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公開番号2024039042
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-21
出願番号2023217580,2022113824
出願日2023-12-25,2022-07-15
発明の名称水処理システム及び水処理方法
出願人株式会社オーセンアライアンス
代理人個人,個人
主分類G21F 9/06 20060101AFI20240313BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】トリチウム水に対する処理を効率的かつ適切に行う。
【解決手段】トリチウム水に対する処理を行う水処理システム10であって、トリチウム低減水生成装置であるEDI処理部102を備え、EDI処理部102は、陽電極と、陰電極と、陽電極の側の少なくとも一部が陰イオン交換膜で形成され、陰電極の側の少なくとも一部が陽イオン交換膜で形成される第1液室と、陽電極の側の少なくとも一部が陽イオン交換膜で形成され、陰電極の側の少なくとも一部が陰イオン交換膜で形成される第2液室とを有し、第1液室には、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂が充填されており、第1液室及び第2液室に前記トリチウム水を入れた状態で、陽電極と陰電極との間に電圧をかけることで、第1液室及び第2液室の一方において、トリチウム低減水を生成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
トリチウムを含む水であるトリチウム水に対する処理を行う水処理システムであって、
前記トリチウム水よりもトリチウムの濃度が低い水であるトリチウム低減水を生成するトリチウム低減水生成装置を備え、
前記トリチウム低減水生成装置は、
陽電極と、
陰電極と、
前記陽電極と前記陰電極との間に形成される液室であり、前記陽電極の側の少なくとも一部が陰イオン交換膜で形成され、前記陰電極の側の少なくとも一部が陽イオン交換膜で形成される第1液室と、
前記陽電極と前記陰電極との間において陽イオン交換膜又は陰イオン交換膜を挟んで前記第1液室と隣接する液室であり、前記陽電極の側の少なくとも一部が陽イオン交換膜で形成され、前記陰電極の側の少なくとも一部が陰イオン交換膜で形成される第2液室と
を有し、
前記第1液室には、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂が充填されており、
前記第1液室及び前記第2液室に前記トリチウム水を入れた状態で、前記陽電極と前記陰電極との間に電圧をかけることで、前記第1液室及び前記第2液室の一方において、前記トリチウム低減水を生成することを特徴とする水処理システム。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記第1液室及び前記第2液室に前記トリチウム水を入れた状態で、前記陽電極と前記陰電極との間に電圧をかけることで、前記第1液室にある水に含まれるトリチウムの少なくとも一部を前記第2液室へ移動させて、前記第1液室において、前記トリチウム低減水を生成することを特徴とする請求項1に記載の水処理システム。
【請求項3】
前記トリチウム低減水生成装置として、
前記水処理システムでの処理対象の水が前記トリチウム水として供給される第1の前記トリチウム低減水生成装置と、
前記第1のトリチウム低減水生成装置で生成される前記トリチウム低減水である第1処理水に対する処理を行う第2の前記トリチウム低減水生成装置と
を備え、
前記第2のトリチウム低減水生成装置は、前記第1処理水を前記トリチウム水として処理を行うことで、前記第1処理水よりもトリチウムの濃度が低い前記トリチウム低減水を生成することを特徴とする請求項1に記載の水処理システム。
【請求項4】
前記トリチウム低減水に対してイオン交換を行うイオン交換樹脂を含むイオン交換部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の水処理システム。
【請求項5】
前記トリチウム低減水生成装置は、前記第1液室及び前記第2液室の他方において、当該トリチウム低減水生成装置での処理前の前記トリチウム水よりもトリチウムの濃度が高い水であるトリチウム濃縮水を生成し、
前記トリチウム低減水生成装置で生成される前記トリチウム濃縮水について、前記トリチウム低減水生成装置での処理前の前記トリチウム水に合流させることを特徴とする請求項1に記載の水処理システム。
【請求項6】
前記トリチウム低減水生成装置は、電気再生式イオン交換装置であり、前記第1液室及び前記第2液室を介して前記陽電極と前記陰電極との間で流れる電流によって前記第1液室内の陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を再生しつつ、前記トリチウム低減水を生成することを特徴とする請求項1に記載の水処理システム。
【請求項7】
トリチウムを含む水であるトリチウム水に対する処理を行う水処理システムであって、
前記トリチウム水から前記トリチウム水よりもトリチウムの濃度が低い水であるトリチウム低減水を生成する電気再生式イオン交換装置を備え、
前記電気再生式イオン交換装置は、
陽電極と、
陰電極と、
陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂が充填されている脱塩室と、
イオン交換膜によって前記脱塩室との間が仕切られた濃縮室と
を有し、
前記脱塩室及び前記濃縮室に前記トリチウム水を入れた状態で、前記陽電極と前記陰電極との間に電圧がかけられることで、前記トリチウム低減水を生成することを特徴とする水処理システム。
【請求項8】
トリチウムを含む水であるトリチウム水に対する処理を行う水処理方法であって、
前記トリチウム水よりもトリチウムの濃度が低い水であるトリチウム低減水を生成するトリチウム低減水生成装置を用い、
前記トリチウム低減水生成装置は、
陽電極と、
陰電極と、
前記陽電極と前記陰電極との間に形成される液室であり、前記陽電極の側の少なくとも一部が陰イオン交換膜で形成され、前記陰電極の側の少なくとも一部が陽イオン交換膜で形成される第1液室と、
前記陽電極と前記陰電極との間において陽イオン交換膜又は陰イオン交換膜を挟んで前記第1液室と隣接する液室であり、前記陽電極の側の少なくとも一部が陽イオン交換膜で形成され、前記陰電極の側の少なくとも一部が陰イオン交換膜で形成される第2液室と
を有し、
前記第1液室には、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂が充填されており、
前記第1液室及び前記第2液室に前記トリチウム水を入れた状態で、前記陽電極と前記陰電極との間に電圧をかけることで、前記第1液室及び前記第2液室の一方において、前記トリチウム低減水を生成することを特徴とする水処理方法。
【請求項9】
トリチウムを含む水であるトリチウム水に対する処理を行う水処理方法であって、
前記トリチウム水から前記トリチウム水よりもトリチウムの濃度が低い水であるトリチウム低減水を生成する電気再生式イオン交換装置を用い、
前記電気再生式イオン交換装置は、
陽電極と、
陰電極と、
陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂が充填されている脱塩室と、
イオン交換膜によって前記脱塩室との間が仕切られた濃縮室と
を有し、
前記脱塩室及び前記濃縮室に前記トリチウム水を入れた状態で、前記陽電極と前記陰電極との間に電圧がかけることで、前記トリチウム低減水を生成することを特徴とする水処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理システム及び水処理方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、トリチウムを含む水(以下、トリチウム水という)に対してトリチウムの濃縮を行う方法が知られている。例えば、特許文献1には、電気分解(電解)を行うことでトリチウムの濃縮を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-6637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、大量のトリチウム水に対してトリチウムの除去(低減)又は濃縮を行うことが可能な方法が求められている。より具体的には、例えば、福島第一原子力発電所で発生した汚染水に含まれる放射性物質を多核種除去設備等で浄化することで生成された処理水(以下、ALPS処理水という)に対してトリチウムの除去又は濃縮を行うことが可能な方法が求められている。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる水処理システム及び水処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の発明者は、大量のトリチウム水に対してトリチウムの除去又は濃縮を行うことが可能な方法について、鋭意研究を行った。そして、例えばEDI装置又はCDI装置等と呼ばれる電気再生式イオン交換装置の原理を利用することで、大量のトリチウム水に対するトリチウムの除去や濃縮を適切に行い得ることを見出した。また、更なる鋭意研究により、このような効果を得るために必要な特徴を見出し、本発明に至った。
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、トリチウムを含む水であるトリチウム水に対する処理を行う水処理システムであって、前記トリチウム水よりもトリチウムの濃度が低い水であるトリチウム低減水を生成するトリチウム低減水生成装置を備え、前記トリチウム低減水生成装置は、陽電極と、陰電極と、前記陽電極と前記陰電極との間に形成される液室であり、前記陽電極の側の少なくとも一部が陰イオン交換膜で形成され、前記陰電極の側の少なくとも一部が陽イオン交換膜で形成される第1液室と、前記陽電極と前記陰電極との間において陽イオン交換膜又は陰イオン交換膜を挟んで前記第1液室と隣接する液室であり、前記陽電極の側の少なくとも一部が陽イオン交換膜で形成され、前記陰電極の側の少なくとも一部が陰イオン交換膜で形成される第2液室とを有し、前記第1液室には、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂が充填されており、前記第1液室及び前記第2液室に前記トリチウム水を入れた状態で、前記陽電極と前記陰電極との間に電圧をかけることで、前記第1液室及び前記第2液室の一方において、前記トリチウム低減水を生成することを特徴とする。
【0007】
このように構成すれば、例えば、大量のトリチウム水に対する処理を効率的かつ適切に行うことができる。また、これにより、例えば、トリチウム低減水を効率的かつ適切に生成することができる。また、この構成において、トリチウム低減水生成装置は、例えば、第1液室及び第2液室の他方において、当該トリチウム低減水生成装置での処理前のトリチウム水よりもトリチウムの濃度が高い水であるトリチウム濃縮水を生成する。この場合、トリチウム低減水生成装置で生成されるトリチウム濃縮水について、例えば、トリチウム低減水生成装置での処理前のトリチウム水に合流させることが考えられる。このように構成すれば、例えば、トリチウム濃縮水を水処理システム内で循環させることで、水処理システムでの処理水としてトリチウム低減水を生成しつつ、水処理システム内でトリチウムの濃縮を行うことができる。また、これにより、例えば、水処理システムの外部へのトリチウムの流出を適切に抑えつつ、トリチウム低減水を適切に生成することができる。
【0008】
また、この構成において、トリチウム低減水生成装置は、例えば、電気再生式イオン交換装置である。この場合、トリチウム低減水生成装置の動作について、例えば、第1液室及び第2液室を介して陽電極と陰電極との間で流れる電流によって第1液室内の陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を再生しつつ、トリチウム低減水を生成すると考えることができる。このような電気再生式イオン交換装置としては、例えば、市販されている公知の電気再生式イオン交換装置と同一又は同様の原理で動作する装置を用いることができる。また、より具体的に、電気再生式イオン交換装置としては、EDI装置又はCDI装置として市販されている装置等を用いることが考えられる。また、この場合、トリチウム低減水生成装置における第1液室について、例えば、電気再生式イオン交換装置における脱塩室に対応すると考えることができる。トリチウム低減水生成装置における第2液室について、例えば、電気再生式イオン交換装置における濃縮室に対応すると考えることができる。また、この場合、電気再生式イオン交換装置について、例えば、陽電極と、陰電極と、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂が充填されている脱塩室と、イオン交換膜によって脱塩室との間が仕切られた濃縮室とを有すると考えることができる。また、例えば、脱塩室及び濃縮室にトリチウム水を入れた状態で、陽電極と陰電極との間に電圧がかけられることで、トリチウム低減水を生成すると考えることができる。
【0009】
また、この構成において、トリチウム低減水生成装置では、例えば、第1液室及び第2液室にトリチウム水を入れた状態で、陽電極と陰電極との間に電圧をかけることで、第1液室にある水に含まれるトリチウムの少なくとも一部を第2液室へ移動させて、第1液室において、トリチウム低減水を生成する。また、この場合、トリチウム低減水生成装置では、例えば、第1液室にある水に含まれるトリチウムの少なくとも一部を第2液室へ移動させることで、第2液室において、トリチウム濃縮水を生成する。このように構成すれば、トリチウム低減水生成装置において、トリチウム低減水及びトリチウム濃縮水を適切に生成することができる。
【0010】
また、この構成において、水処理システムは、複数のトリチウム低減水生成装置を備えてよい。この場合、複数のトリチウム低減水生成装置は、例えば、水処理の経路に沿って多段方式でつながる。また、より具体的に、この場合、水処理システムは、トリチウム低減水生成装置として、例えば、水処理システムでの処理対象の水が処理対象のトリチウム水として供給される第1のトリチウム低減水生成装置と、第1のトリチウム低減水生成装置で生成されるトリチウム低減水である第1処理水に対する処理を行う第2のトリチウム低減水生成装置とを備える。この場合、第2のトリチウム低減水生成装置は、例えば、第1処理水を処理対象のトリチウム水として処理を行うことで、第1処理水よりもトリチウムの濃度が低いトリチウム低減水を生成する。このように構成すれば、例えば、トリチウムの濃度をより低減したトリチウム低減水を適切に生成することができる。また、水処理システムは、より多くの数のトリチウム低減水生成装置を備えてもよい。この場合、例えば3~4段程度の多段構成のトリチウム低減水生成装置を用いることが考えられる。また、この場合、1段目のトリチウム低減水生成装置について、例えば、上記の第1のトリチウム低減水生成装置と同一又は同様の特徴を有すると考えることができる。2段目以降のトリチウム低減水生成装置については、例えば、前段のトリチウム低減水生成装置で生成されるトリチウム低減水を処理対象のトリチウム水として処理を行うと考えることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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