものが適することが明らかになってきており(非特許文献1)、その範囲内においては気孔径の大きな多孔体ほど生体組織から骨侵入を促しやすい。また、内部構造のパターンも骨侵入に影響を及ぼし、特にダイヤモンド構造が骨侵入を促しやすいと報告されている(非特許文献2)。
【0003】
フィルター材や電極材としても多孔体が広く利用されている。多孔体の気孔率、気孔径を制御することにより表面積、流体抵抗、力学的強度、弾性率などを調整することができる。気孔径が傾斜的に変化するように複数の多孔質部が互いに連通しあって滑らかに接続している傾斜多孔体は、力学的強度を保ちつつ表面積を増大させるなど相反する特性を同時に満たすことが出来るため、非常に有用である。
【0004】
多孔体の構造設計には、海綿骨構造を模倣するレプリカ法や気孔形成材と金属粉末を混合して焼結する粉末冶金法などがしばしば用いられる。氷柱成長を利用した一軸配向性の多孔構造を作る方法も公開されている(特許文献1)。環境用フィルタ、触媒担持体、固体電解質などへの応用を目的とした傾斜構造をもつ多孔体の製造方法として、異なる気孔径の多孔体を焼結により接続する技術(特許文献2)、電圧、遠心力あるいはマイクロ波を加えることにより所望の気孔密度分布を作る技術(特許文献3-5)が報告されている。
【0005】
また、積層造形は、設計したデジタルデータに基づいて粉末あるいは液滴材料を1層ずつ積層、硬化することにより3次元構造物を造形する手法で、金属、セラミックス、樹脂のいずれにも適用でき、内部構造を精密に制御した多孔体の造形が可能である。積層造形用にデジタル的に設計された傾斜多孔体として、直交座標X,Y,Zをパラメータとした三角関数の積の組み合わせで表現されるTriply Periodic Minimal Surface(TPMS)構造が報告されている(非特許文献3)。
【0006】
一方、チタン金属やチタン合金の骨形成や抗菌性を高めるための表面処理技術が種々開発されている。このうち、水溶液-加熱処理によりCa
2+
,Sr
2+
,Mg
2+
,Ga
3+
,I
3+
,Ag
+
などの機能性金属イオンを含有させたチタン酸塩を形成したチタン表面は、イオン徐放能に優れ、連通孔を有する多孔体においては内壁まで均一に処理層を形成することができる(特許文献6、7)。薬剤を添加したゼラチンをディップコートし、架橋処理を施すことにより薬剤徐放性を付与することも可能であると報告されている(特許文献8)。
バイオガラス、アパタイト、OCP、β-TCPなどのリン酸カルシウムを原料とするセラッミクス多孔体においては、ガラス中あるいは結晶中の特定のサイトに機能性イオンを導入することができる。PEEK、PE、PMMAなどの高分子を原料とする高分子多孔体においては原料中に機能性イオンを含むセラッミクス粒子や薬剤を分散させることができる。
いずれにおいても一般に多孔体の気孔径を小さくすることで前記イオンや薬剤の徐放性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許5024780号公報
特開2005‐255439号公報
特開2004‐114631号公報
特開2004‐359529号公報
特開2001‐342082号公報
特許第 6206880号公報
特許第 7016464号公報
特開2021-151409号公報
【非特許文献】
【0008】
F.Baino et al., Biomimetics, 5(2020)57
F. Deng, et al., J.Biol. Eng. 15(2021)4
X.Zhou et al., Materials, 13(2020)5046
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述のとおり、多孔体への骨侵入において大きな気孔径が有利であり、イオンや薬剤の徐放において小さな気孔径が有利である。したがって、双方の機能を発揮させるためには多孔体のうち生体組織と接する部分に大きい気孔径を配置し、生体組織から離れた部分に小さい気孔径を配置し、かつこれらが連通した構造が望ましい。
【0010】
しかし、レプリカ法や粉末冶金法では、独立気孔を完全に排除することは難しく、任意の傾斜多孔構造を作ることも困難である。特許文献1に記載の方法では、異なる気孔径の分布を3次元傾斜的に作ることは困難である。特許文献2に記載の方法では、接続面において多くの気孔が不連続となる。特許文献3-5に記載の方法では、いずれも確率分布的に気孔密度を調整するので独立気孔を完全に排除することは難しく、内部構造を任意の形状に設計することができない。
非特許文献3に記載の方法は、対象となる多孔構造全体を数式化する必要があり複雑な形状を有する多孔体の気孔分布を所望の構造に造形することは難しい。また、多孔体サイズが大きくなると設計に要する計算量も増加し、一般的に普及している電子計算機の処理能力を超え得る。
(【0011】以降は省略されています)

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