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公開番号2024052531
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2023124135
出願日2023-07-31
発明の名称原子炉中性子反射体
出願人エックス-エナジー, エルエルシー
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類G21C 7/28 20060101AFI20240404BHJP(核物理;核工学)
要約【解決手段】中性子反射体の設計であって、内側および外側反射体部材の境界面において、内側反射体部材を半径方向に隣接する外側反射体部材で支持することにより内側反射体部材の応力を低減し、個々の内側反射体部材が、直下の反射体アセンブリの層の内側反射体部材により支持されず、内側反射体部材が直上の反射体アセンブリの層の内側反射体部材からの荷重を支える必要がないようにする。
【効果】この個々に部材を支持する配置によって個々の内側反射体部材が負担する荷重が低減されることにより、原子炉炉心に隣接する高放射束環境において増大し、応力による反射体損傷が低減される。内側反射部材は、外側反射部材を取り外す必要なく、交換のために取り外し可能である。
【選択図】図2A
特許請求の範囲【請求項1】
外側反射体ブロックと、
内側反射体ブロックと、を備える中性子反射体であって、
前記外側反射体ブロックの内側表面は、前記中性子反射体の設置位置にあるときに、前記内側反射体ブロックの上面が垂直荷重を支持せず、前記内側反射体ブロックの外側表面で前記内側反射体ブロックを支持するように構成されている、中性子反射体。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記外側反射体ブロックは外周面を有し、前記外周面は、前記外側反射体ブロックが前記中性子反射体の設置位置にあるとき、前記外側反射体ブロックの前記外周面が他の外側反射体ブロックの外周面に当接して、第1のリングを形成するように構成され、
前記内側反射体ブロックは外周面を有し、前記外周面は、前記内側反射体ブロックが前記中性子反射体の設置位置にあるとき、前記内側反射体ブロックの前記外周面が他の内側反射体ブロックの外周面に当接して、前記第1のリングの内側に同心円状に第2のリングを形成するように構成されている、請求項1に記載の中性子反射体。
【請求項3】
第1のリングに配置された複数の外側反射体ブロックと、
第2のリングに配置された複数の内側反射体ブロックと、を備える中性子反射体であって、
前記複数の外側反射体ブロックのそれぞれの内側表面が前記第1のリングの中心を向き、
前記複数の外側反射体ブロックの外周面が前記第1のリングの周方向を向き、前記複数の外側反射体ブロックのうちの周方向に隣接するものの前記外周面に当接して、前記第1のリングの円弧を形成するように構成され、
前記複数の内側反射体ブロックのそれぞれの外側表面が前記第1のリングの中心を向き、
前記複数の内側反射体ブロックの外周面が前記第2のリングの周方向を向き、前記複数の内側反射体ブロックのうちの周方向に隣接するものの前記外周面に当接して、前記第2のリングの円弧を形成するように構成され、
前記複数の外側反射体ブロックの前記内側表面が、前記中性子反射体の設置位置にあるときに、前記内側反射体ブロックの上面が垂直荷重を支持せず、前記内側反射体ブロックの前記外側表面で前記複数の内側反射体ブロックを支持するように構成され、中性子反射体。
【請求項4】
前記複数の外側反射体ブロックでの前記複数の内側反射体ブロックの前記支持は、前記複数の外側反射体ブロックの少なくとも一部の前記内側表面の対応する表面機構と協働するように構成された表面機構を有する、前記複数の内側反射体ブロックの少なくとも一部の前記外側表面を含む、請求項3に記載の中性子反射体。
【請求項5】
前記表面機構は、対応する溝および突起である、請求項4に記載の中性子反射体。
【請求項6】
前記内側反射体ブロックの前記一部の前記外側表面の前記表面機構は、前記突起の少なくとも1つを含み、前記外側反射体ブロックの前記一部の前記内側表面の前記表面機構は、前記溝の少なくとも1つを含み、または、
前記外側反射体ブロックの前記一部の前記内側表面の前記表面機構は、前記突起の少なくとも1つを含み、前記内側反射体ブロックの前記一部の前記外側表面の前記表面機構は、前記溝の少なくとも1つを含む、請求項5に記載の中性子反射体。
【請求項7】
前記表面機構は、前記中性子反射体の組み立て時に前記表面機構が連結するように構成されている、請求項6に記載の中性子反射体。
【請求項8】
前記複数の内側反射体ブロックの前記一部および前記複数の外側反射体ブロックの前記一部は、前記中性子反射体の組み立て時に、前記複数の内側反射体ブロックの前記一部が、前記複数の外側反射体ブロックの前記一部に対して垂直に移動可能であるように構成されている、請求項4に記載の中性子反射体。
【請求項9】
前記対応する溝および突起は、前記複数の内側反射体ブロックおよび前記複数の外側反射体ブロックが協働して、前記外側反射体ブロックに対して前記内側反射体ブロックを所定の高さで支持するように構成されている、請求項5に記載の中性子反射体。
【請求項10】
前記所定の高さは、前記複数の内側反射体ブロックの前記一部が、前記複数の外側反射体ブロックの前記一部によって、前記複数の内側反射体ブロックの前記一部の底面でのさらなる支持を必要とせずに支持される高さである、請求項9に記載の中性子反射体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー省から受注した契約番号DE-NE0009040に基づき政府の支援を受けてなされたものである。政府は本発明に一定の権利を有する。
続きを表示(約 3,000 文字)【0002】
炭素は、主として黒鉛の形でガス冷却原子炉に使用されてきた。黒鉛は、炭素の異方性結晶形態であり、強く共有結合した炭素環の平面層が、層間の比較的弱いファンデルワールス相互作用によって結合している。より弱い結合は、比較的弱いせん断強度をもたらす。中性子を照射すると、いくつかの炭素原子が変位し、結晶格子に空孔が生じ、原子が格子間位置に入り込む。特に高温では、移動度が増加し、原子の移動により格子サイズの変化とそれに伴う一方向の膨張が生じる可能性がある。これは、より弱いファンデルワールス結合が、通常、平面層の強い共有結合の前に切断されるためである。炭素は、より高温での酸化によって分解することも知られており、これは、寸法変化の速度を増加させ、材料強度を実質的に低下させ得る。
【0003】
中性子反射構造、例えば黒鉛の形の炭素から形成されている構造は、核分裂事象において放出された中性子を反射して炉心内に戻すために、原子炉容器内に設置され得る。このように中性子を反射することで、炉心の外側の物質(例えば、原子炉容器の金属)への照射を低減でき、ある程度の中性子の減速を提供でき、核分裂性燃料を含有する炉心の領域において中性子束を増加させることができる。炉心の半径方向外側の領域における中性子束の増加は、(炉心中央の中性子束と比較して)炉心全体の中性子分布を平坦化することに役立ち、それによって炉心全体にわたる燃料のより均等な消費をもたらすことに有利であり得る。
【発明の概要】
【0004】
実施形態において、中性子反射体は、対応する内側反射体ブロックのリングの層の半径方向外側にくさび形の外側反射体ブロックのリングの層を含む。内側反射体ブロックは、外側反射体ブロックの部分的な遮蔽を提供して、外側ブロックの劣化の速度および量の低減を支援する。その配置上、内側反射体ブロックは、炉心からの中性子照射に最も多く曝露される。
【0005】
内側反射体ブロックは、それぞれの外側反射体ブロックによって個々に支持されており、垂直高さにおいて外側反射体ブロックよりもわずかに小さく、上下に隣接する内側反射体ブロック間に縦方向の隙間を確保する。これは、従来の反射体設計にあったような、上に配置されたブロックの自重による内側反射体ブロックへの負荷をなくすという大きな利点を有する。このアプローチでは、外側反射体ブロックを取り外す必要なく、内側反射体ブロックを交換のために取り外すことができるため、反射体の大部分を分解するのではなく、内側反射体ブロックを選択的に取り外して交換することがさらに可能になる。これは、反射体のメンテナンスを簡素化し、コストを低減する可能性があり、発電サイクルの間に原子炉を停止しなければならない時間を最小限に抑えることに役立ち得る。
【0006】
一実施形態では、内側反射体ブロックの半径方向外側表面には、くさび形の突出部または溝のような表面機構が設けられており、これらは外側反射体ブロックの半径方向内側表面の対応する表面機構と協働するように構成されている。相補的な表面機構は、好ましくは傾斜しており、内側反射体ブロックが外側反射体ブロックの半径方向内側の面の所定位置に降下されると、傾斜面が外側反射体ブロックに対して所望の垂直高さで内側反射体の動きを阻むように配置された表面を有する。この配置では、外側反射体ブロックは、それが支えている内側反射体ブロックの重量のみを支持する。これは、反射体アセンブリの上位層に垂直方向に配置された内側反射体ブロックが、下方の内側反射体ブロックに負担をかけなくなるためである(上位の内側反射体ブロックも各自の外側反射体ブロックに独立して支持されている)。この個々にブロックを支持するアプローチは、個々の内側反射体ブロックの負荷応力を完全には除去しないにしても実質的に低減し、ひいては、応力に起因して増大し、放射線によって引き起こされる内側反射体ブロックの劣化を著しく減少させる。
【0007】
外側反射体ブロックは、1つの内側反射体ブロックまたは複数の周方向に隣接する内側反射体ブロックを支持するような大きさであってもよい。上下区画外側反射体ブロックの半径方向内側を向く面が、組み合わされたときに、内側反射体ブロックの半径方向外側を向く面に適切な内側反射体ブロックの支持面機構を提供する限り、内側反射体ブロックは、2つ以上の上下区画外側反射体ブロックの積み重ねで支持されていてもよい。
【0008】
内側反射体ブロックには、計器または制御棒などの機器を収容する縦方向の貫通路が設けられていてもよい。好ましくは、貫通路にはインサート要素が設けられ、これは、好ましくは反射体ブロックの垂直高さに適合する垂直高さを有する概ね円筒状セグメントの形である。円筒状セグメントはさらに、その上端に円周フランジおよび/または横方向突出部を備えていてもよく、これらは内側反射体ブロックの相補的な凹部と協働して、反射体アセンブリの完成時に内側反射体ブロックの押さえ付けを支援するように構成され、結果としてアセンブリ内の管状セグメントの列が、外側反射体ブロックに対するそれぞれの内側反射体ブロックの上方への移動を抑制する。
【0009】
本発明の反射体ブロックの配置はまた、反射体の組み立て時間および労力を著しく削減し得る。従来の反射体の設計では、反射体はその支持構造(例えば、炉心バレルの底部付近の支持体)上に組み立てられ、ブロックを積み重ねる工程において層ごとに積み上げる必要があった。なぜなら、それぞれの新しいブロックの層はその下の層により支持されていたためである。個々の内側反射体カーボンブロックを外側カーボン反射体ブロックで支持するこのアプローチでは、任意の数のブロック層を組み立てて、反射体ブロック層のサブアセンブリまたはセグメントを形成してもよい。これにより、原子炉容器から離れた場所で反射体ブロック層のサブセットを事前に組み立てた後、原子炉容器内に複数のセグメントを1つずつ迅速に配置して中性子反射体を構築することが可能になる。好ましい実施形態では、炉心バレルがセグメントで形成されてもよく、各セグメントは、セグメント内に所望の数の反射体ブロック層を収容する大きさとされている。炉心バレルおよび反射体ブロックのセグメントを原子炉容器から離れて遠隔で組み立てることにより、事前に組み立てられたセグメントの炉心バレルおよび反射体が並行して迅速に構築され得るため、原子炉組み立て時の時間およびコストのさらなる削減につながる可能性があり、潜在的に軽量となるサブアセンブリが、原子炉を整備するために必要なクレーン容量を低減させ得る。
【0010】
上記は、上記の発明の概要または以下の詳細な説明に限定されない。例えば、炭素から形成された反射体ブロックに限定されるものではない。さらに、支持構造の相補的な配置は記載された溝および突起に限定されず、内側反射体ブロックが上に重なるブロックからの荷重を支えたり下から支持されたりする必要なく、外側反射体ブロックが内側反射体ブロックを支持することを可能にする任意の構造配置を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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