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公開番号2024033564
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022137211
出願日2022-08-30
発明の名称レジオネラ属菌の検査方法
出願人アクアス株式会社
代理人弁理士法人日峯国際特許事務所
主分類C12Q 1/04 20060101AFI20240306BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】レジオネラ属菌以外の微生物、特に抗酸菌の影響を受けにくく、より正確なレジオネラ属菌の検出が可能なレジオネラ属菌の検査方法を提供する。
【解決手段】レジオネラ属菌を、培地を用いた培養法によって検出するレジオネラ属菌の検査方法であって、前記レジオネラ属菌の選択剤としてエタンブトール又はその塩を用いることを特徴とするレジオネラ属菌の検査方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
検体中のレジオネラ属菌を、培地を用いた培養法によって検出するレジオネラ属菌の検査方法であって、
前記レジオネラ属菌の選択剤としてエタンブトール又はその塩を用い、前記培地における前記エタンブトールの濃度が、0.02μmol/mL以上100μmol/mL以下であることを特徴とするレジオネラ属菌の検査方法。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記エタンブトール又はその塩を前記培地に添加して用いること
を特徴とする請求項1に記載のレジオネラ属菌の検査方法。
【請求項3】
前記エタンブトール又はその塩を添加した酸性緩衝液と、前記検体を混合した後に、処理後の検体を前記培地に接種、培養すること
を特徴とする請求項1に記載のレジオネラ属菌の検査方法。
【請求項4】
前記レジオネラ属菌を前記培地で培養する工程において、
前記培地における前記エタンブトールの濃度が、0.2μmol/mL以上40μmol/mL以下であること
を特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3のいずれか一項に記載のレジオネラ属菌の検査方法。
【請求項5】
前記検体と、酸性緩衝液又は前記エタンブトール又はその塩を添加した酸性緩衝液を混合する酸処理工程を有し、
前記酸処理工程後の検体のpHが1.8以上2.6以下であること
を特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3のいずれか一項に記載のレジオネラ属菌の検査方法。
【請求項6】
前記酸処理工程後の検体を前記培地に接種、培養する工程において
前記培地における前記エタンブトールの濃度が、0.2μmol/mL以上40μmol/mL以下であること
を特徴とする請求項5に記載のレジオネラ属菌の検査方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、培養法等による培養を行うレジオネラ属菌の検査方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
レジオネラ属菌は好気性のグラム陰性桿菌で、本来、自然界の土壌や淡水に生息する環境細菌であるが、冷却塔冷却水やプール水、温浴施設循環水等の人工水系においても高い確率で生息することが明らかとなっている。レジオネラ属菌は、レジオネラ属菌に汚染された水系のエアロゾルを介して人へ気道感染し、レジオネラ肺炎等のレジオネラ症を引き起こすことで知られており、日本国内では1981年にレジオネラ症患者が初めて報告されて以降、その患者報告数は年々増加傾向にある。レジオネラ症が人から人へ感染する例は報告されていないことから、人工水系の適切な衛生管理が重要視されており、例えば浴場設備の浴槽水では、厚生労働省による「公衆浴場における水質基準等に関する指針」において、レジオネラ属菌は不検出(10CFU/100mL(ミリリットル)未満)であることと定められている。レジオネラ症を防止するためには、感染源となり得る水系におけるレジオネラ属菌の生息状況を正確に把握することが重要であり、レジオネラ属菌の検査には高い精度が求められている。
【0003】
これらの人工水系からレジオネラ属菌を検出する方法にはさまざまな方法があるが、そのなかでも培養法はレジオネラ属菌検出の標準的な方法として知られている。わが国におけるレジオネラ属菌検査は「レジオネラ症防止指針」(非特許文献1)に記載された検査方法に準拠して行われている。本検査方法は、試料水をレジオネラ属菌の選択培地(GVP、MWY、GVPC、WYO等)に塗布して、培養後生育してきたコロニーを目視で計数する方法である。ここで上記「レジオネラ症防止指針」(非特許文献1)に記載された冷却遠心濃縮法を用いた平板培養法のフローの大略について図1に示す。
【0004】
しかしながら、上記選択培地を使用した場合でも、共存する微生物の影響を除ききれないことがある。これらレジオネラ属菌以外の微生物(夾雑微生物)は一般にレジオネラ属菌よりも選択培地上でのコロニー形成及びその拡大が早いため、生育したレジオネラ属菌のコロニーを計数する妨げとなり、さらに、近接するレジオネラ属菌のコロニーの生育を妨げる等の障害をもたらすことから、レジオネラ属菌に対して障害を引き起こさず、かつ、夾雑微生物に対して有効な前処理、及び、選択培地を用いて、それらの繁殖を抑制する方法が検討されてきた。
【0005】
上記前処理方法の一つとして、酸処理が挙げられる。図1に示したような検査対象水あるいは検査対象水の冷却遠心沈渣に滅菌水を加えたものに対してHCl・KCl緩衝液を混合し、夾雑する細菌類の発育を抑制する方法が広く用いられている。
【0006】
また、特許文献1にはHCl・KCl緩衝液の代わりに、より高い緩衝能を持つ酸性リン酸緩衝液を混合する酸処理を行う方法が記載されている。
【0007】
さらに、夾雑微生物による汚染が激しい検体には、前処理を強化して夾雑微生物の影響を抑制する場合がある。例えば、上記酸処理と熱処理を併用する方法があり、50℃で20分間程度処理した検体に対して上記酸処理を行う方法等が一般的に行われている。(非特許文献2)
【0008】
上記選択培地としては、レジオネラ属菌を培養可能な培地であるBCYEα培地にレジオネラ属菌に対する選択性を付与するために、抗菌剤であるグリシン、バンコマイシン、及び、ポリミキシンBに加え、抗真菌剤であるアニソマイシンを添加したMWY培地、又は、BCYEα培地に抗菌剤であるグリシン、バンコマイシン、及び、ポリミキシンBに加え、抗真菌剤であるシクロヘキシミドを添加したGVPCα培地、あるいは、BCYEα培地に抗菌剤であるグリシン、バンコマイシン、及び、ポリミキシンBに加え、抗真菌剤であるアンホテリシンBを添加したWYOα培地等が、夾雑微生物の影響をある程度排除できる選択培地として知られている。
【0009】
さらに、特許文献2にはGVP培地にシクロヘキシミド、アンホテリシンB、及び、チアベンダゾールを添加したCATα培地を用いたレジオネラ属菌の検査方法が記載されている。
【0010】
しかしながら、ここまで夾雑微生物に対して対策を取った検査手法であっても、対策の効果は充分ではなく、上記の前処理や選択培地に添加された抗菌剤、及び、抗真菌剤に耐性を有する微生物が存在し得る。これらの微生物の発育による、レジオネラ属菌が計測できない、あるいは、計数精度が低下する等の問題は依然として残っているため、レジオネラ属菌の生育を阻害しない、かつ、従来の前処理に耐性を持つ夾雑微生物にも有効な発育抑制手法が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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