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公開番号2024041661
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-27
出願番号2022146591
出願日2022-09-14
発明の名称放射性核種製造システムおよび放射性核種製造方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類G21K 5/08 20060101AFI20240319BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】原料核種を含むターゲット原料の冷却性を向上させると共に、ターゲット原料への不純物のコンタミネーションを抑制して、放射性核種を効率的に製造可能な放射性核種製造システムおよび放射性核種製造方法を提供する。
【解決手段】放射性核種製造システム1は、粒子線11を発生する粒子線照射装置10と、粒子線11の照射によって放射性核種を生成するターゲット20とを備え、ターゲット20は、放射性核種を生成する原料核種を含むターゲット原料21が、ターゲット原料21を冷却するターゲット冷却板22に実装されている。放射性核種製造方法は、原料核種を含むターゲット原料21がターゲット原料21を冷却するターゲット冷却板22に実装されたターゲット20を形成し、ターゲット原料21をターゲット冷却板22によって冷却しながら、ターゲット20に粒子線11または制動放射線を照射して放射性核種を製造する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
放射性核種を生成する放射性核種製造システムにおいて、
粒子線を発生する粒子線照射装置と、
前記粒子線の照射によって放射性核種を生成するターゲットと、を備え、
前記ターゲットは、前記放射性核種を生成する原料核種を含むターゲット原料が、前記ターゲット原料を冷却するターゲット冷却板に実装されている放射性核種製造システム。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
請求項1に記載の放射性核種製造システムにおいて、
前記ターゲット冷却板が、前記ターゲット原料よりも熱伝導率が高い材料で形成される放射性核種製造システム。
【請求項3】
請求項1に記載の放射性核種製造システムにおいて、
前記ターゲット冷却板が、ケイ素製、二酸化ケイ素製、炭化ケイ素製、アルミニウム製、窒化アルミニウム製、または、ダイヤモンド製である放射性核種製造システム。
【請求項4】
請求項1に記載の放射性核種製造システムにおいて、
前記ターゲット冷却板の表面に酸化膜が形成されている放射性核種製造システム。
【請求項5】
請求項1に記載の放射性核種製造システムにおいて、
前記酸化膜が、二酸化ケイ素、または、酸化アルミニウムで形成されている放射性核種製造システム。
【請求項6】
請求項1に記載の放射性核種製造システムにおいて、
前記原料核種がラジウム226(Ra-226)である放射性核種製造システム。
【請求項7】
請求項1に記載の放射性核種製造システムにおいて、
前記放射性核種としてアクチニウム225(Ac-225)を含む核種を生成する放射性核種製造システム。
【請求項8】
請求項1に記載の放射性核種製造システムにおいて、
前記粒子線照射装置が電子線形加速器であり、前記粒子線として電子線を照射する放射性核種製造システム。
【請求項9】
請求項1に記載の放射性核種製造システムにおいて、
前記ターゲットが複数であり、前記粒子線の照射時に、複数の前記ターゲットが前記ターゲット冷却板を挟んで積層された放射性核種製造システム。
【請求項10】
放射性核種を生成する放射性核種製造方法において、
粒子線の照射によって放射性核種を生成する原料核種を含むターゲット原料が前記ターゲット原料を冷却するターゲット冷却板に実装されたターゲットを形成し、前記ターゲット原料を前記ターゲット冷却板によって冷却しながら、前記ターゲットに粒子線または制動放射線を照射して放射性核種を製造する放射性核種製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子線の照射によって放射性核種を生成するターゲットを用いた放射性核種製造システムおよび放射性核種製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、放射線核種は、ポジトロン断層撮影法(PET:Positron Emission Tomography)や、単一光子放射断層撮影法(SPECT:Single Photon Emission Computed Tomography)等の核医学診断に用いられてきた。しかし、近年では、放射線核種を単なる標識ではなく直接的な治療に用いるRI内用療法が注目を集めている。
【0003】
RI内用療法とは、放射性核種を組み込んだ薬剤を投与し、放射線を患部組織に直接照射して治療を行う方法である。薬剤としては、標的となる患部組織に選択的に集積する性質を持つものが投与される。RI内用療法によって、甲状腺がん、バセドウ病等の治療が行われている。
【0004】
従来のRI内用療法は、β線源を用いたものであり、古くはI-131による甲状腺がん治療が1940年代から実施されている。一方、近年では、飛程が短く線エネルギ付与が高いα線源を用いたRI内用療法が、治療効果の高さから注目されている。
【0005】
RI内用療法に用いられるα線放出核種としては、アクチニウム225(Ac-225)、ラジウム223(Ra-223)、アスタチン211(At-211)等がある。特に、Ac-225は、放射性壊変によってα線放出核種を生じる。娘核種や子孫核種もα線を放出するため、高い治療効果を得ることができる。
【0006】
従来、アクチニウム225(Ac-225)は、トリウム229(Th-229)からの崩壊によって生産されている。Th-229は自然界には無く、ウラン233(U-233)からの崩壊によって生成されてきた。しかし、核物質防護の関係で供給量が不足する懸念があるため、加速器を用いた量産が検討されている。
【0007】
特許文献1には、粒子ビームによる熱負荷を冷却するという制限の中で、少ないターゲット材料で効率良く目的の放射性核種を製造するための放射性核種製造装置が記載されている。この装置は、放射性核種を生成するための互いに重ね合わされて配列された複数枚のターゲット材料板を備えている。ターゲット材料板を装填したターゲット装置は、循環的に供給される冷却水によって冷却されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2017-156143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
放射性核種を製造するシステムでは、粒子線の照射によって放射性核種を生成するターゲットについて、粒子線の照射による熱負荷を効率的に除熱することが求められる。しかし、特許文献1では、選択された原料のみを用いてターゲット材料板を形成している。原料からなるターゲット材料板は、ターゲット装置の内部に装填されている。ターゲット材料板が装填されたターゲット装置が、冷却水で冷却されている。
【0010】
特許文献1では、原料のみを用いてターゲット材料板を形成しており、原料の熱伝導率や原料の成形性が考慮されていないという問題がある。原料の熱伝導率が低い場合、ターゲット材料板に対する熱負荷を効率的に除熱することが困難である。また、原料の種類によっては、ターゲット材料板の成形が困難な場合がある。原料のみを用いてターゲット材料板を形成する方法では、装置の設計上や原料の選定上で大きな制約を生じる。
(【0011】以降は省略されています)

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