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公開番号
2024045210
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-04-02
出願番号
2024002501,2019544709
出願日
2024-01-11,2018-03-01
発明の名称
マヨラナ材料と超伝導体のハイブリッド網構造のインサイチュによる製造方法及びその方法により製造されたハイブリッド構造
出願人
フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
代理人
個人
,
個人
主分類
H10N
60/00 20230101AFI20240326BHJP()
要約
【課題】マヨラナ材料と超伝導体の構造を少ない処理工程で作成できる方法を提供する。
【解決手段】シャドウマスクを用いて、マヨナラ材料の上に超伝導材料を成膜するマヨナラ材料と超伝導体のハイブリッド構造を製造する方法であって、基材1の上に、互いに相対的に方向付けられた、マヨナラ材料6を構造化して成膜するための第一のマスク2、3と、超伝導材料7を構造化して成長させるための別のマスク(シャドウマスク)4、5とを作成し、これらのマヨナラ材料と超伝導層の成膜を、不活性雰囲気内で、有利には、真空内で、特に有利には、超高真空内で中断すること無く実施する。この製造されたハイブリッド構造は、少なくとも一つの構造化されたマヨナラ材料、その上に配置された少なくとも一つの超伝導材料及び不活性化層を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも一つの構造化されたマヨラナ材料(6)とその上に配置された少なくとも一つの構造化された超伝導材料(8,9)とを有するハイブリッド構造(6,7,8,9,10)の製造方法であって、マスク(4,5)を用いて、この少なくとも一つの構造化された超伝導材料(8,9)が、この構造化されたマヨラナ材料の上に塗布される方法において、
先ずは、基材(1)の上に、互いに相対的に方向付けられた、マヨラナ材料(6)を構造化して塗布するための第一のマスク(2,3)と、少なくとも一つの構造化された超伝導材料(8,9)を構造化して成長させるための別のマスク(4,5)とが作成されて、 このマヨラナ材料(6)及びこの少なくとも一つの構造化された超伝導材料(8,9)を構造化して塗布することが、不活性雰囲気内、有利には、真空内で中断されること無く行なわれる、
ことを特徴とする方法。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記のマスクが、以下の工程により作成され、
I.A 基材(1)の上に、第一の追加層(2)が塗布される工程、
I.B 第一の追加層(2)の上に、第二の追加層(3)が塗布され、第一の追加層(2)が、第二の追加層(3)及び基材(1)に対して選択的にエッチング可能である工程、I.C 第二の追加層(3)の少なくとも一つの部分領域が開放されるように、第二の追加層(3)の表面が構造化されて開放される工程、
I.D 第二の追加層(3)の開放された領域の下の第一の追加層(2)の一つ又は複数の開放された領域が基材(1)の上までアンダーカット可能に除去される工程、
II.E 第一の追加層(2)と第二の追加層(3)の開放された領域が完全に塞がれるように、第三の追加層(4)が析出されて、第三の追加層(4)が第二の追加層(3)を平面的に覆う工程、
II.F 第三の追加層(4)の上に、第四の追加層(5)が塗布され、第三の追加層(4)が第四の追加層(5)、第二の追加層(3)及び基材(1)に対して選択的にエッチング可能である工程、
II.G 少なくとも二つの面の間に遷移域が生じて残るように、第四の追加層(5)の表面が構造化されて開放される工程、及び
II.H 第四の追加層(5)の開放された面の下の第三の追加層(4)の領域が、基材(1)の上までアンダーカット可能に除去される工程、
これに続いて、マヨラナ材料(6)が、第一の追加層(2)及び第二の追加層(3)の開放された領域内に配置されるように、基材(1)の上に構造化されて析出される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第二の機能層(7,9)が、構造化されたマヨラナ材料(6)の上に塗布されるとともに、第四の追加層(5)の開放された表面上に少なくとも部分的に塗布される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程II.Gにおいて、100nm~100μm、有利には、3μm~10μmの長さと、10nm~10μm、有利には、10nm~200nmの幅の少なくとも一つの溝が作成されるように、第四の追加層(5)の表面が構造化されて開放される、請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
第一の追加層(2)が、1nm~20nm、有利には、1~5nmの範囲内の全体的な層厚により塗布される、請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
第二の追加層(3)が、5nm~250nm、有利には、5~100nmの範囲内の全体的な層厚により塗布される、請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
第一の追加層(2)と第二の追加層(3)が、15~50nmの全体的な層厚により析出される、請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
第三の追加層(4)が、5~500nm、有利には、10~150nmの範囲内の全体的な層厚により塗布される、請求項1から7までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
ディラック材料を含む構造化されたマヨラナ材料(6)が析出される、請求項1から8までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
(Bi
x
Sb
1-x
)
2
(Te
y
Se
1-y
)
3
(ここで、0≦x≦1及び0≦y≦1)から成る構造化されたマヨラナ材料が析出される、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、不活性雰囲気内、有利には、超高真空内において、超伝導材料及びマヨラナ材料を異なる幾何学形状及び数ナノメートルまでの寸法により互いに精密に方向付けて析出させ、不活性保護層により保全することを可能にする、デバイスの製造方法に関する。上記の材料から成る複雑な網構造は、そのデバイスを有するように製造できる。この網構造は、最小のサブユニットとして、例えば、トポロジカルジョセフソン接点などのハイブリッド構造を含むが、更に別の実施形態では、多数のトポロジカル量子ビットまでをも表すことができる。この方法は、マヨラナ材料の表面特性の保全及びマヨラナ材料と超伝導体の間の高い界面品質を保証する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ビットを表すためには、古典的なトランジスタ技術では二つの区別可能な電圧値により定義される区別可能な物理状態が存在しなければならない。量子コンピュータの場合、それらの状態は、区別可能な量子力学的状態により表される。そのような量子コンピュータは、ビット、所謂量子ビット(Qubits)を表す、大きな数の、極端な場合、任意の大きい数の区別可能な状態により特徴付けられる。そのような理由から、或る計算を量子コンピュータにおいて非常に速く効率的に解くことができる。そのようにして、グーグル社は、2016年1月に、D-wave量子アニーラーを用いて、一つの問題を古典的なコンピュータよりも凡そ100,000,000倍速く解くことができたと発表した。量子アニーラーは、特別な形式の量子コンピュータであるが、最適化問題だけに用いることができる。量子力学現象を実現可能な計算能力全体は、所謂汎用量子コンピュータにおいて初めて明らかになった。汎用量子コンピュータの主問題は、非常に敏感で短い寿命の量子状態が安定せず、それらの状態の読み出しだけで状態を変化させてしまう可能性が有ることである。その結果発生する誤りを各計算工程後に反復して訂正しなければならない。その誤り訂正(英語で、Error Correction)は、汎用量子コンピュータの開発がゆっくりとしか進まず、最近の30年内で二桁の数のQubitを有する汎用量子コンピュータが未だ実現できていない理由である。誤り訂正式量子計算分野において、グーグル社は、2016年の初めに、同じく画期的な偉業を達成し、それまでの最も高い性能の誤り訂正式汎用量子コンピュータを構築した。D-wave2X型量子アニーラーの1,000Qubitと異なり、そこでは、単に8Qubitが実装されている。IBMは、同じく、確かに2016年5月から「Quantum Experience」の枠組みに基づく開示にアクセスできる、5Qubitによる最初の汎用量子コンピュータを開発した。しかし、今のところ最新のスーパーコンピュータにより一度も解くことができなかった計算を実行するためには、少なくとも50Qubitを必要とする(非特許文献1)。
【0003】
50Qubitの量子コンピュータの目的を出来る限り速く実現するために、学問機関及び産業機関が、トポロジカル量子コンピューティングと呼ばれる量子コンピューティングの比較的新しい部門に集中している。そのような形式の量子コンピュータに関して、理論において、誤り訂正が必要でなく、実際には非常に僅かな程度の誤り訂正しか必要でないとの事実は、そのアプローチを特に有望にしており、50Qubitの機械を近い将来に近付けている。
【0004】
従来の(トポロジカルでない)量子コンピュータの場合と同様に、トポロジカル量子コンピュータにおいても、量子物体又は量子粒子(量子力学の法則に従う物体、粒子又は準粒子)を能動的に計算プロセスに導入しなければならず、そのために、チップ上に配置して、別個に駆動し、操作して、読み出さなければならない。トポロジカル量子コンピュータの計算のベースとなる量子力学的準粒子は、所謂マヨラナゼロモード(MZM、英語でMajorana Zero Mode)と関連する。MZMは、非アーベル交換関係に基づき、誤り耐性の有る量子コンピューティングに関する新しい方式を期待させる、0次元の準粒子励起である。
【0005】
MZMは、所謂マヨラナ材料を超伝導材料と組み合わせた場合に発生させることができる。本明細書において、材料を超伝導材料と接触させて、MZMの発生に必要な場(Eフィールド及びBフィールド)を印加した場合にマヨラナゼロモードが発生する全ての材料をマヨラナ材料と称する。マヨラナ材料は、例えば、一例としてトポロジカル絶縁体とワイル金属に更に分けることができるディラック材料や、半金属(英語で「semimetal」)と混同してはならない「ハーフメタル」や、III-V族半導体ナノワイヤーである。必然的に、マヨラナ材料は、(英語及び本明細書の以降の記述において、「スピンレスフェルミオン」と称する)スピン自由度を持たないフェルミオン状態を有する。マヨラナ材料の部分集合、所謂トポロジカル絶縁体(TI)では、例えば、固体内のスピン軌道相互作用は、TIの表面でのフェルミオン状態に関して、スピンの方向を運動量空間内のkベクトルに直に関連付けることを引き起こす。そのような「スピンレスフェルミオン」システムにおいて超伝導を誘導すると、好適な状況(マヨラナ材料の立体的な幾何学形状、Eフィールド及びBフィールド)の下でMZMが発生する。
【0006】
MZMの兆候は、2012年に初めてLeo Kouwenhoven等のグループによりInAsナノワイヤーで実証され(非特許文献3)、その後別の材料系でも実証されている。マヨラナゼロモードは、基本的に常に対になって発生し、一次元構造の場合には、二つのモードが場所的に離れて一次元構造の両端に0次元励起の形で出現する。二つのマヨラナが一つのフェルミオン状態を一緒に形成する。一つの電子が、この状態を占めるか、或いは同じく占めないことが可能である。二つのマヨラナ内に一つの電子が存在するのか否かを見つけるためには、それらの二つのマヨラナを互いに向かって動かさなければならない。それらは、「接触」するか、或いはそれらの波動関数が重なり合うと、一つの電子に融合するか、或いは消滅して電子を発生させない。
【0007】
「電子の無い」状態と「一つの電子」状態の二つの状態は、従来のスピンQubitの「スピンアップ」及び「スピンダウン」の固有状態と同様に、マヨラナ対又はマヨラナQubitの二つの固有状態を形成する。
【0008】
従来のQubitとの基本的な違いは、マヨラナQubitでは、二つの固有状態が同じエネルギーを有する、即ち、縮退していることである。従来のQubitでは、常に励起状態と基底状態が存在する。Qubitが励起状態に長く留まり過ぎると、基底状態に緩和されて、情報が失われる。マヨラナQubitの場合、これは起こり得ない。これらの特性及び別の特性は、マヨラナQubitが理論的に誤り訂正を必要としないこととなる(非特許文献2)。この事実は、50Qubitの機械のための技術的な負担を大幅に軽減するとともに、そのようにしてトポロジカル量子コンピューティングの方式を魅力的にしている。
【0009】
マヨラナ量子コンピューティングによる動作のためには、即ち、一つ又は複数のQubitの状態を変更するためには、この0次元物体を二次元平面に配置しなければならない。更に、それらを互いの周りに互いに向かって動かすことが重要である。即ち、2マヨラナシステムの量子力学的状態の変更は、二つのマヨラナを互いの周りに回転させることによって行なわれる。システムが|0>の(電子の無い)状態に初期化され、次に、二つのマヨラナが360°互いの周りに回転されると、|1>の状態に変化する。ここで、二つのマヨラナが互いに融合できる場合、一つの電子の状態が100%で計測されるとともに、非占有状態が0%で計測される。互いの周りを180°回転させた場合には、一つの電子を計測する確率が50%になり、90°回転させた場合には僅かに25%になる云々。
【0010】
即ち、基本的に、トポロジカル量子コンピュータは、平面内に配置された、目的通り互いの周りを回転(或いは編組、英語でbraid)可能である或る数のマヨラナから構成される。この数のマヨラナにより、「ブレード」操作可能性が、そのため、量子コンピュータの処理能力が向上する。この試みは、要求に応じてマヨラナモードを移動できるように、(準)一次元構造又はナノワイヤーを配置することである。
(【0011】以降は省略されています)
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