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公開番号2024006559
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-17
出願番号2022107575
出願日2022-07-04
発明の名称原子力プラント
出願人個人
代理人
主分類G21C 15/00 20060101AFI20240110BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】原子炉格納容器の過温破損のリスクと、原子炉格納容器上蓋部の高温化によるフランジのシール材の劣化による大量の水素および放射性物質の漏洩のリスクと、圧力抑制プール水の温度の成層化による原子炉格納容器の早期過圧破損のリスクと、を削除し原子炉格納容器の破損と放射性物質の漏洩をフィルターベントを使用することなく防止する。
【解決手段】原子炉格納容器3と、原子炉格納容器3の上部に設けられた冷却水プール13と、一部が冷却水14に水没した熱交換器16と、熱交換器16で生成された凝縮水を圧力抑制プール6に戻す凝縮水戻り配管21と、凝縮水戻り配管21から分岐して凝縮水を原子炉圧力容器2の内部に注水する原子炉圧力容器注水配管51と、熱交換器16内で生成されるガスを圧力抑制プール6にベントするガスベント配管22と、ガスベント配管22に設けられたガスベントファン22aと、を有する静的格納容器冷却系とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炉心と、
前記炉心を収容する原子炉圧力容器と、
前記原子炉圧力容器内で前記炉心を取り囲むシュラウドと、
前記シュラウドの上部に設けられたシュラウドヘッドと、
前記原子炉圧力容器を収納するドライウェルと、前記ドライウェルとLOCAベント管を介して連結された圧力抑制プールを下部に収納し上部にウェットウェル気相部を有するウェットウェルと、前記ウェットウェル気相部内のガスを前記ドライウェルに環流する真空破壊弁と、を有する原子炉格納容器と、
前記原子炉格納容器内で前記原子炉圧力容器をRPVスカートとRPVサポートを介して支えてその内部にペデスタルキャビティを形成するペデスタルと、
前記ドライウェルの前記RPVスカートよりも上の空間である上部ドライウェルと、
前記上部ドライウェルの天井を構成するトップスラブと、
前記ウェットウェルの天井を構成し前記上部ドライウェルの床を構成するダイアフラム床と、
前記上部ドライウェルの前記ダイアフラム床よりも上で前記トップスラブよりも下の前記原子炉格納容器の上部領域と、
前記ダイアフラム床よりも下の前記原子炉格納容器の下部領域と、
前記ドライウェルの上部に設置されて冷却水を貯留する冷却水プールと、
入口プレナムと出口プレナムと伝熱管とを有し少なくとも一部が前記冷却水に水没した熱交換器と、
一端が前記熱交換器の前記入口プレナムに接続されもう一端が前記原子炉格納容器の内部に接続され前記原子炉格納容器の内部のガスを前記熱交換器に導く少なくとも一つのガス供給配管と、
前記ガス供給配管に設けられたガス供給配管隔離弁と、
一端が前記熱交換器の前記出口プレナムに接続されもう一端が前記原子炉格納容器内の下部領域に接続されて前記熱交換器内の凝縮水を前記原子炉格納容器内の下部領域に導く凝縮水戻り配管と、
上記凝縮水戻り配管に設けられた凝縮水戻り配管隔離弁と、
前記凝縮水戻り配管から分岐して凝縮水を前記原子炉格納容器の上部領域に注水する少なくとの一つの上部領域注水配管と、
前記上部領域注水配管に設けられた上部領域注水配管隔離弁と、
一端が前記熱交換器の前記出口プレナムに接続され前記出口プレナム内のガスを前記熱交換器の外部に放出するガスベント配管と、
を有する静的格納容器冷却系と、
を備えたことを特徴とする原子力プラント。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記上部領域注水配管の一端は原子炉圧力容器に接続され凝縮水を原子炉圧力容器に注水する原子炉圧力容器注水配管であることを特徴とする静的格納容器冷却系を有する特許請求項1に記載の原子力プラント。
【請求項3】
前記ガスベント配管の一端は前記圧力抑制プールに浸漬して接続され前記ガスベント配管にガスベントファンが設けられたことを特徴とする静的格納容器冷却系を有する特許請求項1に記載の原子力プラント。
【請求項4】
前記凝縮水戻り配管の途中に逆流防止装置が設けられ前記凝縮水戻り配管の先端は前記ウェットウェル気相部に接続され前記凝縮水戻り配管は前記熱交換器内の凝縮水をウェットウェル気相部に散布できることを特徴とする静的格納容器冷却系を有する特許請求項1に記載の原子力プラント。
【請求項5】
前記上部領域注水配管の一端は前記原子炉圧力容器内のシュラウドヘッドに接続され凝縮水を前記シュラウドヘッド内に注水できる原子炉圧力容器注水配管であることを特徴とする静的格納容器冷却系を有する特許請求項1に記載の原子力プラント。
【請求項6】
前記上部領域注水配管の一端は高圧炉心注水系の高圧炉心注水系注水配管に接続されていることを特徴とする静的格納容器冷却系を有する特許請求項1に記載の原子力プラント。
【請求項7】
前記ガス供給配管の一端は前記原子炉圧力容器に接続され前記原子炉圧力容器内のガスを前記熱交換器に供給する原子炉圧力容器ガス供給配管であることを特徴とする静的格納容器冷却系を有する特許請求項1に記載の原子力プラント。
【請求項8】
さらに、前記原子炉圧力容器の蒸気相に配管を介して接続された均圧弁が前記ドライウェル内に設けられ前記原子炉圧力容器の破損が生じて前記原子炉圧力容器内の圧力が低下した状態で前記原子炉圧力容器内の圧力をさらにドライウェル内の圧力と均圧化できることを特徴とする特許請求1に記載の原子力プラント。
【請求項9】
前記上部領域注水配管は前記上部ドライウェル内のドライウェル・スプレー・スパージャーに接続され凝縮水を前記上部ドライウェル内に散水するドライウェル・スプレー配管であることを特徴とする静的格納容器冷却系を有する特許請求項1に記載の原子力プラント。
【請求項10】
前記凝縮水戻り配管の途中に前記ドライウェル・スプレー配管の分岐個所よりも上流に逆流防止装置が設けられ前記ドライウェル・スプレー配管から前記ドライウェル内のガスが逆流することを防止でき通常運転時に前記ドライウェル・スプレー配管隔離弁を開にすることができることを特徴とする静的格納容器冷却系を有する特許請求項8に記載の原子力プラント。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、静的格納容器冷却系を用いた原子力プラントに関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来の原子力プラントおよび従来の静的格納容器冷却系について図15から図25によりその概要を説明する。
【0003】
(図15:従来の第1の原子力プラントの説明)
図15は、従来の第1の原子力プラントの原子炉格納容器まわりの構成の例を示す立断面図である。図15において、炉心1は原子炉圧力容器2の内部に収納されている。炉心1はさらにシュラウド2aおよびシュラウドヘッド2bの内部に収納されている(図19を参照)。原子炉圧力容器2は、原子炉格納容器3内に収納されている。原子炉格納容器3は円筒形状をしている(図16を参照。)。原子炉格納容器3の内径は約29mである。この構成は新型BWR(ABWR)で採用されているものである。
【0004】
原子炉格納容器3の内部は、原子炉圧力容器2を収納するドライウェル4と、ウェットウェル5とに区分けされており、ドライウェル4とウェットウェル5とは原子炉格納容器3の一部を構成する。ウェットウェル5は内部に圧力抑制プール6を形成している。圧力抑制プール6の上方にはウェットウェル気相部7が形成されている。ドライウェル4とウェットウェル5の外壁部は一体化して原子炉格納容器3の円筒状の外壁部を構成している。ドライウェル4の天井部は平板になっておりこの部分をドライウェル4のトップスラブ4aと呼ぶ。トップスラブ4aの厚さは約2.4mである。
【0005】
原子炉格納容器3の雰囲気は、沸騰水型軽水炉の場合には、窒素により置換され酸素濃度を低く制限されている。また、沸騰水型軽水炉の場合には、原子炉格納容器3は原子炉建屋100の内部に収納されている。
【0006】
原子炉格納容器3は、一般にその材質により、鋼製原子炉格納容器、鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)、プレストレスコンクリート製原子炉格納容器(PCCV)、スチール・コンクリート複合構造(SC造)原子炉格納容器(SCCV)など様々のものがある。RCCVとPCCVの場合には内面に鋼製ライナーが張られている。図15ではRCCVの例を示している。図16に示すように、RCCVは外壁部分は円筒形状をしている。
【0007】
原子炉圧力容器2は、RPVスカート62およびRPVサポート63を介して、円筒状のペデスタル61により支持されている。ペデスタル61は、鋼製、コンクリート製、両者の複合構造等がある。ドライウェル4のうち原子炉圧力容器2およびRPVスカート62の下方であって、ペデスタル61の円筒状の壁により囲まれるペデスタル61の内側の空間を、ペデスタルキャビティ61aという。ABWRのRCCVの場合はペデスタル61の円筒状の壁はウェットウェル5とドライウェル4の境界の壁を形成していて特にこの空間を下部ドライウェル61aと呼んでいる。
【0008】
ABWRのRCCVの場合はドライウェル4のRPVサポート62よりも上の空間を上部ドライウェル4cと呼んでいる。ウェットウェル5の天井は平板になっていて上部ドライウェル4cとの境界を形成している。この部分は上部ドライウェル4cの床を形成しておりダイアフラム床5bと呼んでいる。ダイアフラム床5bの上端からトップスラブ4aの下端までの高さは約9mである。原子炉格納容器3のダイアフラム床5bよりも下の領域を下部領域90と呼んでいる。原子炉格納容器3のダイアフラム床5bよりも上でトップスラブ4aよりも下の領域を上部領域91と呼んでいる。下部領域90および上部領域91は、それぞれの領域に設けられている空間、プール、機器を含む(図18を参照)。
【0009】
原子炉圧力容器2の上方に原子炉格納容器上蓋10が配置され、その上方に水遮蔽11が配置されている。
【0010】
原子炉圧力容器2からは主蒸気配管71がドライウェル4の外部に延びている。主蒸気配管71には、逃がし安全弁(Safety Relief Valve、「SRV」)72が設けられており、逃がし安全弁72が動作したときに圧力抑制プール6内に原子炉圧力容器2の蒸気が放出されるように、逃がし配管73が圧力抑制プール6内に水没するように設けられている。
(【0011】以降は省略されています)

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