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公開番号2024003164
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-11
出願番号2023193997,2022183853
出願日2023-11-14,2018-02-05
発明の名称液状体の放射能の量を低減させる方法
出願人個人
代理人個人
主分類G21F 9/06 20060101AFI20231228BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】土壌から放射性物質を除去することとは異なる用途であって、特異な性質を有する水素水の機能を適切に発揮させる用途に、水素水を適用して、放射能汚染に係る問題を解決するための手段の一つを提供する。
【解決手段】放射性物質を含む液状体の放射能の量を、液状体に水素を溶存させることにより低下させる方法であって、放射性物質を含む物質と1.0ppm以上の水素を含む水素水とを混合させることにより液状体に水素を溶存させてもよい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
1.0ppm以上の水素を含む水素水と放射性物質を含む物質とを混合させることにより得られた、前記放射性物質を含む液状体の放射能の量を低下させる方法であって、
前記液状体に水素が溶存し、
前記液状体が前記放射性物質を含む物質と接触していない状態を所定時間維持する(前記所定時間維持している間に前記液状体に有機高分子凝集剤が添加される場合を除く。)ことを特徴とする方法。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記液状体は、前記放射性物質を含む物質を洗浄した後の洗浄液を回収したものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
洗浄前の前記洗浄液における水素溶存量は1.0ppm以上である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記所定時間は22時間以上である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記放射性物質が放射性セシウムを含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液状体の放射能の量を低減させる方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
水素を含有する水(本明細書において「水素水」ともいう。)は、高い還元力を有しているため、様々な用途への適用が試みられている。例えば、特許文献1には、水素ガスを供給する水素供給手段と、原料水に前記水素ガスを溶解させ、水素水を製造する水素水製造手段と、製造した水素水を水流にして散布する散布手段と、を備えることを特徴とする放射能除染装置が記載されている。かかる装置によれば、土壌などに付着した放射性物質を効率的に除去する(除染する)ことが可能であるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-78836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の実施例に記載される結果によれば、土壌を検体として、水道水を用いて除染した場合と水素水を用いて除染した場合との差は必ずしも明確であるとはいえず、水素水を用いても、土壌から放射性物質、特にセシウム137、セシウム134などの放射性セシウムを除去することは容易でないことが示されている。
【0005】
本発明は、土壌から放射性物質を除去することとは異なる用途に水素水を適用して、放射能汚染に係る問題を解決するための手段の一つを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、放射性物質を含む液状体の放射能の量を低下させる方法であって、前記液状体に水素を溶存させることを特徴とする方法である。前述のとおり、放射性セシウムは土壌を構成する物質と強く結合するため、還元力が高い水素水を用いても土壌から放射性セシウムを分離することは容易でない。しかしながら、本発明者が検討した結果、放射性セシウムが溶解した状態にある水素水、すなわち、放射性物質である放射性セシウムが溶解し、水素を積極的に溶存させ、水を媒体とする液状体では、放射性セシウムが溶解し、水素を積極的に溶存させていない、水を媒体とする液状体に比べて、短期間で放射線の量が著しく低下することが明らかになった。その理由は明らかでないが、放射性セシウムなどの放射性物質が壊変する際に、水素が近傍に存在することにより、壊変が促進されている可能性がある。
【0007】
例えば、水素水中の放射性セシウムが崩壊する際に発生する放射線(ベータ線、ガンマ線)が水素水中の水素と相互作用することにより、水素分子がイオン化している可能性がある。この水素分子に基づくイオンによる水素結合が影響して、水溶液中に溶解する放射性セシウム(水酸化セシウムなど)が凝集しやすくなっている可能性がある。水溶液中に均一に溶解する放射性セシウムが凝集することによって、放射性セシウムは互いに影響を及ぼしやすくなる。具体的には、凝集した放射性セシウムの一部が壊変して発生したガンマ線が、他の放射性セシウムに衝突しやすくなる。その結果、放射性セシウムの光核反応が生じやすくなって、放射性セシウム(例えばセシウム137)の非放射性物質(例えばバリウム136)への変換が促進される。このように、水溶液中に溶存する水素が放射性セシウムの凝集を促進して、水溶液の放射線量を短期間で低下させている可能性がある。
【0008】
水素が存在することによりもたらされる作用を安定的に得る観点から、前記放射性物質を含む物質と1.0ppm以上の水素を含む水素水とを混合させることにより前記液状体に水素を溶存させてもよい。あるいは、例えば水道水に放射性物質が含まれる液状体に、水素を加圧状態で供給することにより、液状体に水素を溶存させてもよい。
【0009】
水素による壊変促進は、放射性物質が放射性セシウムである場合、特にセシウム137およびセシウム134の少なくとも一方を含む場合に、顕著に認められる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、水素水を適用して、放射能汚染に係る問題の一つとして、放射性物質を含む液状体の放射能の量を低下させる方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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