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公開番号2024017029
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-08
出願番号2022119390
出願日2022-07-27
発明の名称フィルム容器
出願人花王株式会社
代理人個人
主分類B65D 65/40 20060101AFI20240201BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】積層フィルムの紙層と樹脂フィルム層とを剥がれ残りなく剥離して分離し易いフィルム容器を提供する。
【解決手段】積層フィルムで構成された、前面、後面、底面を有するフィルム容器で、積層フィルムは、紙層と、紙層よりも内面側の樹脂フィルム層と、紙層と樹脂フィルム層との間の易分離層とを含む複数の層が積層および接合されており、少なくとも前面の樹脂フィルム層と後面の樹脂フィルム層との対向する側縁部が接合され、フィルム容器の周縁部に樹脂フィルム層が接合されたシール部が形成され、積層フィルムが収容物を収容する収容領域を包囲するように製袋され、フィルム容器の周縁部には、収容領域とシール部との境界よりも外側に、積層フィルムの紙層と樹脂フィルム層が非接合で外側に向かって延出された剥離開始部が備わり、易分離層の紙層と樹脂フィルム層との剥離強度が、シール部の樹脂フィルム層どうしの剥離強度よりも小さいフィルム容器。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
積層フィルムにより構成された、前面、後面、および底面を有するフィルム容器であって、
前記積層フィルムは、紙材により構成された紙層と、樹脂材により構成された、前記紙層よりも内面側に配置されてシーラント層となっている樹脂フィルム層と、前記紙層と前記樹脂フィルム層との間に配置されている易分離層と、を含む複数の層が積層および接合されており、
少なくとも前記前面を構成する前記積層フィルムの前記樹脂フィルム層と前記後面を構成する前記積層フィルムの前記樹脂フィルム層との対向する側縁部どうしが接合されて、前記フィルム容器の周縁部に前記積層フィルムの前記樹脂フィルム層どうしが接合されたシール部が形成され、前記積層フィルムが収容物を収容する収容領域を包囲するように製袋されており、
さらに、前記フィルム容器の前記周縁部には、前記収容領域と前記シール部との境界よりも外側に、前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層が非接合で外側に向かって延出して形成された、前記積層フィルムの前記紙層を前記樹脂フィルム層から剥離する起点となる剥離開始部が備わり、
前記積層フィルムの、前記易分離層における前記紙層と前記樹脂フィルム層との剥離強度は、前記シール部における前記樹脂フィルム層どうしの剥離強度よりも小さく、前記紙層と前記樹脂フィルム層とを前記剥離開始部から剥離させたときに前記易分離層において前記紙層を実質的な剥がれ残りがなく前記樹脂フィルム層から剥離可能である、
フィルム容器。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記剥離開始部の外縁が、前記フィルム容器において前記剥離開始部に隣接する周囲領域の外縁に対して滑らかに連続するように形成されている、請求項1に記載のフィルム容器。
【請求項3】
前記フィルム容器の前記周縁部において、前記シール部が角形状に形成されている角部を1以上有し、
前記剥離開始部が、前記角部を含む角領域および前記角領域から外側に向かって延出して形成されている延出領域を有する、請求項2に記載のフィルム容器。
【請求項4】
前記易分離層が、樹脂材により構成された支持層および凝集剥離層を含む複数の樹脂層が積層されて構成されたイージーピール樹脂層であり、且つ、前記凝集剥離層が前記易分離層において最も内面側に配置されて前記樹脂フィルム層と接合されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のフィルム容器。
【請求項5】
前記樹脂フィルム層がインクを実質的に含まない構成である、請求項1~4のいずれか1項に記載のフィルム容器。
【請求項6】
前記樹脂フィルム層がポリオレフィン系樹脂を90質量%以上含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルム容器。
【請求項7】
前記剥離開始部が、
前記前面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、前記後面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、がいずれも非接合で重なっているか、
前記前面または前記後面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、前記底面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、がいずれも非接合で重なっているか、あるいは、
前記フィルム容器が天面をさらに有し、前記前面または前記後面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、前記天面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、がいずれも非接合で重なっている、請求項1~6のいずれか1項に記載のフィルム容器。
【請求項8】
前記剥離開始部が、
前記前面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、前記後面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、がいずれも重なっているか、
前記前面または前記後面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、前記底面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、がいずれも重なっているか、あるいは、
前記フィルム容器が天面をさらに有し、前記前面または前記後面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、前記天面を構成する前記積層フィルムの前記紙層および前記樹脂フィルム層と、がいずれも重なっており、
前記剥離開始部における前記樹脂フィルム層どうしは接合されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のフィルム容器。
【請求項9】
前記剥離開始部が、前記積層フィルムの前記紙層と前記樹脂フィルム層とが非接合である領域の一部に、少なくとも前記紙層が谷折りまたは山折りで折られて形成されている折れ線部、あるいは少なくとも前記紙層を谷折りまたは山折りするための目印線となる折り線を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のフィルム容器。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のフィルム容器と、前記フィルム容器の前記収容領域に収容された収容物と、を備える、容器詰め品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム容器に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
スタンディングパウチなどのフィルム容器は、通常、樹脂フィルム層を含む複数のフィルム層が積層された積層フィルムにより構成されている。そして、この積層フィルムは、一般に、印刷層が表側の基材層(例えばこの基材層の内面側)に設けられ、接着層などによってこの基材層と整袋のために必要なシーラント層とが接合されている。しかし、この基材層とシーラント層とは分離困難な接合がされている場合がほとんどであるため、基材層に設けられた印刷層のインク材とシーラント層の樹脂材とを分離することが難しい。また、この基材層とシーラント層とは、フィルム容器としての必要性能(バリア性、印刷適正、強度など)から構成材料が大きく異なったり非相溶な樹脂材どうしにより構成されていたりすることも多いため、このような積層フィルムにより構成されたフィルム容器はマテリアルリサイクルには適さないと考えられていた。
【0003】
上記のような状況を鑑みて、マテリアルリサイクルの適正を高めたフィルム容器の開発が進められている。例えば特許文献1には、互いに向かい合って位置する、少なくとも2つの前面壁を有する、バッグフィルムから成るバッグ本体を備えるフィルムバッグであって、印刷された材料部片が、この材料部片の周囲に延在する縁部の一部において、永続的な固定継ぎ目によって、前面壁の内の1つの前面壁に固定されており、且つ、固定継ぎ目に対して隣接して、材料弱め部の様式における破断線を有している様式の上記フィルムバッグにおいて、固定継ぎ目が、周囲に延在する縁部の40%と98%との間の割合分にわたって延在するフィルムバッグが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-011777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のフィルムバッグでは、破断線によって印刷された材料部片を分離するため、縁部(容器端部)のシール部では印刷を含む材料部片が残存してしまう。よって、樹脂材により構成されたフィルムバッグ本体のリサイクル工程にこの印刷を含む材料部片が一定量混入し、その再生樹脂へのマテリアルリサイクルを阻害する恐れがある。特に、印刷された材料部片が紙材により構成されたものであると、印刷を施すという観点などからは紙材は好ましい材料ではあるが、上記した残存によりフィルムバッグ本体のマテリアルリサイクルを阻害する恐れがより大きくなる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、容器を構成している積層フィルムの紙層と樹脂フィルム層とを実質的な剥がれ残りなく剥離させて分離し易いフィルム容器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、積層フィルムにより構成された、前面、後面、および底面を有するフィルム容器であって、積層フィルムは、紙材により構成された紙層と、樹脂材により構成された、紙層よりも内面側に配置されてシーラント層となっている樹脂フィルム層と、紙層と樹脂フィルム層との間に配置されている易分離層と、を含む複数の層が積層および接合されており、少なくとも前面を構成する積層フィルムの樹脂フィルム層と後面を構成する積層フィルムの樹脂フィルム層との対向する側縁部どうしが接合されて、フィルム容器の周縁部に積層フィルムの樹脂フィルム層どうしが接合されたシール部が形成され、積層フィルムが収容物を収容する収容領域を包囲するように製袋されており、さらに、フィルム容器の周縁部には、収容領域とシール部との境界よりも外側に、積層フィルムの紙層および樹脂フィルム層が非接合で外側に向かって延出して形成された、積層フィルムの紙層を樹脂フィルム層から剥離する起点となる剥離開始部が備わり、積層フィルムの、易分離層における紙層と樹脂フィルム層との剥離強度は、シール部における樹脂フィルム層どうしの剥離強度よりも小さく、紙層と樹脂フィルム層とを剥離開始部から剥離させたときに易分離層において紙層を実質的な剥がれ残りがなく樹脂フィルム層から剥離可能であるフィルム容器に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、容器を構成している積層フィルムの紙層と樹脂フィルム層とを実質的な剥がれ残りなく剥離させて分離し易いフィルム容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施形態に係るフィルム容器の正面図である。
本発明の実施形態に係るフィルム容器の斜視図である。
本発明の実施形態に係るフィルム容器における剥離開始部の拡大図である。
本発明の実施形態に係るフィルム容器を構成している積層フィルムの断面図である。
本発明の実施形態に係るフィルム容器を構成している積層フィルムの変形例の断面図である。
本発明の別の実施形態に係るフィルム容器の正面図である。
本発明の別の実施形態に係るフィルム容器における剥離開始部の拡大図である。
本発明の別の実施形態に係るフィルム容器の裏面図である。
本発明のさらに別の実施形態に係るフィルム容器における剥離開始部の拡大図である。
本発明の実施形態に係るフィルム容器における剥離開始部の変形例の拡大断面図である。
本発明の実施形態に係るフィルム容器における剥離開始部のさらなる変形例の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。また、一部の図面については、便宜上、符号を付していない(省略している)箇所がある。さらに、図面に示された各部材の寸法比率は、発明の理解を容易にするために、実際の寸法比率とは異なる場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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