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公開番号2024040139
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-25
出願番号2023147490
出願日2023-09-12
発明の名称放射線防護具
出願人国立大学法人東北大学,株式会社マエダ
代理人個人
主分類G21F 3/00 20060101AFI20240315BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】眼の水晶体等の被ばく軽減のために着用するのに好適な新規な放射線防護具を提供する。
【解決手段】放射線防護具1は、身体の頭部Hに装着して固定するための固定部10と、放射線遮へい性能を有する、眼の水晶体等防護部20とを備える。眼の水晶体等防護部20は、頭部Hを基準とする略前後方向及び略上下方向により形成される面を基本面とする板状をなし、着用時において、顔面の側部から、前方へ向けて突出するように固定部10に設けられる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
身体の頭部に装着して固定するための固定部と、該固定部に設けられた、放射線遮へい性能を有する、眼の水晶体等防護部とを備え、
前記眼の水晶体等防護部は、少なくとも、頭部を基準とする略前後方向及び略上下方向により形成される面を基本面とする板状部を備え、この板状部が、着用時において、顔面の側部から、前方へ向けて突出するように位置する、
放射線防護具。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
身体の頭部に装着して固定するための固定部と、放射線遮へい性能を有する、眼の水晶体等防護部とを備え、
前記眼の水晶体等防護部は、頭部を基準とする略前後方向及び略上下方向により形成される面を基本面とする板状をなし、着用時において、顔面の側部から、前方へ向けて突出するように前記固定部に設けられた、
放射線防護具。
【請求項3】
前記眼の水晶体等防護部は、頭部を基準とする前後方向及び/又は上下方向における位置が調整可能なように、前記固定部に設けられた、請求項2に記載の放射線防護具。
【請求項4】
前記眼の水晶体等防護部は、頭部を基準とする左右方向における位置が調整可能なように、前記固定部に設けられた、請求項2に記載の放射線防護具。
【請求項5】
前記眼の水晶体等防護部は、前記固定部に着脱可能に設けられた、請求項1又は2に記載の放射線防護具。
【請求項6】
頭部を基準とする略前後方向及び略上下方向により形成される面を基本面とする板状をなし、着用時において、顔面の側部から、前方へ向けて突出し、眼の水晶体等防護部としての機能を備えた放射線防護具であって、眼鏡のテンプルに着脱可能に設けられる放射線防護具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線防護具、詳しくは、医師等が眼の水晶体の被ばく(放射線による網膜等への影響を含む。)軽減のために着用するのに適した放射線防護具に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
放射線技術者(又は放射線従事者)は、放射線被ばくによる身体への健康被害を避けるため、高い遮へい性を有する鉛等を含有した塩化ビニル樹脂等の放射線遮へいシートを用いて製作された放射線防護衣を着用して作業を行っている。
医療用の放射線防護衣としては、従来、コート型とエプロン型のものや、甲状腺を保護するネックガード型のものが知られている。
【0003】
ところで、眼の水晶体の被ばく限度に関し、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を受けて、放射線審議会、さらには厚生労働省「眼の水晶体の被ばく限度の見直し等に関する検討会」で、放射線白内障発症リスク低減のため、眼の水晶体の被ばく限度の見直しが検討されている。
「眼の水晶体の被ばく限度の見直し等に関する検討会報告書」では、「一般医療における労働者の被ばくは、主として被写体からの散乱線によるX線主体の被ばくである。このため、他の放射線防護措置と併せて高い鉛当量の防護眼鏡等を使用する等の放射線防護措置を講ずること、医療被ばくを最適化することで職業被ばくを低減すること等により、さらなる水晶体の被ばく低減を期待できる」と指摘されている。
また、被写体からの散乱線は作業台から約50cmの高さで最大で、眼の近傍と頭頸部で測定した等価線量は同程度であり、防護眼鏡の使用ではおよそ60%、防護板の使用ではおよそ40%の被ばく低減が期待できる点、指摘されている。また、「国は、放射線防護眼鏡等の放射線防護機材による防護能力の強化などのための開発を推進し、水晶体への被ばく線量が高い業務を行う事業者が、放射線防護設備の設置や改善による被ばく低減措置を講ずるための支援を行うことが望ましい。」としている。
【0004】
特許文献1には、医療従事者が使用する医療用保護眼鏡が記載されている。また、特許文献2には、施術者の放射線被曝を軽減するために用いられる放射線防護用衝立が記載されている。特許文献3には、「身体の首部に装着して固定するための首固定部と、着用時において、前記首固定部から部分的に上方に張り出すように前記首固定部に設けられた、眼の水晶体防護部とを備えた、放射線防護具。」が記載されている。
しかしながら、X線による透視をしながら手技を行うIVRと呼ばれる分野などの医療現場において、防護眼鏡については、重量が重いこと等もありその着用に慣れず負担を感じる診療従事者などもおり、また、防護板については、設置スペース等の問題などもあり使い勝手が必ずしも良いとは言えないといった問題があった。また、特許文献3に記載の放射線防護具は、眼鏡のような着用の際の眼部への負担はないが、首部への装着を好まぬ従事者もいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-42480号公報
特開2016-8849号公報
登録実用新案第3226435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記背景技術に鑑み発明されたもので、眼の水晶体等の被ばく軽減のために着用するのに好適な新規な放射線防護具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)身体の頭部に装着して固定するための固定部と、該固定部に設けられた、放射線遮へい性能を有する、眼の水晶体等防護部とを備え、
前記眼の水晶体等防護部は、少なくとも、頭部を基準とする略前後方向及び略上下方向により形成される面を基本面とする板状部を備え、この板状部が、着用時において、顔面の側部から、前方へ向けて突出するように位置する、
放射線防護具である。
(2)身体の頭部に装着して固定するための固定部と、放射線遮へい性能を有する、眼の水晶体等防護部とを備え、
前記眼の水晶体等防護部は、頭部を基準とする略前後方向及び略上下方向により形成される面を基本面とする板状をなし、着用時において、顔面の側部から、前方へ向けて突出するように前記固定部に設けられた、
放射線防護具である。
(3)前記眼の水晶体等防護部は、頭部を基準とする前後方向及び/又は上下方向における位置が調整可能なように、前記固定部に設けられたものである。
(4)前記眼の水晶体等防護部は、頭部を基準とする左右方向における位置が調整可能なように、前記固定部に設けられたものである。
(5)前記眼の水晶体等防護部は、前記固定部に着脱可能に設けられたものである。
(6)頭部を基準とする略前後方向及び略上下方向により形成される面を基本面とする板状をなし、着用時において、顔面の側部から、前方へ向けて突出し、眼の水晶体等防護部としての機能を備えた放射線防護具であって、眼鏡のテンプルに着脱可能に設けられる放射線防護具である。
【発明の効果】
【0008】
(1)身体の頭部に装着して固定するための固定部を、頭部に装着することによって、使用され、眼鏡のように顔面(鼻)に直に触れたり眼の前が覆われることがないので、使用者への負担が少なく使用しやすい。
眼の水晶体等防護部は、少なくとも、頭部を基準とする略前後方向及び略上下方向により形成される面を基本面とする板状部を備え、この板状部が、着用時において、顔面の側部から、前方へ向けて突出するように位置するため、眼の水晶体等防護部によって、被写体からの(特に顔面の側方ないし顔面の側方下方からの)散乱線が眼の水晶体へ当たるのが防護され、被ばくが軽減される(通常、術者が医療手技を施す場合、側方下方の被写体から散乱線が当たりやすい。)。
眼の水晶体等防護部は、頭部に装着して固定するための固定部に設けられるため、頭部の動きに追随し、動作の邪魔になりにくい。
(2)身体の頭部に装着して固定するための固定部を、頭部に装着することによって、使用され、眼鏡のように顔面(鼻)に直に触れたり眼の前が覆われることがないので、使用者への負担が少なく使用しやすい。
眼の水晶体等防護部は、頭部を基準とする略前後方向及び略上下方向により形成される面を基本面とする板状をなし、着用時において、顔面の側部から、前方へ向けて突出するように設けられているため、眼の水晶体等防護部によって、被写体からの(特に顔面の側方ないし顔面の側方下方からの)散乱線が眼の水晶体へ当たるのが防護され、被ばくが軽減される(通常、術者が医療手技を施す場合、側方下方の被写体から散乱線が当たりやすい。)。
眼の水晶体等防護部は、顔面の側部から、前方へ向けて突出するように設けられているので、術者の手技の際の視界は確保され、障害となることはない。
手技を施す対象に対して、ガラス等を通さずに、直接に視認できるため、歪みほかの違和感がなく見やすく手技も的確に行われる。
風防のように顔面の多くを覆うシールドを設けるものではないため、装着者の声が反響したり、他者の声が聞き取りにくいといった問題がない。
眼の水晶体等防護部は、頭部に装着して固定するための固定部に設けられるため、頭部の動きに追随し、動作の邪魔になりにくい。
(3)眼の水晶体等防護部は、頭部を基準とする前後方向及び/又は上下方向における位置が調整可能なように、前記固定部に設けられた構成により、使用者の顔の形や骨格等に対応したより適正な使用が確保される。
(4)眼の水晶体等防護部は、頭部を基準とする左右方向における位置が調整可能なように、前記固定部に設けられた構成により、使用者の顔の形や骨格等に対応した適正な使用が確保される。
(5)前記眼の水晶体等防護部は、前記固定部に着脱可能に設けられた構成により、水晶体等防護部の交換使用ができ、経済的な使用が可能となる。
(6)眼鏡使用時における眼の水晶体の被ばく軽減が図られるとともに、眼鏡のテンプルに着脱可能に設けられるため、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
放射線防護具1の使用状態を示す側面図である。
放射線防護具1の使用状態を示す正面図である。
放射線防護具1を例示する斜視図である。
放射線防護具1を例示する斜視図である。
眼の水晶体等防護部20の使用状態を示す側面図である。
放射線防護具1の使用状態を示す(a)は側面図、(b)は眼の水晶体等防護部20を外した状態の側面図、(c)は斜視図である。
眼の水晶体等防護部20の使用状態を示す(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
放射線防護具1は、身体の頭部Hに装着して固定するための固定部10と、放射線遮へい性能を有する、眼の水晶体等防護部20とを備えている。この眼の水晶体等防護部は、頭部を基準とする略前後方向及び略上下方向により形成される面を基本面とする板状をなし、着用時において、顔面の側部から、前方へ向けて突出するように前記固定部に設けられた構成とした。
(【0011】以降は省略されています)

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