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公開番号2023145995
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-12
出願番号2022052950
出願日2022-03-29
発明の名称光学部材の製造方法
出願人三井化学株式会社
代理人個人
主分類B29C 45/50 20060101AFI20231004BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】内部におけるスジ状の欠陥が抑制された光学部材を安定的に得ることができる光学部材の製造方法を提供する。
【解決手段】射出成形装置を用いた光学部材の製造方法であって、射出ユニット20のシリンダー22内で、エチレンまたはα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体を含む樹脂組成物を溶融する工程において、前記射出ユニットが、計量部50と、圧縮部60と、供給部70とを含み、計量部のシリンダー設定温度をT1(℃)、前記供給部および前記圧縮部のシリンダー設定温度をT2(℃)としたとき、以下条件(1)~(3)を満たす。(1)T1が〔樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)+100〕(℃)以上〔樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)+180〕(℃)以下であり、かつT1が180℃以上300℃以下(2)T2(℃)が〔T1-25〕(℃)以上〔T1+20〕(℃)以下(3)射出成形装置の背圧が4MPa以上20MPa以下
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
シリンダーおよび前記シリンダーに挿入されたスクリューからなる射出ユニットと、
光学部材を成形するためのキャビティー、および前記射出ユニットから前記キャビティー内への樹脂組成物の射出口となるゲートを有する金型と、
を備える、射出成形装置を用いた光学部材の製造方法であって、
前記シリンダー内で、エチレンまたはα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体を含む樹脂組成物を溶融する工程と、
前記スクリューを用いて、溶融した前記樹脂組成物を前記ゲートを介して射出し、前記キャビティー内に充填する工程と、を含み、
前記樹脂組成物を溶融する前記工程において、
前記射出ユニットが、計量部と、圧縮部と、供給部と、を含み、
前記計量部のシリンダー設定温度をT

(℃)、前記供給部および前記圧縮部のシリンダー設定温度をT

(℃)としたとき、以下条件(1)~(3)を満たす、光学部材の製造方法。
(1)T

が〔前記樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)+100〕(℃)以上〔前記樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)+180〕(℃)以下であり、かつT

が180℃以上300℃以下
(2)T

(℃)が〔T

-25〕(℃)以上〔T

+20〕(℃)以下
(3)射出成形装置の背圧が4MPa以上20MPa以下
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)が120℃以上160℃以下である、請求項1に記載の光学部材の製造方法。
【請求項3】
前記射出成形装置の背圧が5MPa以上20MPa以下である、請求項1または2に記載の光学部材の製造方法。
【請求項4】
前記T

(℃)が〔T

-20〕(℃)以上〔T

+15〕(℃)以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
【請求項5】
前記共重合体が、
下記一般式(I)で表される少なくとも1種のオレフィン由来の繰り返し単位(a)と、
下記一般式(II)で表される繰り返し単位、下記一般式(III)で表される繰り返し単位、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位、下記一般式(V)で表される繰り返し単位および下記一般式(VI)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)と、
を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
TIFF
2023145995000021.tif
49
153
(前記一般式(I)において、R
300
は水素原子又は炭素原子数1~29の直鎖状また
は分岐状の炭化水素基を示す。)
TIFF
2023145995000022.tif
63
153
(前記一般式(II)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R
61
~R
78
ならびにR
a1
およびR
b1
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルキル基または炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基であり、R
75
~R
78
は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
TIFF
2023145995000023.tif
65
153
(前記一般式(III)において、xおよびdは0または1以上の整数であり、yおよびzは0、1または2であり、R
81
~R
99
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基若しくは炭素原子数3~15のシクロアルキル基である脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R
89
およびR
90
が結合している炭素原子と、R
93
が結合している炭素原子またはR
91
が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1~3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R
95
とR
92
またはR
95
とR
99
とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。)
TIFF
2023145995000024.tif
93
153
(前記一般式(IV)中、nおよびmはそれぞれ独立に0、1または2であり、qは1、2または3であり、R
18
~R
31
はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基であり、またq=1のときR
28
とR
29
、R
29
とR
30
、R
30
とR
31
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、またq=2または3のときR
28
とR
28
、R
28
とR
29
、R
29
とR
30
、R
30
とR
31
、R
31
とR
31
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、また前記単環または前記多環が芳香族環であってもよい。)
TIFF
2023145995000025.tif
49
153
(前記一般式(V)において、R
100
、R
101
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1~5の炭化水素基を示し、fは1≦f≦18の整数である。)
TIFF
2023145995000026.tif
70
153
【請求項6】
前記共重合体中の前記環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)が、ビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン、テトラシクロ[4.4.0.1
2,5
.1
7,10
]-3-ドデセンおよびベンゾノルボルナジエンからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し単位を含む、請求項5に記載の光学部材の製造方法。
【請求項7】
前記共重合体中の前記オレフィン由来の繰り返し単位(a)が、エチレンに由来する繰り返し単位を含む、請求項5または6に記載の光学部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
環状オレフィン系共重合体は光学性能に優れるため、例えば、光学レンズ等の光学部材として用いられている。
環状オレフィン系共重合体からなる光学部材の製造方法に関する技術としては、例えば、特許文献1または2に記載のものが挙げられる。
【0003】
特許文献1には、特定のスクリュー及びシリンダーを備える射出成形機を用いた環状オレフィン系樹脂成形体の製造方法が開示されている。当該製造方法によれば、樹脂成形体の黒点発生を抑え、連続運転時における製品歩留まりに優れると記載されている。なお、当該文献には、シリンダ温度及び背圧に関して記載されていない。
【0004】
特許文献2には、環状ポリオレフィン系の熱可塑性樹脂の温度および金型温度を所定の範囲とし、せん断速度および該熱可塑性樹脂の成形機中の平均滞留時間を規定した、射出成形による光記録媒体の製造方法が開示されている。また、特許文献2には好ましい射出速度が記載されている(0037段落等)。当該製造方法によれば、シルバーストリークの発生が抑制され、転写性に優れると記載されている。なお、当該文献には、シリンダ温度設定を位置ごとに変更する事に関して記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-233425号公報
特開2001-121569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および2に記載の製造方法においては、工学部材内部にスジ状の欠陥が表れ、所望の光学部材が得られない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは検討した結果、樹脂組成物を溶融する工程において、射出ユニットにおける計量部のシリンダーの設定温度、並びに、射出ユニットにおける供給部および圧縮部のシリンダー設定温度をそれぞれ所定の温度とし、同時に射出時における射出成形装置の背圧を所定の値とすることにより、光学部材の内部におけるスジ状の欠陥の発生を抑制することができ、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に示すことができる。
【0008】
[1]
シリンダーおよび前記シリンダーに挿入されたスクリューからなる射出ユニットと、
光学部材を成形するためのキャビティー、および前記射出ユニットから前記キャビティー内への樹脂組成物の射出口となるゲートを有する金型と、
を備える、射出成形装置を用いた光学部材の製造方法であって、
前記シリンダー内で、エチレンまたはα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体を含む樹脂組成物を溶融する工程と、
前記スクリューを用いて、溶融した前記樹脂組成物を前記ゲートを介して射出し、前記キャビティー内に充填する工程と、を含み、
前記樹脂組成物を溶融する前記工程において、
前記射出ユニットが、計量部と、圧縮部と、供給部と、を含み、
前記計量部のシリンダー設定温度をT

(℃)、前記供給部および前記圧縮部のシリンダー設定温度をT

(℃)としたとき、以下条件(1)~(3)を満たす、光学部材の製造方法。
(1)T

が〔前記樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)+100〕(℃)以上〔前記樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)+180〕(℃)以下であり、かつT

が180℃以上300℃以下
(2)T

(℃)が〔T

-25〕(℃)以上〔T

+20〕(℃)以下
(3)射出成形装置の背圧が4MPa以上20MPa以下
[2]
前記樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)が120℃以上160℃以下である、上記[1]に記載の光学部材の製造方法。
[3]
前記射出成形装置の背圧が5MPa以上20MPa以下である、上記[1]または[2]に記載の光学部材の製造方法。
[4]
前記T

(℃)が〔T

-20〕(℃)以上〔T

+15〕(℃)以下である、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の光学部材の製造方法。
[5]
前記共重合体が、
下記一般式(I)で表される少なくとも1種のオレフィン由来の繰り返し単位(a)と、
下記一般式(II)で表される繰り返し単位、下記一般式(III)で表される繰り返し単位、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位、下記一般式(V)で表される繰り返し単位および下記一般式(VI)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)と、
を有する、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の光学部材の製造方法。
TIFF
2023145995000002.tif
49
153
(上記一般式(I)において、R
300
は水素原子又は炭素原子数1~29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。)
TIFF
2023145995000003.tif
63
153
(上記一般式(II)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R
61
~R
78
ならびにR
a1
およびR
b1
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルキル基または炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基であり、R
75
~R
78
は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
TIFF
2023145995000004.tif
65
153
(上記一般式(III)において、xおよびdは0または1以上の整数であり、yおよびzは0、1または2であり、R
81
~R
99
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基若しくは炭素原子数3~15のシクロアルキル基である脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R
89
およびR
90
が結合している炭素原子と、R
93
が結合している炭素原子またはR
91
が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1~3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内部におけるスジ状の欠陥が抑制された光学部材を安定的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は射出成形装置の金型の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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