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公開番号2024014105
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-01
出願番号2022116699
出願日2022-07-21
発明の名称金属キャスク用バスケット
出願人日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類G21C 19/32 20060101AFI20240125BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】材料費の低廉化を達成でき、金属キャスクの製品価格を低く抑える金属キャスク用バスケットを提供する。
【解決手段】一の方向に向けて互いに平行に揃えられた複数のバスケットプレート21からなる第一バスケットプレート群21Aと、一の方向と直交する方向に向けて互いに平行に揃えられた複数のバスケットプレート21からなる第二バスケットプレート群21Bとを備え、これらが軸方向に交互に積層配置してなる積層体にて構成されている。積層体は、ボロンが添加されたボロン添加鋼板により形成されたバスケットプレート21と、ボロンが添加されていないボロン無添加鋼板により形成されたバスケットプレート21とからなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
使用済燃料を貯蔵もしくは輸送するための円筒状の金属キャスクの胴本体内に設けられ、複数の前記使用済燃料を収納する格子状の複数の区画部を形成する金属キャスク用バスケットであって、
一の方向に向けて互いに平行に揃えられた複数のバスケットプレートからなる第一バスケットプレート群と、
前記一の方向と直交する方向に向けて互いに平行に揃えられた複数のバスケットプレートからなる第二バスケットプレート群と、を備え、
前記第一バスケットプレート群と前記第二バスケットプレート群とを軸方向に交互に積層配置してなる積層体にて構成されており、
前記積層体は、ボロンが添加されたボロン添加鋼板により形成された前記バスケットプレートと、ボロンが添加されていないボロン無添加鋼板により形成された前記バスケットプレートとからなることを特徴とする金属キャスク用バスケット。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1に記載の金属キャスク用バスケットにおいて、
前記複数のバスケットプレートのうち金属キャスクの軸心から径方向外側に最も離れた位置に配置される前記バスケットプレートは、前記ボロン無添加鋼板からなることを特徴とする金属キャスク用バスケット。
【請求項3】
請求項1に記載の金属キャスク用バスケットにおいて、
前記ボロン添加鋼板は、前記第一バスケットプレート群及び前記第二バスケットプレート群毎に、ボロン添加率が異なっていることを特徴とする金属キャスク用バスケット。
【請求項4】
請求項1に記載の金属キャスク用バスケットにおいて、
前記使用済燃料は燃料が詰め込まれている燃料有効部と前記燃料有効部に該当しない非燃料有効部とを備えており、
前記燃料有効部に対応する位置に配置される、前記第一バスケットプレート群及び前記第二バスケットプレート群の前記複数のバスケットプレートは、前記ボロン添加鋼板からなり、
前記非燃料有効部に対応する位置に配置される、前記第一バスケットプレート群及び前記第二バスケットプレート群の前記複数のバスケットプレートは、前記ボロン無添加鋼板からなることを特徴とする金属キャスク用バスケット。
【請求項5】
請求項4に記載の金属キャスク用バスケットにおいて、
前記燃料有効部と前記非燃料有効部との境界部に対応する位置に配置される、前記第一バスケットプレート群及び前記第二バスケットプレート群の前記複数のバスケットプレートを備え、
当該複数のバスケットプレートは、前記燃料有効部に対応する位置に配置される前記複数のバスケットプレートに比べて、ボロン添加率が小さいボロン添加鋼板からなることを特徴とする金属キャスク用バスケット。
【請求項6】
請求項1に記載の金属キャスク用バスケットにおいて、
前記使用済燃料は燃料が詰め込まれている燃料有効部と前記燃料有効部に該当しない非燃料有効部とを備えており、
前記燃料有効部と前記非燃料有効部との境界部に対応するように、前記第一バスケットプレート群と前記第二バスケットプレート群との積層境界が設定されていることを特徴とする金属キャスク用バスケット。
【請求項7】
請求項6に記載の金属キャスク用バスケットにおいて、
前記燃料有効部に対応する位置に配置される、前記第一バスケットプレート群及び前記第二バスケットプレート群の前記複数のバスケットプレートは、前記ボロン添加鋼板からなり、
前記非燃料有効部に対応する位置に配置される、前記第一バスケットプレート群及び前記第二バスケットプレート群の前記複数のバスケットプレートは、前記ボロン無添加鋼板からなることを特徴とする金属キャスク用バスケット。
【請求項8】
請求項7に記載の金属キャスク用バスケットにおいて、
前記燃料有効部に対応する位置に配置される前記ボロン添加鋼板からなる前記複数のバスケットプレートは、前記第一バスケットプレート群及び前記第二バスケットプレート群毎に、ボロン添加率が異なっていることを特徴とする金属キャスク用バスケット。
【請求項9】
請求項7に記載の金属キャスク用バスケットにおいて、
前記燃料有効部に対応する位置に配置される、前記第一バスケットプレート群及び前記第二バスケットプレート群の前記複数のバスケットプレートのうち、前記境界部に隣接する前記複数のバスケットプレートは、それ以外の前記燃料有効部に対応する位置に配置される前記複数のバスケットプレートに比べて、ボロン添加率が小さいボロン添加鋼板からなることを特徴とする金属キャスク用バスケット。
【請求項10】
請求項7に記載の金属キャスク用バスケットにおいて、
前記燃料有効部に対応する位置に配置される前記第一バスケットプレート群及び前記第二バスケットプレート群の前記複数のバスケットプレートのうち、金属キャスクの軸心から径方向外側に最も離れた位置に配置される前記バスケットプレートは、前記ボロン無添加鋼板からなることを特徴とする金属キャスク用バスケット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、中性子吸収材の使用率を低減できる金属キャスク用バスケットに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、原子力発電所の敷地内もしくは敷地外にて使用済燃料を安定保管する方法として金属キャスクを用いた保管方法が知られている。金属キャスクは、使用済燃料の集合体を収納するためのバスケットを胴本体の内部に備えている。
バスケットは、格子状の複数の区画部を備えており、使用済燃料の集合体を1体毎に仕切りつつ収納するように構成されている。
従来、胴本体にバスケットを固定する構造として、特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1の金属キャスクでは、胴本体の内面に複数の溝を形成し、各溝にバスケットを構成しているバスケットプレートの端部を差し込むことによりバスケットを胴本体に固定している。特許文献1のバスケットプレートは、中性子吸収材としてのボロンを含有する同一のボロン添加鋼板で形成している。
【0003】
一方、ボロン添加鋼板により形成したバスケットプレートと、ボロンが添加されていないボロン無添加鋼板により形成されたバスケットプレートとを組み合わせてバスケットを構成したものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-171135号公報
特開2007-212385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、ボロンは、資源として希少であり、かつボロン添加鋼板は特殊材料であるため、材料入手性が低く、価格も高い。特許文献2の金属キャスク用バスケットでは、ボロンが添加されていないボロン無添加鋼板を一部に使用しているが、バスケットを構成しているバスケットプレートが胴本体の軸方向の全体に延在する大型形状であるため、ボロン無添加鋼板の使用箇所が限定されるおそれがあり、その結果、材料費が高価になるおそれがあった。
【0006】
本発明は、前記した課題を解決し、材料費の低廉化を達成でき、金属キャスクの製品価格を低く抑えることができる金属キャスク用バスケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の金属キャスク用バスケットは、使用済燃料を貯蔵もしくは輸送するための円筒状の金属キャスクの胴本体内に設けられ、複数の前記使用済燃料を収納する格子状の複数の区画部を形成する金属キャスク用バスケットであって、一の方向に向けて互いに平行に揃えられた複数のバスケットプレートからなる第一バスケットプレート群と、前記一の方向と直交する方向に向けて互いに平行に揃えられた複数のバスケットプレートからなる第二バスケットプレート群と、を備え、前記第一バスケットプレート群と前記第二バスケットプレート群とを軸方向に交互に積層配置してなる積層体にて構成されており、前記積層体は、ボロンが添加されたボロン添加鋼板により形成された前記バスケットプレートと、ボロンが添加されていないボロン無添加鋼板により形成された前記バスケットプレートとからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る金属キャスク用バスケットによれば、材料費の低廉化を達成でき、金属キャスクの製品価格を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第1実施形態に係る金属キャスク用バスケットが適用される胴本体及びバスケットを示した模式横断面図である。
本発明の第1実施形態に係る金属キャスク用バスケットが適用される胴本体及びバスケットを示した図であり、図1のII-II線に沿う模式縦断面図である。
本発明の第1実施形態に係る金属キャスク用バスケットが適用される胴本体及びバスケットの構成の一部を示した分解斜視図である。
本発明の第2実施形態に係る金属キャスク用バスケットが適用される胴本体及びバスケットを示した図であり、図1のII-II線に沿う断面に相当する模式縦断面図である。
本発明の第3実施形態に係る金属キャスク用バスケットが適用される胴本体及びバスケットを示した図であり、図1のII-II線に沿う断面に相当する模式縦断面図である。
本発明の第4実施形態に係る金属キャスク用バスケットが適用される胴本体及びバスケットを示した図であり、図1のII-II線に沿う断面に相当する模式縦断面図である。
本発明の第5実施形態に係る金属キャスク用バスケットが適用される胴本体及びバスケットを示した図であり、図1のII-II線に沿う断面に相当する模式縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。各実施形態において同一の部分には同一の符号を付し重複する説明は省略する。各実施形態の説明において、「軸心方向」と記載した場合には円筒形状の金属キャスクの中心軸に平行な方向を表すものとし、「径方向」と記載した場合には前記の軸心方向に垂直な方向を表すものとする。なお、図2,図4~図7において、紙面に直交する側のバスケットプレートの断面は、スリットに係合する部分の部分断面にて表している。
(【0011】以降は省略されています)

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