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公開番号2024046335
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2022151655
出願日2022-09-22
発明の名称連続加熱炉
出願人株式会社ノリタケカンパニーリミテド
代理人個人,個人
主分類F27B 9/02 20060101AFI20240327BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約【課題】連続加熱炉において、露点が適切に制御された加熱加湿処理を実施する。
【解決手段】ここに開示される連続加熱炉1は、トンネル状の炉体10と、ヒータ30と、炉体内10iを複数の領域R1~R3に仕切る隔壁40と、複数の領域R1~R3の少なくとも1つの領域R1に設けられた湿潤ガス供給配管80と、湿潤ガス供給配管80に湿潤ガスを供給する加湿機構50と、炉体内10iのうち湿潤ガスが供給される領域(第1領域R1)の露点を測定する露点計60と、制御装置70とを備えている。そして、制御装置70は、露点計60の測定値に基づいて、第1領域R1の露点が、予め定められた目的露点範囲DRの範囲内になるように加湿機構70を制御する。これによって、炉体内10iの所望の領域における露点を目的露点範囲DRの範囲内に維持することができるため、露点が適切に制御された加熱加湿処理を実施できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
予め定められた搬送方向に沿って被処理物が搬送されるトンネル状の炉体と、
前記炉体内に配置されたヒータと、
前記炉体内を前記搬送方向に沿って複数の領域に仕切る隔壁と、
前記複数の領域の少なくとも1つの領域に設けられた湿潤ガス供給配管と、
前記湿潤ガス供給配管に湿潤ガスを供給する加湿機構と、
前記炉体内のうち前記湿潤ガスが供給される領域の露点を測定する露点計と、
制御装置と
を備え、
前記制御装置は、前記露点計の測定値に基づいて、前記露点計が露点を測定する領域の露点が、予め定められた目的露点範囲の範囲内になるように前記加湿機構を制御するように構成された、連続加熱炉。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記露点計は、前記湿潤ガス供給配管が設けられた領域の露点を測定するように構成されており、
前記制御装置は、前記露点計の測定値に基づいて、前記湿潤ガス供給配管が設けられた領域の露点が前記目的露点範囲の範囲内になるように前記加湿機構を制御するように構成された、請求項1に記載の連続加熱炉。
【請求項3】
前記露点計が露点を測定する領域に一端が接続され、前記炉体の外部に他端が延びる測定管と、
前記炉体内のガスを前記測定管に引き込む吸引装置と
をさらに備え、
前記露点計は、前記測定管のうち、前記目的露点範囲の上限値よりも高温で、かつ、当該露点計の耐熱温度よりも低温である保護温度域となる領域に配置されている、請求項1または2に記載の連続加熱炉。
【請求項4】
前記測定管は、前記露点計が配置された位置の圧力を測定するための圧力計を有し、
前記制御装置は、前記圧力計の測定値に基づいて前記露点計の測定値を補正するように構成された、請求項3に記載の連続加熱炉。
【請求項5】
前記測定管は、
前記炉体内から流入したガスを前記保護温度域まで冷却する冷却部と、
前記冷却部を通過したガスを前記保護温度域に維持する保温部と
を備えている、請求項3に記載の連続加熱炉。
【請求項6】
前記露点計よりも前記炉体に近い位置にフィルタが配置されている、請求項3に記載の連続加熱炉。
【請求項7】
前記加湿機構は、
水とガスとを混合して湿潤ガスを生成する気化器と、
前記気化器に水を供給する水供給ラインと、
前記気化器にガスを供給するガス供給ラインと、
前記気化器で生成した前記湿潤ガスを前記湿潤ガス供給配管に供給する湿潤ガス供給ラインと
を備えている、請求項1または2に記載の連続加熱炉。
【請求項8】
前記水供給ラインは、前記気化器に供給される水の流量を調整する流量調整手段を備えており、
前記制御部は、前記流量調整手段を制御することによって前記湿潤ガスの露点を調節する、請求項7に記載の連続加熱炉。
【請求項9】
前記湿潤ガス供給配管は、前記炉体内における前記被処理物の上方に配置され、下方に向けて前記湿潤ガスを噴射する上部噴射口を備えている、請求項1または2に記載の連続加熱炉。
【請求項10】
前記露点計は、前記上部噴射口と前記被処理物との間における露点を測定する、請求項9に記載の連続加熱炉。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、連続加熱炉に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
セラミック製品の製造では、製品の性能向上や過乾燥の防止などの観点から、加湿環境下で被処理物を加熱する加熱加湿処理が行われることがある。例えば、特開2021-39933号公報では、リチウムニッケル複合酸化物の焼成粉末を吸湿処理した後に乾燥する正極活物質の製造方法が開示されている。これによって、放電容量に優れた正極活物質を製造できる。また、特開2008-110541号公報には、高湿雰囲気でハニカム成形体を乾燥させる乾燥装置が開示されている。これによって、過乾燥によるハニカム成形体の割れ(クラック)などを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-39933号公報
特開2008-110541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の加熱加湿処理では、処理が完了する度に被処理物を入れ替えるバッチ処理が行われている。この種のバッチ処理では、密閉式の加熱炉を使用することができる。この密閉式の加熱炉を使用した場合、特開2008-110541号公報などに記載の通り、炉内に供給される前の蒸気(湿潤ガス)の湿度を管理すれば、処理中の炉内の湿度を容易に制御することができる。また、適切な水分が存在している環境で加熱加湿処理を実施するために、湿潤ガスの露点が管理されることもある。
【0005】
一方、セラミック製品を大量生産する際には、被処理物を搬送しながら連続的に処理する連続処理が行われる。この連続処理に使用される加熱炉(連続加熱炉)は、炉体内の空間が非常に広く、かつ、搬入口や搬出口などの開口部が複数形成されている。このため、連続加熱炉を用いた大量生産では、炉内の露点を適切に制御した状態で加熱加湿処理を実施することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、ここに開示される技術によって、以下の構成の連続加熱炉が提供される。
【0007】
ここに開示される連続加熱炉は、予め定められた搬送方向に沿って被処理物が搬送されるトンネル状の炉体と、炉体内に配置されたヒータと、炉体内を搬送方向に沿って複数の領域に仕切る隔壁と、複数の領域の少なくとも1つの領域に設けられた湿潤ガス供給配管と、湿潤ガス供給配管に湿潤ガスを供給する加湿機構と、炉体内のうち湿潤ガスが供給される領域の露点を測定する露点計と、制御装置とを備えている。ここで、制御装置は、露点計の測定値に基づいて、露点計が露点を測定する領域の露点が、予め定められた目的露点範囲の範囲内になるように加湿機構を制御するように構成されている。
【0008】
上記構成の連続加熱炉では、炉体内の所望の領域の露点を露点計で測定し、当該露点計の測定値に基づいて湿潤ガスの露点を、予め定められた目的露点範囲の範囲内に維持することができる。このため、ここに開示される技術によると、大量生産のために連続加熱炉を用いた場合でも、露点を適切に制御した状態で加熱加湿処理を実施することができる。
【0009】
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、露点計は、湿潤ガス供給配管が設けられた領域の露点を測定するように構成されており、制御装置は、露点計の測定値に基づいて、湿潤ガス供給配管が設けられた領域の露点が目的露点範囲の範囲内になるように加湿機構を制御するように構成されている。これによって、湿潤ガスが直接供給される領域の露点を正確に制御することができる。
【0010】
ここに開示される連続加熱炉の一態様では、露点計が露点を測定する領域に一端が接続され、炉体の外部に他端が延びる測定管と、炉体内のガスを測定管に引き込む吸引装置とをさらに備え、露点計は、測定管のうち、目的露点範囲の上限値よりも高温で、かつ、当該露点計の耐熱温度よりも低温である保護温度域となる領域に配置されている。これによって、熱や結露による露点計の劣化を防止できる。この結果、より正確な測定値に基づいて、露点を制御することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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