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公開番号2024037463
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-19
出願番号2022142345
出願日2022-09-07
発明の名称地盤の固結止水工法
出願人東ソー株式会社,日油技研工業株式会社
代理人弁理士法人眞久特許事務所
主分類E02D 3/12 20060101AFI20240312BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】二液混合型のウレタン系注入材を用いても、二液混合液が流れる注入管の注入圧力の高圧化を防止できる固結止水工法を提供する。
【解決手段】固結止水工法は、側壁に複数の貫通孔14を長手方向に穿設し、地盤に挿入した挿入管12と、ポリオールを含むA液のA液送液部からの複数のA液流の各々と、イソシアネート化合物を含むB液のB液送液部からの複数のB液流の各々とを合流する複数の合流管18と、合流管18からの合流液をミキサー部材で混合した混合液の吐出口を有する複数の注入管16とから構成し、同一長さの各注入管16は、吐出口が挿入管12の長手方向に沿って異なる位置となるように挿入管12に挿入し、A液送液量とB液送液量とが等しくなるように調整し、注入管18の各吐出口からの混合物は地盤内に流出し硬化して固結止水材を形成する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
固結対象及び/又は止水対象の地盤に挿入され、側壁の長手方向に沿って複数の貫通孔が穿設されている挿入管と、
ポリオール、アミン化合物及び粘度調製剤を含むA液を送液するA液送液部と、
イソシアネート化合物を含むB液を送液するB液送液部と、
前記A液送液部により送液される複数のA液流の各々と前記B液送液部とにより前記A液流の各々に対応して送液されるB液流とを合流する複数の合流管と、
前記合流管の各々に接続され、前記合流管で合流された前記A液流と前記B液流との合流液を装着されたミキサー部材で混合した混合液を吐出する吐出口が形成された注入管とから構成され、
前記注入管の各々は、前記合流管との接続端から前記吐出口までの長さが同一長であり、且つ前記挿入管内に、前記吐出口の位置が前記挿入管の長手方向に沿って異なる位置となるように挿入されている注入装置を用い、
前記A液と前記B液との前記合流管の各々への送液量が等しくなるように、前記A液送液部からの送液量を調整すると共に、前記B液送液部からの送液量を調整し、
前記注入管の各吐出口から吐出された前記混合物は硬化しつつ前記挿入管の前記貫通孔の各々から前記地盤内に流出して硬化した硬化物により、前記地盤を固結し及び/又は止水することを特徴とする地盤の固結止水工法。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記注入管の各々は、その吐出口の位置が前記地盤の注入予定ゾーンに対応する位置となるように前記挿入管に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の地盤の固結止水工法。
【請求項3】
複数本の前記合流管と前記注入管とのうち、少なくとも一部は前記合流管と前記注入管の全体が前記挿入管内に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の地盤の固結止水工法。
【請求項4】
前記A液及び前記B液の粘度を、いずれも25℃において300mPa・sec以下に調整することを特徴とする請求項1に記載の地盤の固結止水工法。
【請求項5】
前記ミキサー部材を、前記注入管の先端部に装着し、前記吐出口が前記注入管の先端面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の地盤の固結止水工法。
【請求項6】
前記A液の前記合流管の各々への送液圧力及び前記B液の前記合流管の各々への送液圧力を8MPa(ゲージ圧)以下に調整することを特徴とする請求項1に記載の地盤の固結止水工法。
【請求項7】
前記A液には、ポリオールとしてのプロピレングリコール又はグリセリン開始ポリエーテルポリオール、アミン化合物としての一級アミノ基を有する脂環族ジアミンを含有することを特徴とする請求項1に記載の地盤の固結止水工法。
【請求項8】
前記脂環族ジアミンとして、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン又は1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを用いることを特徴とする請求項7に記載の地盤の固結止水工法。
【請求項9】
前記粘度調製剤として、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル又はひまし油脂肪酸エステルを用いることを特徴とする請求項1に記載の地盤の固結止水工法。
【請求項10】
前記粘度調製剤を、前記A液中に5~15%配合することを特徴とする請求項1又は請求項9に記載の地盤の固結止水工法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固結対象及び/又は止水対象の地盤にウレタン系注入材を注入して地盤の固結及び/又は止水を図る固結止水工法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
山岳トンネル工事等では、工事対象の地山の緩みや湧水を防止して工事の安全を図るべく、固結対象及び/又は止水対象の地盤に注入材を注入して地盤の固結及び/又は止水を図る固結止水工事が施されている。この固結止水工事は、工事対象の地盤に挿入された側壁に貫通孔が穿設された挿入管内に挿入した注入管から注入材を吐出し、挿入管の貫通孔から注入材が地盤内に拡散して固結領域及び/又は止水領域を形成するものである。
【0003】
注入材として、ウレタン系注入材を用いた固結止水工法が下記特許文献1に提案されている。提案された固結止水工法は、図5に示すように、固結止水対象の地盤100にやや斜めに挿入管102が挿入されている。挿入管102は、その側壁の長手方向に複数の貫通孔104が穿設されている。この挿入管102内には、三本の注入管106a,106b,106cが挿入されている。これら注入管106a,106b,106cの各先端部には、ミキサー部材としてのスタティックミキサー108a,108b,108cが装着されており、各先端面には注入材が吐出する吐出口が形成されている。注入管106a,106b,106cの各吐出口は、地盤100の注入予定ゾーンに位置するように挿入管102の長手方向の異なった位置に位置している。また、注入管106a,106b,106cの各後端は、挿入管102の入口よりも外側に位置し、合流管110a,110b,110cが装着されている。合流管110a,110b,110cの各々には、接続された注入管に対応して設けられた第1ポンプ、第2ポンプ、第3ポンプから注入材が送液される。尚、挿入管102の入口部はゴム等の閉塞部材から成る閉塞層112で閉塞されている。
【0004】
合流管110a,110b,110cの各々に送液される注入材は、ケイ酸ソーダ溶液、触媒及び反応促進剤としての添加剤を含有するA液とイソシアネート及び添加材を含有するB液とであり、注入管の各々に対応する第1ポンプ、第2ポンプ、第3ポンプからA液とB液とが別々に送液されてきて、合流管110a,110b,110cで合流される。合流された合流液は注入管106a,106b,106c内を流れスタティックミキサー108a,108b,108cで混合されて吐出口から挿入管102内の注入予定ゾーンに対応する箇所に吐出された混合液は、硬化しつつ挿入管102の複数の貫通孔104から地盤100の注入予定ゾーン内に流出して拡散し硬化して、固結領域及び/又は止水領域を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-106133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者等の検討によれば、注入管に供給する直前に合流管により合流されたA液とB液との合流液は、合流直後から多少の反応が開始されることから、注入管が長くなるほど交流液の粘度が高くなり、注入圧が高くなることが判明した。更に、湧水が生じている止水対象の地盤では、注入材が湧水によって逸走する可能性があり、これを生じさせないことが好ましい。このためには、A液とB液の合流液は、合流直後より粘度が上昇し、湧水によって逸走しない状態になっていることが好ましい。また、湧水が生じていない対象の地盤では、合流直後より合流液の粘度が上昇することで、対象地盤と合流液が接触し、離れず、逸走しないことで強固に固結することが可能となるため湧水が生じた地盤と同様な合流液であることが好ましい。このような知見から、図5に示す注入管106a,106b,106cのうち、最も長い注入管106cは、合流液の粘度が高くなって注入圧が高くなるから、注入管106c及び注入管106cへの送液管に耐圧用の特殊管を用いることを要することが判明した。更に、硬化速度の速いウレタン原料組成を用いた場合、合流液の粘度が高くなって、最も長い注入管106cの注入圧力が注入管106cや合流管110cへの送液管の耐圧圧力を超える事態となり注入中止となるおそれもあることが判明した。
【0007】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、二液混合型のウレタン系注入材を用いても、二液混合液が流れる注入管の注入圧力の高圧化を防止できる固結止水工法を提供することを目的とする。
【0008】
前記の目的を達成するためになされた本発明に係る地盤の固結止水工法は、固結対象及び/又は止水対象の地盤に挿入され、側壁の長手方向に沿って複数の貫通孔が穿設されている挿入管と、ポリオール、アミン化合物及び粘度調製剤を含むA液を送液するA液送液部と、イソシアネート化合物を含むB液を送液するB液送液部と、前記A液送液部により送液される複数のA液流の各々と前記B液送液部とにより前記A液流の各々に対応して送液されるB液流とを合流する複数の合流管と、前記合流管の各々に接続され、前記合流管で合流された前記A液流と前記B液流との合流液を装着されたミキサー部材で混合した混合液を吐出する吐出口が形成された注入管とから構成され、前記注入管の各々は、前記合流管との接続端から前記吐出口までの長さが同一長であり、且つ前記挿入管内に、前記吐出口の位置が前記挿入管の長手方向に沿って異なる位置となるように挿入されている注入装置を用い、前記A液と前記B液との前記合流管の各々への送液量が等しくなるように、前記A液送液部からの送液量を調整すると共に、前記B液送液部からの送液量を調整し、前記注入管の各吐出口から吐出された前記混合物は硬化しつつ前記挿入管の前記貫通孔の各々から前記地盤内に流出して硬化した硬化物により、前記地盤を固結し及び/又は止水することを特徴とするものである。
【0009】
前記注入管の各々は、その吐出口の位置が前記地盤の注入予定ゾーンに対応する位置となるように前記挿入管に挿入されていることにより、注入材を注入したい地盤の領域に確実に注入材を注入できる。
【0010】
複数本の前記合流管と前記注入管とのうち、少なくとも一部は前記合流管と前記注入管の全体が前記挿入管内に挿入されていることにより、一定長の注入管の吐出口を挿入管の所定位置に位置させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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