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公開番号2024016389
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-07
出願番号2022118459
出願日2022-07-26
発明の名称樹脂組成物およびそれよりなるフィルム
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20240131BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 高度なガスバリア性を有しつつ、透明性と酸素吸収速度に優れた成形品を与える樹脂組成物を提供する。また、当該樹脂組成物を多層フィルムのガスバリア層に用いたフィルムを提供する。
【解決手段】 酸素吸収性樹脂(A)60~95重量部、および下記特性(a)~(d)を満足するエチレン系重合体(B)5~40重量部(酸素吸収性樹脂(A)およびエチレン系重合体(B)の合計は100質量部)を含む樹脂組成物。
(a)密度が930~960kg/m3
(b)MFRが0.1~15g/10分
(c)GPCによる分子量測定において2つのピークを示し、Mw/Mnが3.0~7.0。
(d)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に炭素数6以上の長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸素吸収性樹脂(A)60~95重量部、および下記特性(a)~(d)を満足するエチレン系重合体(B)5~40重量部(酸素吸収性樹脂(A)およびエチレン系重合体(B)の合計は100質量部)を含む樹脂組成物。
(a)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が930~960kg/m

である。
(b)JIS K 6922-1に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレート(以下、MFRという)が0.1~15g/10分である。
(c)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCという)による分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0~7.0の範囲である。
(d)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に炭素数6以上の長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記酸素吸収性樹脂(A)がエチレン-ビニルアルコール共重合体および酸化性有機成分を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記エチレン-ビニルアルコール共重合体がエチレン含有率20~40モル%およびケン化度90%以上のエチレンービニルアルコール共重合体を含む、請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記酸素吸収性樹脂(A)が遷移金属触媒を含む請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記エチレン系重合体(B)のMw/Mnが3.0~6.0の範囲であり、Mnが15,000以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の樹脂組成物からなるフィルム。
【請求項7】
請求項6に記載のフィルムをガスバリア層に有する多層フィルム。
【請求項8】
前記ガスバリア層の酸素透過度が1.0cc/(m

・日・atm)以下であり、光線透過率は80パーセント以上である、請求項7に記載の多層フィルム。
【請求項9】
酸素吸収速度が1.0ppm/日以上である、請求項7記載の多層フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物およびそれよりなるフィルムに関する。さらに詳しくは、輸液や食品包装に用いられる医療用フィルムないし部材および食品用フィルムないし部材に好適な樹脂組成物及びそれよりなるフィルムに関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
薬液、血液等を包装する医療用フィルムおよび、食材を包装する食品用フィルムには、内容液ないし内容物の存在および異物の有無を目視確認するための透明性、また内用液ないし内容物を適切に包装し保管するための力学物性、さらに内容液ないし内容物中の有効成分の劣化防止のためのガスバリア性などが要求される。
【0003】
従来、良好な機械物性および高度のガスバリア性の性能を満たすために、エチレンービニルアルコール共重合体またはポリアミドからなるガスバリア層と、耐湿性、機械的特性にすぐれたポリオレフィン系樹脂の層との積層体が医療用フィルムないし食品用フィルムとして使用されている。しかしながら、積層体であるフィルムの積層数が多くなると当該積層数に対応可能な成形機の導入や選定等の制限および煩雑さが生じる点ないし成形機の導入のためのコストの点で課題がある。そこで、エチレン-ビニルアルコール共重合体のガスバリア性をポリオレフィン系樹脂の成形性、延伸性等の特性を活かすべく、エチレン-ビニルアルコール共重合体とポリオレフィン樹脂との樹脂組成物の検討がなされてきた(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0004】
また近年では、内容物ないし内容液の包装時点ですでに包装体内部に存在する酸素を吸収させて除去するために、エチレン-ビニルアルコール共重合体とポリオレフィン樹脂の樹脂組成物に酸素吸収性を付与した樹脂組成物の検討が進められている(例えば、特許文献3、4参照)。
【0005】
しかしながら、エチレン-ビニルアルコール共重合体とポリオレフィン樹脂との樹脂組成物を積層させたフィルムは、良好な機械物性および高度なガスバリア性を有するものの、異物の有無を目視確認するための透明性が低下するという問題が生じていた。また、エチレン-ビニルアルコール共重合体とポリオレフィン樹脂からなる酸素吸収性の樹脂組成物をガスバリア層として用いる場合、酸素透過度が低いため、酸素を吸収する速度が遅くなるという課題が存在する。以上のことから、エチレン-ビニルアルコール共重合体とポリオレフィン系樹脂からなる酸素吸収性樹脂の透明性と酸素吸収速度に課題を残すものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平5-255554号公報
特開2020-176232号公報
特許第5483256号公報
特開2006-028491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、高度なガスバリア性を有しつつ、透明性と酸素吸収速度に優れた成形品を与える樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
また、当該樹脂組成物からなるフィルム、および、当該樹脂組成物を多層フィルムのガスバリア層に用いたフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は鋭意検討を行なった結果、酸素吸収性を有するエチレン-ビニルアルコール共重合体などの酸素吸収性樹脂に特定の物性を有するポリエチレン系樹脂を特定量配合した樹脂組成物を用いることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明の各態様は、以下に示す[1]~[8]である。
[1] 酸素吸収性樹脂(A)60~95重量部、および下記特性(a)~(d)を満足するエチレン系重合体(B)5~40重量部(酸素吸収性樹脂(A)およびエチレン系重合体(B)の合計は100質量部)を含む樹脂組成物。
(a)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が930~960kg/m

である。
(b)JIS K 6922-1に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレート(以下、MFRという)が0.1~15g/10分である。
(c)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCという)による分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0~7.0の範囲である。
(d)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に炭素数6以上の長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
[2] 前記酸素吸収性樹脂(A)がエチレン-ビニルアルコール共重合体および酸化性有機成分を含む、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記エチレン-ビニルアルコール共重合体がエチレン含有率20~40モル%およびケン化度90%以上のエチレンービニルアルコール共重合体を含む、上記[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記酸素吸収性樹脂(A)が遷移金属触媒を含む上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 前記エチレン系重合体(B)のMw/Mnが3.0~6.0の範囲であり、Mnが15,000以上である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 上記[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物からなるフィルム。
[7] 上記[6]に記載のフィルムをガスバリア層に有する多層フィルム。
[8] 前記ガスバリア層の酸素透過度が1.0cc/(m

・日・atm)以下であり、光線透過率は80パーセント以上である、上記[7]に記載の多層フィルム。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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