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公開番号2024018237
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-08
出願番号2022121437
出願日2022-07-29
発明の名称バイオセンサおよびバイオセンサの製造方法
出願人日本電信電話株式会社,学校法人 中央大学
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類C12M 1/34 20060101AFI20240201BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】脂質二分子膜内の分子を流れるイオンの高感度検出が可能であり、脂質二分子膜を任意の位置にパターニングおよび集積化することができるバイオセンサを提供する。
【解決手段】固体基板、前記固体基板上に設けられたグラフェン膜、前記グラフェン膜上に設けられたリンカー分子、前記リンカー分子に結合した親水性ポリマー、および、前記親水性ポリマーに結合した脂質二重膜分子、を備えたバイオセンサおよびその製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
固体基板、
前記固体基板上に設けられたグラフェン膜、
前記グラフェン膜上に設けられたリンカー分子、
前記リンカー分子に結合した親水性ポリマー、および、
前記親水性ポリマーに結合した脂質二分子膜、
を備えたバイオセンサ。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記リンカー分子はピレン骨格を有する分子である、請求項1に記載のバイオセンサ。
【請求項3】
前記親水性ポリマーはポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、タンパク質またはタンパク質由来のポリペプチドである、請求項1または2に記載のバイオセンサ。
【請求項4】
固体基板上にグラフェン膜を設けるグラフェン形成工程、
前記グラフェン膜上にリンカー分子を設けるリンカー形成工程、
前記リンカー分子に親水性ポリマーを結合させる親水性ポリマー形成工程、および
前記親水性ポリマーに脂質二分子膜を結合させる脂質二分子膜形成工程、
を備えたバイオセンサの製造方法。
【請求項5】
前記グラフェン形成工程についで、
前記グラフェン層上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程、
前記レジスト層にパターンを形成するパターン形成工程、および、
前記親水性ポリマー形成工程についで、
前記レジスト層を除去するレジスト層除去工程、
を備えた、請求項4に記載のバイオセンサの製造方法。
【請求項6】
前記パターン形成工程は、リソグラフィ法により行う、請求項5に記載のバイオセンサの製造方法。
【請求項7】
前記脂質二分子膜形成工程は、電解形成法により行う、請求項4または5に記載のバイオセンサの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生体膜中における分子の挙動を調べるバイオセンサおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
微小なマイクロチップの表面で、人工生体膜中における膜タンパク質の動作を調べるセンサデバイスや、膜タンパク質の機能を利用するためのバイオデバイスの研究が精力的に行われている。
【0003】
このようなマイクロデバイスとしては、例えば、非特許文献1には、マイクロチップの固体表面に、膜タンパク質の機能を維持するために必要である生体膜を模した流動性のある人工脂質二分子膜を形成したものが開示されている。
【0004】
一方、二次元層状物質のグラフェンは、機能性炭素材料として電子デバイス分野などで注目されている。グラフェンの特徴として、物理的に大変強固であり、熱伝導度、電子移動度が極めて高い材料であること、また、化学的にも熱的な安定性が非常に高いこと等が知られている。これらの特徴から、グラフェンは、次世代の電子材料として、電極、化学センサ、バイオセンサを初めとする、様々なデバイスの技術分野への応用が期待されている。
【0005】
グラフェンの製造方法として、例えば特許文献1は、固体基板の一方または両方の主面に、芳香族低分子からなる接着層を形成する接着層形成工程と、金属基板に成長させたグラフェン膜を、前記接着層上に転写するグラフェン膜転写工程と、を有するグラフェン膜の保持方法を開示している。この技術は、製造過程における損傷の少ない状態で、効率的かつ容易にグラフェンを保持することを可能とする、グラフェン膜の保持方法を提供し、また、製造過程における損傷の少ない状態のグラフェン膜を備えた、構造体を提供しようとするものである。
また、例えば、非特許文献2~4では、酸化グラフェンを親水化処理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-5601号公報
【非特許文献】
【0007】
Groves et al., Acc. Chem. Res. 2002, 35, 149-157.
Huang et al., Adv. Funct. Mater. 2015, 25, 5809-5815.
Wang et al., Polymer 205 (2020), 122851.
Mao et al., RSC Adv., 2016, 6, 111632-111639.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、グラフェンと脂質二分子膜の性質に着目した。すなわち、二次元層状物質のグラフェンは電気特性に優れ、バイオセンサの電極として幅広い応用が見込まれる。このグラフェン上に脂質二分子膜を形成し膜タンパク質を導入すると、膜タンパク質を流れるイオンの高感度検出が可能となり、定量評価が期待できる。また脂質二分子膜を任意の位置にパターニング・集積化することができれば多チャンネル同時測定系の構築が可能となることが期待される。
【0009】
しかしながら、グラフェンの表面は疎水性であるため、親水表面で二重膜構造を形成し流動性を維持する脂質膜を配置することが困難であった。例えば、非特許文献2-4に示されているように、酸化グラフェンでは親水化処理の報告例があるが、単層グラフェンでは表面への化学修飾というwetな化学反応プロセス(種々の薬品や溶媒への暴露、洗浄または乾燥など)に耐えるようにグラフェンを固体基板に担持しておく技術が欠けていた。またグラフェンは疎水性の膜であるため、親水性ポリマーの修飾に用いる水を含んだ環境では、このようなダメージが特に大きく固体基板からはがれやすい。酸化グラフェンは官能基があるため水溶液中に安定に分散するが、グラフェン膜はそのような官能基をもたないため、溶液分散法を使用することができない。
【0010】
上記事情に鑑み、本発明は、脂質二分子膜内の分子を流れるイオンの高感度検出が可能であり、脂質二分子膜を任意の位置にパターニングおよび集積化することができるバイオセンサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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