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公開番号2024036914
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-18
出願番号2022141468
出願日2022-09-06
発明の名称重要度判定方法、重要度判定装置、およびコンピュータプログラム
出願人NTN株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類C12Q 1/02 20060101AFI20240311BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】細胞の成熟化のための知見を取得できるようにするための技術を提供する。
【解決手段】重要度判定装置は、細胞を成熟化させるための実験について、1種類以上の実験条件および1種類以上の実験結果を含む推定用データの入力を受け付ける(ステップS14)。そして、重要度判定装置は、1種類以上の実験条件および1種類以上の実験結果を、推定モデルに対して入力することにより、1種類以上の実験結果のそれぞれに対する1種類以上の実験条件のそれぞれの重要度の算出結果を取得する(ステップS23,ステップS24)。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
未成熟な細胞の成熟に必要な実験条件を判定する方法であって、
細胞を成熟化させるための実験について、1種類以上の実験条件および1種類以上の実験結果を含む推定用データの入力を受け付けるステップと、
1種類以上の実験条件および1種類以上の実験結果を入力することにより、1種類以上の実験条件を入力されることによって1種類以上の実験結果を出力するように学習処理を施されている、推定モデルを構築するステップと、
前記推定モデルに1種類以上の実験条件および1種類以上の実験結果を入力することにより、1種類以上の実験結果のそれぞれに対する、1種類以上の実験条件のそれぞれの重要度の算出結果を取得するステップと、を備える、重要度判定方法。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記推定モデルは、回帰モデルまたは分類モデルである、請求項1に記載の重要度判定方法。
【請求項3】
前記推定モデルは、決定木、主成分分析、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、線形判別分析、二次判別分析、二項ロジスティック回帰、確率的後輩降下法、アダブースティング、人工ニューラルネットワーク、単純ベイズ法、ガウス過程、または、近傍法を用いたモデルである、請求項1または請求項2に記載の重要度判定方法。
【請求項4】
前記推定モデルは、勾配ブースティング決定木を用いたモデルである、請求項1または請求項2に記載の重要度判定方法。
【請求項5】
前記重要度を定量化する手法として、SHAPまたはPermutation Importanceが利用される、請求項1または請求項2に記載の重要度判定方法。
【請求項6】
定量化された前記推定用データに含まれる1種類以上の実験条件のそれぞれの重要度を合算し、合算された値の上位の所定数の種類の実験条件を成熟化に必要な実験条件として出力するステップをさらに備える、請求項1または請求項2に記載の重要度判定方法。
【請求項7】
前記入力を受け付けるステップは、作業者端末から前記推定用データの入力を受け付け、
前記出力するステップは、前記成熟化に必要な実験条件を、前記作業者端末に出力することを含む、請求項6に記載の重要度判定方法。
【請求項8】
前記未成熟な細胞として、哺乳類細胞を用いる、請求項1または請求項2に記載の重要度判定方法。
【請求項9】
前記未成熟な細胞として、生体由来あるいは人工多能性幹細胞由来の細胞を用いる、請求項1または請求項2に記載の重要度判定方法。
【請求項10】
前記未成熟な細胞として、神経、心臓、肝臓、膵臓、腎臓、免疫細胞を用いる、請求項1または請求項2に記載の重要度判定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、重要度判定方法に関し、特に、未成熟な細胞の成熟化の実験における1種類以上の実験条件のそれぞれの重要度の判定に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
細胞培養における実験条件の決定は、従来、研究者の経験や勘を頼りに行われてきた部分が大きい。近年、そのような経験や勘を数値化する取り組みがある。また多くの実験条件や実験結果が数値化され多量のデータを取り扱うようになってきたため、各条件の相関を人が判断することは不可能に近い状態になってきている。
【0003】
一方で、機械学習を用いると、実験条件と実験結果のデータから細胞のクオリティチェックを行うことができ、実験条件の最適化を行うことができる。例えば、特許文献1(特開2019-193587号公報)は、培養目的に応じた培養条件を実現するための培養環境を制御することを目的とし、決定木を用いて培養条件・環境を最適化する技術を開示している。
【0004】
バイオ分野、特に細胞を用いたin vitroの評価においては、生体で起こる現象の1つの評価パラメータに着目した評価が一般的である。しかし、生体では様々なパラメータが複合的に変化することで様々な現象を引き起こしている。このため、現在のin vitroの1つのパラメータに焦点を当てた評価は生体を模倣した評価としては不十分であると考えられている。そこで、in vitroの評価で得られた複数のパラメータの結果と機械学習を用いて、薬剤に応答したか否かを判定している。例えば、非特許文献1(E. K. Lee, et al, Stem Cell Reports, 2017, 9, 1560-1570、2017年11月14日)には、心筋細胞に対して薬剤を添加した際に、従来のように1つのパラメータを用いて薬剤の応答を判断することなく、機械学習を用いて得られたすべてのパラメータから薬剤の応答を判定する、技術が開示されている。
【0005】
幹細胞(iPS細胞やES細胞)から分化した細胞は、一般的に未成熟であることが知られている。これらの細胞はヒト細胞であれば成人より胎児の細胞に機能的にも構造的にも近いと言われている。そして、幹細胞由来の細胞を成熟させる研究が世界中で行われている。例えば、iPS心筋細胞については、非特許文献2(K. Ronaldson - Bouchard et al.、 Nature, 2018, 556, 239、2018年4月12日)に、iPS心筋細胞と線維芽細胞を共培養し、3次元構造を構築した上で電気刺激を行い、成熟化を行う、技術が開示されている。iPS心筋細胞については、他細胞との共培養、3次元培養、および電気刺激によって成熟化することが知られており、これらの3つの手法を同時に行った成熟化が試みられている。
【0006】
非特許文献2では、成熟の評価実験として、蛍光免疫染色や電子顕微鏡観察、活動電位、収縮力、Caトランジエント、遺伝子の発現量など多くの実験が行われている。しかしながら、このような成熟化の研究では課題がある。成熟した細胞と未成熟な細胞を比較して、各種実験の1つの評価パラメータを切り出して成熟化の有無を判断している。このため1つの研究の中で複数の評価実験を行った際に、複数の実験結果を相互的かつ包括的に評価できていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-193587号公報
【非特許文献】
【0008】
E. K. Lee, et al, Stem Cell Reports, 2017, 9, 1560-1570、2017年11月14日
K. Ronaldson - Bouchard et al., Nature, 2018, 556, 239, 2018年4月12日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
幹細胞(iPS細胞やES細胞)から分化した細胞は、一般的に未成熟であることが知られている。これらの細胞はヒト細胞であれば成人より胎児の細胞に機能的にも構造的にも近いと言われている。これら幹細胞由来の細胞を成熟させる研究が世界中で行われている。しかし、この成熟化の研究にはいくつかの課題がある。なかでも成熟した細胞と未成熟な細胞を比較して、各種実験の1つの評価パラメータを切り出して成熟化の有無を判断している点が大きな課題である。このため1つの研究の中で複数の評価実験を行った際に、複数の実験結果を相互的かつ包括的に評価できていない。
【0010】
例えば、特許文献1における課題としては、複数の実験結果データから培養環境を制御することができない。実験結果データは1つのみを用いており、複数の実験を相互的かつ包括的に評価する必要のある成熟化の実験には不向きである。すなわち、上記細胞の研究において、細胞の成熟化のための知見を取得することには大きな意義がある。
(【0011】以降は省略されています)

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