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公開番号2024025719
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2023128973
出願日2023-08-08
発明の名称汚染物質除去方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類B05D 3/12 20060101AFI20240216BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】対象表面に塗布後、乾燥するだけで塗膜が自発的に剥離する自己剥離膜形成用組成物を用いることにより、汚染物質の除去及び汚染物質を吸着した塗膜の剥離回収作業を簡単に短時間で行うことができる、汚染物質除去方法の提供。
【解決手段】対象表面に付着した汚染物質を除去する方法であって、次の成分(A)~(C)を含み、成分(A)及び成分(B)の総量に対する成分(B)の質量比(B)/[(A)+(B)]が0.6以上0.95以下である自己剥離膜形成用組成物を汚染物質が付着した対象表面に塗布して塗膜を形成する工程と、該塗膜を乾燥する工程と、該乾燥に伴う塗膜の自己剥離によって塗膜とともに汚染物質を除去する工程とを備える、汚染物質除去方法。
(A) ビニルアルコールを構成単位として含む重合体
(B) スルホン化率が89%以上のポリスチレンスルホン酸又はその塩
(C) 揮発性溶剤
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
対象表面に付着した汚染物質を除去する方法であって、
次の成分(A)~(C)を含み、成分(A)及び成分(B)の総量に対する成分(B)の質量比(B)/[(A)+(B)]が0.6以上0.95以下である自己剥離膜形成用組成物を汚染物質が付着した対象表面に塗布して塗膜を形成する工程と、
該塗膜を乾燥する工程と、
該乾燥に伴う塗膜の自己剥離によって塗膜とともに汚染物質を除去する工程と
を備える、汚染物質除去方法。
(A) ビニルアルコールを構成単位として含む重合体
(B) スルホン化率が89%以上のポリスチレンスルホン酸又はその塩
(C) 揮発性溶剤
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
塗膜とともに汚染物質を除去する工程が、剥離した乾燥塗膜を回収する工程を含む、請求項1に記載の汚染物質除去方法。
【請求項3】
自己剥離形成用組成物の塗膜が、乾燥に伴い周縁部から剥離する、請求項1又は2に記載の汚染物質除去方法。
【請求項4】
対象表面に対する自己剥離形成用組成物の塗布量が、0.1kg/m
2
以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の汚染物質除去方法。
【請求項5】
乾燥工程が、-10℃以上60℃以下の環境下で行われるものである、請求項1~4のいずれか1項に記載の汚染物質除去方法。
【請求項6】
成分(A)のガラス転移点が、0℃以上120℃以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の汚染物質除去方法。
【請求項7】
成分(A)のビニルアルコールを構成単位として含む重合体が、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル-エチレン共重合体又はその加水分解物である、請求項1~6のいずれか1項に記載の汚染物質除去方法。
【請求項8】
成分(B)が、重量平均分子量5,000以上10,000,000以下のポリスチレンスルホン酸又はその塩である、請求項1~7のいずれか1項に記載の汚染物質除去方法。
【請求項9】
成分(C)が、水を含むものである、請求項1~7のいずれか1項に記載の汚染物質除去方法。
【請求項10】
次の成分(A)~(C)を含有し、成分(A)及び成分(B)の総量に対する成分(B)の質量比(B)/[(A)+(B)]が0.6以上0.95以下であり、塗膜の乾燥に伴う自己剥離により対象表面上の汚染物質を除去するための使用。
(A) ビニルアルコールを構成単位として含む重合体
(B) スルホン化率が89%以上のポリスチレンスルホン酸又はその塩
(C) 揮発性溶剤
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、対象表面に塗布後、塗膜が乾燥することによって自発的に剥離する自己剥離膜を利用した汚染物質除去方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、設備表面に付着・残留した汚れ、微粒子などの粉じんを除去する方法として、水や溶剤による洗浄、ふき取り、機械力による削り取り、吸引などが行われている。しかしながら、これらの作業では、洗浄液や飛散した粉じんを作業者が吸引してしまうおそれがある。特に、使用する洗浄液が人体には有害な物質であったり、除去する物質がアスベスト、有害な化学物質、放射性物質などを含む汚染物質であったりする場合は、作業員が洗浄液や汚染物質を吸引しないような手段が求められる。例えば、原子力発電所の汚染物質は放射性物質を含んでいるため、洗浄や廃炉作業時の作業員に対して、吸引や付着による被ばくの危険がある。そこで、このような汚染物質を高効率かつ安全に除去する技術が求められている。
【0003】
汚染物質は、設備表面、特に凹凸部などの細部に残留しやすいという特徴がある。このような汚染物質を飛散させずに除去する効果的な技術として、塗料を対象表面に塗布し、乾燥後塗膜を剥離することで吸着した汚染物質ごと除去するという、剥離性塗膜を利用した方法がある。この技術は、細部残留した汚染物質の除去には効果的ではあるが、乾燥後の剥離時に、塗膜の端部に剥離の始点をつくることが難しく、これに作業時間がかかれば作業員が有害物質を吸引したり暴露したりするリスクが高まることとなる。また、人が入ることができない環境においては剥離した膜の回収も難しいという問題もある。
【0004】
このような問題に対応できる手段として、乾燥後の塗膜が自発的に剥離する自己剥離膜を開発できれば、回収作業が簡単に短時間で行うことができ、ロボットなどによる遠隔作業も可能となると考えられる。
【0005】
自己剥離膜に関する技術として、特許文献1には、揮発性有機溶剤に可剥性樹脂被膜形成能を有するセルロース系合成樹脂を溶解してなる自己剥離性を備えた浸透探傷用現像剤除去材料が開示されている。特許文献2には、水性塗料を主成分とし、水可溶性増粘剤を含む皮膜を水で膨潤させて剥離する手段が開示されている。一方、特許文献3には、自己剥離膜とは別の技術であるが、あらかじめ基材に被覆用組成物を塗布してバリアー被覆物を形成させ、汚染物質がバリアー被覆物上に堆積した後、基材からバリアー被覆物と汚染物質を取り除く方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭59-171841号公報
特開2000-327958号公報
特表2010-530806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術は、有機溶剤を相当量含有しているため異臭が生じることや自己剥離性が十分ではないという問題があった。特許文献2に記載の方法は、皮膜に水を添加して膨潤させる必要があった。特許文献3に記載の方法は、バリアー被覆物と汚染物質とを洗浄やふき取り等で除去するものであり、塗膜の除去方法が簡便でない。
【0008】
したがって本発明は、対象表面に塗布後、乾燥するだけで塗膜が自発的に剥離する自己剥離膜形成用組成物を用いることにより、汚染物質の除去及び汚染物質を吸着した塗膜の剥離回収作業を簡単に短時間で行うことができる、汚染物質除去方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ビニルアルコールを構成単位として含む重合体とポリスチレンスルホン酸又はその塩を特定比率で揮発性溶剤中に含有することにより、前記要求を解決した汚染物質の除去が可能となることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
本発明は、対象表面に付着した汚染物質を除去する方法であって、
次の成分(A)~(C)を含み、成分(A)及び成分(B)の総量に対する成分(B)の質量比(B)/[(A)+(B)]が0.6以上0.95以下である自己剥離膜形成用組成物を汚染物質が付着した対象表面に塗布して塗膜を形成する工程と、
該塗膜を乾燥する工程と、
該乾燥に伴う塗膜の自己剥離によって塗膜とともに汚染物質を除去する工程と
を備える、汚染物質除去方法を提供するものである。
(A) ビニルアルコールを構成単位として含む重合体
(B) スルホン化率が89%以上のポリスチレンスルホン酸又はその塩
(C) 揮発性溶剤
(【0011】以降は省略されています)

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