TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024032353
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2022135962
出願日2022-08-29
発明の名称転がり軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類F16C 33/38 20060101AFI20240305BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】転がり軸受を構成する保持器の高速ホワール現象の発生を防止する。
【解決手段】転がり軸受1において、中立位置に位置している保持器5がボール4と接触せずに存在可能な位置を、二次元座標上に無数にプロットすることで得られる散布図の外縁部を繋ぐ線で囲まれた領域を保持器可動領域10と定義したとき、この保持器可動領域10の最小外接円径Reに対する保持器可動領域10の最大内接円径Riの比Ri/Reを0.900以下とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数の転動体を介して相対回転する内輪及び外輪と、前記転動体を個別に収容した複数のポケットが周方向に間隔を空けて設けられた円環状の保持器と、を備え

転がり軸受において、
中立位置に位置している前記保持器が前記内輪、外輪及び転動体と接触せずに存在可能な位置を、二次元座標上に無数にプロットすることで得られる散布図の外縁部を繋ぐ線で囲まれた領域を保持器可動領域と定義したとき、この保持器可動領域の最小外接円径Reに対する前記保持器可動領域の最大内接円径Riの比Ri/Reが0.900以下であることを特徴とする転がり軸受。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
複数の前記ポケットのそれぞれを、周方向寸法が互いに異なる大ポケット又は小ポケットで構成することにより、前記比Ri/Reを0.900以下にした請求項1に記載の転がり軸受。
【請求項3】
前記大ポケットは複数設けられ、前記大ポケットをひとつ以上並べた大ポケット群が周方向等間隔で配置されている請求項2に記載の転がり軸受。
【請求項4】
前記大ポケットと前記小ポケットの周方向寸法差を0.1mm以上とした請求項2又は3に記載の転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
径方向に対向配置された状態で複数の転動体を介して相対回転する一対の軌道輪(内輪及び外輪)と、複数の転動体を周方向に間隔を空けて保持する環状の保持器と、を備えた転がり軸受において、保持器は、通常、径方向及び周方向に移動可能な状態で内外輪間に組み込まれる。従って、中立位置に位置する保持器は、各軌道輪との間に径方向すきまを形成すると共に、転動体の収容部(ポケット)に収容された転動体との間に径方向すきま及び周方向すきまを形成する。上記の軌道輪と保持器の間の径方向すきまは「案内すきま」と、また、上記のポケットと転動体の間の径方向すきま及び周方向すきまは、それぞれ「ポケット径方向すきま」及び「ポケット周方向すきま」とも称される。
【0003】
転がり軸受の作動時(内輪と外輪の相対回転時)には、保持器とそのポケットに収容された転動体の接触に伴って生じる摩擦力により、高速ホワール現象とも称される、異音、振動、トルクの増大、発熱などの不具合、さらには保持器の破断等の致命的な不具合の発生要因である保持器の高速振れ回り現象が発生することがある。
【0004】
そこで、例えば下記の特許文献1においては、保持器に所定のアンバランス量を与えることで保持器を偏心回転可能とし、回転中の保持器の一部を外輪又は転動体に常時接触させることにより、高速ホワール現象の発生、さらにはこれに起因した異音・振動等の不具合発生を可及的に防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-196513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されている、高速ホワール現象の発生を防止するための技術手段(発明)は、保持器の案内方式として内輪案内方式を採用する転がり軸受には適さないとされており(同文献の段落0036を参照)、実質的な適用範囲が、保持器の案内方式として外輪案内方式又は転動体案内方式を採用する転がり軸受に制限されている。また、特許文献1に記載されている技術手段は、回転数の増加に伴い接触部の接触面圧が上昇し易いことから、軸受のピッチ円直径[mm]と回転数[rpm]の積で表されるdmn値が所定値を超えるような高速回転タイプの転がり軸受には適さない、とされている。しかしながら、高速ホワール現象は、特許文献1に記載の技術手段の適用が難しいとされている転がり軸受においても生じ得る。
【0007】
係る実情に鑑み、本発明は、保持器の案内方式や軸受の回転数(dmn値)等に関わらず、転がり軸受全般に広く適用できる、高速ホワール現象の防止手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述したとおり、保持器は通常、径方向及び周方向に移動可能な状態で内外輪間に組み込まれており、保持器の移動範囲は、案内すきま、ポケット径方向すきま、ポケット周方向すきまのうち最も小さいすきまで制限される。従って、軌道輪と各転動体の位置が決まると、ポケットの配置や形状に基づいて幾何学的に保持器中心が存在できる(保持器が外輪、内輪及び転動体と接触することなく移動できる)領域、つまり「保持器可動領域」を推定することができる。そこで、本発明者らは、種々の条件で動力学解析を行ったところ、高速ホワール現象が発生すると認められる解析条件においては、保持器可動領域の形状が、円形、もしくは円に近似する正多角形となる一方、高速ホワール現象が発生しないと認められる解析条件においては、保持器可動領域の形状が、円形、もしくは円に近似する正多角形から乖離した「いびつな形状」になることが判明した。係る知見を、図10(a)~(d)及び図11(a)~(d)に示す解析結果に基づいて説明する。
【0009】
まず、図10(a)、図10(c)、図11(a)及び図11(c)には、それぞれ、内輪を2.5回転させた瞬間における「保持器可動領域」及び「保持器の中心位置」を示しており、図10(b)、図10(d)、図11(b)及び図11(d)には、それぞれ、可動領域が図10(a)、図10(c)、図11(a)及び図11(c)に示すものとなる転がり軸受の内輪が10回転する間の保持器中心の移動軌跡を示している。保持器可動領域の形状が、図10(a)や図10(c)に示すような円形、あるいは円形に近似する正多角形である場合、高速ホワール現象が発生し、その結果、図10(b)及び図10(d)に示すように保持器中心の移動軌跡を示す線が極めて密になった。これに対し、保持器可動領域の形状が図11(a)や図11(c)に示すようないびつな形状である場合、高速ホワール現象は発生せず、その結果、図11(b)及び図11(d)に示すように保持器中心の移動軌跡を示す線が極めて粗になった。本発明は、係る知見に基づいて創案されたものである。
【0010】
すなわち、上記の目的を達成するために創案された本発明は、複数の転動体を介して相対回転する内輪及び外輪と、転動体を個別に収容した複数のポケットが周方向に間隔を空けて設けられた保持器と、を備え、保持器が内輪、外輪及び転動体と接触せずに存在可能な位置を、二次元座標上に無数にプロットすることで得られる散布図の外縁部を繋ぐ線で囲まれた領域を保持器可動領域と定義したとき、この保持器可動領域の最小外接円径Reに対する保持器可動領域の最大内接円径Riの比Ri/Reが0.900以下であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

NTN株式会社
圧粉磁心
9日前
NTN株式会社
転がり軸受
17日前
NTN株式会社
動力伝達装置
11日前
NTN株式会社
フォイル軸受
18日前
NTN株式会社
絶縁転がり軸受
11日前
NTN株式会社
塗布方法および塗布装置
4日前
NTN株式会社
培養器材およびその製造方法
4日前
NTN株式会社
ボールねじ装置および直動機構
16日前
NTN株式会社
ボールねじ装置および直動機構
16日前
NTN株式会社
動圧軸受及びこれを備えた流体動圧軸受装置
18日前
NTN株式会社
軸受装置及びその軸受装置を備えたスピンドル装置
11日前
NTN株式会社
ディスクバルブの製造方法
11日前
個人
家具
1か月前
個人
ジャイロの軸受装置
1か月前
個人
アンカーボルト
24日前
株式会社フジキン
バルブ装置
24日前
マフレン株式会社
自動給脂器
2か月前
カヤバ株式会社
ダンパ
1か月前
カヤバ株式会社
バルブ
1か月前
株式会社テイエルブイ
自動弁
29日前
株式会社ミクニ
弁装置
2か月前
日星電気株式会社
多層チューブ
2か月前
株式会社不二工機
電動弁
1か月前
株式会社ナジコ
自在継手
1か月前
個人
圧入成形物の製造法
1か月前
ヒロホー株式会社
締結構造
2日前
個人
束ねばね
24日前
日本精工株式会社
ボールねじ装置
9日前
株式会社エステック
減速機
1か月前
井関農機株式会社
作業車両
1か月前
日東工器株式会社
防振構造
24日前
株式会社伊藤製作所
連結具
1か月前
カヤバ株式会社
シリンダ装置
4日前
株式会社トヨックス
チューブ
1か月前
カヤバ株式会社
シリンダ装置
19日前
CKD株式会社
減圧弁
25日前
続きを見る