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公開番号2024030196
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022132828
出願日2022-08-23
発明の名称成形品取出機
出願人株式会社ユーシン精機
代理人個人,個人
主分類B29C 33/44 20060101AFI20240229BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】オンオフ制御を維持して、しかもユーザ設定下限値の設定が容易な成形品取出機を提供する。
【解決手段】負圧制御部9は、変曲点がユーザ設定下限値より低くならないように吸引動作を再開するために用いる圧力弁再開時間期間Tvを定める圧力弁再開時間期間決定部92を備える。負圧制御部9は、吸引動作を中止した後圧力弁再開時間期間Tvが経過するまで圧力弁34を閉状態にするオフ動作と、圧力弁34を開状態にして負圧が安定値または上限設定値に達するまで圧力弁を開状態にするオン動作を、成形品の吸着解除まで継続する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
成形機の金型内の成形品を吸着する吸着部を備えたアタッチメントと、
予め定めた動作シーケンスに従って前記アタッチメントを移動させる移動機構と、
前記移動機構を制御する移動機構制御部と、
前記吸着部と前記成形品との間に形成される空間を負圧にするために前記吸着部と真空発生装置との間に設けられたエアー流路と、該エアー流路中に配置された圧力弁及び圧力検出器を備え、前記圧力弁を開いた後に前記負圧が変曲点まで低下してから上昇を開始する変化特性を有する負圧発生回路と、
前記真空発生装置または前記圧力弁を制御して前記負圧を制御する負圧制御部を備え、
前記負圧制御部が、吸引開始指令を受信すると前記圧力弁を開状態にして吸引動作を開始し、前記エアー流路を流れるエアーの負圧が安定値または上限設定値に達すると前記圧力弁を閉状態にして吸引動作を中止し、その後前記安定値または前記上限設定値よりも低いユーザ設定下限値に基づいて前記圧力弁を開状態にして吸引動作を再開するオンオフ制御を繰り返すように構成されている成形品取出機であって、
前記負圧制御部は、前記変曲点が前記ユーザ設定下限値より低くならないように吸引動作を再開するために用いる圧力弁再開時間期間を定める圧力弁再開時間期間決定部を備えており、
前記負圧制御部は、前記オンオフ制御において、前記吸引動作を中止した後前記圧力弁再開時間期間が経過するまで前記圧力弁を閉状態にするオフ動作と、前記圧力弁を開状態にして前記負圧が前記安定値または上限設定値に達するまで前記圧力弁を開状態にするオン動作を繰り返すことを特徴とする成形品取出機。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記圧力弁再開時間期間決定部は、
前記負圧が低下を開始した直後の負圧の変化の傾きを検出する負圧変化の傾き検出部と、
前記負圧が低下を開始するときの前記負圧の値と前記ユーザ設定下限値と前記傾きとに基づいて、前記負圧が低下を開始してから前記変曲点を越えることが予想されるまでの予想時間期間を演算する第1の演算部と、
前記予想時間期間に基づいて、前記圧力弁再開時間期間を決定する第2の演算部を備えている請求項1に記載の成形品取出機。
【請求項3】
前記第2の演算部は、前記吸引動作を再開してから前記負圧が立ち上がるために必要な応答遅れ時間期間としたときに、前記圧力弁再開時間期間を前記予想時間期間と前記応答遅れ時間期間に基づいて演算する請求項2に記載の成形品取出機。
【請求項4】
前記応答遅れ時間期間は、事前の試験により測定した固定値である請求項3に記載の成形品取出機。
【請求項5】
前記応答遅れ時間期間が、前記吸着部を交換した際に、テスト動作または実際の成形動作で空吸いを行い、このときに測定した空吸い応答遅れ時間期間である請求項3に記載の成形品取出機。
【請求項6】
前記応答遅れ時間期間は、実サイクルにおける測定において、前記圧力弁再開時間期間が前記予想時間期間に徐々に近づくように定められる請求項3に記載の成形品取出機。
【請求項7】
前記負圧制御部は、前記圧力弁をオンオフ制御することにより、前記真空発生装置での消費電力を低減する電力低減モードと、前記オンオフ制御を行わない電力非低減モードと、前記圧力弁のオンオフ制御を可変とすることにより、前記電力低減モードよりも消費電力は多いが前記電力非低減モードの消費電力よりも消費電力が少なくなる中間電力低減モードを選択可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の成形品取出機。
【請求項8】
前記負圧制御部は、前記電力非低減モード、前記電力低減モード及び前記中間電力低減モードを自動的に決定する制御モード決定部をさらに備えている請求項7に記載の成形品取出機。
【請求項9】
前記制御モード決定部は、運転開始時の前記負圧を検出し、検出した前記負圧の変化の傾きに応じて前記電力非低減モード、前記電力低減モード及び前記中間電力低減モードのいずれかを選択して決定する請求項8に記載の成形品取出機。
【請求項10】
前記制御モード決定部は、運転中の前記負圧の変化を検出し、検出した前記負圧の変化の傾きに応じて前記電力非低減モード、前記電力低減モード及び前記中間電力低減モードのいずれかを選択して決定する請求項8に記載の成形品取出機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着部に作用させる負圧をオンオフ制御してエアー消費量を削減する機能を有する成形品取出機に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許第4779004号公報には、吸着部に作用させる負圧をオンオフ制御してエアー消費量を削減する従来の成形品取出機が開示されている。従来の成形品取出機は、成形機の金型内の成形品を吸着する吸着部を備えたアタッチメントと、予め定めた動作シーケンスに従ってアタッチメントを移動させる移動機構と、吸着部と成形品との間に形成される空間を負圧にするために吸着部と真空発生装置との間に設けられたエアー流路、エアー流路中に配置された圧力弁及び圧力検出器を含む負圧発生回路と、真空発生装置または圧力弁を制御して負圧を制御する負圧制御部を備えている。また安定値に代えて上限設定値を用いる技術も知られている。そして負圧制御部が、吸引開始指令を受信すると圧力弁を開状態にして吸引を開始し、エアー流路を流れるエアーの負圧が安定値に達すると圧力弁を閉状態にして吸引動作を中止し、その後負圧が安定値よりも低いユーザ設定下限値に達すると圧力弁を開状態にして吸引動作を再開するオンオフ制御を、吸引停止指令を受信するまで繰り返すように構成されている。ここでユーザ設定下限値は、ユーザが自己の経験に基づいて、任意に設定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4779004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者の研究によると、吸着部と真空発生装置との間に設けられたエアー流路中に圧力弁が配置された負圧発生回路を用いる場合、圧力弁を開状態にした後に直ちに負圧が上昇することはなく、圧力弁を開いた後に更に負圧が変曲点まで低下し、その後から負圧が上昇を開始する落ち込み現象が発生することが判った。このような現象があると、ユーザ設定下限値を圧力弁開時期として利用すると、負圧がユーザ設定下限値に達した後に上昇するまでの間に、負圧不足により成形品が落下する問題が発生することがある。これは作業者が設定したユーザ設定下限値が、低すぎて、圧力弁が開かれた以降の負圧の低下が、成形品を吸着維持するためには、不十分な圧力になる場合があるからである。そのため作業者が、オンオフ制御を有効に利用してエアーの消費量を削減し、しかも成形品の脱落を防ぐことができるユーザ設定下限値を設定しようとすると、ユーザ設定下限値の設定及び試し運転を複数回行って、作業者にとって納得のいく、ユーザ設定下限値を見つけ出す作業に苦労することがある。
【0005】
本発明は、オンオフ制御を維持して、しかもユーザ設定下限値の設定が容易な成形品取出機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の成形品取出機は、成形機の金型内の成形品を吸着する吸着部を備えたアタッチメントと、予め定めた動作シーケンスに従ってアタッチメントを移動させる移動機構と、吸着部と成形品との間に形成される空間を負圧にするために吸着部と真空発生装置との間に設けられたエアー流路と、該エアー流路中に配置された圧力弁及び圧力検出器を備え、圧力弁を開いた後に前記負圧が変曲点まで低下してから上昇を開始する変化特性を有する負圧発生回路と、真空発生装置または圧力弁を制御して負圧を制御する負圧制御部を備えている。そして成形品取出機の負圧制御部は、吸引開始指令を受信すると圧力弁を開状態にして吸引動作を開始し、エアー流路を流れるエアーの負圧が安定値または上限設定値に達すると圧力弁を閉状態にして吸引動作を中止し、その後安定値または上限設定値よりも低いユーザ設定下限値に基づいて圧力弁を開状態にして吸引動作を再開するオンオフ制御を繰り返すように構成されている。本発明で用いる負圧制御部は、変曲点がユーザ設定下限値より低くならないように吸引動作を再開するために用いる圧力弁再開時間期間Tvを定める圧力弁再開時間期間決定部を備えている。そして負圧制御部は、オンオフ制御において、吸引動作を中止した後圧力弁再開時間期間Tvが経過するまで圧力弁を閉状態にするオフ動作と、圧力弁を開状態にして負圧が安定値または上限設定値に達するまで圧力弁を開状態にするオン動作を繰り返す。本発明によれば、負圧の変化特性の変曲点が、作業者が設定したユーザ設定下限値より下がることがないように、圧力弁再開時間期間Tvを定めるので、ユーザ設定下限値で直接的に圧力弁開時期を決定している感覚を作業者に与えることができる。そのためユーザ設定下限値の設定作業が、従来よりも、容易でかつスムーズに行える利点が得られる。
【0007】
圧力弁再開時間期間決定部は、負圧が低下を開始した直後の負圧の変化の傾きAを検出する負圧変化傾き検出手段と、負圧が低下を開始するときの負圧の値Poとユーザ設定下限値Puと傾きAとに基づいて、負圧が低下を開始してから変曲点を越えることが予想されるまでの予想時間期間Tpを演算する第1の演算部と、予想時間期間Tpに基づいて、圧力弁再開時間期間Tvを決定する第2の演算部とから構成することができる。
【0008】
第1の演算部で用いる式は、1つの式に限定されるものではないが、例えば、Tp=(Po-Pu)/Aの式を用いることができる。この種の式であれば、演算が容易であり、迅速に演算することができる。
【0009】
また第2の演算部は、吸引動作を再開してから負圧が立ち上がるために必要な応答遅れ時間期間をTw2としたときに、圧力弁再開時間期間Tvを予想時間期間Tpと応答遅れ時間期間Tw2に基づいて演算する。第2の演算部で用いる式は、1つの式に限定されるものではないが、例えば、圧力弁再開時間期間TvはTv=Tp-Tw2の式により演算することができる。またこの式を用いる場合において、応答遅れ時間期間Tw2に安全率を掛けてもよいのは勿論である。この種の式であれば、演算が容易であり、迅速に演算することができる。
応答遅れ時間期間Tw2の定め方は1つではなく、単純には、事前の試験により測定した固定値でもよい。また応答遅れ時間期間Tw2は、吸着部を交換した際に、テスト動作または実際の成形動作で空吸いを行い、このときに測定した空吸い応答遅れ時間期間Tdでもよい。さらに応答遅れ時間期間Tw2は、実サイクルにおける測定において、圧力弁再開時間期間Tvが予想時間期間Tpに徐々に近づくように定めてもよい。
【0010】
負圧制御部は、圧力弁をオンオフ制御することにより、真空発生装置での消費電力を低減する電力低減モードと、オンオフ制御を行わない電力非低減モードと、圧力弁のオンオフ制御を可変とすることにより、電力低減モードよりも消費電力は多いが前記電力非低減モードの消費電力よりも消費電力が少なくなる中間電力低減モードを選択可能に構成されていてもよい。このようにすると成形品の形状や吸着部の性能に応じて、モードを選択することができるので、成形品の落下ミスの発生を抑制することができる。また制御モードが選択可能であれば、操作者の判断でオンオフ制御を行わない選択をすることができるので、熟練操作者の意思を尊重することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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