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公開番号2024021922
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-16
出願番号2022125127
出願日2022-08-04
発明の名称渦流ブロワ
出願人株式会社日立産機システム
代理人青稜弁理士法人
主分類F04D 5/00 20060101AFI20240208BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】渦流ブロワにおいて、騒音低減しつつ効率の良い流路となる分離型の隔壁形状を実現する。
【解決手段】円弧状の静止流路12の端部に吸込通路14と吐出通路17が形成された渦流ブロワにおいて、静止流路12と羽根車の間に、ケーシングに対して分離可能な隔壁板50を設けた。隔壁板50は、吐出通路17の少なくとも一部を覆うような大きさにするとともに、隔壁板50の吐出通路17側の端部の外縁形状53bを、ブレード32の開口部側の端面形状と同一輪郭形状にて形成した。さらに、羽根車は、周方向断面形状が半円状であって金属の一体成型によって製造したものを用いるようにした。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸を有する電動機と、
前記回転軸を中心とした環状の溝による静止流路を有するケーシングと、
前記静止流路の両端部において前記回転軸と平行方向に接続される吸込通路と吐出通路と、
前記電動機によって駆動されるものであって、前記静止流路に開口面を対向させるようにして遠心空間を画定する羽根車と、
前記羽根車を覆うケーシングカバーと、を有し、
前記羽根車は、円周方向に所定の間隔毎に設けられるとともに環状に配置された複数のブレードを備え、
前記ケーシングには、前記吸込通路と吐出通路を回転方向に向かって仕切る隔壁が設けられ、
前記隔壁と前記羽根車の間に、前記吐出通路の少なくとも一部を覆うようにした隔壁板を設け、
前記隔壁板の前記吐出通路側の輪郭は、前記ブレードの前記隔壁板に近接する前記ブレードの端面形状と同一の輪郭形状にて形成し、
前記羽根車の回転軸線方向から見て、前記隔壁板と前記吐出通路が周方向の前記吸込通路に近い側の一部だけ重なるように形成したことを特徴とする渦流ブロワ。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記静止流路の周方向断面形状は半円状であって、前記羽根車のケーシングの周方向断面形状は半円状であって、前記静止流路の溝の開口側と、前記羽根車の開口側が対向するように配置され、
前記隔壁板は、前記ケーシングの前記隔壁にねじ止めされることを特徴とする請求項1に記載の渦流ブロワ。
【請求項3】
前記羽根車の回転軸線方向から見て、前記吸込通路と前記隔壁板が重なるような形状とされることを特徴とする請求項2に記載の渦流ブロワ。
【請求項4】
前記隔壁板は、前記回転軸方向から見て、径方向内側から前記吐出通路と重なっている部分と、周方向の前記吸込通路に近い側から前記吐出通路と重なっている部分を有する形状とされることを特徴とする請求項1に記載の渦流ブロワ。
【請求項5】
前記隔壁板は、前記回転軸と前記吐出通路の中心軸線を結んだ仮想面と交差する位置に配置されることを特徴とする請求項4に記載の渦流ブロワ。
【請求項6】
前記隔壁板は、前記回転軸方向から見て、径方向外側の一部を除いて前記吸込通路と重なるように形成されることを特徴とする請求項5に記載の渦流ブロワ。
【請求項7】
前記羽根車は、湾曲部が設けられたシュラウドと、前記湾曲部によって形成される周方向に連続する空間を分割するように形成された複数枚のブレードを有し、
前記シュラウドと前記ブレードが金属の一体構造により形成され、前記ケーシングとは反対側の前記ブレードの縁部は前記シュラウドの内壁面と隙間なく接続されることを特徴とする請求項6に記載の渦流ブロワ。
【請求項8】
前記電動機の回転軸は、前記羽根車の回転中心と同軸上に配置され、
前記隔壁板は、前記回転中心から径方向に離れた位置において、前記吸込通路と前記吐出通路の間で固定されることを特徴とする請求項7に記載の渦流ブロワ。
【請求項9】
電動機と、
回転軸を中心とした円弧状の静止流路が設けられ、前記静止流路の端部に位置する吸込通路と吐出通路が形成されたケーシングと、
前記静止流路に対応させて円周方向に所定の間隔毎に設けられるとともに環状に配置された複数のブレードを備えた羽根車と、
前記回転軸方向に見て、前記ケーシングと前記羽根車の間に設けられ、前記吐出通路の少なくとも一部を覆うようにして前記ケーシングに固定具によって着脱可能に取り付けられる隔壁板と、
前記羽根車を覆うケーシングカバーと、を有し、
前記羽根車は、周方向断面形状が半円状となるシュラウドを有し、前記ブレードは、前記シュラウドの半円状の領域内において前記シュラウドのない壁面と隙間なく一体的に形成されることを特徴とする渦流ブロワ。
【請求項10】
前記ブレードは三次元的に湾曲した形状とされ、
前記隔壁板の前記吐出通路側の端部の外縁形状を、前記ブレードの前記隔壁板側に露出する前記ブレードの端面形状と同一輪郭形状にて形成すると共に、
前記羽根車の回転軸線方向から見て前記吐出通路と前記隔壁板が、周方向の前記吸込通路に近い側一部だけ重なり、径方向に一部だけ重なるように形成したことを特徴とする請求項8に記載の渦流ブロワ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、渦流ブロワに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
渦流ブロワは、単位羽根車の外径当たりの仕事を表す圧力係数が遠心式ブロワに比べ高いことが特徴で、比較的小容量のブロワとして従来から広く使用されている。この渦流ブロワに対する小型軽量化、高圧力化、更に低騒音化等に対する要求の高まりがあり、これに応じるために静止流路上に設けられた吸込通路と吐出通路の間を仕切る隔壁の形状についていろいろな提案がされている。このような渦流ブロワとして、特許文献1や特許文献2が知られている。
【0003】
図12は、特許文献1の渦流ブロワ101の斜視図である。渦流ブロワ101は、台座102に取り付けられる電動機104を有し、電動機104はケーシング110に組み付けられる。ケーシング110は電動機104の回転軸105が回転自在に装着されるディスク部112aと、ディスク部112aの外側に一体に設けられた半円状の断面形状を有する溝である静止流路112を有する。回転軸105には羽根車130がナット106で取り付けられ、羽根車130は電動機104により回転駆動される。羽根車130は、回転軸105から径方向外側に延在するディスク部132と、ディスク部132の径方向外側に設けられたシュラウド131を有して形成され、シュラウド131の周方向と直交断面形状は略半円状に形成される。ケーシング110の外縁部分には円筒部112cが形成され、円筒部112cと嵌合するようにしてケーシングカバー139が取り付けられ、羽根車130はケーシング110とケーシングカバー139により覆われる。渦流ブロワ101は、静止流路112上に設けられた吸込通路114と吐出通路の間を回転方向に向かって仕切る隔壁板150(後述の図13参照)が設けられる。
【0004】
図13は、図12の渦流ブロワ101のケーシング110と隔壁板150を正面から見た図である。ここでは、羽根車130のブレードの位置を重畳して図示している。隔壁板150の回転軸線A1方向から見た外縁形状は、吐出通路117側と吸込通路114と吐出通路117の双方を覆うように十分な大きさを有する。ケーシング110の湾曲部112bは周方向に向けて形成される溝部であり、湾曲部112bの長さは1周にはわずかに足りない長さとされる。、湾曲部112bの周方向の一端側が吸込通路114に連通され、他端側が吐出通路117に連通される。吸込通路114から湾曲部112bに流入した空気は、羽根車130の回転によって点線22ように旋回しながら矢印22aのように周方向の吐出通路117側に流れ、矢印22bのように流れて吐出通路117から吐出される。羽根車のブレード132は、点線22のような空気の回転を促すような湾曲したブレード形状とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-298027号公報
特開2010-7632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の渦流ブロワは、吸込通路114と吐出通路117の双方の通路を回転軸線A1方向前側に投影した範囲を覆うように(交差するように)、隔壁板150を設けており、この隔壁板150を設けることにより吐出通路117側からの空気の逆流を防止している。逆流してしまうと十分に昇圧できず性能が低下するからである。特許文献1では、騒音低減を目的としたケーシングと一体の隔壁形状が記載されており、隔壁の吐出側の張り出しを小さくしている。このため、吐出通路と隔壁との間の空間に空気が滞り効率が低下する虞があった。発明者による検証によると、隔壁を設けたことによって吐出通路と隔壁との間の空間に空気が滞る現象が見られ、効率が低下していることが判明した。
【0007】
本発明の目的は、騒音低減しつつ効率の良い流路となる別体式の隔壁板を有する渦流ブロワを提供することにある。
本発明の他の目的は、羽根車を金属製の一体形成で製造し、羽根車とケーシングとの間に別体式の隔壁板を介在させることにより、高効率で騒音低減を実現した渦流ブロワを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の渦流ブロワは、吸込通路と吐出通路を隔てる隔壁に、別体式の隔壁板を設けるようにした。ケーシングは、回転軸を中心とした環状の溝を有する。羽根車は、環状の溝内に位置するとともに環状の溝を横切って円周方向に区画する複数のブレードと有する。渦流ブロワには、電動機の回転軸を中心とした円弧状の静止流路が設けられ、静止流路の端部に位置する吸込通路と吐出通路が形成されたケーシングと、静止流路に対応させて円周方向に所定の間隔毎に設けられるとともに環状の溝を横切って円周方向に区画する複数のブレードを備えた羽根車を有する。羽根車は電動機によって駆動される。
【0009】
本発明の他の特徴によれば、ケーシングの静止流路の端部には、吐出通路と吸込通路とを回転方向に向かって仕切るように隔壁が形成される。また、ケーシングの隔壁と羽根車の間に、ねじによって着脱可能な隔壁板を設けた。隔壁板の吐出通路側端部の外縁形状は、ブレードの隔壁板に近接する端面形状と同一輪郭形状にて形成すると共に、羽根車の回転軸線方向から見て、吐出通路と隔壁板が周方向の吸込通路に近い側一部だけ重なり、径方向に一部だけ重なるように形成した。
【0010】
本発明のさらに他の特徴によれば、吐出通路の投影範囲は、隔壁板と回転軸方向から見て重なっている部分と、隔壁板と回転軸方向から見て重なっていない部分を有する。吐出側端部は、回転軸と吐出通路を結んだ仮想直線上に位置している。羽根車は、湾曲部が設けられたシュラウドと、湾曲部によって形成される周方向に連続する空間を分割するように形成された複数枚のブレードを有し、シュラウドと、ブレードが金属の一体構造により形成される。さらに、羽根車のブレードとシュラウドの内壁面との間は隙間なく接続されており、ブレードによって分離された隣接する空間の間で空気の流通が阻止された状態にある。電動機の回転軸は、羽根車の回転軸と同軸上に配置される。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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