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公開番号2024025393
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2022128788
出願日2022-08-12
発明の名称トナー用結着樹脂組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類G03G 9/087 20060101AFI20240216BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】低付着量でも画像濃度に優れるトナー用結着樹脂組成物、該トナー用結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナー、及び該静電荷像現像用トナーの製造方法を提供すること
【解決手段】結晶性ポリエステル樹脂(A)と、非晶性ポリエステル樹脂(B)と、を含有するトナー用結着樹脂組成物であって、結晶性ポリエステル樹脂(A)が、脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸と、炭素数10以上22以下の脂肪族モノアルコール及び炭素数10以上22以下の脂肪族モノカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含む原料モノマー(a)の重縮合物であり、非晶性ポリエステル樹脂(B)が、線形ポリエステル樹脂(B1)及び非線形ポリエステル樹脂(B2)を含み、線形ポリエステル樹脂(B1)及び非線形ポリエステル樹脂(B2)の少なくとも一方が、シリコーン変性ポリエステル樹脂である、トナー用結着樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結晶性ポリエステル樹脂(A)と、非晶性ポリエステル樹脂(B)と、を含有するトナー用結着樹脂組成物であって、
前記結晶性ポリエステル樹脂(A)が、脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸と、炭素数10以上22以下の脂肪族モノアルコール及び炭素数10以上22以下の脂肪族モノカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含む原料モノマー(a)の重縮合物であり、
前記非晶性ポリエステル樹脂(B)が、線形ポリエステル樹脂(B1)及び非線形ポリエステル樹脂(B2)を含み、
前記線形ポリエステル樹脂(B1)及び前記非線形ポリエステル樹脂(B2)の少なくとも一方が、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と、2価以上のカルボン酸を含むカルボン酸成分と、式(1)で表される繰り返し単位及び式(2)で表される繰り返し単位を有する変性シリコーン及び式(2)で表される繰り返し単位及び式(3)で表される構造を有する変性シリコーンから選ばれる少なくとも一種と、を含む原料モノマー(b)の反応物であるシリコーン変性ポリエステル樹脂である、
トナー用結着樹脂組成物。
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2024025393000013.jpg
30
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〔式(1)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、R’はそれぞれ独立に、炭素数1以上10以下のアルキレン基であり、aは1又は0であり、Xは、それぞれ独立に、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、又はヒドロキシ基を含む基であり、*は結合部位である。〕
JPEG
2024025393000014.jpg
23
54
〔式(2)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、*は結合部位である。〕
*-SiR
3-b
(R''-X)

(3)
〔式(3)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、R''はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基であり、bは1以上3以下の整数であり、Xはそれぞれ独立にアミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、又はヒドロキシ基を含む基であり、*は結合部位である。〕
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記原料モノマー(a)が前記脂肪族モノカルボン酸を含み、該脂肪族モノカルボン酸の含有量が、原料モノマー中10モル%以上である、請求項1に記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項3】
前記結晶性ポリエステル(A)の重量平均分子量が、500以上5,000以下である、請求項1又は2に記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項4】
前記変性シリコーンの動粘度が90mm

/s以上である、請求項1~3のいずれかに記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項5】
前記変性シリコーンが、式(1)で表される繰り返し単位及び式(2)で表される繰り返し単位を有する変性シリコーンである、請求項1~4のいずれかに記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項6】
前記Xが、アミノ基を有する基である、請求項1~5のいずれかに記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項7】
前記脂肪族モノカルボン酸及び前記脂肪族モノアルコールの炭素数が16以上である、請求項1~6のいずれかに記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項8】
前記結晶性ポリエステル樹脂(A)の酸価が5mgKOH/g以下であり、酸価と水酸基価の値の和が10mgKOH/g以下である、請求項1~7のいずれかに記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項9】
前記原料モノマー(b)における前記変性シリコーンの仕込み量が前記アルコール成分及び前記カルボン酸成分の合計100質量部に対して1質量部以上20質量部以下である、請求項1~8のいずれかに記載のトナー用結着樹脂組成物。
【請求項10】
前記非晶性ポリエステル樹脂(B)に対する前記結晶性ポリエステル樹脂(A)の質量比(結晶性ポリエステル樹脂(A)/非晶性ポリエステル樹脂(B))が、1/99以上25/75以下である、請求項1~9のいずれかに記載のトナー用結着樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー用結着樹脂組成物、該トナー用結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナー、及び該静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応した静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の開発が求められている。また、近年、トナー印刷における消費電力低減や省資源化のために、印刷に用いられるトナーの付着量の低減が求められている。
しかし、トナーの付着量を低減しようとすると、定着時にトナーが十分に紙面を覆うことができず、画像濃度が低下するため、トナーを低粘度化させ十分に濡れ広がらせる必要がある。トナーの低粘度化には結晶性ポリエステルが用いられるが、結晶性ポリエステルの添加量を増やすことは、トナーの保存性や耐久性の悪化につながるため、低粘度化した結晶性ポリエステルの開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、線形ポリエステル(A)と非線形ポリエステル(B)とで構成されるポリエステル樹脂(I)を含有するトナー用樹脂において、炭素数9~30の脂肪族ポリカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる1種以上を40モル%以上含有するカルボン酸成分とアルコール成分との重縮合ポリエステル樹脂であって、SP値が9.0~10.5(cal/cm


1/2
である結晶性ポリエステル(A1)を、(A)中に5重量%以上含有することを特徴とするトナー用樹脂について記載されている。
また、特許文献2には、結着樹脂及び結晶性ポリエステルを含有するトナー粒子を有するトナーであって、結着樹脂が、シリコーン構造を有するポリエステルを含有することを特徴とするトナーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-63987号公報
特開2021-60582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の低粘度化した結晶性ポリエステルを含むトナー用樹脂を用いたトナーでは、定着時のトナーの濡れ広がりは向上する一方で、該結晶性ポリエステルのSP値が低いことから印刷された画像の表面にブリードアウトし結晶化することで画像が白色化し、結果的に十分な画像濃度が得られないことが判明した。また、特許文献2に記載のトナー用結着樹脂を用いたトナーでは、再結晶化した結晶性ポリエステルが定着画像表面に存在するため、画像が白色化し、結果的に十分な画像濃度が得られないことが判明した。
【0006】
本発明は、低付着量でも画像濃度に優れるトナー用結着樹脂組成物、該トナー用結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナー、及び該静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の〔1〕~〔3〕に関する。
〔1〕 結晶性ポリエステル樹脂(A)と、非晶性ポリエステル樹脂(B)と、を含有するトナー用結着樹脂組成物であって、
前記結晶性ポリエステル樹脂(A)が、脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸と、炭素数10以上22以下の脂肪族モノカルボン酸及び炭素数10以上22以下の脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含む原料モノマー(a)の重縮合物であり、
前記非晶性ポリエステル樹脂(B)が、線形ポリエステル樹脂(B1)及び非線形ポリエステル樹脂(B2)を含み、
前記線形ポリエステル樹脂(B1)及び前記非線形ポリエステル樹脂(B2)の少なくとも一方が、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と、2価以上のカルボン酸を含むカルボン酸成分と、式(1)で表される繰り返し単位及び式(2)で表される繰り返し単位を有する変性シリコーン及び式(2)で表される繰り返し単位及び式(3)で表される構造を有する変性シリコーンから選ばれる少なくとも一種と、を含む原料モノマー(b)の反応物であるシリコーン変性ポリエステル樹脂である、
トナー用結着樹脂組成物。
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〔式(1)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、R’はそれぞれ独立に、炭素数1以上10以下のアルキレン基であり、aは1又は0であり、Xは、それぞれ独立に、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、又はヒドロキシ基を含む基であり、*は結合部位である。〕
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2024025393000002.jpg
23
54
〔式(2)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、*は結合部位である。〕
*-SiR
3-b
(R''-X)

(3)
〔式(3)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、R''はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基であり、bは1以上3以下の整数であり、Xはそれぞれ独立にアミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、又はヒドロキシ基を含む基であり、*は結合部位である。〕
〔2〕 〔1〕に記載のトナー用結着樹脂組成物と、着色剤と、を含有する、静電荷像現像用トナー。
〔3〕 〔1〕に記載のトナー用結着樹脂組成物を溶融混練して溶融混練物を得る工程と、該溶融混練物を粉砕分級してトナー母粒子を得る工程を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低付着量でも画像濃度に優れるトナー用結着樹脂組成物、該トナー用結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナー、及び該静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[トナー用結着樹脂組成物]
本発明の一実施態様に係るトナー用結着樹脂組成物は、結晶性ポリエステル樹脂(A)と、非晶性ポリエステル樹脂(B)と、を含有するトナー用結着樹脂組成物である。前記結晶性ポリエステル樹脂(A)は、脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸と、炭素数10以上22以下の脂肪族モノカルボン酸及び炭素数10以上22以下の脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含む原料モノマー(a)の重縮合物である。そして、前記非晶性ポリエステル樹脂(B)は、線形ポリエステル樹脂(B1)及び非線形ポリエステル樹脂(B2)を含み、前記線形ポリエステル樹脂(B1)及び前記非線形ポリエステル樹脂(B2)の少なくとも一方が、2価以上のアルコールを含むアルコール成分と、2価以上のカルボン酸を含むカルボン酸成分と、特定の変性シリコーンと、を含む原料モノマー(b)の反応物であるシリコーン変性ポリエステル樹脂である。
以上の構成によれば、低付着量でも優れた画像濃度が示されるトナーを与えるトナー用結着樹脂組成物を提供することができる。
【0010】
本発明の効果が得られる理由は定かではないが、次のように考えられる。
本発明のトナー用結着樹脂組成物は、脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸と、炭素数10以上22以下の脂肪族モノカルボン酸及び炭素数10以上22以下の脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含む原料モノマー(a)の重縮合物である結晶性ポリエステル樹脂(A)(以下、「樹脂(A)」ともいう)を含む。前記モノカルボン酸及び/又は前記モノアルコール由来の構造を含むことで樹脂(A)は、非晶性ポリエステル樹脂(B)(以下、「樹脂(B)」ともいう)との相溶性が高く、定着時にトナーを大きく濡れ広がらせるため、トナーによる被覆率を高めることができると考えられる。また、樹脂(A)は結晶化しやすく、定着時に融解した後に画像表面に移行する前に結晶化するため、トナーの定着時の樹脂(A)の画像表面への局在化を抑制することができると考えられる。
また、本発明のトナー用結着樹脂組成物が含有する樹脂(B)は、線形ポリエステル樹脂(B1)(以下、「樹脂(B1)」ともいう)及び非線形ポリエステル樹脂(B2)(以下、「樹脂(B2)」ともいう)を含むことで、低い温度で軟化する。更に、樹脂(B)に含まれる樹脂(B1)及び樹脂(B2)の少なくとも一方は疎水性の変性シリコーン部位を含むため、表面が親水性である紙面との親和性が著しく低い。そのため、加熱により紙面にトナーを定着する際に、変性シリコーン部位を含む樹脂(B1)及び/又は樹脂(B2)は、樹脂(A)よりも画像表面に局在化しやすくなる。以上のことから、樹脂(B)は、トナーの定着時の樹脂(A)の画像表面への局在化をより抑制すると考えられる。
このように、樹脂(A)と、樹脂(B)と、を含有する本発明のトナー用結着樹脂組成物を用いたトナーは、画像表面での樹脂(A)の結晶化による画像の白化が抑制されるため、低付着量でも画像濃度に優れると考えられる。
なお、本発明の効果に関する上記のメカニズムは推定であり、これに限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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