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公開番号2024025247
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2022128530
出願日2022-08-10
発明の名称フィルタベント装置
出願人日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類G21F 9/02 20060101AFI20240216BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】高温高線量下において有機よう素除去材の分解および無機よう素を還元除去する化合物の分解を抑制できるフィルタベント装置を提供することにある。
【解決手段】本発明に係るフィルタベント装置30は、フィルタベント容器1が、有機よう素を捕集する有機よう素除去材2と、無機よう素を捕集するスクラビング水13と、前記スクラビング水13にpHの緩衝機能を付与するアルカリ供給材3と、を有することとした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フィルタベント容器が、
有機よう素を捕集する有機よう素除去材と、
無機よう素を捕集するスクラビング水と、
前記スクラビング水にpHの緩衝機能を付与するアルカリ供給材と、
を有することを特徴とするフィルタベント装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
フィルタベント容器が、
有機よう素を捕集する有機よう素除去材と、
無機よう素を捕集するスクラビング水にpHの緩衝機能を付与するアルカリ供給材と、
を有することを特徴とするフィルタベント装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のフィルタベント装置において、
前記フィルタベント容器が、さらに、
前記無機よう素の捕集機能を高める薬液を有することを特徴とするフィルタベント装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のフィルタベント装置において、
前記フィルタベント容器内に、前記有機よう素除去材および前記アルカリ供給材を有することを特徴とするフィルタベント装置。
【請求項5】
請求項1に記載のフィルタベント装置において、
注入弁を介して前記フィルタベント容器と接続された第1保管容器および第2保管容器を備え、
前記フィルタベント容器内に、前記スクラビング水および前記有機よう素除去材を有し、
前記第1保管容器に前記アルカリ供給材を収容し、
前記第2保管容器に前記無機よう素の捕集機能を高める薬液を収容する
ことを特徴とするフィルタベント装置。
【請求項6】
請求項3に記載のフィルタベント装置において、
前記フィルタベント容器内に、前記薬液を有することを特徴とするフィルタベント装置。
【請求項7】
請求項2に記載のフィルタベント装置において、
注入弁を介して前記フィルタベント容器と接続された第1保管容器を備え、
前記フィルタベント容器内に前記有機よう素除去材を有するとともに、前記第1保管容器内に前記アルカリ供給材を有するか、
または、
前記フィルタベント容器内に前記アルカリ供給材を有するとともに、前記第1保管容器内に前記有機よう素除去材を有する
ことを特徴とするフィルタベント装置。
【請求項8】
請求項3に記載のフィルタベント装置において、
注入弁を介して前記フィルタベント容器と接続された第1保管容器を備え、
前記フィルタベント容器内に前記有機よう素除去材および前記アルカリ供給材を有するとともに、前記第1保管容器内に前記薬液を有するか、
または、
前記フィルタベント容器内に前記アルカリ供給材および前記薬液を有するとともに、前記第1保管容器内に前記有機よう素除去材を有するか、
または、
前記フィルタベント容器内に前記有機よう素除去材および前記薬液を有するとともに、前記第1保管容器内に前記アルカリ供給材を有する
ことを特徴とするフィルタベント装置。
【請求項9】
請求項3に記載のフィルタベント装置において、
注入弁を介して前記フィルタベント容器と接続された第1保管容器および第2保管容器を備え、
前記フィルタベント容器、前記第1保管容器および前記第2保管容器のそれぞれに、前記有機よう素除去材、前記アルカリ供給材および前記薬液からなる群からそれぞれ1種ずつ選択されて収容されている
ことを特徴とするフィルタベント装置。
【請求項10】
請求項9に記載のフィルタベント装置において、
前記第1保管容器および前記第2保管容器がそれぞれ個別に注入弁を介して前記フィルタベント容器に接続されているか、
または、
前記第2保管容器と前記第1保管容器とが注入弁を介して接続されているとともに、前記第1保管容器と前記フィルタベント容器とが注入弁を介して接続されている
ことを特徴とするフィルタベント装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタベント装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
原子炉施設には、原子炉から放出された放射性物質が環境中に漏洩するのを防止するために、フィルタベント装置が設置されている。原子炉の事故で炉心損傷が生じて格納容器内の圧力が異常上昇すると、格納容器が破損して大規模漏洩に至るため、フィルタベント装置により格納容器内の蒸気を未然にベントして格納容器の過圧破損を防止する。高温・高圧の蒸気は、原子炉から格納容器内に放出されると、フィルタベント装置に通され、大気中に放出される前に主要な放射性物質が捕集される。
【0003】
原子炉の事故時に発生する放射性物質としては、希ガス、エアロゾル、無機よう素、有機よう素などがある。フィルタベント装置では、希ガスを除くこれらの放射性物質が捕捉され、環境への放出が抑制される。一般的に、フィルタベント装置は、特許文献1に記載されるように、フィルタベント容器内に、湿式フィルタとして働くスクラビング水を保持し、さらに乾式フィルタである繊維フィルタを内蔵している。
【0004】
スクラビング水は、水に薬液が添加される場合があり、ベントされた蒸気は、スクラビング水中に放出される。薬液との反応により、イオン化した無機よう素(元素状よう素)やエアロゾルは、スクラビング水に溶解することで捕集される。また、スクラビング水を経て気相に放出された一部のエアロゾルは、繊維フィルタに付着・衝突して捕集される。
【0005】
一方、有機よう素は、よう化メチルをはじめとして水に難溶であり、ベント時に圧力抑制室のプール水やスクラビング水に導入されても、十分には捕集されない。また、よう化メチルなどの有機よう素は、原子炉からの排気過程で、元素状よう素の反応によって新生することもある。これらの理由で、有機よう素を効率的に捕集できるフィルタベント装置が求められている。例えば、特許文献2には、フィルタベント装置におけるベント経路上に銀ゼオライトや活性炭などの乾式フィルタを設置して有機よう素を捕集している。
【0006】
銀ゼオライトや活性炭などの有機よう素除去材は、水分が付着した場合に捕集効率が低下する可能性があるため、水分の影響が懸念される場合は水分を除去する機構を必要とし、フィルタベント装置の構造を複雑化させる。また、これらの有機よう素除去材は固体であるため、特許文献2のように特別な装置設計や複雑な装置構造を要する。
【0007】
これを解決するための技術が、例えば、特許文献3に開示されている。特許文献3には、フィルタベント装置のフィルタベント容器内に、有機よう素を捕集することが可能な不揮発性の液体(有機よう素除去材)として、イオン液体を配置することが記載されている。特許文献3に記載の発明は、この有機よう素除去材によって、複雑な装置構造を要せずフィルタベント容器のみで希ガスを除く放射性物質を補足でき、環境への放出を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2015-522161号公報
特開平7-209488号公報
特許第6628313号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のフィルタベント装置は、スクラビング水に無機よう素を還元除去する化合物(還元剤)を含有させて無機よう素を還元除去し、かつ、エアロゾル(粒子)を物理的に除去している。
一方、特許文献3に記載されている有機よう素除去材は、ベント時の高温高線量下においてスクラビング水のpHが低い方が分解を抑制できる。
ベント時はフィルタベント容器への放射性物質の流入により、有機よう素除去材および還元剤入りのスクラビング水が高温高線量下に晒され、スクラビング水のpHが低下する。スクラビング水のpHが6.5以下になると還元剤の分解が促進されてしまう。また、pHが低下するほどスクラビング水での無機よう素の捕集機能が低下してしまう。それらを抑制するために初期pHを高めると、有機よう素除去材(イオン液体)の分解が促進されてしまい、有機よう素の除去性能を高く維持できない。
【0010】
本発明は前記状況に鑑みてなされたものである。本発明の課題は、高温高線量下において有機よう素除去材の分解および無機よう素を還元除去する化合物の分解を抑制できるフィルタベント装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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