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公開番号2024049151
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155440
出願日2022-09-28
発明の名称高レベル放射性物質処理システム及び高レベル放射性物質処理方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類G21F 9/30 20060101AFI20240402BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】マイナーアクチノイドをより安定な状態で固体にすることができる。
【解決手段】マイナーアクチノイド及びランタノイドの少なくとも一方を含む放射性物質を抽出した液体にウランを供給するウラン供給部と、ウランが供給され、マイナーアクチノイド及びランタノイドを抽出した液体を加熱して一部の液体を蒸発させた後、さらに加熱して固化した固化体を作製する固化処理部と、生成した固化体を焼結し、炭素、水素、酸素、窒素成分の一部又は全部を除去し、マイナーアクチノイド及びランタノイドを内部に取り込んだ二酸化ウランの蛍石構造を生成する安定化処理部と、を含み、安定化処理部は、固化体が、ウランのモル量を1とした場合の放射性物質のモル量Xが、0≦X≦7である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
マイナーアクチノイド及びランタノイドの少なくとも一方を含む放射性物質を抽出した液体にウランを供給するウラン供給部と、
ウランが供給され、前記マイナーアクチノイド及び前記ランタノイドを抽出した液体を加熱して一部の液体を蒸発させた後、さらに加熱して固化した固化体を作製する固化処理部と、
生成した前記固化体を焼結し、炭素、水素、酸素、窒素成分の一部又は全部を除去し、前記マイナーアクチノイド及び前記ランタノイドを内部に取り込んだ二酸化ウランの蛍石構造を生成する安定化処理部と、を含み、
前記安定化処理部は、固化体の、ウランのモル量を1とした場合の前記放射性物質のモル量Xが、0<X≦7である高レベル放射性物質処理システム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記安定化処理部は、ウランのモル量を1とした場合の酸素のモル量Yが、1.9≦Y≦12である請求項1に記載の高レベル放射性物質処理システム。
【請求項3】
前記安定化処理部は、固化体の、ウランのモル量を1とした場合の前記放射性物質のモル量をXが、0<X≦6.3であり、安定化処理の温度が600℃以上1000℃以下である請求項1に記載の高レベル放射性物質処理システム。
【請求項4】
前記安定化処理部は、固化体の、ウランのモル量を1とした場合の前記放射性物質のモル量Xが、0.1≦X≦0.5である請求項1に記載の高レベル放射性物質処理システム。
【請求項5】
前記安定化処理部は、ウランのモル量を1とした場合の酸素のモル量Yが、2.3≦Y≦3.2である請求項4に記載の高レベル放射性物質処理システム。
【請求項6】
前記安定化処理部は、安定化処理時に還元ガスを供給する還元ガス供給部を備え、還元ガスの供給量で酸素量を制御する請求項1に記載の高レベル放射性物質処理システム。
【請求項7】
有機溶媒の液体を用いて、高レベル放射性物質を含有する液体から前記マイナーアクチノイド及び前記ランタノイドを抽出し、前記マイナーアクチノイド及び前記ランタノイドを含む有機溶媒を抽出し、希釈液を供給して希釈した液体として生成する抽出装置を有し、
前記ウラン供給部は、前記有機溶媒に溶解するウランの錯体を、前記液体に添加する請求項1に記載の高レベル放射性物質処理システム。
【請求項8】
前記希釈液は、沸点が30℃以上100℃以下である請求項7に記載の高レベル放射性物質処理システム。
【請求項9】
前記希釈液は、引火点を有していないまたは引火点が抽出剤の分解温度以上である請求項7に記載の高レベル放射性物質処理システム。
【請求項10】
有機溶媒の液体を用いて、高レベル放射性物質を含有する液体から前記マイナーアクチノイド及び前記ランタノイドを抽出した後、抽出した前記有機溶媒と、液相の逆抽出剤を含んだ希釈液とを混合し、液相の逆抽出剤を含んだ希釈液に前記マイナーアクチノイド及び前記ランタノイドを移動させた液体を生成する抽出装置を有し、
前記ウラン供給部は、液相に溶解するウランイオンを、前記液体に添加する請求項1に記載の高レベル放射性物質処理システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、高レベル放射性物質処理システム及び高レベル放射性物質処理方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
高レベル放射性廃棄物の処理として、高レベル放射性物質から放射性物質であるマイナーアクチノイドを抽出する方法がある(例えば特許文献1、特許文献2)。また、使用済み燃料を再生可能な形態で貯蔵する処理方法として固化する方法がある(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-63198号公報
特開2019-15533号公報
特許第6037168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高レベル放射性物質からマイナーアクチノイドを抽出することで、抽出したマイナーアクチノイドを高速増殖炉等の燃料として再利用することができる。また、マイナーアクチノイドを除去することで廃棄物の処理負荷を低減することが可能となる。ここで、マイナーアクチノイドを燃料として再利用するためにはマイナーアクチノイドの核変換技術が必要である。また、再利用の技術が実用化されていない状況では、分離したマイナーアクチノイドを安定に長期保管する必要がある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、マイナーアクチノイドをより安定な状態で固体にすることができる高レベル放射性物質処理システム及び高レベル放射性物質処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示は、高レベル放射性物質処理装置であって、マイナーアクチノイド及びランタノイドの少なくとも一方を含む放射性物質を抽出した液体にウランを供給するウラン供給部と、ウランが供給され、前記マイナーアクチノイド及び前記ランタノイドを抽出した液体を加熱して一部の液体を蒸発させた後、さらに加熱して固化した固化体を作製する固化処理部と、生成した前記固化体を焼結し、炭素、水素、酸素、窒素成分の一部又は全部を除去し、前記マイナーアクチノイド及び前記ランタノイドを内部に取り込んだ二酸化ウランの蛍石構造を生成する安定化処理部と、を含み、前記安定化処理部は、固化体が、ウランのモル量を1とした場合の前記放射性物質のモル量Xが、0<X≦7である。
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示は、高レベル放射性物質処理方法であって、マイナーアクチノイド及びランタノイドの少なくとも一方を含む放射性物質を抽出した液体にウランのモル量を1とした場合の前記放射性物質のモル量Xが、0<X≦7となる割合でウランを供給するステップと、ウランが供給され、前記マイナーアクチノイド及び前記ランタノイドを抽出した液体を加熱して一部の液体を蒸発させた後、さらに加熱して固化した固化体を作製するステップと、生成した前記固化体を焼結し、炭素、水素、酸素、窒素成分の一部又は全部を除去し、前記マイナーアクチノイド及び前記ランタノイドを内部に取り込んだ二酸化ウランの蛍石構造を生成する安定化処理を1つの装置で実行するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、マイナーアクチノイドをより安定な状態の固体にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本実施形態の高レベル放射性物質処理装置の概略構成を示す模式図である。
図2は、他の実施形態の高レベル放射性物質処理装置の概略構成を示す模式図である。
図3は、1523K(1250℃)の三元系状態図を示す説明図である。
図4は、1273K(1000℃)の三元系状態図を示す説明図である。
図5は、1073K(800℃)の三元系状態図を示す説明図である。
図6は、923K(650℃)の三元系状態図を示す説明図である。
図7は、773K(500℃)の三元系状態図を示す説明図である。
図8は、623K(350℃)の三元系状態図を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示にかかる高レベル放射性物質処理装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本開示の高レベル放射性物質処理装置は、高レベル放射性物質からMA(マイナーアクチノイド)を抽出し、MAを抽出した廃棄物をガラス固化して安定化する。また、高レベル放射性物質処理装置は、高レベル放射性物質にランタノイドが含まれる場合、マイナーアクチノイドとともにランタノイドも抽出する。本開示において、「MA(マイナーアクチノイド)」とは、アクチノイドに属する超ウラン元素のうちPuを除いた元素である。「アクチノイド」とは、原子番号89から103までの元素の総称である。マイナーアクチノイドには、例えば、Np(ネプツニウム)、Am(アメリシウム)、Cm(キュリウム)が含まれる。「Ln(ランタノイド)」とは、原子番号57から71までの元素の総称である。
(【0011】以降は省略されています)

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