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公開番号2024030089
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022132652
出願日2022-08-23
発明の名称廃樹脂回収装置
出願人日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人ポレール弁理士法人
主分類G21C 19/32 20060101AFI20240229BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】本発明は、廃樹脂を高効率で回収することができ、廃樹脂を回収する系統内への空気の流入を防止できる廃樹脂回収装置を提供する。
【解決手段】本発明による廃樹脂回収装置10は、廃樹脂2と廃液3が貯蔵されている廃樹脂貯蔵タンク1に設置可能であり、起動すると廃樹脂2の回収または攪拌を行うノズル6、7と、一端部にノズル6、7を備え、ノズル6、7を昇降させる機構であるノズル昇降部4と、ノズル6、7またはノズル昇降部4に設置され、ノズル6、7と廃樹脂2との距離を計測するための距離センサ21と、距離演算部101と伸縮制御部103を備える演算制御部100を備える。距離演算部101は、距離センサ21の計測結果から、ノズル6、7と廃樹脂2との距離である測定距離を求める。伸縮制御部103は、ノズル昇降部4によりノズル6、7を昇降させ、測定距離が予め定めた最適距離と等しい場合には、ノズル6、7の昇降を停止する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
廃樹脂と廃液が貯蔵されている廃樹脂貯蔵タンクに設置可能であり、
起動すると前記廃樹脂の回収または攪拌を行うノズルと、
一端部に前記ノズルを備え、前記ノズルを昇降させる機構であるノズル昇降部と、
前記ノズルまたは前記ノズル昇降部に設置され、前記ノズルと前記廃樹脂との距離を計測するための距離センサと、
距離演算部と、伸縮制御部を備える演算制御部と、
を備え、
前記距離演算部は、前記距離センサの計測結果から、前記ノズルと前記廃樹脂との距離である測定距離を求め、
前記伸縮制御部は、前記ノズル昇降部により前記ノズルを昇降させ、前記測定距離が予め定めた最適距離と等しい場合には、前記ノズルの昇降を停止する、
ことを特徴とする廃樹脂回収装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記廃樹脂貯蔵タンクの上部から前記廃液の液面までの距離を計測するデプスカメラを備え、
前記演算制御部は、液面距離演算部と、先端位置演算部を備え、
前記液面距離演算部は、前記デプスカメラの計測結果から、前記廃液の前記液面の位置を取得し、
先端位置演算部は、前記ノズル昇降部の昇降状態から、前記ノズルの上下方向の位置を取得し、
前記演算制御部は、前記ノズルの上下方向の位置が前記廃液の前記液面の位置よりも上方である場合には、起動している前記ノズルを停止する、
請求項1に記載の廃樹脂回収装置。
【請求項3】
前記ノズル昇降部は、内径が互いに異なる複数の筒状部材がテレスコピック状に接続されて構成された伸縮機構であり、長さが伸縮することにより前記ノズルを昇降させる、
請求項1に記載の廃樹脂回収装置。
【請求項4】
前記ノズル昇降部は、複数の腕部と、前記腕部を接続する複数の関節部とを備え、前記腕部の接続角度が変わることにより前記ノズルを昇降させる、
請求項1に記載の廃樹脂回収装置。
【請求項5】
前記ノズル昇降部は、棒状部材を備え、前記棒状部材の位置が上下方向に移動することにより前記ノズルを昇降させる、
請求項1に記載の廃樹脂回収装置。
【請求項6】
前記伸縮制御部は、
前記測定距離が前記最適距離よりも小さい場合には、前記ノズル昇降部により前記ノズルを上昇させて前記ノズルを前記廃樹脂から離し、
前記測定距離が前記最適距離よりも大きい場合には、前記ノズル昇降部により前記ノズルを下降させて前記ノズルを前記廃樹脂に近づける、
請求項1に記載の廃樹脂回収装置。
【請求項7】
前記伸縮制御部は、
前記測定距離が前記最適距離よりも小さい場合には、前記最適距離と前記測定距離の差だけ前記ノズルを上昇させ、
前記測定距離が前記最適距離よりも大きい場合には、前記測定距離と前記最適距離の差だけ前記ノズルを下降させる、
請求項6に記載の廃樹脂回収装置。
【請求項8】
前記距離センサは、前記ノズルと前記廃樹脂との距離を超音波で計測する距離センサである、
請求項1に記載の廃樹脂回収装置。
【請求項9】
前記距離演算部は、
前記距離センサが送信した前記超音波の周波数と、前記廃樹脂からの反射波の周波数との差を用いて、前記廃樹脂の表面の変動速度を求め、
前記変動速度を用いて、前記測定距離を補正する、
請求項8に記載の廃樹脂回収装置。
【請求項10】
前記距離センサは、前記ノズルと前記廃樹脂との距離を超音波で計測するとともに、前記廃樹脂の映像を撮影するデプスカメラである、
請求項1に記載の廃樹脂回収装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃樹脂を回収する装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
原子力発電所において、原子炉の運転によって生じた放射性の樹脂は、廃樹脂として廃樹脂貯蔵タンクに貯蔵される。廃樹脂貯蔵タンクから廃樹脂を抜き出す際には、廃樹脂貯蔵タンクの下部に蓄積した廃樹脂を攪拌して回収する必要がある。
【0003】
従来の廃樹脂回収装置の例は、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された放射性廃スラッジの抜出装置は、遠隔操作により移動可能な装置本体(水中遠隔装置)と、装置本体に接続され、廃スラッジ貯蔵タンクから放射性廃スラッジ(廃樹脂)を抜出す抜出し管と、探知波(音波)により装置本体の位置を探知する機器(位置探知ソナー発信機)と、探知波により廃スラッジ貯蔵タンク内の放射性廃スラッジの位置を探知する機器(スラッジ面探知ソナー)とを備え、装置本体及び放射性廃スラッジのそれぞれの位置の探知の結果に基づいて、装置本体を遠隔操作する。スラッジは、攪拌空気供給管で供給された空気により攪拌される。位置探知ソナー発信機が発生した探知波は、廃スラッジ貯蔵タンク内の廃液の水面に浮かべられた、位置探知ソナー受信機で受信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-128025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
廃樹脂回収装置では、廃樹脂貯蔵タンクの底部に存在する廃樹脂の層の付近に攪拌ノズルと回収ノズルを設置し、攪拌ノズルから空気または水を吐出してタンクの内部(特に廃樹脂)を攪拌し、回収ノズルで廃樹脂を吸引することで、廃樹脂を回収する。
【0006】
従来の廃樹脂回収装置には、廃樹脂を回収して廃樹脂の層が変動すると、回収ノズルと廃樹脂面との距離が離れるために、廃樹脂の回収効率が低下するという課題がある。また、例えば特許文献1に記載の装置では、廃樹脂の回収に伴い廃スラッジ貯蔵タンク内の廃液の液面が変動すると、位置探知ソナー受信機が装置本体の位置を正確に取得できず、抜出し管の位置を正確に定められないので廃樹脂の回収効率が低下することが懸念される。このように、従来の廃樹脂回収装置には、廃樹脂の回収に伴い、廃樹脂の回収効率が低下することがあるという課題がある。
【0007】
また、廃樹脂の回収に伴い廃樹脂貯蔵タンク内の液位が低下すると、回収ノズルが気中に露出して空気を吸引し、廃樹脂を回収する系統内に空気が流入して系統のポンプなどに悪影響を与えることがあり得る。このため、廃樹脂を回収する系統内への空気の流入を防止できる廃樹脂回収装置が望まれている。
【0008】
本発明の目的は、廃樹脂を高効率で回収することができるとともに、廃樹脂を回収する系統内への空気の流入を防止できる廃樹脂回収装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による廃樹脂回収装置は、廃樹脂と廃液が貯蔵されている廃樹脂貯蔵タンクに設置可能であり、起動すると前記廃樹脂の回収または攪拌を行うノズルと、一端部に前記ノズルを備え、前記ノズルを昇降させる機構であるノズル昇降部と、前記ノズルまたは前記ノズル昇降部に設置され、前記ノズルと前記廃樹脂との距離を計測するための距離センサと、距離演算部と、伸縮制御部を備える演算制御部とを備える。前記距離演算部は、前記距離センサの計測結果から、前記ノズルと前記廃樹脂との距離である測定距離を求める。前記伸縮制御部は、前記ノズル昇降部により前記ノズルを昇降させ、前記測定距離が予め定めた最適距離と等しい場合には、前記ノズルの昇降を停止する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、廃樹脂を高効率で回収することができるとともに、廃樹脂を回収する系統内への空気の流入を防止できる廃樹脂回収装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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