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公開番号2024031013
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022134287
出願日2022-08-25
発明の名称トリチウム汚染水の処理装置及び処理方法
出願人株式会社昭和冷凍プラント
代理人個人,個人
主分類G21F 9/06 20060101AFI20240229BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】トリチウム水と軽水を含む汚染水からトリチウム水を分離する簡易な方法を提供する。
【解決手段】軽水中にトリチウム水を含む汚染水からトリチウム水を分離するための処理装置であって、汚染水を充填するための処理タンク11と、処理タンク内に設置され、低温流体又は高温流体を通過させるための内部の流路と鉛直面に沿って延在する表面とを具備する氷結管14と、処理タンクに汚染水を供給するための供給管12と、処理タンクから液体を排出するための排出管13と、氷結管の流路に低温流体を供給可能な冷熱源17と、氷結管の流路に高温流体を供給可能な温熱源18と、を有し、冷熱源から流路に低温流体を供給することにより処理タンク内の汚染水の一部を凍結させて氷結管の表面に氷の層Iを形成し、かつ、温熱源から流路に高温流体を供給することにより氷結管の表面に形成された氷の層Iを融解させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軽水(H

O)中にトリチウム水(HTO)を含む汚染水からトリチウム水を分離するための処理装置であって、
汚染水を充填するための処理タンク(11)と、
前記処理タンク(11)内に設置され、低温流体又は高温流体を通過させるための内部の流路と鉛直面に沿って延在する表面とを具備する氷結管(14)と、
前記処理タンク(11)に汚染水を供給するための供給管(12)と、
前記処理タンク(11)から液体を排出するための排出管(13)と、
前記氷結管(14)の前記流路に低温流体を供給可能な冷熱源(17)と、
前記氷結管(14)の前記流路に高温流体を供給可能な温熱源(18)と、を有し、
前記冷熱源(17)から前記流路に低温流体を供給することにより前記処理タンク(11)内の汚染水の一部が凍結して前記氷結管(14)の表面に氷の層(I)が形成され、かつ、
前記温熱源(18)から前記流路に高温流体を供給することにより前記氷結管(14)の表面に形成された氷の層(I)が融解することを特徴とするトリチウム汚染水の処理装置。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記冷熱源(17)からの低温流体により前記氷結管(14)の表面の温度が0℃に維持されることを特徴とする請求項1に記載のトリチウム汚染水の処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載のトリチウム汚染水の処理装置を用いたトリチウム汚染水の処理方法であって、
前記供給管(12)を通して汚染水を前記処理タンク(11)に充填する第1の工程と、
前記冷熱源(17)から前記流路に低温流体を供給することにより前記処理タンク(11)内の汚染水の一部を凍結させて前記氷結管(14)の表面に氷の層(I)を形成し、その状態を10時間以上維持する第2の工程と、
前記氷の層(I)を維持したまま、前記排出管(13)を通して前記処理タンク(11)内の汚染水を回収する第3の工程と、
前記温熱源(18)から前記流路に高温流体を供給することにより前記氷結管(14)の表面に形成された氷の層(I)を融解させ、融解した液体を前記排出管(13)を通して回収する第4の工程と、を含むことを特徴とするトリチウム汚染水の処理方法。
【請求項4】
前記第3の工程で排出された汚染水を用いて、前記第1~第4の工程を繰り返すことを特徴とする請求項3に記載のトリチウム汚染水の処理方法。
【請求項5】
前記第2の工程において、前記冷熱源(17)からの低温流体により前記氷結管(14)の表面の温度を0℃に維持することを特徴とする請求項3又は4に記載のトリチウム汚染水の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軽水中にトリチウム水を含む汚染水からトリチウム水を低減する処理装置及び処理方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
原子力発電所の事故により、放射性物質を大量に含んだ汚染水が生じてその処理が大きな問題となっている。当初の汚染水については、多核種除去設備( ALPS: Advanced Liquid Processing System)により大部分の放射性物質が除去されたが、その後にトリチウムを含む汚染水が大量に残り、タンクに貯蔵されたままとなっている。
【0003】
トリチウム(T)は水素(H)の同位体であるが、T

O又はHTOのトリチウム水の形態で存在しかつH

Oである軽水中の含有量がごく微量であること、トリチウム水と軽水は化学的性質が同じであることから、軽水からのトリチウムの分離は困難である。これまでに幾つかの方法が提示されている。
【0004】
特許文献1は、トリチウム水を含む汚染水からトリチウム水を捕集する装置を開示している。当該装置では、トリチウム水を吸着する吸着剤に、トリチウム水の融点以下の温度に冷却した汚染水を通過させることによって、凝固したトリチウム水を吸着剤に吸収させている。
【0005】
特許文献2、3は、アルカリ水電解槽を用いて、トリチウム水を含有する原料水を電解することによって、トリチウムを濃縮する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-382号公報
特開2015-29921号公報
特開2015-188810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のトリチウム水の分離方法は、設備コスト及びランニングコストが大きいという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、軽水中にトリチウム水を含む汚染水からトリチウム水を簡易に分離し、汚染水に含まれるトリチウム水を低減する処理装置及び処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明は以下の構成を有する。
本発明の態様は、軽水(H

O)中にトリチウム水(HTO)を含む汚染水からトリチウム水を分離するための処理装置であって、
汚染水を充填するための処理タンク(11)と、
前記処理タンク(11)内に設置され、低温流体又は高温流体を通過させるための内部の流路と鉛直面に沿って延在する表面とを具備する氷結管(14)と、
前記処理タンク(11)に汚染水を供給するための供給管(12)と、
前記処理タンク(11)から液体を排出するための排出管(13)と、
前記氷結管(14)の前記流路に低温流体を供給可能な冷熱源(17)と、
前記氷結管(14)の前記流路に高温流体を供給可能な温熱源(18)と、を有し、
前記冷熱源(17)から前記流路に低温流体を供給することにより前記処理タンク(11)内の汚染水の一部が凍結して前記氷結管(14)の表面に氷の層(I)が形成され、かつ、
前記温熱源(18)から前記流路に高温流体を供給することにより前記氷結管(14)の表面に形成された氷の層(I)が融解することを特徴とする。
上記態様において、前記冷熱源(17)からの低温流体により前記氷結管(14)の表面の温度が0℃に維持されることを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記態様のトリチウム汚染水の処理装置を用いたトリチウム汚染水の処理方法であって、
前記供給管(12)を通して汚染水を前記処理タンク(11)に充填する第1の工程と、
前記冷熱源(17)から前記流路に低温流体を供給することにより前記処理タンク(11)内の汚染水の一部を凍結させて前記氷結管(14)の表面に氷の層(I)を形成し、その状態を10時間以上維持する第2の工程と、
前記氷の層(I)を維持したまま、前記排出管(13)を通して前記処理タンク(11)内の汚染水を回収する第3の工程と、
前記温熱源(18)から前記流路に高温流体を供給することにより前記氷結管(14)の表面に形成された氷の層(I)を融解させ、融解した液体を前記排出管(13)を通して回収する第4の工程と、を含むことを特徴とする。
さらに、上記第3の工程で排出された汚染水を用いて、前記第1~第4の工程を繰り返すことが、好適である。
さらに、上記第2の工程において、前記冷熱源(17)からの低温流体により前記氷結管(14)の表面の温度を0℃に維持することが、好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、トリチウム水と軽水を含む汚染水からトリチウム水を効果的に分離する簡易な装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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